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伊藤真弁護士講演録(憲法と集団的自衛権を考える) 和歌山弁護士会ホームページで公開(付・予告4/7「日本はどこに向かうのか(全国キャラバン東京集会)」)

 今晩(2015年3月20日)配信した「メルマガ金原No.2035」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
伊藤真弁護士講演録(憲法集団的自衛権を考える) 和歌山弁護士会ホームページで公開(付・予告4/7「日本はどこに向かうのか(全国キャラバン東京集会)」)

 日本弁護士連合会の主催、全国8ブロックの弁護士会連合会の共催により、昨年12月20日から今年の4月まで、「2014年7月1日の集団的自衛権の行使容認に関する閣議決定を根拠とする関連法案の改正を行わないことを求める市民の声を広げ、反対の意思を改めて政府等に示していくことを目的として」、「集団的自衛権行使容認に反対する全国一斉行動 ~日弁連キャラバン月間~」が実施されています。
 既に各地の弁護士会で様々な取組が行われており、和歌山弁護士会でも、去る2月16日(月)、多くの市民にご参加いただき、「集団的自衛権行使容認に反対するアピールパレード」を実施したことは、このメルマガ(ブログ)でご紹介したとおりです(「集団的自衛権行使容認に反対するアピールパレード」を実施しました(2/16和歌山弁護士会)/2015年2月16日)。
 これまでの全国での取組状況は「全国キャラバンの各地の取組みについて」をご覧ください。

 日弁連がこの「全国キャラバン」を企画したのは、その趣旨説明にあるとおり、5月連休明けに国会に一括上程されると言われている「安全保障法制(戦争法制)法案」の成立を阻止するための世論喚起を図ることにあるのは言うまでもありません。
 そして、全国各地での取組の集大成として、4月7日(火)、東京の弁護士会館において、「全国キャラバン東京集会」が開催されます。
 以下に、その概要をお知らせします。
 
日時 2015年4月7日(火)18時~20時
場所 弁護士会館2階 講堂「クレオ
  (千代田区霞が関1-1-3 地下鉄「霞ヶ関駅」B1-b出入口直結)
参加費等 参加費無料(事前申込み不要)
内容(予定)
○特別講演
 石川健治さん(東京大学法学部教授・立憲デモクラシーの会呼びかけ人)
憲法問題対策本部からの報告
○全国キャラバンの報告と今後の行動計画
○リレートーク
那須弘平さん (弁護士/元最高裁判所判事) 
川崎哲さん (集団的自衛権問題研究会代表/国際交流NGOピースボート共同代表)
横湯園子さん(元中央大学教授)
主催 日本弁護士連合会
共催 東京弁護士会第一東京弁護士会第二東京弁護士会、関東弁護士会連合会
問い合わせ先 日本弁護士連合会 人権部人権第二課
 TEL:03-3580-9941
 FAX:03-3580-2896
チラシ
 
 
 これまで、「立憲デモクラシーの会」の呼びかけ人としては、中野晃一さん(上智大学教授・政治学)や青井未帆さん(学習院大学教授・憲法学)が様々な場で積極的に発言されてきましたが、石川健治さん(東京大学教授・憲法学)については、ラジオに出演された際の音声がYouTubeにアップされたりしていたものの(使用許諾を得ているかどうかは?)、まとまった講演の動画は拝見した記憶がなく、4月7日のクレオでの講演には期待しています(私はクレオテレビ会議システムで継いだ和歌山弁護士会館会議室で視聴する予定です)。
 
 さて、今日は、上記の全国キャラバン東京集会の他に、もう一つ、集団的自衛権行使容認に反対する和歌山弁護士会の取組をご紹介します。
 それは、和歌山弁護士会が、昨年9月16日(火)、和歌山県民文化会館小ホールを会場として開催した市民集会「集団的自衛権って何ですか?~憲法集団的自衛権を考える~」の報告集を発行するとともに、その全部をPDFファイル化し、今日から和歌山弁護士会のホームページに掲載したというお知らせです。
 以下に報告集の目次を引用します。
 
市民集会
集団的自衛権って何ですか?~憲法と集団的自衛権を考える~
報 告 集

2014年9月16日(火)午後6時00分~
和歌山県民文化会館小ホール
主催/和歌山弁護士会 共催/日本弁護士会連合会

目 次
発刊にあたって  和歌山弁護士会 会長  小野原 聡 史
第1部 講演「集団的自衛権とは何か~その現状と問題点~」
[講師] 伊藤 真 氏
     伊藤塾塾長
    弁護士
    日本弁護士連合会憲法問題対策本部副本部長
第2部 「先生、集団的自衛権について質問です!」
[出演]
 先生 伊藤 真 氏
 生徒 和歌山弁護士会憲法委員会
     河合佑香副委員長
     小泉真一副委員長
     浅野美穂委員
     北野栄作委員  
資料集
 資料① 伊藤 真 氏 講演用資料(パワーポイント)
 資料② 市民集会チラシ
 資料③ 和歌山弁護士会集団的自衛権の行使容認に反対する会長声明」
 資料④ 和歌山弁護士会集団的自衛権の行使を容認する閣議決定に抗議する会長声明」
編集後記  和歌山弁護士会 憲法委員会 委員長  金 原 徹 雄
 
 編集後記にも書きましたが、この報告集を発行することにしたのは、昨年7月1日の閣議決定を具体化するための法案が5月連休明けにも国会に上程されるという状況の中、1人でも多くの国民に、そもそも憲法とは何なのか?集団的自衛権を認めるとはどういうことなのか?憲法との関係でどう考えれば良いのか?ということについて、正しい理解を持っていただくために、この報告集を是非役立てていただきたいと考えたからにほかなりません。
 幸い、講師を務めていただいた伊藤真弁護士には、常人には想像もつかぬ多忙の中、講演録の全体にわたって校正していただいた上、小見出しまで付けていただきました。まことに感謝のほかありません。

 納品された報告集は、準備出来次第、順次関係機関等への配布を始めており、和歌山県下の「9条の会」には、週明けにも発送できるのではないかと思います。
 
 ただし、印刷部数にも限りがあり、多くの市民に活用していただくためには、インターネット上で公開すべきではないかという意見が会内で起こり、伊藤真弁護士に確認したところ、即座に掲載をご快諾いただき、その結果、和歌山弁護士会ホームページへのアップが実現したものです。

 伊藤さんの発言等で公表されたものは、法学館憲法研究所サイトの中の「伊藤真所長、日々発信中!」というコーナーに集積されており、様々なインタビュー記事などが読めますが、まとまった講演録というのは、(見落としているかもしれませんが)少なくとも近年のものは、インターネット上では公開されていないようです。
 古いものであれば、新聞労連・第114回中央委員会(2005年10月12日)での特別講演要旨というのが読めます。
 あともう1つ、2007年に世界連邦運動協会東京都連合会というところで行った講演の要旨というのも見つけましたが、これは省略。
 
 伊藤さんが、今回の講演録のホームページでの公開を快諾してくださったのは、もしかすると、主催者が弁護士会であったからかもしれませんが、それよりも何よりも、日本国憲法が最大の危機を迎えた今、危機克服のために役立つことなら何でもしなければという強い決意からではないかと推測します。
 今回公開された市民集会「報告集」の第2部において、私たちはどのような手段で憲法違反の集団的自衛権行使容認を阻止したらよいのか?という質問に対し、伊藤先生は、反対の声を上げ続けること、アピールを続けることの重要性を説き、具体的な方策として以下のような提言をされています(35頁)。
 
(引用開始)
 具体的には、パレードに参加したり、このような市民集会に参加したり、ビラをつくって配ってみたりすることです。また、インターネットをやられる方はいろいろなもので発信をしてみたりすることもできるでしょう。それからメディアに対して声を上げるのも重要です。テレビ局や新聞社等に対して声を上げるのです。テレビ欄のところにテレビ局の名前があり、その下に電話番号が書いてあります。あの番号に電話をかけて、私、集団的自衛権に反対なので、そういう番組をつくってくれませんか、ニュースで最近言ってないのはおかしいのではないですか等と、しつこく電話をかけるのです。また、集団的自衛権についていい番組をやったら褒めてあげるとか、とにかくメディアに連絡することです。同じように、新聞社、地元の新聞社でもいいし、いろいろな新聞社に連絡をし、いい記事があったらやはり褒めてあげるのです。褒めて育てるのは子供だけではありません。メディアも褒めてあげないといけません。朝日新聞何やっているのだと叱りつけ、たたくだけじゃなく、いい記事があったら褒めてあげ、もっとこういう記事を
書いてほしいと、国民の声をいろいろな形であげていくのです。
集団的自衛権って何ですか?第2部 また、文房具屋を利用するのも1つの手です。東京に東急ハンズがありますが、このような文房具屋で
ペン等を買うときに、試し書きをする紙が置いてあったりします。あそこに「集団的自衛権反対」とか「
戦争反対」と試し書きで、でっかく書いてくることもできます。
 何でもいいのです。とにかく自分の意思を外へ出して、「国民は黙っていない!ふざけるな!怒ってい
るぞ!戦争をする国にしてどうするの!自分の子供たちや孫が戦争に駆り立てられるのはとんでもない。絶対許さない!」という怒りの気持ちを素直にあらわし続けるのが一番大切だと思います。いろいろな方
法で声を上げ続けることです。
 私たち1人ひとりの声は小さいが、それはゼロではありません。よく言われるように、微力だけど無力
ではありません。ゼロはどんなに足し合ってもゼロですが、1は足していけば膨大な力になります。私た
ち1人ひとりがいろいろな方法で声を上げ続けることが何よりも大切です。
 繰り返しますが、政治家に働きかけたり、メディアに働きかけたり、集会をしたり、パレードをしたり
、それをSNSでいろいろ発信したりし、「この問題が大変大切であることを忘れていない!絶対こんなの許さない!」という声をあげ続けること、それぞれの人がそれぞれできる範囲でベストを尽くせばいい
と思っています。
(引用終わり)
 
 講演終了後、「東急ハンズの試し書きは素晴らしいアイデアだと思った」という感想を何人もの方から聞きました。
 この市民集会に参加してくださった方は、声を上げ続けることの重要性をあらためて自覚し、実践されていることと思いますが、1人でも多くの人に、この講演録(報告集)を読んでもらえるように、そしてともに声を上げてもらえるようにご協力いただきたいのです。
 それが、この市民集会を主催した和歌山弁護士会、共催した日本弁護士連合会、講師の伊藤真弁護士を始めとする関係者全ての願いです。よろしくお願いします。
 
(付記)
 なお、このメルマガ(ブログ)のタイトルを、「伊藤真弁護士講演録(憲法集団的自衛権を考える) 和歌山弁護士会ホームページで公開」としたのは、正確性よりは内容を分かりやすく伝えることを優先したことによります。