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11/3から2000万人「戦争法の廃止を求める統一署名」スタート~でも「統一」は外した方がよいと思う

 今晩(2015年11月1日)配信した「メルマガ金原No.2261」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
11/3から2000万人「戦争法の廃止を求める統一署名」スタート~でも「統一」は外した方がよいと思う

 世に行われている署名は星の数ほどあれど、「目指せ!1000万署名」というのはそうあるものではないと思い、「1000万」「署名」でGoogle検索してみると、そこそこあるものですね。例えば、
脱原発を実現し、自然エネルギー中心の社会を求める全国署名(さようなら原発1000万人署名)(「さようなら原発」一千万署名 市民の会)
核兵器廃絶1000万署名(原水禁ほか)
戦争絶対反対!許すな改憲!1000万人署名(改憲・戦争・原発・貧困許さない大行動 代表・鈴木達夫)
などというのがヒットしました。
 
 この他、自治体のホームページからもリンクされている、
拉致被害者救出1000万署名(家族会、救う会)
というような1000万署名もありますし、私たちとは正反対の立場から、
美しい日本の憲法をつくる1000万人賛同署名(美しい日本の憲法をつくる国民の会)
などというのも取り組まれています。もっともこの最後のものは、署名とは言いながら、「代筆可」ということから分かるように、実質的には来るべき国民投票運動に備えた「改憲支援者名簿」作り(選挙の際の候補者後援会入会申込書のようなもの)でしょう。この動きについて書いた私のブログ(「改憲派」の準備はここまで進んでいる/2015年2月22日)もご参照いただければと思います。
 
 さらに、お隣の韓国でも、ハンギョレ新聞の伝えるところによると、野党が中心となって「(歴史教科書)国定化反対1000万市民街頭署名戦」に突入しているとか。人口5100万人余の韓国で「1000万署名」という目標は、日本で言えば「2000万署名」に相当する大変な数ですね。
 
 ここでようやく本題の「2000万人署名」にたどり着きました。
 私が皆さんに呼びかけようというのが、「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」が呼びかける2000万人「戦争法の廃止を求める統一署名」です。
 何が「統一」なのかということですが、「総がかり行動実行委員会」公式サイトの中の「2000万人「戦争法の廃止を求める統一署名」に、ご協力ください」というコーナーに掲載された「署名用紙鑑(ワード)」を読めばその間の事情が分かるでしょう。
 それにしても、「署名の協力依頼、期間、連絡先などの文書」のクリック用タイトルが「署名用紙鑑」
(しょめいようしかがみ)というのは、いかに大急ぎでアップしたとはいえ、「普通の市民や学生」にも理解できる表現に至急訂正して欲しい、と希望しておきます(私なら「ご協力のお願い」にしますけどね)。

署名用紙鑑(ワード)
(引用開始)
      2000万人
     「戦争法の廃止を求める統一署名」にご協力ください
                   2015年11月
                   戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会
 
 憲法違反の戦争法(安全保障関連法)が、安倍自公政権のもと、大多数の世論を踏みにじり、国会内の多数の横暴で「成立」させられました。
 戦争法は、政府のこれまでの憲法解釈を180度転換した閣議決定(2014年7月1日)にもとづく
もので、平和主義、立憲主義、民主主義を破壊するものであり、絶対に許せません。「戦争法は廃止せよ
」の声は国内外に満ちています。
 戦争法を廃止するために、総がかり行動実行委員会は一緒に活動してきた諸団体とともに、「戦争法の廃止を求める統一署名」を2000万人以上集めることを呼びかけます。この2000万署名運動は、みなさんお一人ひとりのご協力がなければ成功しません。それぞれの知人・友人、地域、職場、学園などで
の積極的な署名呼びかけをよろしくお願いします。
              
署名の目標は2000万人以上です。ただちに取り組みましょう 
 署名にただちに取り組みましょう。
 全国の地域・街頭、職場、学園などいたるところ、草の根で、対話を重ね、署名を集める団体、個人をひろげ、「取り扱い団体」をどんどん増やし、力を合わせ、対話を重ね、2000万人以上の署名を実現しましょう。なお、請願には年齢制限はなく、定住外国人も請願できますし、非定住もネット署名は可能
です。積極的に声をかけていきましょう。
 集約日は、2016年4月25日とします。5月3日憲法集会での発表をめざし、それまでの半年間に
2000万人以上の署名を集めましょう。
 
署名は集まり次第届けてください 
 署名は集まり次第どんどん届けてください。多数の署名簿をまとめて送られる場合は、できるだけ「筆
数」を添付してくだされば幸いです。なお、FAXは無効となりますので、ご注意を。
 送り先・届け先は、「取り扱い団体」の住所、または「〒101-0063東京都千代田区神田淡路町1-15
 塚崎ビル3F 戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」にお願いします。
 
ポスターなどのグッズもあります 
 署名用紙の増し刷りは大歓迎です。総がかり行動実行委員会のホームページからダウンロードできます
。ポスターなど署名推進のためのグッズも用意しています。
 
連絡先・問い合わせ先 
◇各取り扱い団体
◇戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会
   戦争をさせない1000人委員会 ℡:03-3526-2920
   解釈で憲法9条を壊すな!実行委員会 ℡:03-3221-4668
   戦争する国づくりストップ!憲法を守り・いかす共同センター ℡:03-5842-5611
              
◆なお、同じ内容の署名がインターネットでもできるようにします。ただし、ネット署名は国会請願署名
にならないので、その署名は署名人数として算入し、首相官邸に届けることにします。
(引用終わり)
 
 以上で、この署名の趣旨はだいたいご理解いただけたかとは思いますが、「統一」ということの意味は明瞭ではありません。強いて言えば、「戦争法を廃止するために、総がかり行動実行委員会は一緒に活動してきた諸団体とともに、「戦争法の廃止を求める統一署名」を2000万人以上集めることを呼びかけます。」ですかね。
 「総がかり行動実行委員会」WEBサイトの署名コーナーに、「従来はともすると別々に取り組まれて
いた署名運動を1本化するという画期的な試みです。これを全国で拡げに拡げましょう。この運動はいま
求められている参院選での野党の協力と勝利にも大きな弾みとなると確信しております。」とあるのが結局、「統一」ということの説明の全てのようです。
 「画期的な」「統一署名」ということの意味は、従来型の運動の実態を知る者に対しては、これで十分
伝わると思いますが、およそ連合とも全労連とも、民主党とも共産党とも社民党とも、何の関係もなかっ
た「市民や学生」に通じますかね?と言うよりも、通じさせる必要がありますかね?

 私自身は、労働組合とも政党とも何の関係もありませんが、この10年、様々な運動に直接・間接に加わり(内6年間は「憲法9条を守る和歌山弁護士の会」事務局長として)、少しは従来型の運動とも関わりを持ってきましたので、今回の「統一署名」がいかに「画期的」かは十分に分かるつもりです。
 それは理解するのですが、何も署名用紙に記載するタイトルまで「戦争法の廃止を求める統一署名」としなくてもよいのに、と思わざるを得ません。街頭で署名を求める時、友人、知人に署名用紙を届けて協力を依頼する時、いちいち「統一署名」の意味を説明するのですか?まさかね。でも、説明を求められたら答えない訳にはいかないでしょう。(旧)社会党日本共産党の対立の歴史から説明を始めるのですか?

 この署名用紙の表題にある「統一署名」という言葉が目に飛び込んできた時、もっぱら「組織内」に向
けたアピールだという印象を私は受けました。第一、「統一」という言葉から、「統一署名」以外の「戦争法の廃止を求める署名」を排除する気配を感じる人がいるかもしれません。皆さんはどう思われるでしょうか?
 
 ここで、その署名用紙の内容(氏名・住所記載欄を除く)を転記しておきます。
 
           戦争法の廃止を求める統一署名
 
 2015年9月19日に参議院で“強行採決”され、“成立”した「平和安全保障関連法」は、憲法9条が禁じる国際紛争解決のための武力行使を可能とするもので、憲法違反であることは明らかです。したがって、「平和安全」の名にかかわらず、その内容はまぎれもなく戦争法です。また、憲法解釈を180度くつがえした閣議決定に基づいた違憲の立法は、内閣と国会による立憲主義の否定であり、断じて認めることはできません。
 この戦争法が発動されれば、日本は海外で戦争する国になり、自衛隊は海外で殺し殺されることになり
、日本自体が武力紛争の当事者となって、「平和安全」とはまったく逆の事態を招くことになります。
 戦争法に対しては、国会審議の段階で、憲法の専門家をはじめ、さまざまな分野の人びとから反対の声が上がり、世論調査でも8割が政府の説明は不十分と答えていました。全国の人びとの強い反対の声を国会
内の数の力で踏みにじった採決は、主権在民と民主主義を壊す暴挙であり、正当性を欠くものです。
 以上の趣旨から、次の事項について請願します。
                  【請願事項】
一、戦争法である「平和安全保障関連法」をすみやかに廃止してください。
一、立憲主義の原則を堅持し、憲法9条を守り、いかしてください。
 
(5名分の署名欄 略)
 
呼びかけ 戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会
TEL 03-3526-2920(1000人委員会) 03-3221-4668(9条壊すな!実行委員会) 03-5842-5611(憲法共同
センター)
共同呼びかけ 戦争をさせない1000人委員会/解釈で憲法9条を壊すな!実行委員会/戦争する国づくりストップ!憲法を守り・いかす共同センター/安倍教育政策NO!ネット/<安倍政権にNO!>東京・地域ネットワーク/安全保障関連法に反対する学者の会/安全保障関連法に反対する医療・介護・福祉関係者の会/安保関連法に反対するママの会/NGO非戦ネット/沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック/女の平和/改憲問題対策法律家6団体連絡会/原発をなくす全国連絡会/国連人権勧告の実現を!実行委員会/さようなら原発1000万人アクション/自由と民主主義のための学生緊急行動(SEALDs)/首都圏反原発連合/戦時性暴力問題対策会議/宗教者・門徒・信者国会前大集会/脱原発をめざす女たちの会/止めよう!辺野古埋立て 国会包囲実行委員会/日韓つながり直しキャンペーン2015/日本軍「慰安婦」問題解決全国行動/反貧困ネットワーク/「秘密保護法」廃止へ!実行委員会/mネット・民法改正情報ネットワーク/立憲デモクラシーの会/全国労働組合連絡協議会/全国労働金庫労働組合連合会
 
※集約次第お送り下さい 送り先:〒101- 0063 東京都千代田区神田淡路町1?15 塚崎ビル3F 総がかり行動実行委員会
(引用終わり)
 
 なお、上に転記したのは「総がかり行動実行委員会」の「2000万人「戦争法の廃止を求める統一署名」に、ご協力ください」コーナーにアップされた署名用紙の内、PDF版の方です。
 内容的には、もう1つアップされているワード版とほぼ同じですが、微妙に違うところもあります(使用された文字のポイント数が全然違う他、集約後の署名用紙の送付先を記載した位置が違っていたり、「ただし、FAXは無効となりますので、ご注意を」がワード版にはあるがPDF版にはないなど)。
 そもそも、ワード版の方はPDF版に比べて署名欄の幅が狭く、2行にまたがって書きたい人や視力が
低下した人には不向きです。しかし、取扱い団体を記入するためにはワード版を使わざるを得ず、明後日(11月3日)、「第12回 憲法フェスタ」を開催する和歌山市の「守ろう9条 紀の川 市民の会」(私も運営委員)では、急遽、ワード版をベースとしながら、字のポイント数や署名欄の行間隔をなどをPD
F版に近づけたハイブリッド版を事務局が作って対応することになりました。
 ひいき目で言うのではありませんが、このハイブリッド版が一番良いように思います(個人的には、タイトルから「統一」を外せば完璧です)。
 
 2000万人署名というのは並大抵なことで実現できる数字ではありません。そのためには、労働組合や政党、従来から活動している様々な団体の組織力をフルに動員することが絶対に必要です。
 そのことを大前提としながら、さらに一段も二段も協力を呼びかける層を拡げなければ、2000万人
署名も、来夏の参議院選挙における勝利もあり得ないことは誰しも認識していることと思います。
 公式には11月3日からスタートする戦争法の廃止を求める2000万人署名。私の地元和歌山では、先ほども触れたように、同日、「守ろう9条 紀の川 市民の会」が和歌山市河北コミセンを会場に開催する「第12回 憲法フェスタ」において、参加者に対し、会場での署名をお願いする他、署名用紙を持ち帰って周囲に署名を勧めて欲しいと要請する予定です。フェスタでは、2000万人署名の主要な呼びかけ団体の一つである「戦争をさせない1000人委員会」の呼びかけ人でもある高作正博関西大学教授(憲法学)が記念講演をされます。和歌山市周辺の方には是非足をお運びいただければと思います。
 

(忘れないために)
 「自由と平和のための京大有志の会」による「あしたのための声明書」(2015年9月19日)を、「忘れないために」しばらくメルマガ(ブログ)の末尾に掲載することにしました。
 
(引用開始)
  あしたのための声明書
 
わたしたちは、忘れない。
人びとの声に耳をふさぎ、まともに答弁もせず法案を通した首相の厚顔を。
戦争に行きたくないと叫ぶ若者を「利己的」と罵った議員の無恥を。
強行採決も連休を過ぎれば忘れると言い放った官房長官の傲慢を。
 
わたしたちは、忘れない。
マスコミを懲らしめる、と恫喝した議員の思い上がりを。
権力に媚び、おもねるだけの報道人と言論人の醜さを。
居眠りに耽る議員たちの弛緩を。
 
わたしたちは、忘れない。
声を上げた若者たちの美しさを。
街頭に立ったお年寄りたちの威厳を。
内部からの告発に踏み切った人びとの勇気を。
 
わたしたちは、忘れない。
戦争の体験者が学生のデモに加わっていた姿を。
路上で、職場で、田んぼで、プラカードを掲げた人びとの決意を。
聞き届けられない声を、それでも上げつづけてきた人びとの苦しく切ない歴史を。
 
きょうは、はじまりの日。
憲法を貶めた法律を葬り去る作業のはじまり。
賛成票を投じたツケを議員たちが苦々しく噛みしめる日々のはじまり。
人の生命を軽んじ、人の尊厳を踏みにじる独裁政治の終わりのはじまり。
自由と平和への願いをさらに深く、さらに広く共有するための、あらゆる試みのはじまり。
 
わたしたちは、忘れない、あきらめない、屈しない。
 
     自由と平和のための京大有志の会
(引用終わり) 
 

(付録)
『ラブソング・フォー・ユー(LOVESONG FOR YOU)』 
作詞・作曲:ヒポポ大王 演奏:ヒポポフォークゲリラ