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憲法を大事にし、音楽を愛し、原発を無くしたいと願う多くの人と繋がれるブログを目指します

音楽の力を信じたい~(再配信)今さらながらの替え歌『東電に入ろう(倒電に廃炉)』のご紹介

 今晩(2015年9月4日)配信した「メルマガ金原No.2203」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
音楽の力を信じたい~(再配信)今さらながらの替え歌『東電に入ろう(倒電に廃炉)』のご紹介

 私が、親しい知人25人を最初の読者としてささやかに「メルマガ金原」の配信を始めたのは2011年3月28日のことでした。
 その「動機」というか、「きっかけ」というか、あるいは「決意」というかは、これまでも何度か書いてきました。少し長くなりますが、その一つを引用します。
 
2013年3月2日 メルマガ金原No.1280
メルマガ、ブログ、そして Facebook 再説 (前編)

(引用開始)
 2011年3月11日の東日本大震災、そして福島第一原発事故の発生に衝撃を受け、2011年3月28日、ごく親しい知人の皆さん25人に向けて配信を始めた「メルマガ金原」も、昨日(2013年3月1日)までで1279号に達し(他に臨時増刊号を数回配信)、読者も226名にお送りするまでになりました。
 読者の方からさらにご紹介を受けてお送りすることとなった読者の中には海外在住の方もおられますし、また、福島から避難された方もいらっしゃれば、とどまらざるを得なかった方もおられます。
 なぜメルマガを始めたのか?ということについては、何度か書いたことがあったように思いますが、2周年を間近に控え、もう一度原点を振り返っておきたいと思います。
 一言で言えば、私をメルマガに駆り立てているものは「悔恨」です。
 小出裕章さんは、かねてから、「自分を含めた原子力の専門家には事故を防げなかった責任がある。しかし、だまされた者にも責任がある」と主張されており、まことにその通りだとは思うのですが、自らをかえりみた時、「はたしてだまされていたのだろうか?」ということが問題です。
 私の周囲には、長年、和歌山に原発を建てさせないために体をはった闘争を続けてきた方もおられ、原発の危険性を学ぶための学習会にもたびたびお誘いいただいていました。そして、私自身、詳しく分からぬながら、「原発は危険なもので止めた方が良いのだろう」と漠然と考えていたことは事実です。
 しかし、私は何もしなかった。
 そして、「3.11」が起きてしまったのです。
 本質的な危険性を隠蔽しながら原発を推進してきた政治家、官僚、電力会社をはじめとする経済界、学者、マスメディアなどが重大な責任を負うべきは当然です。
 法律家の観点からこれを評すれば「確信的故意犯」にあたります。
 また、これら「確信的故意犯」にだまされて、原子力発電に何の疑いも抱かなかった人たちにももちろ
ん責任はありますが、法的にいえばこれは「過失犯」にとどまると言うべきでしょう。
 それでは私はどうなのか?原発は安全だと思いこまされていたのか?そんなことはありません。積極的に学ぶことはしていなかったけれど、電力会社の原発CMなどを見ながら「うさんくさい」と思う程度の感性は持っていました。原発の真実にたどりつく糸口はいくらでも周りにありました。けれど、何もしなかった。
 ここでも法的比喩を用いれば、「未必(みひつ)の故意」ということになるでしょう。
 簡単に言えば(あまり簡単でもありませんが)、結果が発生するかもしれないことを認識しながら、そうなっても仕方がないとして、あえて結果発生を防止せずに放置する心的態度、ということです。
 当然、「未必の故意」も故意犯です。だまされた過失犯より大きな責任を負わねばなりません。
 「3.11」を境に人生が変わった、という人の多くは、おそらく以上の私と同じような「悔恨」を出発点としているのではないかと推測しています。
 なお、現在は、原発問題に近い比重で憲法問題を取り上げています。第二次安倍内閣の登場により、原発問題と並んで憲法がこれまでになく危機的状況となってきたからです。民主党政権時代から、原発の危機と憲法の危機は通底していると思っていましたが、3年ぶりに自民党が政権復帰し、いよいよ真打ちが登場したというところです。闘いの山場はこれからです。
 原発問題にせよ、憲法問題にせよ、個人の力はまことに小さなものです。しかし、「3.11」のような後悔は二度としたくありません。微力ではあっても、せめて、「自分にできるだけのことはした」と言えるようになりたいという気持ちでメルマガ発信を続けています。今後ともご愛読をよろしくお願いします。
(引用終わり)  
 
 自分で自分の文章を読み返すという作業は、ナルシズムすれすれ、あるいはナルシズムそのものになりかねない危険をはらんだ営みですが、日常が惰性に流れ、初心を思い出す必要があると思った時には、それなりの決意をもって書いた自分に立ち返ることも、無意義ではないと思います。

 私が、そういう気持ちになったのは、昨晩、Facebook友達であるFumio Tsujimotoさん(ヒポポ大王)のFacebookへの投稿を読んだことがきっかけでした。
 Tsujimotoさんの事前了解を得た訳ではありませんが、「公開」設定となっていますし、お許しいただけ
るものと決めてご紹介します。
(引用開始)
いろんな人がブログやTwitterなどで取り上げてくれてるおかげで、
YOUTUBEの『東電に入ろう』は50万近いアクセスにもなってた。
全国の集会やデモでもよく歌われているらしい。
おなじく『原発ショー歌』もよく歌われていると聞いた。
やはり、もいっぺん気合い入れなおして
原発反対の声をまとめなアカンなぁ~!
がんばるぞ~!
あいかわらず安倍政府は原発推進に邁進してる。
『まずは原発ありき』で、聞く耳持たないブラックな連中。
それはまるで『辺野古ありき』で沖縄県民を愚弄するやり方とまったく同じだ。
おなじやり方で、こんどは戦争法案を強行しようとしてる。
もう、ええかげんに止めなアカンわ。
新国立競技場白紙撤回
まさかの
エンブレム白紙撤回
できるんやから、
次は
戦争法案白紙撤回!
できるはずやろ。
(引用終わり)
 
 Tsujimotoさんとは、Facebook友達とはいえ、実際にお目にかかったことは2回しかなく、出身地が和歌山県東牟婁郡、出身高校が和歌山県立古座高校で、現在は堺市在住ということは公表されているものの、それ以上に詳しいことを知っている訳ではありません。
 ただ、「けめやん」「トリコ」という2匹の猫が活躍するデジコマまんがで、猫とともにあるTsujimotoさんの日常生活を想像するだけです(最近、Facebookに「けめやん」「トリコ」がとんと登場しなくなり、寂しい思いをしているのは私だけではないでしょう)。
 見本にデジコマまんがを一つご紹介。今のところこれが最新版だと思います。
 
 私とTsujimotoさんの出会いは、『東電に入ろう(倒電に廃炉)』でした。この替え歌がYouTubeにアップされたのは、2011年4月24日のことですが、それほど間を置かず、知人から教えてもらって視聴したこの曲との出会いについて「メルマガ金原」に書いたのは、ようやく2012年1月8日になってからのことでした(以下に再配信します)。
 その後、メルマガを転載するために始めたブログにもアップし、それがTsujimotoさんとFacebook友達になるきっかけになりました。
 もっとも、初対面の時にいただいた名刺には、名前は「ヒポポ大王」としか書かれていませんでしたが(2013年3月10日、和歌山城西の丸広場で開かれた「福島を忘れない!原発ゼロ 和歌山3・10フェスティバル」でのことでした)。
 
 その後、東北大震災で被災した子どもたちを支援する活動を仲間と続けておられること、また以下のような素晴らしい楽曲を発表しておられることを知り、心から敬意を抱いているのです。
 ただ、本業が多忙のため、音楽活動に割ける時間が限られているらしいと想像して、仕方がないことだろうと思っていました。
 
 ここで、昨夜のFacebookに書かれていた『原発ショー歌』の他、ヒポポフォークゲリラ名義でYouTubeで公開されている楽曲をまとめてご紹介します。どれも素晴らしい曲ばかりです。是非聴いてください。
 
原発ショー歌(小林旭の「自動車ショー歌」の替え歌)』
(2012年2月28日)

 

『世界』 作詞・作曲:ヒポポ田 演奏:ヒポポフォークゲリラ
(2012年6月8日)

 

『大阪のおばちゃん(ヒポポフォークゲリラ婦人部)』
(2013年7月1日)
 


『Don't mind (どんまい)』 作詞・作曲:ヒポポ大王 演奏:ヒポポフォークゲリラ
(2014年2月3日)
 


『ラブソング・フォー・ユー(LOVESONG FOR YOU)』 作詞・作曲:ヒポポ大王 演奏:ヒポポフォーク
ゲリラ  
(2014年3月13日)
 
 


 原発反対も、戦争法案撤回も、「もいっぺん気合い入れなおして」「がんばるぞ~!」というヒポポ大
王(ここはこちらの方がより気合いが入るような気がしますね)の決意を読み、私も初心を思い出して自分自身に「がんばるぞ~!」と言い聞かせることにしました。
 ということで、以下に、「今さらながらの替え歌『東電に入ろう(倒電に廃炉)』のご紹介」を再配信します。
 「もうメルマガやブログで読んでるよ」という人も、是非もう一度読んでください。というか、私の文章はともかく、『東電に入ろう』は是非あらためて聴いてください。
 音楽の力を信じるために。
 

 2012年1月8日に配信したメルマガ金原No.786「今さらながらの替え歌『東電に入ろう(倒電に廃
炉)』のご紹介」を再配信します。
 過去、ブログでも2回ご紹介しています。
 
今さらながらの替え歌『東電に入ろう(倒電に廃炉)』のご紹介
 
 もしもまだ聴いたことがない人は、とりあえず予備知識なしで、以下の楽曲を聴いてください。
 『東電に入ろう』という曲です。
 
オリジナル版
 

実写版(in天満音楽祭)
 

 歌詞を書き出したサイトがあります。
 
(引用開始)
(1)
皆さんがたの中に
東京電力に入りたい人はいませんか
ひと旗あげたい人はいませんか
東電じゃ人材もとめてます
 東電に入ろう 東電に入ろう
 東電に入ればこの世は天国
 男の中の男はみんな東電に入って花と散る
(2)
スリルを味わいたい人いたら
いつでも東電にお越しください
ウランでもプルトニウムでもなんでもありますよ
下請け使えば平気です
 東電に入ろう 東電に入ろう
 東電に入ればこの世は天国
 男の中の男はみんな東電に入って花と散る
(3)
原発推進派のみなさんは
原子炉の真下にお集まりください
いますぐ体に悪いわけじゃありません
シャワーで洗えば平気です
 東電に入ろう 東電に入ろう
 東電に入ればこの世は天国
 男の中の男はみんな東電に入って花と散る
(4)
原発はクリーンなエネルギーです
プルトニウムはそんなに怖いもんじゃありません
放射能出すといっても半減期
たったの2万と4千年です
 東電に入ろう 東電に入ろう
 東電に入ればこの世は天国
 男の中の男はみんな東電に入って花と散る
(5)
日本のエネルギーを支えるには
原子力に頼らないといけません
多少の被爆はやむをえません
イソジン飲んでおけば平気です
 東電に入ろう 東電に入ろう
 東電に入ればこの世は天国
 男の中の男はみんな東電に入って花と散る
(6)
使用済みの核燃料はぜんぶまとめて
ドラム缶に詰めたらだいじょうぶ
六ヶ所村のプールで冷やしてます
たったの300年のがまんです
 東電に入ろう 東電に入ろう
 東電に入ればこの世は天国
 男の中の男はみんな東電に入って花と散る
(7)
水が漏れてるけど騒ぐんじゃない
煙が出てるけどあわてるな
屋根が吹っ飛んだけど全然だいじょうぶ
とにかく塩水で冷やしてます
 東電に入ろう 東電に入ろう
 東電に入ればこの世は天国
 男の中の男はみんな東電に入って花と散る
(8)
いますぐ危険ってわけじゃないけど
牛乳も野菜も捨てましょう
政府のおエライさんが言ってます
補償は税金で払います
 東電に入ろう 東電に入ろう
 東電に入ればこの世は天国
 男の中の男はみんな東電に入って花と散る
(9)
ガイガーカウンタは売り切れてます
君たちそんなもの持っちゃダメですよ
放射線の値はこちらで発表します
信じる者は救われる
 東電に入ろう 東電に入ろう
 東電に入ればこの世は天国
 男の中の男はみんな東電に入って花と散る
(引用終わり)
 
 この曲は、言うまでもなく、高田渡さんの『自衛隊に入ろう』(1969年)の替え歌で、私はこの曲が収録された「高田渡五つの赤い風船」というLPレコードを中学3年生の乏しい小遣いをはたいて購入したという思い出があるのですが、まもなく高田渡さん自身がこの曲を「封印」してしまいましたから、現在の動画サイトで見られるのは他の歌手によるカバーだけでしょう。


 さて、『自衛隊に入ろう』の替え歌『東電に入ろう』が動画サイトに(匿名で)アップされ、一部の話題を呼んだのが正確にいつ頃であったか記憶にないのですが、遅くとも4月にはアップされていたようです。
 教えてくださる方がいて、私もすぐに視聴したのですが、メルマガでご紹介したものかどうか、迷った末に、その当時はスルーしました。
 
 高田渡さんが『自衛隊に入ろう』を封印した理由は分かりませんが、私が思うに、60年代終わりや70年代なら、「自衛隊に入って花と散る」という歌詞は「シャレ」になったと思うのですが(ちなみに、『自衛隊に入ろう』という曲自体が、米国の楽曲の替え歌でした)、PKOによる自衛隊の海外派遣が常態化し、はては小泉政権が米国に追随して自衛隊イラクに「派兵」するに及び、自衛隊員が「花と散る」という歌詞は「シャレ」にならなくなりました。
 
 そして、『東電に入ろう』です。非常にレベルの高い替え歌だとは思いましたが、昨年4月の段階で、「東電に入って花と散る」という歌詞は「シャレ」では済まない状況でした(多分今でもそうです)。
 私がこの曲のメルマガでのご紹介をためらった最大の原因はその点でした。
 それと、作詞者・歌唱者の正体が分かってからでも遅くないということもありました。
 作者の「正体」については、とりあえず以下のサイトなどをご覧ください。
 
ヒポポ大王の気まぐれ日記
ヒポポタマスの遊び人
ヒポポ大王のプロフィール
※ 出身地「紀州熊野古道のはて」 住まい「大阪府
  
 ところで、昨年末からメルマガの各号末尾に「付録」として楽曲をご紹介するようになりました。聴いていただいているでしょうか?
 子どものころ、毎月買ってもらっている雑誌の本誌よりも付録の方を楽しみにしていた人も少なくないと思うのですが、まあ、そのようなものと受け取っていただいてかまいません。
 
 「付録」用に様々な楽曲を選んでいる過程で、『東電に入ろう』もあらためて聴き直しました。最初に聴いた時点では、リフレインの「東電に入って花と散る」の部分にのみ意識が集中していたのですが、じっくりと聴いてみると、歌詞全体の構成が実にしっかりとしていること、歌唱力、演奏力も一級であることにあらためて感銘を受けました。
 
 そもそも、『自衛隊に入ろう』自体、非常にカバーが難しい曲です。動画サイトで視聴できるなぎらけんいちさんもソウル・フラワー・ユニオンも、実力十分な歌手、バンドであるにもかかわらず、正直『自衛隊に入ろう』の演奏は感心しません。
 
 これに比べ、『東電に入ろう』は立派に一つの楽曲としての存在を主張しています。
 ちょうど、忌野清志郎さんの『サマータイム・ブルース』や『ラブ・ミー・テンダー』がそうであったように。あるいは、斉藤和義さんの『ずっとウソだった』がそうであるように。  
 
 『自衛隊に入ろう』の作者に自衛隊員に対する悪意がなかったように、『東電に入ろう』にも、個々の東電社員に対する悪意はありません。それを確信した上で、皆様にも是非聴いていただきたいと思いました。
 最後に、原曲『自衛隊に入ろう』のさらに元歌をご紹介しておきます。
 
『I want to go to Andorra』あるいは単に『Andorra』
 作詞:マルヴィナ・レイノルズ(Malvina Reynolds)
 補作詞・作曲:ピート・シーガー(Pete Seeger)
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