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是枝裕和監督作品『シリーズ憲法~第9条・戦争放棄「忘却」』(2005年TV)が放映される(3/28日本映画専門チャンネル)

 今晩(2015年3月27日)配信した「メルマガ金原No.2042」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
是枝裕和監督作品『シリーズ憲法~第9条・戦争放棄「忘却」』(2005年TV)が放映される(3/28日本映画専門チャンネル
 
 時には、このメルマガ(ブログ)で放映予定のTV番組をご紹介することもありますが、さすがに1日前、しかも日本映画専門チャンネルという、誰もが視聴できる訳ではない放送局で放映される番組の紹介というのは珍しい、と言うか、取り上げることにためらいを感じます。
 しかし、視聴が可能な環境にあり、放映されることが分かっていれば是が非でも録画したはずという人で、1日前の今でも気がついていない人が、私のメルマガやブログの読者の中にもしかするといるかもしれないと思うと、やはり取り上げない訳にはいきません。
 
 
 上記作品は、3月から4月にかけて日本映画専門チャンネルで放映されている「総力特集 監督・是枝裕和」という特集の内の1本であり、しかもこの作品は3月28日、1回限りの放映です。
 
 大学卒業後のキャリアをテレビマンユニオンのADからスタートした是枝裕和監督は、劇映画の監督に進出した後も、テレビ作品(ドキュメンタリーやドラマ)も引き続き手がけており、『シリーズ憲法~第9条・戦争放棄「忘却」』は、2005年の憲法記念日(の深夜)にフジテレビから放映されました。
 今でも、フジテレビWEBサイトにこの「シリーズ」とその内の1本であるこの作品についての説明が掲載されていますので、ご紹介しましょう。
 
NONFIX シリーズ憲法~第9条・戦争放棄「忘却」
2005年5月4日(水)02:43~03:38放送

(引用開始)
【企画趣旨】
 憲法が発布されてからおよそ60年。長い歴史を経て憲法は現実との間で徐々に整合性が取れなくなってきた、と言われて久しい。今、戦後初めて国会レベルで改正論議が進行。各政党も今年から来年に掛けて改正案を続々と発表する予定だ。新聞各紙の世論調査でも多くの国民が改正を支持。世の中の動きは改正に動いているかに見える。
 政治の季節を経験していない40歳代以下の人々の多くにとって憲法は遠い存在であり、学生時代に一夜漬けで覚えた程度しか知識がない、というのが一般的だ。でも国の憲法が変わるかもしれないのに我々はいつものように冷めた目で見ていていいのだろうか?
 今回、憲法の置かれた現状や憲法そのものを見つめる事で、少しでも多くの視聴者に憲法を考える機会を提起できれば、という考えのもと、シリーズで幾つかの条項に迫る事にしました。そもそも条項の裏にはどんな思いがあったのか?どんな事実があったのか?政治に無関心と言われる世代のディレクターは今をどう見るのか?何が議論になっていてどんな意見があるのか?教科書的な番組に終わらせないように様々な手法、角度から色々な考え方を提起し、議論のきっかけになれば、と考えております。
【番組内容】
 憲法9条というものの存在が、僕たちの内面にどのように関わってきたのか?今、現在関わっているのか?を問う。
 番組は62年に東京で生まれ、自衛隊で剣道を習い、ウルトラマンを正義だと信じながら子供時代を送った…現在42歳のディレクター本人の自分史を入り口にする。
 そして僕の中にも深く根をおろしている厭戦意識、さらには非政治的な個人主義的傾向と9条及び戦後民主主義との関連を解きほぐしていきながら、今何が問題とされているのかを再考してみたい。
 番組は、ふたつの旅によって構成される。ひとつは個人史の旅であり、もうひとつはこの半年間、実際に僕が経験した旅である。
 主な訪問地は、沖縄、広島、ニューヨークワールドトレードセンター跡地、ワシントンD.C.ベトナム戦争記念碑、アウシュビッツ強制収容所跡、そして父の故郷でもある台湾。全て映画の公開に合わせて訪れた地だ。
 これらの土地を訪れながら、戦争の記憶というものがどのように記憶され、また忘却されるのか考えていく。
(引用終わり)
 
 私がこの作品の存在を知ったのは放映後相当経ってからのことであり、再放送のあてなど全くなく、DVD化を気長に待つしかないかと考えていました。
 
 そのうち、忘れるともなく忘れていた『シリーズ憲法~第9条・戦争放棄「忘却」』が脳裡に蘇るきっかけとなったのは、日本TVが大島渚監督の傑作ドキュメンタリー番組『忘れられた皇軍』を半世紀ぶりに再放送することになり、オリジナル番組に対するコメンテーターの1人として是枝裕和監督が出演されていたのを視聴したことでした。
 
 
 そして、それからしばらくして、朝日新聞に掲載された是枝監督のインタビュー記事をご紹介がてら、『シリーズ憲法~第9条・戦争放棄「忘却」』に言及し、「憲法メディアフォーラム」に掲載されていた岩崎貞明氏の作品評「是枝裕和憲法9条を撮った」を引用しつつ、「大島渚監督の『忘れられた皇軍』のように、再放送まで半世紀もかかっては、とても寿命が持ちませんので、DVDで出ないかなあと期待しているのですが。」という期待を表明していました。
 
 
 その待望久しい作品が、とりあえず1回だけ放映されることに何とか1日前に気がついて録画予約できたのはラッキーでした。
 ということで、出来ればこの「幸運」のお裾分けをしたいと思ってこの記事を書いているのです。1人でも、「書いてくれてありがたかった」と思ってくれる人がいれば嬉しいのですが。