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「運動論」を語れる憲法学者・清水雅彦日本体育大学教授の講演動画視聴の勧め

 今晩(2015年11月3日)配信した「メルマガ金原No.2263」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
「運動論」を語れる憲法学者・清水雅彦日本体育大学教授の講演動画視聴の勧め

 今日(11月3日・文化の日)は、私が運営委員を務める地元の「守ろう9条 紀の川 市民の会」主催による「第12回 憲法フェスタ」(於:和歌山市河北コミセン)が朝から夕刻まで開かれ、そのレポートが書ければ良いのですが(実際、参加者数にしても、企画への手応えにしても、非常に希望の持てる内容でした)、後片付けを終えた後、講師の高作正博先生(関西大学教授・憲法学)を交えた打上げに参加し、さらにその後、2箇所の警察署に接見に回って帰宅しましたので、正直書いている時間がありません。
 そこで、憲法フェスタのレポートは後日書くこととし、今日のメルマガ(ブログ)は、去る10月30日に東京の衆議院第2議員会館で行われた清水雅彦日本体育大学教授(憲法学)の講演会(主催:9条フェスタ市民ネット)の動画をご紹介します。
 
 この講演会について、講師の清水さんご自身が以下のように事前予告されていました。
 
清水雅彦の憲法・鉄道・バイクetc. 2015/10/8(木)午前7:22
10月30日9条フェスタ市民ネット主催講演会のご案内

(引用開始)
上掲チラシの通り、9条フェスタ市民ネット主催講座が10月30日14時から東京・衆議院第2議員会館第1会議室で開催され、私が「戦争法廃止をめざして」というテーマで運動論を中心に講演します。9条フェスタ市民ネットでの講演は、2012年6月14日の秘密保全法で講演した時以来になりますね(市民団体などは2012年段階から秘密保全法問題に取り組んでいたのであり、2013年10月の秘密保護法案国会提出以降に反対運動が盛り上がっても、やはり遅いのです)。私自身は運動の傍観者として戦争法反対運動を眺めていたのではなく、運動に主体的に関わっていた側ですので、講演内容も参加者の皆さんにとって興味深い内容になるものと思っています。
東京周辺の方で、ご関心のある方は、是非、ご参加下さい。
(引用終わり)
 
 考えてみれば、「運動」のただ中に身を置き、「運動論」を中心に講演できる憲法学者としては、清水雅彦さんが第一人者かもしれません。
 ご紹介する三輪祐児さん撮影の動画の末尾に、この日のレジュメがアップされていましたので、その見出しのみ書き写しました。
 
戦争法の廃止めざして!~たたかいはこれから始まる~
はじめに
一 戦争法の問題点
 1 憲法9条に反する
 2 立憲主義に反する
 3 狙いと生じる事態
二 戦争法案反対運動の到達点と課題
 1 運動の土台を作った戦争させない・憲法壊すな!総がかり行動実行委員会
① 戦争をさせない1000人委員会と私のスタンス
② 組織概要・活動概要(『法と民主主義』拙稿・『東京新聞』記事参照)
③ 成果・課題
 2 「潮目」を変えた憲法研究者の発言・取組
① 6月4日衆議院憲法審査会での3人の憲法研究者発言のインパク
② 注目されることになった憲法研究者声明
③ 9割の憲法研究者の意思を可視化したマスコミのアンケート調査
④ その他憲法研究者の行動・取組
 3 より広範な運動の展開へ
① 既存の運動と新たな運動の展開
② これら運動に見られる変化
三 軍事力によらない安全保障の展望
 1 戦争違法化の歴史
① 戦争の種類をめぐって
② 戦争の方法をめぐって
 2 国連憲章日本国憲法の相違点
① 集団的自衛権国連憲章51条)の考え
② 集団安全保障(国連憲章41条・42条)の考え
③ 武力による威嚇と武力行使の考え
 3 2つの平和主義
おわりに~これから何をすべきか 
 
 それでは、清水雅彦教授の講演動画をご紹介します。
 
20151030 UPLAN 清水雅彦「戦争法の廃止めざして!~たたかいはこれから始まる~」(1時間56分)
 

 ちなみに、清水先生は、ちょうど1年前、「守ろう9条 紀の川 市民の会」の「第11回 憲法フェスタ」の講師を務めてくださっています。1年前の清水先生のレジュメの見出しも、私のメルマガ(ブログ)でご紹介しています(『脱走兵』が日本の現実とならないように~11/8守ろう9条紀の川市民の会「第11回 憲法フェスタ」/2014年11月8日)。
 1年を隔てた2つのレジュメの見出しを読み比べることによって、この間の情勢の推移(決して望ましい方向に進みはしなかった)が端的に迫ってくるように思います。
 10月30日の「運動論」に焦点を当てた清水雅彦先生の講演は、きっと多くの方の参考になるものと思います。
 

(忘れないために)
 「自由と平和のための京大有志の会」による「あしたのための声明書」(2015年9月19日)を、「忘れないために」しばらくメルマガ(ブログ)の末尾に掲載することにしました。
 
(引用開始)
  あしたのための声明書
 
わたしたちは、忘れない。
人びとの声に耳をふさぎ、まともに答弁もせず法案を通した首相の厚顔を。
戦争に行きたくないと叫ぶ若者を「利己的」と罵った議員の無恥を。
強行採決も連休を過ぎれば忘れると言い放った官房長官の傲慢を。
 
わたしたちは、忘れない。
マスコミを懲らしめる、と恫喝した議員の思い上がりを。
権力に媚び、おもねるだけの報道人と言論人の醜さを。
居眠りに耽る議員たちの弛緩を。
 
わたしたちは、忘れない。
声を上げた若者たちの美しさを。
街頭に立ったお年寄りたちの威厳を。
内部からの告発に踏み切った人びとの勇気を。
 
わたしたちは、忘れない。
戦争の体験者が学生のデモに加わっていた姿を。
路上で、職場で、田んぼで、プラカードを掲げた人びとの決意を。
聞き届けられない声を、それでも上げつづけてきた人びとの苦しく切ない歴史を。
 
きょうは、はじまりの日。
憲法を貶めた法律を葬り去る作業のはじまり。
賛成票を投じたツケを議員たちが苦々しく噛みしめる日々のはじまり。
人の生命を軽んじ、人の尊厳を踏みにじる独裁政治の終わりのはじまり。
自由と平和への願いをさらに深く、さらに広く共有するための、あらゆる試みのはじまり。
 
わたしたちは、忘れない、あきらめない、屈しない。
 
     自由と平和のための京大有志の会
(引用終わり)