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「みんなの戦争証言アーカイブス」に注目しよう

 今晩(2015年1月7日)配信した「メルマガ金原No.1963」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
「みんなの戦争証言アーカイブス」に注目しよう

 日本がポツダム宣言を受諾し、連合国に降伏してから今年で70年の節目の年を迎え、新たな「安倍談話」に意欲を見せる首相(1月5日記者会見)に、早速、米国政府が釘を刺したという報道に接したりすると、いずれ「山村談話」と、予想される「安倍談話」の徹底比較(?)を書いてみようかなどと、構想だけはわいてくるのですが、能力不足と時間不足のため、結局構想倒れに終わりそうだなあ。
 
 ただし、敗戦から70年ということは、「体験」としての戦争を語れる人がいよいよ少なくなっているということでもあります。
 これまでも、様々な歴史資料や戦争体験が語られた映像等のアーカイブを公開するという試みはいくつもなされてきました。
 ほんの一部ですが、例えば以下のようなサイトがあります。
 
 
 今日は、昨年(2014年)の12月18日からインターネットサイトでの公開が始まった新たなアーカイブシリーズ「みんなの戦争証言アーカイブス」をご紹介しようと思います。
 
「みんなの戦争証言アーカイブス」
 
 昨年、クラウドファンディングサイト「シューティングスター」において250万円を目標に募金が行われ、無事目標に到達したプロジェクトであり、元NHKの堀潤さんも中心になって協力しています。
 
 
 このプロジェクトの目的を、公式サイトから引用します。
 
みんなの戦争証言アーカイブスとは
(引用開始)
太平洋戦争終結から70年。
私たちの国は長いあいだ戦争をしていない。

永らく平和が続いている日本。
「戦争」を知っている人々は、もはや70歳以上になってしまった。
 
いつのまにか戦争が始まり、
いつのまにか敵を倒したニュースに高揚し、
いつのまにか戦争はすぐ間近までやってきて、
いつのまにかわたしたちの住む街を焼き尽くした。
 
教科書には書いていない、哀しみ、苦しみ、小さな喜び、沢山の思い出…。
先人たちの戦争経験とその記憶は、とても貴重な遺産だ。
しかし残念ながら、この国の「戦争」を語る事のできる方々は年を追うごとに少なくなっていくばかり。
今こそ戦争から学んだすべてのことを伺っておくべきである。
そして、日本の未来を創る若者たちに、
自分の国がどんな歴史の上に成り立っているのか、先人たちは何を感じ、どのように考えていたのか?
この国の戦争の真実をできるだけ沢山の方々から聞き取り、その声をいつでも誰でも聴くことができる環
境を作る。
それが「みんなの戦争証言アーカイブス」である。
 
誰もがフリーで使える証言記録映像を!
このプロジェクトの運営スタッフは、テレビ業界の第一線で取材や制作をし続けている。しかし、太平洋戦争のような歴史的事件においては、テレビなどのメディアだけに頼ることなく、証言素材を公開することが大事であると考える。
 
①戦争証言のアーカイブスは、各テレビ局の映像記録などで残されているが、そうした映像を第三者が使用するには、著作権の問題や高額な映像使用料の負担が生じる。今回のプロジェクトのコンセプトは、開かれた戦争証言アーカイブス。取材に応じてくださった方々に承諾を得て、おさめられた映像資料は著作権フリーで皆さんに提供するものである。本来であれば映像使用料がかかるコンテンツを地域での学習会などにお役立ていただくため無償で提供したいというものである。
②テレビ番組の場合、放送時間や番組テーマに合わせ編集せざるを得ない。興味深くみていただくために編集することは必要だが、証言のどの言葉に心を動かされるかは人それぞれである。そこで、証言を極力
“ノーカット”で見ていただくことで、どう受け取るかは、見る側に委ねるというものである。
(引用終わり)
 
 本日(1月7日)現在、以下の4人の方々の証言がアップされています。
 
 
 

 いずれ私も時間を見つけてじっくり視聴したいと思っています。
 なお、「みんなの戦争証言アーカイブス」プロジェクトに関わっておられるメンバーは以下の方々です。
 
団体説明 プロジェクトメンバー紹介
 小島 美佳さん Mika Kojima(株式会社ジーワン)
 堀 潤さん Jun Hori(NPO法人「8bitNews」)
 安彦 和弘さん Kazuhiro Abiko(NPO法人「映像支援プロジェクトチームテレビくん」)
 野村 竜一さん Ryuichi Nomura(学習塾ロジム)
 瀬戸 宏一さん Seto Hirokazu(エンターテイメント集団「the dusty walls」)
 
 上にご紹介した「About」で説明されているとおり、「証言のどの言葉に心を動かされるかは人それぞれ」に違いありません。
 視聴する1人1人が、これらの証言のどの部分かでも「我がこと」として聞くことが出来たなら、それは得がたい自らの体験となるに違いありません。
 その意味でも、この意義深いプロジェクトのスタートを多くの人に知っていただき、是非「活用」して行ければと思います。
 
(付記)
 なお、実際問題として、「戦争証言」としてアーカイブ化できる証言の多くが、兵士としての体験を含めて、広義の「被害体験」に偏ることはある程度やむを得ないことでしょう。そうであればこそ、貴重な「加害体験」をしっかりと受け止める努力が誰にとっても必要であることは言うまでもありません。
 私のメルマガ(ブログ)で取り上げた以下の記事なども参考にしていただければと思います。
2013年8月24日