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続・和歌山における抗議声明(3種)のご紹介(付・9/23は和歌山城西の丸広場に結集を!)

 今晩(2015年9月21日)配信した「メルマガ金原No.2220」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
続・和歌山における抗議声明(3種)のご紹介(付・9/23は和歌山城西の丸広場に結集を!)

 一昨日(9月19日)に続き、和歌山の団体から出された安全保障関連2法の成立に抗議する声明を3つご紹介します。
 今日ご紹介するのは、以下の3団体が出した声明です。
 
〇戦争立法に反対する和歌山県共同闘争本部
 全労連系の組合、平和団体など4つの組織が結集した運動体であり、構成団体は以下のとおりです。
  和歌山県地方労働組合評議会(県地評)
  平和・民主・革新の日本をめざす和歌山県の会
  安保条約をなくし、平和・民主主義、生活向上をめざす和歌山県民会議
  憲法九条を守るわかやま県民の会
 憲法であれ、反原発であれ、和歌山で大きな運動に取り組みたいと考える場合、県地評の持つ組織力はまことに重要で頼りになる存在です。今後の運動をどう進めていくかという組織論を語る場合、党派性のない(薄い)市民の参加を呼び込む工夫と並行して、既存の様々な組織が、従来培ってきた貴重な力をさらに有効に駆使していくことが必須でしょう。そして、そこには(国民連合政府も視野に入れた)様々な「共同(協働)」が期待されているのだと思います。
 
〇守ろう9条 紀の川 市民の会
 紀の川北岸に居住する和歌山市民が2005年1月24日に結成した地域9条の会(と言うには広過ぎますが)であり、和歌山県下で最も活動期間の長い「9条の会」の1つでしょう。最近は、春に総会、秋に憲法フェスタを開催するのを例としており、これまで県外から豪華講師を招いた記念講演を行うなど、活発な活動を続けてきています。試みにここ何年かの内に県外から招いた講師陣を挙げてみましょう。
  2014年秋 清水雅彦氏(日本体育大学教授)
  2014年春 森英樹氏(名古屋大学名誉教授)
  2013年秋 羽柴修氏(弁護士、兵庫県弁護士9条の会代表呼びかけ人)
  2013年春 二宮厚美氏(神戸大学名誉教授)
  2012年秋 吉田栄司氏(関西大学教授、九条の会・おおさか事務局長)
  2012年春 梅田章二氏(弁護士、大阪憲法会議幹事長)
  2011年秋 岩本智之氏(元京大原子炉実験所教員、日本科学者会議常任幹事)
 そして、今年の憲法フェスタ(11月3日/和歌山市河北コミセン)には、高作正博(たかさく・まさひろ)関西大学教授(憲法学)をお招きすることになっています。
 ちなみに、私は同会の結成以来、運営委員を務めています。
 
〇ワカケン
 明後日(9月23日)午後2時から和歌山城西の丸広場で開かれる「戦争法案絶対許さないぞ!9・23集会」を呼びかけた9団体の一つですが、「ワカケンって何?」と首をかしげる人が多いでしょう。
 そこで、声明を送ってくれたメンバーの西澤正美さんにお願いして、「自己紹介」を書いていただきま
したのでご紹介します。本邦(本県)初公開かもしれません。
「そもそもは昨夏、全国各地で行われている「若者憲法集会」の和歌山実行委員会ということで発足しました。ただ、諸事情により、集会の準備はいったん横においておいて、当面の最大の課題として、安保法制について学ぶことを中心に活動してきました。
 メンバーの一人である弁護士による勉強会を開 いたり、憲法制定や特攻に関する映画を鑑賞したり、元
特攻隊員にお話を聞きに行ったりして知識を増やしました。
 また今年の7月29日には、安保法案に反対するママの会@わかやまと共同主催で和歌山駅前アピール行動
を行いました。
 今後の活動としては、安保法制の廃止を求め続けるとともに、他の政治や社会に対する不安なこと、身近にある疑問や嫌なこと等についても情報を共有し、学び、考え、行動していこうと考えています。(西
澤正美)」
 なお、ワカケンのFacebookグループページはこちらです。

 それでは、以下に上記3団体の声明を全文引用します。
 
【戦争立法に反対する和歌山県共同闘争本部/9月19日付】
(引用開始)
             戦争法案の強行「採決」に抗議する
 
 本日、安倍政権は安保関連法案(戦争法案)を参議院で「採決」を強行し可決しました。「戦争をしない」と憲法に定めた日本のあり方を根本から覆す重大な法案を、国民の大多数の「戦争する国づくり反対」「強行採決するな」の声に耳を貸さず、強行可決したことに対し、満身の怒りをもって抗議します。
 この法律は、これまで憲法のもとで制限されてきた自衛隊の海外派兵を拡大するものであり、日本が攻撃されていなくても他国が攻撃されたときに自衛隊が出動することを可能とします。安倍首相は「新三要件」が歯止めになると言いますが、国民に安心を与える明確な答弁は最後までありませんでした。憲法学者、弁護士、さらには元最高裁判事までもが「憲法違反」を指摘しましたが、これに対しても国民を納得させる回答はありませんでした。議論すればするほど、この法案の違憲性、危険性が明らかになり、反対
する声がさらに大きく広がることになりました。
 また、形式的に中央公聴会、地方公聴会を開き、審議時間が何時間になったから採決をするという自民党公明党の強権的な国会運営は、国会の使命を自ら断ち切る暴挙であり、わが国の民主主義崩壊の始まりではないかという危惧を抱かずにはいられません。私たちはこのような与党の横暴、安倍政権の暴走を
断じて許すことはできません。
 一方で「日本を戦争をする国にしてはいけない」「憲法を守れ」、これらの声は大きく広がりました。青年を含めたくさんの人々が立場の違いを越えて立ち上がり、自発的にデモに参加して国会と安倍政権を包囲してきました。それは、あらためて70 年前の惨劇と平和について考え、憲法と民主主義の意味を再確認した人々の共同の輪でした。和歌山県内でも弁護士会が主催した7 月12 日の2500 人の大集会をはじめ、これまでの団体の枠を越えて県下各地で様々な取り組みが広がりました。そしてそれは今なお続けられ
ています。
 私たちは、この新たな共同の力をばねに運動をさらに広げ、一日も早く安倍政権を倒し、この戦争法制を廃止に追い込むとともに、平和憲法が光輝く日本の実現に向けて引き続き全力をあげます。
 
 2015年9月19日
 
  戦争立法に反対する和歌山県共同闘争本部
   和歌山県地方労働組合評議会
   平和・民主・革新の日本をめざす和歌山県の会
   安保条約をなくし、平和・民主主義、生活向上をめざす和歌山県民会議
   憲法九条を守るわかやま県民の会
(引用終わり)
 
【守ろう9条 紀の川 市民の会/9月20日付】
(引用開始)
           安全保障関連法の強行採決に厳重に抗議する
 
 安倍政権が国会に提出した集団的自衛権を行使できるようにする安全保障関連法案は、9月19日未明に参議院本会議において自民党公明党などで強行可決された。これは憲法違反の暴挙といわなければならない。
 そもそも、この法案は「わが国が直接攻撃されていないにもかかわらず他国に加えられた武力攻撃を実力で阻止することは、憲法9条のもとで許容される実力の行使の範囲を超えるものであり、許されない」とした従来の集団的自衛権否定の憲法解釈を、容認へと180度転換し、戦後70年間、戦争でひとりの外国人も殺さず、ひとりの日本人の戦死者も出すこともなかった、世界に冠たる「平和国家・日本」を保
障している憲法9条を根底から破壊するものである。
清水雅彦氏講演① 6月4日の衆議院憲法審査会では自民党推薦の憲法学者も含む3人の参考人全員が、法案を憲法違反と断言し、日本の憲法学者のほとんど全員が違憲と断定している。また、自民党政権下の歴代の内閣法制局長官も積極的に違憲の声を上げ、日本弁護士連合会や全国の弁護士会すべてが反対の声を上げている。さらに、「憲法の番人」である最高裁判所の元長官・山口繁氏までもが違憲と断言し、「集団的自衛権行使を否定する従来の解釈は憲法9条の規範へと昇格している」と述べている。そして世論調査では、法案に
「反対」は6割、今国会での成立には7割の国民が反対している。
 中央公聴会の公述人・奥田愛基氏は、行動こそ主権者として当たり前のことであり、「この国の憲法の理念を体現するもの」と強調し、世代を超えた反対のうねりは、70年間の平和主義の歩みを引き継ぎ、
守るものだと述べている。
 私たちは、違憲の安全保障関連法案の採決を強行した安倍政権と与党の自民党公明党、並びにそれに組みした他の3党に対して、厳重に抗議する。そしてこれからも、安全保障関連法に反対する大多数の国民とともに、違憲の安全保障関連法の施行を阻止するとともに、その廃止を求め、暴挙を働いたものに歴史の鉄槌を下すべく、さらに大きく活動を展開し続けることを宣言する。
 
2015年9月20日
                       守ろう9条 紀の川 市民の会
                        (和歌山市
(引用終わり)
※写真は、昨年11月に行われた「守ろう9条 紀の川 市民の会」第11回憲法フェスタでの清水雅彦日本体育大学教授(憲法学)による講演風景。
 
【ワカケン/9月20日付】
(引用開始)
               安保関連法案「採決」への抗議声明
 
 屁理屈を押し通して憲法の解釈を変え、審議過程では言い分がころころ変わりついには立法事実さえ消え失せたほどの、強引な法案「採決」に抗議します。半分を超える頭数さえあれば、どんな非論理的な提案も時の首相が思い通りに実現できるという、この無茶苦茶な独裁政治を許せません。
西澤正美さん この法律は戦争につながってしまうという強い危惧が全国各地から表明されています。この法律そのも
のの危うさもさることながら、政府の二転三転する答弁が、私たちの不安や疑念を強めています。日本が戦争に巻き込まれ、自身や後世代が殺し殺され、抑圧される国になってしまう可能性が高まったと懸念しています。
 私たちは、採決した時の国会の様子を忘れません。国会前はじめ全国から表明されている国民の声を代弁した野党の演説に対し、退屈そうにあくびをし、時に冷笑を浮かべ不要な野次を飛ばした与党議員。彼らは、野党議員の向こうにいる私たち国民をあざ笑っているということがよく分かりました。
 私たちはこれから、国民をないがしろにしたこの法律の廃止を求めるとともに、次の選挙では今国会の様子を踏まえた判断をし、民主主義の回復そしてバージョンアップを図るべく、憲法を学び行動することを続けます。
 
                2015年9月20日
                ワカケン
(引用終わり) 
※写真は、9月19日のトライ法律事務所での合同記者会見に出席した西澤正美さん(中央)。
 
(「戦争法案絶対許さないぞ!9・23集会」に結集を!)
 安保関連法案成立の10数時間前にプレスリリースを発出した「やっぱり違憲!ただちに廃案!空前の怒りの声の大結集を!戦争法案絶対許さないぞ!9・23集会」(於:和歌山城西の丸広場)の開催が2日後に迫ってきました。
 リリースを出した9月18日にメルマガ(ブログ)でご紹介しましたが、間際となりましたので、再度概要をお知らせします。
 
戦争法案絶対許さないぞ!9・23集会】
日時 2015年9月23日(水・祝)
 午後2時~ 集会(和歌山城西の丸広場)
  各団体等からのリレートークなど
 午後3時~ アピール行進(西の丸広場から向かいの和歌山市役所前に渡り、それからJR和歌山駅
まで行進し、そこで流れ解散)(雨天決行)
お問い合わせ・連絡先

弁護士 芝野友樹
  和歌山市十二番丁10番地 本山ビル3階
   和歌山合同法律事務所 
   電話 073-433-2241

呼びかけ団体
 
9条ネットわかやま
 
安全保障関連法案の廃案を求める和歌山大学有志の会
 戦争をさせない和歌山委員会
 憲法九条を守るわかやま県民の会
 ワカケン

 平和と憲法を守りたい市民の声
 安保関連法案に反対するママの会@わかやま
 WAVEs
 憲法9条を守る和歌山弁護士の会
(順不同)
 
CIMG4394※左の写真は、去る9月13日(日)、戦争をさせない和歌山委員会と憲法九条を守るわかやま県民の会の呼びかけで実施された「9.13戦争法案を廃案に!みんなで総がかり行動in和歌山」でのアピールパレードの一コマです。この日も私は記録係(?)として何枚も写真を撮りましたが、その中でも最も反響が大きかったのがこの1枚です。私がFacebookにこの写真を投稿したところ、実に多くの方がコメントを寄せてくださいました。いくつか抜き書きしてみます。「「デモ」なのに、みんな希望の笑顔に満ちていて…ほんといい写真~*」(にしでいづみさん)、「ほんまに楽しかった~」(国重あゆみさん)、「これは、明るい未来を信じて歩いているからです~♪」(花田惠子さん)、「これは抗議デモじゃないですね、ピースウォ―クですね!!」(安藤栄作さん)など。23日のアピールパレードも、是非「明るい未来を信じて」歩きたいですね。
 

(忘れないために)
 「自由と平和のための京大有志の会」による「あしたのための声明書」(2015年9月19日)を、「忘れないために」しばらくメルマガ(ブログ)の末尾に掲載することにしました。
 
(引用開始)
  あしたのための声明書
 
わたしたちは、忘れない。
人びとの声に耳をふさぎ、まともに答弁もせず法案を通した首相の厚顔を。
戦争に行きたくないと叫ぶ若者を「利己的」と罵った議員の無恥を。
強行採決も連休を過ぎれば忘れると言い放った官房長官の傲慢を。
 
わたしたちは、忘れない。
マスコミを懲らしめる、と恫喝した議員の思い上がりを。
権力に媚び、おもねるだけの報道人と言論人の醜さを。
居眠りに耽る議員たちの弛緩を。
 
わたしたちは、忘れない。
声を上げた若者たちの美しさを。
街頭に立ったお年寄りたちの威厳を。
内部からの告発に踏み切った人びとの勇気を。
 
わたしたちは、忘れない。
戦争の体験者が学生のデモに加わっていた姿を。
路上で、職場で、田んぼで、プラカードを掲げた人びとの決意を。
聞き届けられない声を、それでも上げつづけてきた人びとの苦しく切ない歴史を。
 
きょうは、はじまりの日。
憲法を貶めた法律を葬り去る作業のはじまり。
賛成票を投じたツケを議員たちが苦々しく噛みしめる日々のはじまり。
人の生命を軽んじ、人の尊厳を踏みにじる独裁政治の終わりのはじまり。
自由と平和への願いをさらに深く、さらに広く共有するための、あらゆる試みのはじまり。
 
わたしたちは、忘れない、あきらめない、屈しない。
 
     自由と平和のための京大有志の会
(引用終わり)
 

(付録)
『We Shall Overcome 大きな壁が崩れる』 日本語誌・演奏:中川五郎