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志位和夫日本共産党委員長による党首討論を読み解く(2015年5月20日)

 今晩(2015年6月30日)配信した「メルマガ金原No.2137」を転載します。 
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
志位和夫日本共産党委員長による党首討論を読み解く(2015年5月20日)

 5月27日・28日の両日、衆議院安保法制特別委員会(衆議院は「平和安全特別委員会」と略称)において行われた志位和夫日本共産党委員長による質疑に強い感銘を受けた私は、6月1日から「志位和夫日本共産党委員長による質疑を読み解く」と題し、しんぶん赤旗に掲載された議事録を転載しながら、関
連条文などを引用した補注を施す連載を6回にわたって掲載しました。
 また、連載終了後、私の第2ブログに、両日の動画、議事録を含めた「まとめ」を掲載しました。
 これらの記事には末尾でリンクしておきますが、いずれも多くの方からアクセスしていただきました。

 そこで、その「補遺」ということで、5月20日と6月17日に行われた党首討論における志位委員長と
安倍首相のやりとりを「読み解く」ことにしました。
 議席数に応じて配分された持ち時間はわずかに7分間。この限られた時間の中でいかに効果的な討論を
行うか。まさに政党自体、そして党首個人の力量が試さる機会でした。
 今日は、まず5月20日に行われた党首討論を「読み解」きます。
 
 なお、ここでも、志位委員長の発言は紺色、安倍首相の発言は赤色、私が書いた補注は黒色、私が引用した条文等は茶色で表記しました。
 

2015年5月20日 国家基本政策委員会合同審査会
志位委員長の党首討論
 
 
志位和夫委員長 今年は、戦後70年です。この節目の年にあたって、日本が、そして総理自身が、どういう基本姿勢をとるかは、たいへん重大な問題であります。
 戦後50年の「村山談話」では、「わが国は、遠くない過去の一時期、国策を誤り、戦争への道を歩ん
(だ)」と述べ、過去の日本の戦争に対して「間違った戦争」という認識を明らかにしております。
 総理に端的にうかがいます。過去の日本の戦争は「間違った戦争」という認識はありますか。
 ことは日本自身が行った戦争の善悪の判断の問題です。歴史の研究の話ではありません。日本の平和と安全に責任を持つ政治家ならば、当然判断しなければならない問題です。「間違った戦争」という認識はありますか。端的にお答えください。
 
 しっかりと「読み解く」ためには、ここは「村山談話」をあらためて精読すべきでしょう。ちゃんと政府(外務省)のホームページに掲載されています。少し長いですが、全文引用します。
 
村山内閣総理大臣談話
「戦後50周年の終戦記念日にあたって」(いわゆる村山談話)
平成7年8月15日

 先の大戦が終わりを告げてから、50年の歳月が流れました。今、あらためて、あの戦争によって犠牲と
なられた内外の多くの人々に思いを馳せるとき、万感胸に迫るものがあります。
 敗戦後、日本は、あの焼け野原から、幾多の困難を乗りこえて、今日の平和と繁栄を築いてまいりました。このことは私たちの誇りであり、そのために注がれた国民の皆様1人1人の英知とたゆみない努力に、私は心から敬意の念を表わすものであります。ここに至るまで、米国をはじめ、世界の国々から寄せられた支援と協力に対し、あらためて深甚な謝意を表明いたします。また、アジア太平洋近隣諸国、米国、さらには欧州諸国との間に今日のような友好関係を築き上げるに至ったことを、心から喜びたいと思います

 平和で豊かな日本となった今日、私たちはややもすればこの平和の尊さ、有難さを忘れがちになります。私たちは過去のあやまちを2度と繰り返すことのないよう、戦争の悲惨さを若い世代に語り伝えていかなければなりません。とくに近隣諸国の人々と手を携えて、アジア太平洋地域ひいては世界の平和を確かなものとしていくためには、なによりも、これらの諸国との間に深い理解と信頼にもとづいた関係を培っていくことが不可欠と考えます。政府は、この考えにもとづき、特に近現代における日本と近隣アジア諸国との関係にかかわる歴史研究を支援し、各国との交流の飛躍的な拡大をはかるために、この2つを柱とした平和友好交流事業を展開しております。また、現在取り組んでいる戦後処理問題についても、わが国とこ
れらの国々との信頼関係を一層強化するため、私は、ひき続き誠実に対応してまいります。
 いま、戦後50周年の節目に当たり、われわれが銘記すべきことは、来し方を訪ねて歴史の教訓に学び、
未来を望んで、人類社会の平和と繁栄への道を誤らないことであります。
 わが国は、遠くない過去の一時期、国策を誤り、戦争への道を歩んで国民を存亡の危機に陥れ、植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えました。私は、未来に誤ち無からしめんとするが故に、疑うべくもないこの歴史の事実を謙虚に受け止め、ここにあらためて痛切な反省の意を表し、心からのお詫びの気持ちを表明いたします。また、この歴史がもたら
した内外すべての犠牲者に深い哀悼の念を捧げます。
 敗戦の日から50周年を迎えた今日、わが国は、深い反省に立ち、独善的なナショナリズムを排し、責任ある国際社会の一員として国際協調を促進し、それを通じて、平和の理念と民主主義とを押し広めていかなければなりません。同時に、わが国は、唯一の被爆国としての体験を踏まえて、核兵器の究極の廃絶を目指し、核不拡散体制の強化など、国際的な軍縮を積極的に推進していくことが肝要であります。これこそ、過去に対するつぐないとなり、犠牲となられた方々の御霊を鎮めるゆえんとなると、私は信じており
ます。
 「杖るは信に如くは莫し」と申します。この記念すべき時に当たり、信義を施政の根幹とすることを内外に表明し、私の誓いの言葉といたします。
 
 末尾に引用された「杖るは信に如くは莫し」は「よるはしんにしくはなし」と読み、中国の古典「春秋佐(氏)伝」(孔子の歴史書「春秋」の代表的注釈書)を出典とする成句で、拠り所として、信義より優れたものはない、という意味になるようです。
 この言葉を最後に引用して「信義」を強調したのは、おそらく村山首相の強い思いが込められていたのだろうと推測します。
 最近、村山富市元首相が、河野洋平官房長官とともに、日本記者クラブで行った会見の動画と詳録をあらためてご紹介しておきます。
 
2015年6月9日 対談「戦後70年を語る」
なぜ、どういう気持ちで、我々は2つの談話を出したのか?
村山富市元首相、河野洋平官房長官


 なお、小泉純一郎首相による戦後60年談話は以下のとおりです。
 
 
安倍晋三首相 今年は、戦後70年の節目の年であります。70年前、戦争は終結をしました。しかし、さきの大戦において、多くの日本人の命は失われたわけであります。同時に、アジアの多くの人々が戦争の惨禍に苦しんだ。日本はその後の歩みのなかで、まさに塗炭の苦しみを味わったといってもいいと思います。
 戦争の惨禍を二度と繰り返してはならない。われわれはこの不戦の誓いを心に刻み、戦後70年間、平和国家としての歩みを進めてきたわけであり、その思いにまったく変わりはないわけでございます。そして、だからこそ、地域や世界の繁栄や平和に貢献をしなければならないと、こう決意をしているわけでご
ざいます。
 当然、また、「村山談話」、あるいは「小泉談話」、節目節目に出されているこの政府の談話を、私たちは全体として受け継いでいくと、再三再四申し上げてきたとおりでございます。(議場がざわめく)
 
 「『間違った戦争』という認識はありますか。」と問われても、一切それに答えない。答えたくない質問には答えないという態度を貫くというのは、とても常人にできることではない。まあ、普通の人ではありませんね。
 それに第一、何がおかしいと言って、あたかも「さきの大戦」が大規模な自然災害ででもあったかのような評価しか出てこないことが変でしょう。
 さて、それに対して志位委員長がどう突っ込むかというと・・・。
 
志位 私が聞いているのは、何も難しい問題じゃないんです。過去の日本の戦争が、「間違った戦争」か、「正しい戦争」か、その善悪の判断を聞いたんですが、まったくお答えがありませんでした。
 この問題は、すでに70年前に歴史が決着をつけております。
 戦後の日本は、1945年8月、「ポツダム宣言」を受諾して始まりました。「ポツダム宣言」では、
日本の戦争についての認識を二つの項目で明らかにしております。
 一つは、第6項で、「日本国国民ヲ欺瞞(ぎまん)シ之ヲシテ世界征服ノ挙(きょ)ニ出ヅルノ過誤」を犯した勢力を永久に取り除くと述べております。日本の戦争について、「世界征服」のための戦争だったと、明瞭に判定しております。日本がドイツと組んで、アジアとヨーロッパで「世界征服」の戦争に乗
り出したことへの厳しい批判であります。
 いま一つ、「ポツダム宣言」は第8項で、「『カイロ』宣言ノ条項ハ履行(りこう)セラルベク」と述
べています。
 「カイロ宣言」とは、1943年、米英中3国によって発せられた対日戦争の目的を述べた宣言でありますが、そこでは「三大同盟国は、日本国の侵略を制止し罰するため、今次の戦争を行っている」と、日本の戦争について「侵略」と明瞭に規定するとともに、日本が「暴力と強欲」によって奪った地域の返還
を求めています。
 こうして「ポツダム宣言」は、日本の戦争について、第6項と第8項の二つの項で、「間違った戦争」
だという認識を明確に示しております。
 総理におたずねします。総理は、「ポツダム宣言」のこの認識をお認めにならないのですか。端的にお答えください。
 
 1945年7月26日、米国、英国、中国の3カ国(後にソ連が加わって最終的には4カ国)から日本に対して突き付けられた降伏勧告であるポツダム宣言が、否応なく、いわゆる戦後体制の骨格となったのですから、総理大臣のみならず、本来全ての国民が知らなければならない文書のはずです。
 しかし、学校の歴史(日本史)の授業では、3学期の末になってもここまでたどり着かないことも多いでしょうし、たどり着いたとしても、どれだけ自覚的に生徒が学んでいるか、相当に疑問があります。
 とりあえず、志位委員長が引用した部分を以下に転記しておきます。
 
ポツダム宣言
千九百四十五年七月二十六日 米、英、支三国宣言

六、吾等ハ無責任ナル軍国主義カ世界ヨリ駆逐セラルルニ至ル迄ハ平和、安全及正義ノ新秩序カ生シ得サルコトヲ主張スルモノナルヲ以テ日本国国民ヲ欺瞞シ之ヲシテ世界征服ノ挙ニ出ツルノ過誤ヲ犯サシメタ
ル者ノ権力及勢力ハ永久ニ除去セラレサルヘカラス
八、「カイロ」宣言ノ条項ハ履行セラルヘク又日本国ノ主権ハ本州、北海道、九州及四国並ニ吾等ノ決定スル諸小島ニ局限セラルヘシ
 
カイロ宣言
1943年12月1日 日本国に関する英、米、華三国宣言

三大同盟国ハ日本国ノ侵略ヲ制止シ且之ヲ罰スル為今次ノ戦争ヲ為シツツアルモノナリ右同盟国ハ自国ノ
為ニ何等ノ利得ヲモ欲求スルモノニ非ス又領土拡張ノ何等ノ念ヲモ有スルモノニ非ス
右同盟国ノ目的ハ日本国ヨリ千九百十四年ノ第一次世界戦争ノ開始以後ニ於テ日本国カ奪取シ又ハ占領シタル太平洋ニ於ケル一切ノ島嶼ヲ剥奪スルコト並ニ満洲、台湾及澎湖島ノ如キ日本国カ清国人ヨリ盗取シ
タル一切ノ地域ヲ中華民国ニ返還スルコトニ在リ
日本国ハ又暴力及貧慾ニ依リ日本国ノ略取シタル他ノ一切ノ地域ヨリ駆逐セラルヘシ
前記三大国ハ朝鮮ノ人民ノ奴隷状態ニ留意シ軈テ朝鮮ヲ自由且独立ノモノタラシムルノ決意ヲ有ス
 
首相 この「ポツダム宣言」をですね、われわれは受諾をし、そして敗戦となったわけでございます。そしていま、えー、私もつまびらかに承知をしているわけでございませんが、「ポツダム宣言」のなかにあった連合国側の理解、たとえば日本が世界征服をたくらんでいたということ等も、いまご紹介になられました。
 私はまだ、その部分をつまびらかに読んでおりませんので、承知はしておりませんから(議場がざわめく)、いまここで直ちにそれに対して論評することは差し控えたいと思いますが、いずれにせよですね、いずれにせよ、まさにさきの大戦の痛切な反省によって今日の歩みがあるわけでありまして、われわれはそのことは忘れてはならないと、このように思っております。
 
 あらためて、安倍首相の発言を読み直してみると、「『ポツダム宣言』のなかにあった連合国側の理解、たとえば日本が世界征服をたくらんでいたということ等も、いまご紹介になられました。」「私はまだ、その部分をつまびらかに読んでおりませんので、承知はしておりませんから、いまここで直ちにそれに対して論評することは差し控えたいと思います」と言っており、「論評することは差し控えたい」と言うために、その理由として「つまびらかに読んでおりません」と逃げを打ったのであり、いくらなんでも本当はポツダム宣言は読んでいるのだ、という説があり、内閣としても一応そのような「統一見解」に立っているようです。
 
 この問題については、奇しくも、6月27日に渋谷のハチ公前でSEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動)が主催した集会に参加し、志位和夫共産党委員長と握手し、手を繋いで手を挙げたために党から処分を受けるかどうかが話題となっている維新の党の初鹿明博衆議院議員が、5月25日に質問主意書を提出していました。
 
平成二十七年五月二十五日提出 質問第二三八号
安倍総理が党首討論においてポツダム宣言を読んでいないと発言したことに関する質問主意書(提出者 
初鹿明博)

(引用開始)
 五月二十日の国家基本政策委員会合同審査会における共産党志位和夫議員がポツダム宣言の条文を取り上げて行った質問に対して、「まだその部分をつまびらかに読んでおりませんので承知はしておりませ
んから」と答弁しました。
 この発言について以下の点について質問いたします。
一 つまびらかに読んでおりませんというのは一度も読んでいないということなのか、読んだことはある
が記憶に残っていないということなのか、どちらなのか。
二 この質疑の後、安倍総理は改めてポツダム宣言を読み直したか。
三 読んでいるのなら、そこに書かれている「日本国国民を欺瞞し、それによって世界征服の挙に出るという誤ちを犯させた者の権力および勢力は、永久に除去されなければならない」という連合国側の認識と同じく、安倍総理も当時の我が国の指導層が日本国国民を欺瞞し、世界征服の挙に出たという認識でいる
のか、それとも、異なる見解を持っているのか。
 右質問する。
(引用終わり)
 
 これに対する政府の答弁(質問主意書に対する答弁は必ず閣議決定されます)は以下のとおりでした。
 
平成二十七年六月二日受領 答弁第二三八号
内閣衆質一八九第二三八号 平成二十七年六月二日

(引用開始)
一及び二について
 安倍内閣総理大臣は、ポツダム宣言については、当然、読んでいるが、御指摘の国家基本政策委員会
同審査会の際には、同宣言に係る具体的な発言の通告が事前になされなかったため、同宣言の正確な文言を手元に有しておらず、そのような状況で具体的な文言に関する議論となったため、つまびらかではない
という趣旨を申し上げたものである。
三について
 我が国はポツダム宣言を受諾して降伏したものである。
(引用終わり)
 
 議場での答弁のみならず、質問主意書に対する答弁でも、答えたくないことには答えないという態度は一貫していますね。
 ただし、この「安倍内閣総理大臣は、ポツダム宣言については、当然、読んでいる」につては重大な疑念も提起されています。
 少なくとも2005年までは、本当に(真剣に)ポツダム宣言を読んだことがなかった可能性は相当程度あるようです。
 
2015年5月21日 戦争法案 徹底審議、廃案を(志位和夫委員長記者会見)
 

しんぶん赤旗 2015年5月22日
ポツダム宣言の歴史知らず「戦後レジームの打破」とは 志位委員長が指摘

(抜粋引用開始)
 安倍晋三首相が20日の党首討論で、「ポツダム宣言」を「つまびらかに読んでいない。論評を差し控
えたい」とのべたことが世間に衝撃を与えています。
 これに関連して志位委員長は21日の記者会見で、安倍首相が自民党幹事長代理だった2005年当時、『Voice』7月号の誌上対談で「ポツダム宣言というのは、アメリカが原子爆弾を二発も落として日本に大変な惨状を与えたあと、『どうだ』とばかり叩(たた)きつけたものです」とのべていたことを
示し、「政治家として根本的な資質が疑われます」と語りました。
 問題の発言は、「ポツダム宣言」にふれて小泉純一郎首相(当時)の靖国神社参拝をただした民主党衆院議員を批判するくだり。「ポツダム宣言」について先のようにのべたあと、「そんなものをもちだし、あたかも自分自身が戦勝国であるかのような態度で、日本の総理を責めあげる。大変な違和感を覚えま
した」と語っています。
 こうした発言について志位氏は「事実誤認があります」と指摘しました。「ポツダム宣言」が発せられたのは1945年7月26日、日本が受諾通知したのは8月14日、公式調印したのは9月2日です。他
方で原爆投下は8月6日と9日だからです。
 志位氏はこの時系列を端的に示し、「二つ原爆が落ちたあとに叩きつけたものではありません。一連の
発言をみると本当に(ポツダム宣言を)読んでなかったことがうかがわれます」とのべました。
(引用終わり)
 
志位 私が聞いたのは、「ポツダム宣言」の認識を認めるのか、認めないのかです。はっきりお答えください。
 
首相 いま申し上げましたようにですね、まさに「ポツダム宣言」を私たちは受け入れて、これがまさに戦争を終結させる道であったということであります。この、われわれは受け入れることによって、終戦を迎え、そして、まさに日本は平和国家としての道をその後、歩き始めることになったということではないかと思います。
 
志位 私は、「ポツダム宣言」が認定している「間違った戦争」という認識を認めないのかと聞いたんですが、認めるとおっしゃらない。これは非常に重大な発言であります。
 戦後の国際秩序というのは、日独伊3国の戦争は侵略戦争だったという判定の上に成り立っております
。ところが総理はですね、「侵略戦争」はおろか、「間違った戦争」だともお認めにならない。
 総理がいま進めようとしている集団的自衛権の行使とは、日本に対する武力攻撃がなくても、アメリカが世界のどこであれ、戦争に乗り出したさいに、その戦争に自衛隊を参戦させるというものであります。しかし、米国の戦争の善悪の判断が、総理にできますか。日本が過去にやった自らの戦争の善悪の判断も
できない総理に、米国の戦争の善悪の判断が、できるわけないじゃないですか。(「そうだ」の声)
 戦争の善悪の判断ができない、善悪の区別がつかない、そういう総理が、日本を「海外で戦争する国」につくり変える戦争法案を出す資格はありません。撤回を強く求めて終わります。(大きな拍手)
 
 とりあえず、「読み解く」ための補注はこの程度で良いでしょう。
 なお、ポツダム宣言受諾から平和条約締結に至る日本の戦後体制の確立について、(少し長いですが)私は、昨年、以下のような文章を書いていますので、ご一読いただければ幸いです。 
 
(弁護士・金原徹雄のブログから)
2015年5月28日
国会論戦はこうありたい~志位和夫日本共産党委員長による安倍首相追及を多くの人に視聴して欲しい

2015年6月1日
志位和夫日本共産党委員長による質疑を読み解く(1)~自衛隊は「戦闘地域」に派遣される
2015年6月2日
志位和夫日本共産党委員長による質疑を読み解く(2)~必ず戦死者が出る
2015年6月3日
志位和夫日本共産党委員長による質疑を読み解く(3)~兵站は軍事行動の不可欠の一部
2015年6月4日
志位和夫日本共産党委員長による質疑を読み解く(4)~治安維持でも「殺し、殺される」
2015年6月5日
志位和夫日本共産党委員長による質疑を読み解く(5)~日本は“米国の戦争”に反対したことはただの一度もない
2015年6月6日
志位和夫日本共産党委員長による質疑を読み解く(6/完)~ベトナム戦争とイラク戦争を教訓としない
 
(あしたの朝 目がさめたら 弁護士・金原徹雄のブログ2 から) 
2015年6月6日
志位和夫日本共産党委員長による安保法制特別委員会質疑(まとめ)