読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

wakaben6888のブログ

憲法を大事にし、音楽を愛し、原発を無くしたいと願う多くの人と繋がれるブログを目指します

質問に誠実に答える政治指導者が日本政府にも欲しい~9/24日本外国特派員協会での翁長雄志沖縄県知事の会見動画を視聴して

 今晩(2015年9月26日)配信した「メルマガ金原No.2225」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
質問に誠実に答える政治指導者が日本政府にも欲しい~9/24日本外国特派員協会での翁長雄志沖縄県知事の会見動画を視聴して

 国連人権理事会での2分間スピーチ(Statmentの発表)やそれに先立つサイドイベント(シンポジウム)への参加などの慌ただしい日程を終え、ジュネーブから帰国した沖縄県の翁長雄志(おなが・たけし)知事は、一昨日(9月24日)、沖縄に戻る前に東京の日本外国特派員協会での記者会見に臨みました。翁長知事の特派員協会での会見は、今年5月20日に次ぐものでした。
 この記者会見を報じた国内メディアが、約1時間にわたって行われた会見(質問時間は短いものなので、大半は翁長知事がしゃべり通しでした)の内、知事のどの発言部分を取り上げて強調するか、各社様々であったことが興味深かったですね。
 いくつか例示してみましょう。
 
朝日新聞デジタル 2015年9月24日19時56分
辺野古「県民挙げて反対」 翁長知事、特派員協会で会見

(抜粋引用開始)
 今回の訪欧の狙いについては「日米両政府に訴えてもたらい回しにされる。国際社会にも訴えなければならない」と説明。国連人権理事会で翁長氏の発言の直後に在ジュネーブ日本政府代表部が「日本政府は在沖米軍が地域へ与えるインパクトを減らすことに最も重点を置いている」と反論したことに「負担軽減策を誇張する言い方。大変残念だ」と批判した。
(引用終わり)
 
日本経済新聞(共同通信) 2015/9/24 19:05
沖縄知事、政権批判の高まりに期待 次期国政選挙で

(抜粋引用開始)
 沖縄県の翁長雄志知事は24日、都内の日本外国特派員協会で記者会見し、安倍政権に批判的な民意が次期国政選挙で高まることに期待を示した。米軍普天間基地名護市辺野古移設阻止に向け「政権は長くて(衆院議員の任期満了まで)3年。来年は参院選がある。民意が変わっていくことは十二分にあり得る」と強調した。
(引用終わり)
 
沖縄タイムス 2015年9月25日 07:40
翁長知事が帰国 辺野古新基地「世界中で警鐘を」特派員協で会見

(抜粋引用開始)
 「県、名護市も権限などがいろいろある。日本国憲法や法律に従って、取り消しができるように行政としてやっていく」と述べ、前知事による埋め立て承認の取り消しなど知事選で公約した「あらゆる手法で阻止」の姿勢を強調した。
 その上で、沖縄の民意が反映されない辺野古問題の実情を「日米安保体制の品格という意味では、大変さもしいものがある」と嘆いた。
(引用終わり)
 
弁護士ドットコムニュース 2015年09月24日 16時42分
「安全保障のためなら琵琶湖を埋め立てるのか」 翁長知事が辺野古移設反対を訴える

(抜粋引用開始)
 さらに、翁長知事は「あんな美しいサンゴの海を埋め立てることは許されない」「日本の安全保障のためなら、十和田湖松島湾、琵琶湖を埋め立てるのか。自分たちのところでできない人たちが、沖縄の美しい海を埋め立てるということ自体、日本の民主主義がおかしなものになっているのではないか」と怒りをにじませた。
(略)
 沖縄の基地問題が混迷するなかで、たびたび浮上する「独立論」についての見解を求める質問もあがった。翁長知事は「私たちからすると、1952年に日本の独立と引き換えに、政府は沖縄を切り離した。そういったことも踏まえて、どうあるべきかを考えていかないといけない」と、言葉を慎重に選びながら語った。
(引用終わり)
 
 ところで、ネットで読む限り、新聞社で会見詳報を掲載したのは沖縄タイムスと(翁長批判のヨタ記事が大の得意である)産経だけでしたが、沖縄タイムスは有料会員限定記事なので、まこと残念ながら、産経だけご紹介しておきます。
 
 
 それでは、日本外国特派員協会の公式チャンネルにアップされた記者会見の動画をご紹介します。会見には同時通訳が入りましたので、日本語による動画(英語による質問に同時通訳がかぶる)と英語による動画(翁長知事の発言と日本語による質問に同時通訳がかぶる)の2通りがアップされていますので、両方とも紹介します。
 
Takeshi Onaga (his original voice in Japanese) : "Okinawa Face-off Deepens"(日本語版)
 
Takeshi Onaga (Simultaneous interpretation in English) : "Okinawa Face-off Deepens"(英語版
 

 冒頭、4分~21分までが翁長知事によるスピーチで、もっぱら8月10日から9月9日までの辺野古工事中断期間中における、日本政府(菅義偉官房長官中谷元防衛大臣岸田文雄外務大臣安倍晋三総理大臣、山口俊一内閣府特命(沖縄及び北方対策等)担当大臣)との交渉経過についての概括的な説明があり、その後、質疑応答となりました。
 視聴の便宜のために、質問項目を掲げておきます(同時通訳の加減もあるのでしょうが、質問の趣旨が判然としないものもあったことをお断りします)。
 
21分~ 国連人権理事会での声明に対する反応は?
23分~ 安保法制の成立と沖縄
27分~ 沖縄の状況は一向に変わる兆しも見込みもないのだから、いっそ基地を受け容れるという気持ちはないのか?
32分~(神保哲生) 埋立承認取り消し後の抗議行動を行う市民に対する沖縄県警への知事からの影響力の行使は?
34分~(ニコニコ) 来年1月の宜野湾市長選挙について
39分~ 沖縄独立論について
45分~ 埋立承認を取り消して本当に基地建設を止められるのか?
49分~ 本土と比較した沖縄の基地負担の現状について
53分~ 上記と関連して自衛隊の沖縄への配備について
55分~ 在沖米軍と中国について
56分~ オール沖縄からオール日本に向けた連携について
60分~(神保哲生) 前回の会見(5月20日)以降、沖縄問題についての本土の見方に変化・前進があったと考えるか?
64分~(司会からのコメント) 沖縄問題について、政府・自民党の政策担当者を会見に招くべく、特派員協会は1年前から要請を続けているが、前向きな返答がないとのこと。
 
 この約1時間の会見動画を視聴して、私は実にさわやかな印象を持ちました。そう感じる最大の要因は、翁長知事が、ちゃんと質問されたことに真正面から誠実に答えているところから来ていることは明らかです。
 実際、見てもらえば分かりますが、外国人記者からの質問の中には、うまく通訳できなかった可能性があるものの、「一体何を尋ねたいのか?」と問い返したくなるような質問もありました。しかし、そのような質問に対しても、翁長知事が可能な限り(推測される)質問の趣旨に沿って答えていることに誰しも感心するはずです。
 そして、翁長知事は、政治家としての自らの立場を常に弁えつつ、どのような質問に対してもしっかりとした回答ができるだけの知識・見識を持ち、決して質問をはぐらかしたりしないという信念をもって会見に臨んでいるという風に受け取りました。
 質問をはぐらかさない、尋ねらたことに誠実に答えるなどということは、人として当たり前のことですが、その常識が全く通用しない人間が、あろうことか長らく内閣総理大臣の地位にあるのですから、そのギャップの大きさに呆然とせざるを得ません。
 沖縄県(沖縄政府と言いたくなってきますが)と日本政府のどちらに正義があるかは、その指導者の資質を比較するだけでも一目瞭然です。
 そのような知事を選んだのは沖縄の有権者であり、そのような総理大臣を容認するような投票行動(棄権を含む)をとったのも、本土の過半数の有権者てあった訳です。
 日米軍事同盟の強化による日本の「沖縄化」が懸念される中、自らの力で政治状況を変えるための日本の「沖縄化」こそ求められています。
 
(参考動画その1)
 9月21日、ジュネーブで開かれた国連人権理事会における2分間スピーチ(声明の発表)に先立って行われたサイドイベント(シンポジウム)の動画がIWJによって公開されています。しかも、「公共性に鑑み、会員以外の方にも特別公開中!」です。
2015/09/21 【ジュネーブ】翁長雄志・沖縄県知事「普天間飛行場の辺野古移設は理不尽」と訴え、「日米の民主主義はどうなっているのか」と批判 ―ジュネーブ 国連人権理事会サイドイベント(動画)
 
(参考動画その2)
 前回、5月20日に日本外国特派員協会で行われた翁長雄志知事による会見動画です。
Okinawa
Gov. Takeshi Onaga Goes to Washington: My Message on U.S. Bases(日本語版)

P.C. of Okinawa Gov. Takeshi Onaga (Simultaneous interpretation in English)(英語版

 

(忘れないために)
 「自由と平和のための京大有志の会」による「あしたのための声明書」(2015年9月19日)を、「忘れないために」しばらくメルマガ(ブログ)の末尾に掲載することにしました。
 
(引用開始)
  あしたのための声明書
 
わたしたちは、忘れない。
人びとの声に耳をふさぎ、まともに答弁もせず法案を通した首相の厚顔を。
戦争に行きたくないと叫ぶ若者を「利己的」と罵った議員の無恥を。
強行採決も連休を過ぎれば忘れると言い放った官房長官の傲慢を。
 
わたしたちは、忘れない。
マスコミを懲らしめる、と恫喝した議員の思い上がりを。
権力に媚び、おもねるだけの報道人と言論人の醜さを。
居眠りに耽る議員たちの弛緩を。
 
わたしたちは、忘れない。
声を上げた若者たちの美しさを。
街頭に立ったお年寄りたちの威厳を。
内部からの告発に踏み切った人びとの勇気を。
 
わたしたちは、忘れない。
戦争の体験者が学生のデモに加わっていた姿を。
路上で、職場で、田んぼで、プラカードを掲げた人びとの決意を。
聞き届けられない声を、それでも上げつづけてきた人びとの苦しく切ない歴史を。
 
きょうは、はじまりの日。
憲法を貶めた法律を葬り去る作業のはじまり。
賛成票を投じたツケを議員たちが苦々しく噛みしめる日々のはじまり。
人の生命を軽んじ、人の尊厳を踏みにじる独裁政治の終わりのはじまり。
自由と平和への願いをさらに深く、さらに広く共有するための、あらゆる試みのはじまり。
 
わたしたちは、忘れない、あきらめない、屈しない。
 
     自由と平和のための京大有志の会
(引用終わり)
 

(付録)
『豊かな恵みの使い道』 原曲:サイ・カーン 日本語詞・演奏:中川五郎