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“後半戦”をどう闘うか~例えば「STOP!戦争法案 楠見でもデモ」や「『安保法案』反対!わかやま10,000人アクション」

 今晩(2015年8月8日)配信した「メルマガ金原No.2176」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
“後半戦”をどう闘うか~例えば「STOP!戦争法案 楠見でもデモ」や「『安保法案』反対!わかやま10,000人アクション」

日本国憲法
第五十九条 法律案は、この憲法に特別の定のある場合を除いては、両議院で可決したとき法律となる。
2 衆議院で可決し、参議院でこれと異なつた議決をした法律案は、衆議院で出席議員の三分の二以上の
多数で再び可決したときは、法律となる。
3 前項の規定は、法律の定めるところにより、衆議院が、両議院の協議会を開くことを求めることを妨
げない。
4 参議院が、衆議院の可決した法律案を受け取つた後、国会休会中の期間を除いて六十日以内に、議決しないときは、衆議院は、参議院がその法律案を否決したものとみなすことができる。
 
国会法(昭和二十二年四月三十日法律第七十九号)
   
第十章 両議院関係
第八十三条の三 衆議院は、日本国憲法第五十九条第四項の規定により、参議院が法律案を否決したもの
とみなしたときは、その旨を参議院に通知する。
2 略
3 前二項の通知があつたときは、参議院は、直ちに衆議院の送付案又は回付案を衆議院に返付する。
   第十八章 補則
第百三十三条 この法律及び各議院の規則による期間の計算は、当日から起算する。
 
参議院 議案審議情報
我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律案

衆議院委員会等経過
 本付託日 平成27年5月19日
 付託委員会等 我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会
 議決日 平成27年7月15日
 議決・継続結果 可決
衆議院本会議経過
 議決日 平成27年7月16日
 議決 可決
 採決態様 多数
 採決方法 起立 
衆議院から受領/提出日 平成27年7月16日
参議院委員会等経過
 本付託日 平成27年7月27日
 付託委員会等 我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会
 議決日
 議決・継続結果
参議院本会議経過
 議決日
 議決
 採決態様
 採決方法

参議院 議案審議情報
国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等に関する法律案

経過は同上
 
 何のために上記引用を行ったか、説明の必要もないと思いますが、その結論だけ簡単にまとめておきます。
 法律案は、両議院で可決した時に法律となりますが(憲法第59条1項)、例外的に、参議院が否決しても、衆議院が「出席議員の三分の二以上の多数で再び可決したとき」も法律となります(同条2項)。
 さらに、「参議院が、衆議院の可決した法律案を受け取つた後、国会休会中の期間を除いて六十日以内に、議決しないときは、衆議院は、参議院がその法律案を否決したものとみなすことができる。」(同条4項)という規定もあります。
 今年の1月26日に召集された第189回国会(常会)が、実に95日間も(9月27日まで)延長されたのは、この憲法第59条4項の60日ルールを念頭に置いているからではないかという観測があることは、皆さんもご存知のことと思います。
 現在、参議院で審議中の2つの法律案(「我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律案」及び「国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等に関する法律案」)は、いずれも、参議院衆議院から受け取った日(受領日)が「平成27年7月16日」であり、この日から「国会休会中の期間を除いて六十日以内」に議決しなければ、衆議院での再議決が可能となります。
 このような期間の計算をする際には、その日数に初日を算入するかしないかで期間の末日が異なってきますので、民法刑事訴訟法等の基本法で期間計算の通則が定められていますが、個別法で特別な定めがなされている場合にはそれによります。
 日本国憲法自体に期間計算の方法を定めた通則規定はありませんが、憲法の中で期間が問題となる規定の大半は国会に関わる規定であり、日本国憲法施行と同じ日(1947年5月3日)から施行された国会法第133条において、「この法律及び各議院の規則による期間の計算は、当日から起算する。」とされていますので、日本国憲法に規定された国会に関わる期間についても、「当日から起算する」と解釈されています。
 従って、安保関連2法案を憲法第59条4項にあてはめれば、「参議院が、衆議院の可決した法律案を受け取つた(平成27年7月16日の)後、国会休会中の期間を除いて六十日以内に(平成27年9月13日までに)、議決しないときは、衆議院は、参議院がその法律案を否決したものとみなすことができる。」と読み、9月14日から会期末の9月27日までの間が再議決可能期間ということになります。
 ここで、参議院衆議院議席状況も確認しておきましょう。
 
参議院 会派別所属議員数一覧
自由民主党 113(48)
民主党・新緑風会 58(41)
公明党 20(9)
維新の党 11(5)
日本共産党 11(3)
日本を元気にする会・無所属会 7(3)
次世代の党 6(2)
無所属クラブ 4(2)
社会民主党護憲連合 3(2)
生活の党と山本太郎となかまたち 3(2)
新党改革無所属の会 2(1)
各派に属しない議員 4(3)
合計 242(121)
 ※括弧内は来年任期満了を迎える議員数
 
衆議院 会派別所属議員数
自由民主党 290
民主党無所属クラブ 72
維新の党 40
公明党 35
日本共産党 21
次世代の党 2
生活の党と山本太郎となかまたち 2
社会民主党・市民連合 2
無所属 10
欠員 1
計 475
 
 参議院の過半数は(議長が採決に加わらないことを前提に)121。自民113、公明20から議長を引けば132。おそらく採決となれば次世代の党6も賛成すると見込まれますので138。そして、それ以外の野党の中からも賛成に回る者が出るかもしれません。これが参議院の状況。
 
 衆議院の定数は475ですが、現在欠員1で474議席。議長が採決に加わらないことを前提に、3分の2以上で再議決するのに必要な票数は316。自民290―1(大島理森議長)+公明35で324。必要数を8議席上回っている計算になります(次世代の党の2人を足せばプラス10議席)。これが衆議院の状況。
 
 さて、以上を前提として、会期末までの“戦争法案”阻止のための闘いをどう構築していくかを考えなければならないのですが、それはそれとして、参議院議席状況を調べていて、私は、「民主党の退潮という傾向が来年夏の参議院選挙まで継続するようだと大変なことになる」と思いました。そうは思いませんか?
 
 そこで、8月から9月はじめにかけての“後半戦”をいかに闘うかです。
 全国的に見れば、SEALDsに代表される学生・若者の抗議行動が注目される他、
  戦争をさせない1000人委員会
  解釈で憲法9条を壊すな!実行委員会
  戦争する国づくりストップ!憲法を守り・いかす共同センター
の3団体が、共同の取組を行うために作った枠組である「戦争させない、9条壊すな!総がかり行動実行委員会」が、
  毎週火曜日の全国一斉街頭宣伝行動
  毎週木曜日の戦争法案反対国会前集会
の他に、「戦争法案廃案!安倍政権退陣!8・30国会10万人・全国100万人大行動」を呼びかけています。
 8月30日には、「全国100万人大行動」の一環として、大阪の扇町公園での「3万人大行動」も計画されているようです。

 全国で100万人が行動するとなれば、和歌山でも1万人は無理でも(県民は96万人しかいない)数千人は動員したいところです。
 しかし、去る7月12日(日)に和歌山弁護士会が主催する「憲法違反の「安保法制」に反対する7・12和歌山大集会&パレード」和歌山城西の丸広場)に全県下から2500人が結集して成功を収めたものの、多くの団体が予算的に相当の無理を重ねてこの集会に力を集中したため、同規模の集会をもう1度開催する余力は現実問題として残っていないだろうと思います。

 とはいえ、“戦争法案”反対の闘いの手を緩める訳にはいきません。
 県下各地において、目に見える形で行動を続ける必要があることは言うまでもありません。
 そして、そのような動きを1つのまとまりのあるアピール行動とすることにより、対外的訴求力を最大化することを目的に、憲法9条を守る和歌山弁護士の会が、「『安保法案』反対!わかやま10,000人アクション」を呼びかけることになりました。
 以下に呼びかけ文を引用します(PDF)。
 
(引用開始)
                                       2015年8月6日
 
      やっぱり違憲!ただちに廃案!空前の怒りの声の大結集を!
    「『安保法案』反対!わかやま10,000人アクション」をよびかけます
 
                   憲法9条を守る和歌山弁護士の会  
                     代表世話人 山 﨑 和 友 
                        同    豊 田 泰 史 
                        同    藤 井 幹 雄 
 
 政府・与党が衆院委員会採決を強行する姿勢を示す中,和歌山弁護士会が主催した「7・12大集会」は,県下各地から2,500人の参加で大成功をおさめました。和歌山城西の丸広場がこれだけいっぱいになる集会は近年珍しく, また引き続くパレードでは2,000人という大きな隊列がけやき大通りを進みました。「安保法制」は憲法違反であり,政府が勝手に憲法を捻じ曲げることへの危機意識と政権への怒りが大きく広がっていることを示す取り組みとなりました。
 しかし,この集会直後の7月15日,政府・与党は,衆議院安保法制特別委員会で,翌16日には衆議院本会議で採決を強行しました。採決後に行われたマスコミ各社の世論調査でも,いずれも安倍内閣に対する「不支持」が「支持」を上回るに至り,「本当に止める」「安倍政治を許さない」など,ますます国
民の怒りが広がっています。
 「7・12大集会」の直後から,参加された市民のみなさんから「次の取り組みは?」「これで終わらせてはいけない」など,次の行動を期待する声が多数寄せられました。私たちは,「7・12大集会」の成功を受け,和歌山の隅々から「やっぱり違憲!ただちに廃案!」の声をあげ,国会に届けるため,平和と民主主義を愛するすべての皆さんに「わかやま10,000人アクション」をよびかけます。
 
                           記
1.概要
 安保法制に反対する和歌山県内での取り組みを「『安保法案』反対!わかやま10,000人アクショ
ン」として呼びかけます。
2.日程
 2015年8月29日(土)~9月14日(月)の取り組みとします。
 ※ なお,憲法9条を守る和歌山弁護士の会では,9月14日に「憲法の破壊を許さないランチTIMEデ
モ」(第15回)を予定しています。12時20分に和歌山市役所前を出発し,京橋プロムナードまで行進
します。
3.取り組みの内容
 集会やデモ行進などを中心に,署名活動,街頭宣伝行動など,様々な取り組みを工夫してください。規
模は問いません。趣旨に賛同いただければ,個人でも団体でもOK。
4.アクションへの参加方法
不動くん1 この呼びかけに賛同していただける企画については,事前に,(1)企画名称,(2)開催日時(開始時刻・終了時刻),(3)開催場所,(4)企画内容,(5)主催者,(6)連絡先(公開), (7)参加予定人数,(8)電話番
号・メールアドレス(非公開)を,下記連絡先にお知らせください。
 共同の取り組みとして,適当な時期に記者発表します。
 また,この呼びかけに賛同する行事は, 「安保法案反対!わかやま10,000人アクション」のロゴ
マーク(上の画像「不動くん」)をつけてお互いに広く拡散することとします。
5.弁護士の派遣
 この呼びかけに賛同する企画で,弁護士に講演,スピーチなどを要請される場合には,喜んでお引き受
けしたいと思います。ただし,会員数にも限りがあり,地域的な問題もありますので,できるだけ早くご
連絡をお願いします。
6.お問い合わせ・連絡先
 憲法9条を守る和歌山弁護士の会
  事務局長 森崎 有治
   和歌山市十二番丁10番地 本山ビル3階
     TEL:073-433-2241 FAX:073-433-2767
(引用終わり)
 
不動くん2 正直言って、1箇所に集まる予算が底を突いたので、各自の地元で頑張ろう!という側面があることは否定しがたいのですが、これを逆手にとり、今までデモなどやったことのない地域でアピールパレードをやったりするところが次々と出てきたりしてくれるといいな、と思っています(長野県での農村デモが話題を集めたように)。そして、そのような取組みがメディアで取り上げられる機会を少しでも増やすためにも、共同の取組としてまとまり、共通キャラクター(不動くん)を使って訴求力を高めることを狙っているのです。
 取り組み期間の設定が8月の終わりからとなっているのは、想定される国会審議の状況や、県内の様々な団体への呼びかけと申込み集約に要する期間とのバランスで決めたものですが、この時期なら夏の甲子園も終わっていますから、朝日新聞和歌山総局の記者の皆さんも、高校野球漬けの日常から解放されているでしょうしね。
 
 最後に、昨日(8月7日)行われた和歌山市楠見地区での地域デモ、「STOP!戦争法案 楠見でもデモ」(楠見子連れ9条の会主催)の模様を、参加された皆さんが主としてFacebookに投稿された映像やレポートでご紹介したいと思います。私も時間の都合がつけば参加したかったのですが(「見守り弁護士」が来てくれると心強いという主催者の意向も聞いていましたので)、残念ながら東京出張の予定が入っていたため参加できませんでした。
 しかし、参加された方から伺ったり、動画を拝見したりしただけでも、非常に楽しく有意義なデモだったことが分かります。
 憲法9条を守る和歌山弁護士の会が呼びかける「『安保法案』反対!わかやま10,000人アクショ
ン」に呼応して、「楠見でもデモ」のような地域デモが集中的に県下各地で行われることを、私は特に期待しているのです。
 上記呼びかけ文に、弁護士に対する「講演」や「スピーチ」の要請に極力お応えしたいと書いてありますが、私としては、これにデモの「見守り弁護士」を付け加えてもらっても良いと思っています。・・・と安請け合いして、日程的に要請に応えられない可能性もあるので(特に平日は厳しい)、あまり大風呂敷は広げるなという声が(同業者から)聞こえてきそうですが。
 
【STOP!戦争法案 楠見でもデモ(楠見子連れ9条の会主催)のレポート】
●楠見子連れ9条の会Facebook

写真レポートその1