今晩(2015年10月8日)配信した「メルマガ金原No.2237」を転載します。
なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
10/11再放送(BS&CS)に注目~NNNドキュメント'15「南京事件 兵士たちの遺言」
気軽に始めた「安保法制:「5党合意」「附帯決議」「閣議決定」をどう読むか」シリーズですが、(1)、(2)、(3)と書いてみて、「とても毎日は書いていられない」と確信しました。これを書くためには、毎回相当の時間とエネルギーを要します。
ということで、少しは省力化しないと身が持たないということで、今日は、Facebookで「友達」にお知らせしたTV番組、それも再放送情報をメルマガ(ブログ)でも取り上げることにしました。
ということで、私自身は「手抜き」ですが、ご紹介する番組は(まだ見ていませんが)絶対に「手抜き」ではないと確信しています。
それは、去る10月4日(日)深夜に日本テレビ系列で放送されたNNNドキュメント'15です。以下に番組案内を引用します。
気軽に始めた「安保法制:「5党合意」「附帯決議」「閣議決定」をどう読むか」シリーズですが、(1)、(2)、(3)と書いてみて、「とても毎日は書いていられない」と確信しました。これを書くためには、毎回相当の時間とエネルギーを要します。
ということで、少しは省力化しないと身が持たないということで、今日は、Facebookで「友達」にお知らせしたTV番組、それも再放送情報をメルマガ(ブログ)でも取り上げることにしました。
ということで、私自身は「手抜き」ですが、ご紹介する番組は(まだ見ていませんが)絶対に「手抜き」ではないと確信しています。
それは、去る10月4日(日)深夜に日本テレビ系列で放送されたNNNドキュメント'15です。以下に番組案内を引用します。
(引用開始)
NNNドキュメント'15
シリーズ戦後70年「南京事件 兵士たちの遺言」 55分枠
放送:2015年10月4日(日)25:10~
制作 : 日本テレビ
再放送 :
10月11日(日)11:00~ BS日テレ
10月11日(日)7:00~/24:00~ CS「日テレNEWS24」
古めかしい革張りの手帳に綴られた文字。それは78年前の中国・南京戦に参加した元日本兵の陣中日記だ。ごく普通の農民だった男性が、身重の妻を祖国に残し戦場へ向かう様子、そして戦場で目の当たりにした事が書かれていた。ある部隊に所属した元日本兵の陣中日記に焦点をあて、生前に撮影されたインタビューとともに、様々な観点から取材した。
(引用終わり)
この番組の本放送はうっかり見逃していたのですが、「本と雑誌のニュースサイト/リテラ」に掲載された以下の記事を読み、実は注目すべき番組だったんだ、と気づかされました。
リテラでの紹介によれば、陸軍歩兵第65聯隊と行動を共にした山砲兵第19聯隊所属の上等兵の陣中日記を中心としながら、様々な裏付資料と照らし合わせつつ、昭和12年(1937年)12月16日から18日にかけて、揚子江岸において、日本軍が大量の中国人捕虜を組織的に虐殺した情景が浮かび上がってくる構成になっているようです。
小杉みすずさんの文章の末尾の部分を引用しましょう。
小杉みすずさんの文章の末尾の部分を引用しましょう。
(引用開始)
これらの証言や日記などの一次資料をクロスさせると、12月16日から18日の3日間だけでも、百や千ではすまない大勢の中国人捕虜が殺されたことは間違いないだろう。ようするに、捕虜を大量に殺害したあと、死体を川に流して処理するため、南京城に近い揚子江の河川敷が“処刑場”に選ばれたのだ。
安倍政権が本音では否認したい「南京事件」は、すくなくともネット右翼や右派論壇の一部がいうような「存在自体を否定」されるようなものではなかったのだ。
そして今回、歴史問題を扱うとすぐさま「反日偏向報道!」と一斉にバッシングされるテレビメディアで、ここまで踏み込んだドキュメンタリーを放映した『NNNドキュメント』には、手放しで賞賛を送りたい。番組のチーフディレクターである清水潔氏は、桶川ストーカー殺人事件など、警察・司法発表に依存しない調査報道で、なんどもスクープを重ねてきたジャーナリストだ。今回も、ひとつの証言や文献に頼ることなく、実際に現地・南京を取材し、中国人女性による証言を得た後も彼女のふるさとを訪ね家族の墓を確認するなど、徹底した裏付け調査を行っていた。その真摯な姿勢こそ、いまのマスメディアに求められているものだろう。
ただ、ひとつだけ気になるのは、今回の放送のタイトルが、事前の新聞のラテ欄では「しゃべってから死ぬ 封印された陣中日記」とされていて、「南京」の文字がなかったことだ。先週の『NNNドキュメント』の最後に流された予告編でも「南京」の言葉は一言も出てこず、番組公式サイトでも事前に告知されていなかった。ようするに、4日深夜の初放映時になって初めて「南京事件 兵士たちの遺言」という真のタイトルが明かされたわけだが、ここに何か裏を感じるのは穿ち過ぎだろうか。
権力を忖度し、ネット上の批判に怯え、萎縮した報道を続けるテレビ業界だ。その圧力を避けようとしたのか、真相は不明だが、こうした番組が継続して放送されれば、業界の失いつつある信頼も取り戻せるはず。今後も期待しつつ、まずは『NNNドキュメント 南京事件 兵士たちの遺言』の再放送を待ちたい。(小杉みすず)
(引用終わり)
これらの証言や日記などの一次資料をクロスさせると、12月16日から18日の3日間だけでも、百や千ではすまない大勢の中国人捕虜が殺されたことは間違いないだろう。ようするに、捕虜を大量に殺害したあと、死体を川に流して処理するため、南京城に近い揚子江の河川敷が“処刑場”に選ばれたのだ。
安倍政権が本音では否認したい「南京事件」は、すくなくともネット右翼や右派論壇の一部がいうような「存在自体を否定」されるようなものではなかったのだ。
そして今回、歴史問題を扱うとすぐさま「反日偏向報道!」と一斉にバッシングされるテレビメディアで、ここまで踏み込んだドキュメンタリーを放映した『NNNドキュメント』には、手放しで賞賛を送りたい。番組のチーフディレクターである清水潔氏は、桶川ストーカー殺人事件など、警察・司法発表に依存しない調査報道で、なんどもスクープを重ねてきたジャーナリストだ。今回も、ひとつの証言や文献に頼ることなく、実際に現地・南京を取材し、中国人女性による証言を得た後も彼女のふるさとを訪ね家族の墓を確認するなど、徹底した裏付け調査を行っていた。その真摯な姿勢こそ、いまのマスメディアに求められているものだろう。
ただ、ひとつだけ気になるのは、今回の放送のタイトルが、事前の新聞のラテ欄では「しゃべってから死ぬ 封印された陣中日記」とされていて、「南京」の文字がなかったことだ。先週の『NNNドキュメント』の最後に流された予告編でも「南京」の言葉は一言も出てこず、番組公式サイトでも事前に告知されていなかった。ようするに、4日深夜の初放映時になって初めて「南京事件 兵士たちの遺言」という真のタイトルが明かされたわけだが、ここに何か裏を感じるのは穿ち過ぎだろうか。
権力を忖度し、ネット上の批判に怯え、萎縮した報道を続けるテレビ業界だ。その圧力を避けようとしたのか、真相は不明だが、こうした番組が継続して放送されれば、業界の失いつつある信頼も取り戻せるはず。今後も期待しつつ、まずは『NNNドキュメント 南京事件 兵士たちの遺言』の再放送を待ちたい。(小杉みすず)
(引用終わり)
この番組のラテ欄は読んでいませんし、放映前の番組公式サイトも見ておらず、1週間前の予告編も視聴していないので、私自身、小杉さんが書いていることの「裏付け」をとれていませんから、「小杉みすず氏の書いたとおりであると仮定すれば」なのですが、「南京事件」というキーワードを放送前に露出させなかったのは、番組ディレクターの作戦であった可能性が高いでしょうね。
何しろ、かつて官房副長官時代にNHK(ETV)で製作されていた「慰安婦」問題を取り上げたドキュメンタリー番組の内容に干渉して改変させた人間が内閣総理大臣として君臨し、2005年当時などと比較にならぬほどマスメディアに対する統制を強めている時代状況の下、とにかく政治的干渉を免れて放送にこぎ着けるための苦肉の策ではないか?などと想像されたりします(あくまで想像です)。
何しろ、かつて官房副長官時代にNHK(ETV)で製作されていた「慰安婦」問題を取り上げたドキュメンタリー番組の内容に干渉して改変させた人間が内閣総理大臣として君臨し、2005年当時などと比較にならぬほどマスメディアに対する統制を強めている時代状況の下、とにかく政治的干渉を免れて放送にこぎ着けるための苦肉の策ではないか?などと想像されたりします(あくまで想像です)。
数は少ないかもしれませんが、私のこのメルマガ(ブログ)で初めて「南京事件 兵士たちの遺言」という番組の存在を知り、再放送を視聴して、「見ることができて良かった」と思ってもらえる方がいれば、大変嬉しく思います。
そして、マスメディアの中で、自らの信念に従って良い仕事をしている人は少なからずいるはずですから、そのような仕事に賞賛の声を届けて応援するという心構えが、1人1人の市民に必要なのだといつも思います。
(参考サイト/「南京事件 兵士たちの遺言」視聴記)
○じゅにあのTV視聴録 【NNNドキュメント’15】「南京事件~兵士たちの遺言~」
そして、マスメディアの中で、自らの信念に従って良い仕事をしている人は少なからずいるはずですから、そのような仕事に賞賛の声を届けて応援するという心構えが、1人1人の市民に必要なのだといつも思います。
(参考サイト/「南京事件 兵士たちの遺言」視聴記)
○じゅにあのTV視聴録 【NNNドキュメント’15】「南京事件~兵士たちの遺言~」
(弁護士・金原徹雄のブログから)
2013年8月24日
(閲覧注意)語れなかった“戦争体験”と『はだしのゲン』~「父のアルバムが語る日中戦争」を閲覧して
2013年12月7日
12月7日&14日放映・ETV特集『戦場で書く~作家 火野葦平の戦争~』(付・戦地から父に送った火野葦平の手紙)
2013年12月22日
山本武氏の「陣中日記」で読む“戦争体験”
2013年8月24日
(閲覧注意)語れなかった“戦争体験”と『はだしのゲン』~「父のアルバムが語る日中戦争」を閲覧して
2013年12月7日
12月7日&14日放映・ETV特集『戦場で書く~作家 火野葦平の戦争~』(付・戦地から父に送った火野葦平の手紙)
2013年12月22日
山本武氏の「陣中日記」で読む“戦争体験”
(忘れないために)
「自由と平和のための京大有志の会」による「あしたのための声明書」(2015年9月19日)を、「忘れないために」しばらくメルマガ(ブログ)の末尾に掲載することにしました。
「自由と平和のための京大有志の会」による「あしたのための声明書」(2015年9月19日)を、「忘れないために」しばらくメルマガ(ブログ)の末尾に掲載することにしました。
(引用開始)
あしたのための声明書
あしたのための声明書
わたしたちは、忘れない。
人びとの声に耳をふさぎ、まともに答弁もせず法案を通した首相の厚顔を。
戦争に行きたくないと叫ぶ若者を「利己的」と罵った議員の無恥を。
強行採決も連休を過ぎれば忘れると言い放った官房長官の傲慢を。
人びとの声に耳をふさぎ、まともに答弁もせず法案を通した首相の厚顔を。
戦争に行きたくないと叫ぶ若者を「利己的」と罵った議員の無恥を。
強行採決も連休を過ぎれば忘れると言い放った官房長官の傲慢を。
わたしたちは、忘れない。
マスコミを懲らしめる、と恫喝した議員の思い上がりを。
権力に媚び、おもねるだけの報道人と言論人の醜さを。
居眠りに耽る議員たちの弛緩を。
マスコミを懲らしめる、と恫喝した議員の思い上がりを。
権力に媚び、おもねるだけの報道人と言論人の醜さを。
居眠りに耽る議員たちの弛緩を。
わたしたちは、忘れない。
声を上げた若者たちの美しさを。
街頭に立ったお年寄りたちの威厳を。
内部からの告発に踏み切った人びとの勇気を。
声を上げた若者たちの美しさを。
街頭に立ったお年寄りたちの威厳を。
内部からの告発に踏み切った人びとの勇気を。
わたしたちは、忘れない。
戦争の体験者が学生のデモに加わっていた姿を。
路上で、職場で、田んぼで、プラカードを掲げた人びとの決意を。
聞き届けられない声を、それでも上げつづけてきた人びとの苦しく切ない歴史を。
戦争の体験者が学生のデモに加わっていた姿を。
路上で、職場で、田んぼで、プラカードを掲げた人びとの決意を。
聞き届けられない声を、それでも上げつづけてきた人びとの苦しく切ない歴史を。
きょうは、はじまりの日。
憲法を貶めた法律を葬り去る作業のはじまり。
賛成票を投じたツケを議員たちが苦々しく噛みしめる日々のはじまり。
人の生命を軽んじ、人の尊厳を踏みにじる独裁政治の終わりのはじまり。
自由と平和への願いをさらに深く、さらに広く共有するための、あらゆる試みのはじまり。
憲法を貶めた法律を葬り去る作業のはじまり。
賛成票を投じたツケを議員たちが苦々しく噛みしめる日々のはじまり。
人の生命を軽んじ、人の尊厳を踏みにじる独裁政治の終わりのはじまり。
自由と平和への願いをさらに深く、さらに広く共有するための、あらゆる試みのはじまり。
わたしたちは、忘れない、あきらめない、屈しない。
自由と平和のための京大有志の会
(引用終わり)
(引用終わり)