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植木千可子氏が語る東アジアにおける日米中関係~「自衛隊を活かす会」シンポ④補遺その2

 今晩(2015年1月15日)配信した「メルマガ金原No.1971」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
植木千可子氏が語る東アジアにおける日米中関係~「自衛隊を活かす会」シンポ④補遺その2

 昨日に引き続き、
「『自衛隊を活かす会』シンポジウムから学ぶ(4)『新たな米中関係と日本の安全保障』~今回はまず予告編」についての補遺その2をお送りします。
 今日は、12月23日に開催された自衛隊を活かす会・第4回シンポジウムで、小原凡司氏とともにメインプレゼンテーターを務められた植木千可子氏(早稲田大学国際学術院教授)による講演の動画をご紹介します。
 
 これは約5年前の収録ですが、昨日ご紹介した小原凡司氏と同じように、日本記者クラブの研究会(テーマ「日米中」)の講師として招かれた際の動画です。
 
研究会「日米中」⑤ 植木(川勝)千可子早稲田大教授 2009.12.18

※この講演については、会見詳録は作成されていないようです。
 
 思えば、この講演が行われた2009年12月といえば、民主党衆議院議員総選挙(第45回)で勝利して鳩山由紀夫内閣が誕生し、沖縄県普天間基地の県外・国外移設を目指していた(少なくとも首相
は)時期だったのですね。
 今振り返れば、5年前の「日本人の選択」は一体何だったのか?とうたた隔世の感があります、という
ほど年月は経っていないはずなのですが。
 あれから5年、政権は再び自民党の手に戻り、その自民党自体、以前からその兆候はあったとはいえ、3年間の野党時代に決定的な変質を遂げ(今は昔の彼ならず)、保阪正康さんが「私たちの国は、世界で
唯一、歴史修正主義が権力を持ってるんですね」評さざるを得ないところまで来てしまっています。
 そして、名護市長選挙、名護市議会議員選挙、沖縄県知事選挙、第47回衆議院議院総選挙において、辺野古に基地は作らせないという「民意」を示し続けた沖縄では、工事を強行する国に対し、住民による
捨て身の抵抗が続くという異常な事態が常態化しています。
 この間の経過を振り返れば、鳩山由紀夫元総理の責任はまことに重く、引退などしている場合ではないでしょう・・・というようなことはさておき。
 
 植木(川勝)千可子教授が所属する早稲田大学大学院で開講している「東アジアの国際関係と安全保障」についての「講義紹介」の動画(約10分間)が同大学WEBサイトで公開されています。
 これは「講義紹介」ではあるのですが、植木氏が研究テーマに向かい合う基本的スタンスが誰にで分かりやすく説明されており、この分析枠組みをのみこんでおけば、より踏み込んだ分析を聴講する際にも有益だろうと思います。
 
 
 最後に、早稲田大学サイトに掲載されている教員紹介の一部を引用します。
 
(抜粋引用開始)
植木(川勝)千可子(UEKI Chikako Kawakatsu)
■資格:教授
■学位:博士(政治学)Massachusetts Institute of Technology
■経歴・略歴:
 朝日新聞 記者(1983-1991)
 北京大学 客員研究員(1998)
 防衛省防衛研究所 主任研究官(2000-2007)
 早稲田大学大学院アジア太平洋研究科 准教授 教授(2007-現在)
 マサチューセッツ工科大学(MIT)国際研究センター 安全保障プログラム 客員研究員(2012-現在)
■専門分野:
 政治学、国際関係論、安全保障論
 東アジアの国際関係と安全保障、日米中関係
■研究テーマ:
 戦争の原因と予防に関する研究、脅威認識の形成要因と過程に関する研究、ナショナリズムと戦争
■主な研究業績・受賞:略
■主要学会 社会貢献活動:略
■担当プロジェクト研究(ゼミ):
 MA: 東アジアの国際関係と安全保障
 PhD:アジア太平洋の国際関係と安全保障(研究指導)
■研究テーマ/プロジェクト研究詳細・育てようとする人材像:
 アジア太平洋地域の安定は、21世紀の世界にとって重要な課題です。このプロジェクトでは、国際関係
の理論を使って対立の原因を特定し、安定に向けた処方箋を書くことを目指しています。各国大使館や軍の関係者、海外の研究者との意見交換なども実施しています。現実の世界の問題に強い関心を持ち、理論を使ってその解決策を見出したいと考えている学生を歓迎します。地域で何が起こっているかを知り、分
析する能力を持つ人材の養成を目指します。
 このプロジェクトの学生は、世界約20カ国の出身で、卒業後は、外交、防衛、マスコミ、NGOなど各分野
で活躍しています。
 戦争は悲惨ですが、人間が起こすことなので防ぐことは可能です。その方法を模索することが、このプ
ロジェクトの目標です。
(引用終わり)
 
(参考書籍)

※2010年10月に出たこの対談集で、私は初めて柳澤協二さんという元防衛官僚の存在を知りました。柳澤さんの対談相手となった6人の内の1人が植木(川勝)千可子さんで、対談のテーマは「『リベラル抑止』という考え方」(81~119頁)というものでした。