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「福島原発事故情報公開アーカイブ」が開設されました

 今晩(2015年7月18日)配信した「メルマガ金原No.2155」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
福島原発事故情報公開アーカイブ」が開設されました 

 弁護士としての本来業務の都合で、しばらくの間、連日まとまったメルマガ(ブログ)を書く余裕がなくなりそうなので、当分は、色付きの文字(引用文)がやたらに多く、黒文字(私が書いた文章)がえらく少ない記事が増えると思いますが何卒ご容赦ください。
 私自身は手抜きしても、ご紹介する中身に手抜きはありません。
 
 あるメーリングリストに、大阪市立大学大学院経営学研究科の除本理史(よけもとまさふみ)教授が投稿されていて知ったのですが、昨日(7月17日)、「福島原発事故情報公開アーカイブ」というサイトがオープンしていました。
 
 
 トップページに、このサイトの概要が以下のように説明されています。
 
(引用開始)
 このサイトは、2011年3月に発生した福島第一原発事故とその後の対応に関わる「公文書」を収蔵し、ア
ーカイブ化したものです。2015年7月17日に公開しました。
 「公文書」の収集方法は、情報公開制度による公開請求が中心で、それ以外に、各行政機関がウェブサ
イトで公表している情報も一部収録しています。
 東日本大震災以後、さまざまなアーカイブが立ち上がりました。このアーカイブの特徴は、公開されて
いない公文書を共有し、関心ある人が自由に理由(注:「利用」の誤記と思われる)できるようにするためのものであるということです。必要な時に誰かの役に立つこと、そして公文書が示す事実や状況が、より良い公共政策を実現するための議論の礎になることを期待しています。
 今後、収蔵公文書を準備が整ったものから順次追加していきます。あわせて、福島原発事故関係の公文書をお持ちの方は、ぜひ寄贈をご検討ください。
(引用終わり)
 
 通常のサイトの「アバウト」にあたるのは「アーカイブについて」です。以下、全文引用します。
 
(引用開始)
 2011年3月11日の東日本大震災の衝撃、その後発生した福島第一原子力発電所の事故は、人々の生活を大きく変え、地域社会やもっと広い社会一般、そして考え方にも影響を与える大きなできごとでした。この出来事を記録し、残していくためのアーカイブが官民で立ち上がり、地域の記録、報道の記録、市民社会
が収集したデータ、行政の記録の一部が蓄積・公開されています。
 このアーカイブは、公開されていなかった公文書と、行政のウエブサイトで公開されているものの、散在していて検索性に欠ける公開情報を収集し、公開しているものです。公開されていなかった公文書は、
国の行政機関を対象にした情報公開法、自治体の情報公開条例に基づく情報公開請求を行い、公開あるいは部分公開されたもので、これを収蔵していることが他のアーカイブとの違いです。
 いずれも公文書であるため、遠い将来、歴史文書として公文書館に移管される情報もあるでしょう。一方で、国も自治体もすべての情報が公文書館に移管されて永久保管されるわけではありません。選別・評価を経て残すべきと判断されたものだけが、保管されます。また、自治体では公文書館制度が未整備で移管できる体制が整っていないところもあり、時間の経過とともに失われていく公文書は相当の量になると推測されます。
 原発事故による放射能の影響は、短期間にすべてを見通すことはできないものです。放射性物質が生活環境に降下し、人々の健康への影響も心配されており、長期にわたるフォローが必要であるだけでなく、事故後の政府の対応や判断が適切なものであるかを将来にわたり検証できるようにしておく必要があります。原発事故対応に限らず、公共政策は、こうした積み重ねの中でその正当性が検証されるべきだからで
す。
 福島原発事故に関する公文書が、誰でもアクセスでき、集約的にまとめたアーカイブをつくることが、明確に見通せない20年後、30年後でも、少しでも多く事故後に作られた公文書類にアクセスできる環境を
作ることが、多くの人の力になることを願っています。
 福島原発事故情報公開アーカイブは2011年5月に最初の構想が作られ、同年7月からまずは直接の被災地ではない東京都への情報公開請求からはじまりました。その後、同年9月からは国への情報公開請求を始め
ました。
 なお、このアーカイブをつくるための情報公開請求費用や作業に必要な人件費の一部は、以下から拠出しました。
 
  一般寄付
  高木仁三郎市民科学基金の助成金
  情報流通促進基金賞の2013年度大賞の賞金
  情報公開クリアリングハウス
 
 なお、アーカイブのシステム構築、情報公開請求費用、アーカイブの立ち上げと情報公開請求に必要な調査研究は、JSPS科研費情報公開法放射能についての研究」24530035の一環として行われたものです
 現在のサイトの管理者は特定非営利活動法人情報公開クリアリングハウスです。
(引用終わり)
 
 どのような文書が主に収蔵されているかについては「収蔵公文書」のページで説明されています。
 
(引用開始)
アーカイブに収蔵されている公文書
 福島原子力発電所事故情報公開アーカイブには、2011年9月以降、国の行政機関、自治体に対して、福島
原発事故に関連する公文書の公開請求を行った結果、公開あるいは部分公開された情報を中心に収蔵して
います。
 主に収蔵されている公文書は、以下の行政機関から公開されたものです。
 
 
 公文書は、①情報公開請求により公開されたもの、②各行政機関のホームページで公表されているもの、③福島原発事故に関連して情報公開請求を行った個人・団体から提供を受けたもの、を収蔵しています。②については、いわゆる第三者機関等の関係資料など、通常の公表情報のほか、原子力規制委員会原子力安全委員会に関しては、情報公開請求の結果公開した情報を、請求者の同意のもとで一部公表をしていますので、それも収蔵しています。
 
公開請求している公文書の傾向
 公文書として存在する原発事故関係の情報は膨大で多岐にわたるため、すべての公文書を公開請求することはできません。そのため、このアーカイブでは、系統的あるいはシリーズで収集できるものを中心にこれまでのところ集めており、具体的には以下のものは系統的に収集されています。
 
  ①政府東電合同記者会見の議事録・資料
  ②東電記者会見の議事概要
  ③原子力安全・保安院東電から情報公開に関して提供を受けた情報
  ④事故当時に現地原子力保安員から原子力安全・保安院に送付された情報
  ⑤原子力災害対策本部の検討チームの資料
  ⑥環境省の実施している原発事故に関連する委託調査研究
  ⑦福島県立医科大の健康管理調査に関して設置されている専門委員会の記録・資料
  ⑧福島県立医科大放射線健康管理センターの事務局会議の記録
  ⑨除染にかかる検討、調整などの記録・資料
  ⑩モニタリングポスト、リアルタイム線量測定システムの設置に関する資料
  ⑪特定避難勧奨地点の指定にかかる情報
  ⑫除染対象地域の小中学校の学校健診結果
  ⑬東京都に原発事故後に国から送付された資料類
 
 その他にも、生活環境、健康にかかわる情報を中心に情報公開請求を行っています。また、情報公開請求して公開された文書の寄贈も受けており、一部収蔵されています。
(引用終わり)

 ここまで読んだだけでも、従来のアーカイブとは相当に違うらしいということが伝わってきます。
 実際のアーカイブの利用方法については、「使い方・調べ方」のページで説明されています。
 引用はしませんが、正直、「何か興味深そうな情報はないかな」という程度の漠然とした気持ちで立ち
寄るサイトではないという気がします。
 しかし、以上に引用した説明を読んで、こういう情報が欲しかったという項目があれば、実に貴重な情報の宝庫となるでしょう。
 この「福島原発事故情報公開アーカイブ」が開設されたということを、1人でも多くの人に知っていただきたく、是非情報拡散にご協力ください。
 なお、本アーカイブに関する問い合わせ先は以下のとおりです。
 
   特定非営利活動法人情報公開クリアリングハウス
   〒160-0008 東京都新宿区三栄町16-4 芝本マンション403
    TEL.03-5269-1846 FAX.03-5269-0944
    E-Mail icj[a]clearing-house.org ※[a]を@に変更