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wakaben6888のブログ

憲法を大事にし、音楽を愛し、原発を無くしたいと願う多くの人と繋がれるブログを目指します

憲法学習会レジュメを書くための座右の資料「逐条検討・戦争法制 安全保障一括法案を斬る!」(6/3自由法曹団)のご紹介

憲法 軍事
 今晩(2015年6月14日)配信した「メルマガ金原No.2121」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
憲法学習会レジュメを書くための座右の資料「逐条検討・戦争法制 安全保障一括法案を斬る!」(6/3自由法曹団)のご紹介

 昨日(6月13日)書いた「あらためて「存立危機事態」の解釈を問う~木村草太説と公明党(北側一雄氏)の認識」でも少し引用しましたが、今日は、自由法曹団が6月3日に公表した第三意見書「逐条検
討・戦争法制 安全保障一括法案を斬る!」をご紹介しようと思います。
 第三意見書ということは、それに先行する第一意見書、第二意見書があるということで、私は、両者ともメルマガ(ブログ)でご紹介してきました。
 
 
 
 以上の蓄積があったればこそ、法案公表のわずか2週間余りで「逐条検討」を行うことが可能となったものであり、今のところ、他団体からこれほどまとまった「批判的コンメンタール(注釈書)」は出ていないと思います。
 私にしてもそうですが、戦争法案(政府は「平和安全法制整備法」及び「国際平和支援法」と呼称)の国会上程以降に開催される憲法学習会の講師を依頼された者にとって、待望の参考文献であり、必読文献
だろうと思います。
 講師を頼まれた者がレジュメを書こうとする際、常に参照すべき文献として、法案そのもの(内閣官房のホームページからダウンロードできます)と現行法(総務省が管理する法令データ提供システムで確認できる)が必須であることは言うまでもありませんが、今日ご紹介する自由法曹団の第三意見書「逐条検討・戦争法制 安全保障一括法案を斬る!」も、頁数は多いものの、出来れば全部(少なくとも第1部は
全部)プリントアウトして、常に机上に置いて参照すべきでしょうね。
 もちろん、緊急公表されたものですから、誤った記述が絶無ではないかもしれませんが、それは読む者
が慎重に吟味しながら自己の責任で判断すべきものでしょう。
 以下に、目次、前書き、巻末年表を引用します。
 
自由法曹団 2015年6月3日 (第三意見書)
逐条検討・戦争法制 安全保障一括法案を斬る!

(引用開始)
発表にあたって
第1部 戦争法制・逐条批判
逐条批判にあたって
Ⅰ 自衛隊法改正案
Ⅱ 国際平和協力法(PKO法)改正案
Ⅲ 周辺事態法等改正案(重要影響事態法等)
Ⅳ 事態対処法・個別法改正案
Ⅴ 国際平和支援法案
第2部 戦争法制を告発する(PartⅡ 論稿集)
Ⅰ 本質・背景 【1】~【3】
Ⅱ 戦争と戦争法制 【4】~【7】
Ⅲ 戦争法制と国民 【8】~【10】
Ⅳ 戦争法制とアジアの平和 【11】~【14】
Ⅴ 戦争法制に反対する 【15】~【19】
年表
   2015年 6月 3日
   自由法曹団
 
                  発 表 に あ た っ て
 5月15日、安倍晋三政権は戦争法制(安全保障一括法案)を国会に提出した。10本の軍事法を改正
する一括法案(平和安全法制整備法案)と国際平和支援法案(海外派兵恒久法案)からなる法案である。
5月26日、法案は衆議院本会議に上程され、同日から衆議院の特別委員会で審議が続けられている。
 戦争法制は、軍事法制の全面的な再編をもたらすばかりか、改定日米ガイドラインや各分野で進行している安全保障戦略の再編とあいまって、この国を世界のどこででも、いついかなる場面でも、米軍ととも
に軍事行動を展開する国につくり変えることになる。
 全国2100名の弁護士で構成する自由法曹団は、3月10日、第一意見書(緊急意見書)「戦争法制が生み出す道」を発表し、戦争法制の全貌と問題点を明らかにするとともに、法制化の中止を要求した。また、4月29日には第二意見書「戦争法制を批判する - いつでもどこでも切れ目なく戦争へ」を発表
して、戦争法制をめぐる問題点について多方面から検討・検証を加えた。
 本意見書は、これまでの2冊の意見書等を踏まえて、提出された安全保障一括法案に法案ごとの逐条検討を加え(第1部)、あわせて戦争・平和・国民生活などと戦争法制をめぐる問題について考察を行ったものである(第2部)。第1部の逐条批判は各パートの末尾に記載した担当者の責任で執筆し、第2部の論稿19本は該当箇所に記載した執筆者が執筆し、田中隆が全体の編集にあたっている。第二意見書に引き続いて大部なものになったのは、戦争法制がはらむ問題の大きさと、団員弁護士の抱く関心と懸念の深
さのゆえとご理解いただきたい。
 戦争法制のひとつの特徴は、「戦後最大の法案」とまで言われる重要法案でありながら、ほんの一握りの政治家と官僚しか準備に関与していないことである。国民や野党議員はもとより、与党議員すらスポイルしたこうした「立法過程」が常態化すれば、国民主権議会制民主主義の死滅を招くだろう。
 それだけに、戦争法制は徹底的な批判的検討・検証にさらされねばならない。
 戦争法制の国会内外での批判的検討に、本意見書が役立てば幸甚である。
 
第1部 戦争法制・逐条批判
戦争法制・逐条批判について
Ⅰ 自衛隊法改正案
1 集団的自衛権行使容認に伴う「存立危機事態」にかかわる改正
 3条(任務)、76条(防衛出動)89条(武力行使)、122条の2(罰則)、その他の改正
2 「グレーゾーン事態」関連の改正
 84条の3、94条の5(在留邦人)、95条、95条の2(武器防護)
3 他の法令の改正等に伴う改正
Ⅱ 国際平和協力法(PKO法)改正案
 3条(定義)、6条(実施計画)、8条、10条(実施要領等)、25条、26条(武器の使用)
Ⅲ 周辺事態法等改正案(重要影響事態法等)
1 周辺事態法改正案(重要影響事態法)
 1条(目的)、2条(基本原則)、3条(定義等)、4条(基本計画)、5条(国会の承認)、6条(
後方支援活動)、7条(捜索救援活動)、8条、9条、10条(対応措置)、11条(武器の使用)
2 周辺事態船舶検査法改正案
 1条(目的)、その他の規定
Ⅳ 事態対処法・個別法改正案
1 事態対処法改正案
 1条(目的)、2条(定義)、3条(基本理念)、4条(国の責務)、5条、6条(地方公共団体の責
務等)、8条(国民の協力)
2 個別法改正案
 A 米軍支援法改正案
 B 公共施設等利用法改正案
 C 海上輸送規制法改正案
 D 捕虜取扱法改正案
 E 国際人道法
 F 国民保護法
 G 国家安全保障会議設置法改正案
Ⅴ 国際平和支援法案
 1条(目的)、2条(基本原則)、3条(定義等)、4条(基本計画)、5条(国会への報告)、6条
(国会の承認)、7条(協力支援活動)、8条(捜索救助活動) など
 
2頁~67頁 略
 
第2部 戦争法制を告発する(PartⅡ)
【 論 稿 集 】
Ⅰ 本質・背景
【1】戦争法制と戦争する国づくり 吉田健一(東京)
【2】日米同盟の再々定義と新ガイドライン 松島 暁(東京)
【3】戦争立法の背景・アーミテージ報告について 岩佐英夫(京都)
Ⅱ 戦争と戦争法
【4】アフガン報復戦争が生み出したもの 田中 隆(東京)
【5】自衛隊イラク派兵違憲判決にみる「後方支援」活動の危険性 田巻紘子(愛知)
【6】治安掃蕩作戦の生み出すもの-三光作戦にてらして 松井繁明(東京)
【7】戦争立法でどうなる ―― 湾岸戦争から考える 尾﨑彰俊(京都)
Ⅲ 戦争法制と国民
【8】戦争法制と自治体・自治体労働者 穂積匡史(神奈川)
【9】石川島播磨重工業にみる戦争協力と労働者 平 和元(東京)
【10】戦争法がもたらす悲しみと痛み 渡部照子(東京)
Ⅳ 戦争法制とアジアの平和
【11】グレーゾーン事態と3つの閣議決定 森 孝博(東京)
【12】尖閣諸島問題にどう向き合うか 山崎 徹(埼玉)
【13】「丸腰の憲法9条で、本当に大丈夫?」 岩佐英夫(京都)
【14】重要影響事態と南シナ海をめぐる状況 山崎 徹(埼玉)
Ⅴ 戦争法制に反対する
【15】自衛隊の海外派兵を許さぬ国会決議をまもれ! 橋本 敦(大阪)
【16】戦争法案を斬る視点 内藤 功(東京)
【17】武器使用の「拡大」とPKO法の自壊 荒井新二(東京)
【18】武力行使の一体化論の破たんと戦争立法 尾﨑彰俊(京都)
【19】「戦前70年への歴史認識」を問う! 岩佐英夫(京都)
 
69頁~122頁 略
 
◎ 年表
90年 イラククウェート侵攻。国連平和協力法案(91年)。PKO法(92年)
94年 政治改革(小選挙区制)、北朝鮮核疑惑、読売新聞・改憲案。
97年 「日米防衛協力の指針」(ガイドライン
99年 周辺事態法憲法調査会設置法・盗聴法国旗国歌法地方分権一括法など。
01年 小泉純一郎内閣。ブッシュ政権(00年)。9・11事件。「テロ」特措法。自衛隊・アラビア
海に派遣。米機動部隊に給油。
02年 アメリカ「国家安全保障戦略」(ブッシュ・ドクトリン)。
03年 イラク戦争。有事3法・イラク特措法。東京都安全・安心まちづくり条例。
04年 陸海空3自衛隊イラク派遣。有事10案件(国民保護法など)。年金改革法。
05年 衆参両院憲法調査会・報告書。自民党大会・新憲法草案。
06年 米軍再編合意。第一次安部晋三内閣。教育基本法「改正」、防衛省昇格法。
07年1月 安倍首相「戦後レジームの脱却」「任期中の改憲」を公言。
 5月 改憲手続法。教育三法、米軍再編特措法、イラク派兵延長法(6月)
 7月 参議院選挙で自民党惨敗・与野党逆転。安倍内閣総辞職、福田康夫内閣(9月)。
この間 格差社会、絶対的貧困・窮乏が社会問題化。構造改革への批判が急速に強まる。
08年9月 麻生太郎内閣。自衛隊イラクから撤退(12月 名古屋高裁判決=4月)。
この間 サブプライムローン問題に端を発した金融恐慌。世界同時不況。
09年1月 アメリカ・オバマ政権成立。ソマリア派兵強行(3月)。海賊対処法成立(6月)
 8月 総選挙で自民党惨敗。鳩山邦夫内閣(政権交代)。
この間 民主党政権による構造改革の一定の是正。他方で、政治主導・国会改革等の推進。
10年5月 改憲手続法施行、菅直人内閣(6月)。参議院選挙(7月 与野党逆転)。
11年3月 東日本大震災・福島原子力発電所事故。
 9月 野田佳彦内閣。消費税増税・TPP参加等を表明。憲法審査会始動(10月)。
この間 脱原発、反TPP、消費税増税反対などの世論・運動の拡大。
12年4月 自民党憲法改正草案。国家安全保障基本法案(概要4月)。
 9月 政府・尖閣列島国有化。日中・日韓関係険悪化。
 12月 総選挙で自民党圧勝。「第三局」再編。第二次安倍晋三内閣。「アベノミクス」を表明。
13年1月 安倍首相・96条改憲を答弁。日米首脳会談でTPP参加方向を表明(2月)。
 7月 参議院選挙で民主党敗北。衆参「ねじれ」解消。
 12月 秘密保護法強行。国家安全保障会議(NSC)設置。「国家安全保障戦略」・新「防衛計画の
大綱」・中期防
14年4月 防衛装備移転三原則。改憲手続法改正(6月)。
 5月 安保法制懇・報告書(集団的自衛権・グレーゾーン・海外での武器使用)
 7月 閣議決定(グレーゾーン・海外派兵・集団的自衛権
 10月 日米ガイドライン改定・中間報告
15年2~5月 戦争法制(安保法制)に向けた政府・与党協議。
 4月 「日米防衛協力の指針」(ガイドライン)改定。日米首脳会談。
 5月 戦争法制・国会提出、審議入り。
(引用終わり)
 
 なお、私がレジュメを書く際にもう1つ常に机上に置いて活用させてもらっているA3版1枚の一覧表があります。これは、和歌山弁護士会憲法委員会委員長、日本弁護士連合会憲法問題対策本部委員、自由法曹団和歌山支部長である由良登信(ゆら・たかのぶ)弁護士が、戦争法案の全貌を一枚のペーパーで一覧できるようにしようということで、自ら作成された法案一覧表です。私だけではなく、多分、これから1~2ヶ月の間に憲法学習会の講師を頼まれている和歌山の弁護士は、全員この一覧表の提供を受け、レジュメ作成のために活用するだけではなく、学習会においても資料として配付したりすることになるのだろうと思います。実際、私は5月31日の「九条の会・わかやま」連続講座「戦争しない国をいつまでも」第1回において、この一覧表を参加者に配ってもらい、大いに活用させてもらいました。
 その後、この一覧表は第2版にヴァージョンアップされており、由良弁護士からも、大いに活用してもらって良い(ネットでの公表も可)という了解をいただいていますので、最後にこれをご紹介しておきます。