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「第12回 憲法フェスタ」(11/3守ろう9条 紀の川 市民の会)レポートと11月中の和歌山での取組予定のお知らせ

 今晩(2015年11月8日)配信した「メルマガ金原No.2268」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
「第12回 憲法フェスタ」(11/3守ろう9条 紀の川 市民の会)レポートと11月中の和歌山での取組予定のお知らせ

 先日ご紹介した新生「和歌山大学有志の会」(安全保障関連法制の廃止を求める和歌山大学有志の会)の最初の取組みである討論集会(11/13)のチラシのキャッチコピーが「2015年夏、日本は歴史に残る変化を刻みました。あなたはその過程をどのように見ていましたか?」であることからも分かるように、「2015年夏」は、多くの人々にとって忘れがたい季節となったことでしょう(そうでない人もたくさんいるかもしれませんが)。
 しかし、秋も深まる11月、私の地元和歌山では、例年になく多くの行事予定が組まれており、私自身、メルマガ&ブログでの事前告知や実際の参加に追われ、一々のレポートまで書いている時間的余裕がないのが残念です。
 
 ここでは、昨日までの最初の1週間に行われた3つの企画の内、主に「第12回 憲法フェスタ」について、簡単なレポートを書いて責めをふさぐとともに、今月の残り3週間で開催される和歌山県下における取組みを、あらためて一覧できるようにまとめておきたいと思います。
 なお、私が「和歌山県下における取組み」という時、それは私のブログのタイトル下に掲げているフレーズ「憲法を大事にし、音楽を愛し、原発を無くしたいと願う多くの人と繋がれるブログを目指します。」の趣旨に合致すると判断したものを意味します。
 
【11月3日(火・祝) 和歌山市河北コミュニティセンター】
第12回 憲法フェスタ(主催:守ろう9条 紀の川 市民の会)
 
 盛り沢山な企画内容は、事前告知(11/3「第12回 憲法フェスタ」(守ろう9条 紀の川 市民の会)@和歌山市河北コミセンへのお誘い/2015年10月2日)で詳細にお知らせしたとおりなので割愛し、ここには概括的な印象を述べます。
 まず、午前中の「映像の部屋」が例年になく活況を呈し、部屋いっぱいの人が最後まで熱心に視聴し、終了時には拍手がわき起こったことが印象的でした。
 例年、タイムリーなドキュメンタリーなどの映像を選んで上映しているのですが、午後からのメイン企画前の午前中ということもあり、それほど参加者も多くなく、(少なくとも私は)拍手がわき起こったことなど経験がありません。
 それは、今年上映した作品の力と、そ作品が伝えようとした沖縄・辺野古の現実の力によるものだろうと思います。
 今年の「映像の部屋」では、藤本幸久さんと影山あさ子さんがまさに身体をはって制作続行中の沖縄ニューズリール「速報 辺野古のたたかい」のうち、昨年10月から今年5月までの分(No.9~11)を上映しました。菅原文太さんや翁長雄志知事のスピーチも心を打つものでしたが、何より参加者の目を釘付けにしたのは、辺野古の工事を阻止しようする人々と海上保安庁や警察との「闘い」の実相そのものの力だっただろうと思います。いったん目撃したらそこから目を離す訳にはいかないという気持ちで、皆さん最後までご覧になったのではないでしょうか。
 このニューズリールは、既にNo.12(今年の6月~8月分)まで出ていますが、憲法フェスタでも上映したNo.9がYouTubeで公開されていますので、以下にご紹介しておきます。

 
 恒例となった「展示の部屋」、「リサイクルひろば」、写真展「ヒロシマナガサキ 原爆と人間」にも多くの人が来てくださいましたが、ご紹介は割愛し、午後2時から2F多目的ホールで行われた企画の感想を簡単に記しておきます。
 
 第1部「みんなで歌おう」は、これまでも憲法フェスタで、NPT締約国会議参加報告をしてもらったり(5年前、まだ和歌山大学の2回生の頃だったかな?)、司会を担当してもらったりした増田美穂さんに、三度登場してもらい、歌唱指導をお願いしたのでした。初めて会った時の初々しい教育学部の学生さんが、今や小学校の先生らしく、堂に入った歌唱指導ぶりでした。ちなみに、歌われたのは「紅葉」と「ケサラ」の2曲。特に後者では、歌詞の中に出てくる「グェン・バンチョイ」「ジョー・ヒル」「ビクトル・ハラ」という名前が懐かしい!という声が多かったですね(年齢層が知れますが)。
 以下には、今年の8月30日、国会前での「自由の森学園」有志らによるアピール活動 で「ケセラ」が歌われた動画をご紹介します。
 

 第2部「地域から声をあげる(映像を交えて)」では、「守ろう9条 紀の川 市民の会」(紀の川北岸に居住する和歌山市民で構成)の会員から、「戦争法」に反対してそれぞれの地域で取り組んだ5つの活動が、写真を交えて(プロジェクターで静止画を映写)報告されました。その5つとは、
・「ふじと台デモ」(溝口和子さん)
・「オーストリート前宣伝」(原通範さん)
・「楠見でもデモ」(馬場潔子さん)
・「有功直川地区路地裏宣伝」(阪口康悟さん)
・「河西地区の活動」(加藤正裕さん)
でした。
 「有功直川地区路地裏宣伝」は何年も前から継続して行われていますが、「ふじと台デモ」と「楠見でもデモ」は昨年から始まったもので、危機の進行につれ、何かをしない訳にはいかないという動きが様々な地域で具体化していることが、映像を交えて分かりやすく紹介され、多くの人が勇気付けられたことと思います。
 
 最後の第3部は、関西大学教授(憲法学)の高作正博さんによる講演「「戦争法制」で日本はどんな国になるのか―私たちはどう対抗すべきか―」でした。
 ちなみにこの演題は、主催者側から提案して高作先生の了解をいただいたものなのですが、以下に抜粋して掲載したレジュメの構成からご理解いただけるように、主催者からの要望をしっかりと踏まえながら、「戦争法制」制定の背景から説き起こし、憲法違反の中核である「外国軍隊の武力行使への関与」と「集団的自衛権の行使容認」を非常に分かりやすく解説され、最後に今後の運動の課題に説き及ぶというものでした。
CIMG4716 閉会挨拶で私がお話したことですが、「守ろう9条 紀の川 市民の会」は、田舎の9条の会にしては信じられないほど豪華な講師陣に講演をお願いしてきており、憲法学者に限っても、過去、吉田栄司先生(関西大学教授)、森英樹先生(名古屋大学名誉教授)、清水雅彦先生(日本体育大学教授)などに講演していただいてきました。そして、今年の高作先生の講演については、聴衆の数のみならず(用意した分では足らなくなり、急遽椅子を追加した)、これまでで最も反応が良く、多くの人から「難しい問題を分かりやすく説明していただいてよく分かった」という声が寄せられています。
 これは、高作先生の講演自体の力であることは言うまでもありませんが、それだけではなく、安保関連法制の成立を阻止できなかったという情勢に対する危機感の高まりと、これからどうすれば良いのか考えるヒントが欲しいという機運が背景としてあったのではないかと思います。
 以下に、高作先生のレジュメの一部を抜粋して転記させていただきます。思考の整理に役立つことでしょう。
 なお、最後に付け加えれば、講演終了後、メイン会場の多目的ホールだけではなく、サブ会場も含め、みんなで大急ぎで後片付けを行ったのですが、高作先生は率先して作業に加わられ、重い写真展示用のボードを倉庫まで運ばれたりと大活躍でした。もちろん、主催者からは「私たちでしますから」と申し上げたものの、「いつもやっていることですから」と身体の方が先に動くというご様子で、みんな恐縮しながら、講師とともに後片付けをしたという次第です。
 
(高作正博関西大学教授によるレジュメから抜粋引用開始)
序―法案審議の過程で明らかになったこと
(1)日米関係の特徴
 ①従来の日米安保条約―米国による日本防衛、米国への基地提供、「思いやり」
 ②「安保法制」における日米関係―ガイドライン改定(4月27 日)
  ・主権・経済・土地に加え、生命を差し出す不対等な日米関係へ
 ③国内における民主主義・法治主義の破壊―沖縄で強行される基地建設
(2)日本社会が対峙するもの
 ①「戦後レジームからの脱却」の切り札としての安倍政権
  ・講話期の「脱却」論―日米安保条約締結と日本の再軍備
  ・岸内閣の「脱却」論―安保条約改定と改憲
  ・冷戦後の「脱却」論―米軍再編と自衛隊海外派遣
  ・復古調の「脱却」論―解釈改憲から明文改憲
 ②「反知性」との闘い―蓄積と前提の否定
(3)論点;「‥‥武力の行使は‥‥永久にこれを放棄する」(憲法第9条第1項)
 ①「武力行使」に該当すると違憲武力行使の「一体化論」
 ②「武力行使」に該当しても例外→ 個別的自衛権=合憲
 
1 外国軍隊の武力行使への関与
(1)従来の政府見解―「一体化論」「武器使用」による歯止め
 ①「一体化論」の考え方
 ②「武力の行使」と「武器の使用」
 ・「駆け付け警護」・「任務遂行」→ 武力行使に該当するおそれ
(2)7・1閣議決定等による解釈改憲
 ①どこまで行くことができるのか―前線・後方、戦闘地域・非戦闘地域の区別消去
 ②何をすることができるのか―周辺事態法別表第1・第2の限定削除
 ③組織的戦闘をどこまで認めるのか―武器使用権限の拡大
(3)法案は「戦争当事国となること」の決意表明!―「武力の行使」に該当する!
 ①「一体化論」見直しによる歯止めの放棄
 ②支援内容の拡大による一体化
 ③「武器使用」権限の拡大による「武力行使」のおそれ
 ④「武器等防護」を米軍等の武器に拡大
 ⑤領域国の同意に基づく邦人救出等の治安維持活動・警察活動の解禁
 
集団的自衛権の行使容認
(1)7・1閣議決定による解釈改憲
 ①集団的自衛権違憲性―集団的自衛権は「憲法上許されない」
 ②集団的自衛権の行使容認
(2)日本は「戦争ができる国」になる!
 ①そもそもなぜ必要か? 説得力のある説明は為されたか?
 ②必要であれば何をやってもよいのか?
 ③歯止めは?「集団的自衛権行使による自衛隊の海外派兵は遠のいた」?
 ④大きなリスクを伴うのではないか?
 
結―覚醒した「市民」とともに
(1)今後の闘いの意味――「立憲主義」から「民主主義」へ
 ①7・1閣議決定・「戦争法」成立は「クーデタ」(憲法の除去)である
 ②権限を簒奪された「主権者」と権力者との対立
 ③一人称で語る声の増加;「曖昧な私」から「私は(I)」「私の意見は(My)」へ
(2)課題の明確化
 ①他者を傷つけない;市民運動内部の人権問題
 ②「中立性」要求に抗する;メディアの病理、ヘイトスピーチ・百田発言の問題性
 ③「忘却」「無気力」「世論誘導」との闘い
(3)「追及」の可能性
 ①国会から逃げる政権;国会閉会後のTPP、臨時国会の召集拒否(憲法第53 条違反)
 ②議論から逃げる政権;経済への論点ずらし(「新・三本の矢」「一億総活躍社会」)
 ③選挙の争点化から逃げる政権;「駆け付け警護」(南スーダンに派遣しているPKO部隊の任務追加)、改憲論(憲法改正推進本部長の後任に森英介元法相)
 
【11月6日(金) きのくに志学館(和歌山県立図書館)2F】
シンポジウム「今、報道の自由を考える~国民の知る権利の観点から~」(主催:和歌山弁護士会)

 福田隆さん(毎日新聞社会部記者/かつて和歌山支局でカレー事件を取材。現在、2年任期で組合専従)、斉加尚代さん(毎日放送記者・ディレクター/最近も映像'15において『なぜペンをとるのか~沖縄の新聞記者たち』を制作)、宇野朗子さん(10月29日に「「避難の権利」を求める全国避難者の会」を結成して共同代表に就任したばかり)を招いて行われたシンポジウム。宣伝不足か、足場の問題か、参加者数が多くなかったのは残念でしたが、各パネリストから、率直で貴重なお話を伺えたことが収穫でした。個人的には、シンポ終了後、斉加さん、宇野さんを交えて美味しパスタとピザを食べながら、シンポでは話す機会のなかったお話が伺えたのが良かったですけど。
CIMG4734 ちなみに、「報道の自由」を考える場合、第一義的には「国家権力からの自由」を論じるべきなのでしょうが、それはこの日のシンポのメインテーマとはなりませんでした。それはそれで、また別の機会を期待することにしましょう。・・・などと思っていたら、11月6日当日に、放送倫理・番組向上機構BPO)内の放送倫理検証委員会が「NHK総合テレビクローズアップ現代』"出家詐欺"報道に関する意見」を公表し、その中で放送法の趣旨に反する介入を行った総務大臣自民党を厳しく批判するという大ニュースが飛び込んできました(放送倫理検証委員会(BPO)「NHK総合テレビ『クローズアップ現代』“出家詐欺”報道に関する意見」(2015年11月6日)を読む/2015年11月7日)。
 現政権よる反立憲主義、反民主主義の象徴的な現れが安保関連法制の強行成立だとすれば、それを準備したのが、NHK人事の支配をはじめとする「報道の自由」への露骨な介入の数々です。このテーマからも決して目が離せません。
 
【11月7日(土) 北ぶらくり丁】
第12回 和歌山市NPO・ボランティアフェスタ
CIMG4741 「子どもたちの未来と被ばくを考える会」が和歌山市NPO・ボランティアフェスタに初めて参加(ブース出展)したのが2012年のことで、会場はガーデンパーク和歌山の屋外スペースでした。そして、一昨年、昨年が「ぶらくり丁」という市内中心部の商店街に場所を移し、シャッター通り活性化の一環として開催され、今年は「北ぶらくり丁」に移動し、さらに人通りが少なくなったという次第です。活性化への協力も悪くありませんが、どんどん「人のいないところ」へ移動していくというのもどうなのかなあ、という感慨がなくもありません。
 ちなみに、昨日は私自身、ブースをお手伝いする時間はなく、少し顔を出し、1回50円の輪投げにチャレンジしただけなのですが(輪投げは難しかった!)、再稼働問題についてのアンケートやマテバシイという「食べられる」ドングリの試食コーナーなどに頑張っていただいた役員の皆さん、ありがとうございました。
 来るべき食糧難に備え、何が食べられるかを啓蒙するというのは重要ですね。もっとも、放射能が降り注いだ地域では、ドングリも食べられなくなるのでしょうが。  
 
 さて、以下には、今月(2015年11月)末までに、これから実施される企画をご案内します。個別には本メルマガ(ブログ)でご紹介したものもありますが、一覧にしておかないと忘れてしまいかねませんので、備忘録としてご活用ください。
 毎年恒例の行事もありますが、「危機の時代」に対応しての緊急企画もあります。皆さまの問題意識とご都合に従い、ご参加いただければと思います。
 
【11月13日(金) 和歌山市役所前~京橋プロムナード】
第17回 憲法の破壊を許さないランチTIMEデモ
正午~ 和歌山市役所前に集合
12時20分~ 市役所前を出発して京橋プロムナードまでデモ行進   
主催 憲法9条を守る和歌山弁護士の会
連絡先 トライ法律事務所 TEL:073-428-6557
 
【11月13日(金)17時30分~ 和歌山大学教育学部講義棟L-101】
討論集会「2015年夏をふり返る―安保法制はどのように「成立」したのか―」
 17:30 基調報告「動画でふり返る安保法制成立過程」(教育学部:越野)
 18:10 「有志の会」呼びかけ人からの発言:「私の2015年夏」
 18:50 自由発言・討論
参加無料。となたでも参加できます。途中入退場可。
主催 安全保障関連法制の廃止を求める和歌山大学有志の会
 
【11月20日(金)18:00~ プラザホープ 2階 多目的室】
講演会「わたしたちは、忘れない、あきらめない、屈しない。―安倍政治の暴走を許さない―」
講師 堀内秀雄 和歌山大学名誉教授(和歌山大学元副学長、NPO法人わかやまNPOセンター初代理事長)
主催 和歌山県平和フォーラム・戦争をさせない和歌山委員会
連絡先 和歌山県平和フォーラム TEL:073-425-4180
 
【11月21日(土)11時00分~ 那賀スポーツレクリエーションセンター】
第11回 那賀9条まつり
バンド・合唱・平和リレートーク・クイズ・ダンス等、バザー・模擬店・抽選会
主催 「九条を守ろう」那賀郡の会 
連絡先 那賀教育会館内(岩出市岡田696-4) TEL:0736-62-2202

【11月21日(土)14時00分~ 紀南文化会館小ホール】
講演会「このままにしておけますか!戦争法(安保法制)」
講師 小林節氏(慶應義塾大学名誉教授、弁護士)
参加無料(カンパのお願いあり)
主催 小林節さんの講演会を成功させる会
連絡先 戦争する国づくりストップ!田辺・西牟婁住民の会 TEL:0739-22-2152
 
【11月28日(土)13時30分~ ルミエール華月殿6F】
治安維持法犠牲者国家賠償要求同盟和歌山県本部創立30周年記念講演会
「歴史の歪曲と戦争する国づくりを許さない」

講師 石川康宏氏(神戸女学院大学教授)
参加協力券 100円
主催 治安維持法犠牲者国家賠償要求同盟和歌山県本部
連絡先 TEL/FAX:073-422-7076
 
【2015年11月28日(土)14時00分~ 和歌山城西の丸広場】
憲法違反の安保法制を許さない!1128集会
 内容 リレートークなど(出演者は調整中)   
集会終了後のアピール行進
 スタート 14時45分~
 Aコース 南海和歌山市駅前付近行き
  Bコース JR和歌山駅前付近行き
   雨天決行(但し、荒天時は中止) 
(呼びかけ団体)
9条ネットわかやま
安全保障関連法制の廃止を求める和歌山大学有志の会
戦争をさせない和歌山委員会
憲法九条を守るわかやま県民の会
ワカケン
平和と憲法を守りたい市民の声
安保関連法に反対するママの会@わかやま
WAVEs
憲法9条を守る和歌山弁護士の会
(順不同)
 

(忘れないために)
 「自由と平和のための京大有志の会」による「あしたのための声明書」(2015年9月19日)を、「忘れないために」しばらくメルマガ(ブログ)の末尾に掲載することにしました。
 
(引用開始)
  あしたのための声明書
 
わたしたちは、忘れない。
人びとの声に耳をふさぎ、まともに答弁もせず法案を通した首相の厚顔を。
戦争に行きたくないと叫ぶ若者を「利己的」と罵った議員の無恥を。
強行採決も連休を過ぎれば忘れると言い放った官房長官の傲慢を。
 
わたしたちは、忘れない。
マスコミを懲らしめる、と恫喝した議員の思い上がりを。
権力に媚び、おもねるだけの報道人と言論人の醜さを。
居眠りに耽る議員たちの弛緩を。
 
わたしたちは、忘れない。
声を上げた若者たちの美しさを。
街頭に立ったお年寄りたちの威厳を。
内部からの告発に踏み切った人びとの勇気を。
 
わたしたちは、忘れない。
戦争の体験者が学生のデモに加わっていた姿を。
路上で、職場で、田んぼで、プラカードを掲げた人びとの決意を。
聞き届けられない声を、それでも上げつづけてきた人びとの苦しく切ない歴史を。
 
きょうは、はじまりの日。
憲法を貶めた法律を葬り去る作業のはじまり。
賛成票を投じたツケを議員たちが苦々しく噛みしめる日々のはじまり。
人の生命を軽んじ、人の尊厳を踏みにじる独裁政治の終わりのはじまり。
自由と平和への願いをさらに深く、さらに広く共有するための、あらゆる試みのはじまり。
 
わたしたちは、忘れない、あきらめない、屈しない。
 
     自由と平和のための京大有志の会
(引用終わり)