wakaben6888のブログ

憲法を大事にし、音楽を愛し、原発を無くしたいと願う多くの人と繋がれるブログを目指します

アニメーション『戦争のつくりかた』一般公開はもう少し先ですが

 今晩(2015年12月10日)配信した「メルマガ金原No.2300」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
アニメーション『戦争のつくりかた』一般公開はもう少し先ですが

いままで戦争をしてこなかった、私たちの国が その「かたち」や「ありよう」を大きく変えようとしている------。 そのことに気づき始めた人たちが、インターネットを通じてつながってゆく中で、偶然にも憲法記念日の5月3日、ひとりの人の頭に、突然浮かんだもの。それが、絵本『戦争のつくりかた』でした。
  WEBサイト 絵本 戦争のつくりかた(りぼん・ぷろじぇくと)
  「この絵本ができるまで」より
 
 こうして最初は手作りの冊子として、そして同年中には書籍版(マガジンハウス刊)として、絵本『戦争のつくりかた』が世に出たのが2004年、今から11年前のことでした。
 奇しくもこの年には、「九条の会」も誕生し、全国にそのアピールを届けていました。

 それから10年が経過した2014年、本文は全く修正することなく、井上ヤスミチさんによるイラストが全面的に描き直され、資料を補充・訂正した「新・戦争のつくりかた」(マガジンハウス刊)が出版されました。
新・戦争のつくりかた
りぼん・ぷろじぇくと
マガジンハウス
2014-09-11


 「新・戦争のつくりかた」が、旧版に代わってWEBサイトにアップされるに際し(2015年6月)、前年7月1日の閣議決定及び前月の安保関連法案国会上程という事態をうけて、3箇所(現在のWEB版では2箇所)手書きで書き換えられましたが、それ以外は全く訂正の必要がなかったということは、今私たちが直面している事態が、ただ単に安倍晋三内閣という特異な政権が誕生したためにたまたま生じたというような単純なものではないということの紛れもない証拠だろうと思います。
 
 私自身、自分のメルマガ(ブログ)で3回にわたり、絵本『戦争のつくりかた』をご紹介してきました(末尾参照)。それは、「りぼん・ぷろじぇくと」の皆さんの先見の明に敬意を表してという面も当然あるのですが、その最終頁に書かれた、
  わたしたちは 未来をつくりだすことができます。
  戦争しない方法を、えらびとることも。
という決意の帰趨を見届ける責任があると考えるからでもあります。
 
 さて、今日(2015年12月10日)は、メルマガ(ブログ)で『戦争のつくりかた』を取り上げようということは予め決めていました。
 というのも、クラウドファンディングを利用し、NOddINに結集した多くの映像作家が協力して作り上げたアニメーション『戦争のつくりかた』が、今日の午前10時に一般公開されると予告されていたからです。
 ところが、今日、「戦争のつくりかた」アニメーション・プロジェクトWEBサイトを閲覧したところ、以下のとおり、公開を延期する旨のお知らせが掲載されていました。
 
(引用開始)
12月10日に本サイトでの一般公開を予定していた「戦争のつくりかたアニメーションプロジェクト」本編映像につきまして、諸般の事情により、公開日を延期することとなりました。公開を心待ちにされておりました皆様におかれましては、大変ご迷惑をおかけします。公開日が決定次第、本サイトならびに関係メディアでお知らせをさせていただきますので、今しばらくお待ちくださいませ。 何卒ご了承くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。
(引用終わり)
 
 たしかに、多くの人が制作に加わって出来上がった作品ですから、様々な「諸般の事情」があっても不思議ではありません。
 アニメーション『戦争のつくりかた』が公開される日の1日も早いことを祈りつつ、ここで筆を措いても良いのですが、やや物足りないことは否めませんね。
 ということで、アニメ版とはまた別種の感銘が得られる2つのヴァージョンをご紹介しておきます。
 1つは、「りぼん・ぷろじぇくと」による公式WEBサイトに掲載された『新・戦争のつくりかた』、もう1つは、近藤浩章氏が書き下ろした音楽と旧版『戦争のつくりかた』のイラストを背景に、本文が朗読される動画です。
 是非、じっくりとかみしめながら、読み、かつ聴いてください。
 
 
戦争のつくりかた(10分24秒)
 
音楽企画プロデュース:近藤真庸(岐阜大学教授)
作曲・編曲:近藤浩章
ディレクター:佐藤由理
ナレーション:佐理
制作:株式会社シー・オーグメント
「2014/07/07 に公開
文:りぼんぷろじぇくと/絵:井上ヤスミチ/音楽:近藤浩章
この作品は、2004年に、岐阜大学教授の近藤真庸先生から依頼を受け、「それいけ!アンパンマン」等の音楽を担当する、作曲家の近藤浩章が音楽を書き下ろしました。
初演は、岐阜大学地域科学部「No War プロジェクト」の学生たちにより行われ、大きな反響を呼びました。
そして10年後の2014年、絵本の絵を動画として編集、ナレーションと音楽を乗せた映像作品とし、発表致しました。」
 
 

(忘れないために)
 「自由と平和のための京大有志の会」による「あしたのための声明書」(2015年9月19日)を、「忘れないために」しばらくメルマガ(ブログ)の末尾に掲載することにしました。
 
(引用開始)
  あしたのための声明書
 
わたしたちは、忘れない。
人びとの声に耳をふさぎ、まともに答弁もせず法案を通した首相の厚顔を。
戦争に行きたくないと叫ぶ若者を「利己的」と罵った議員の無恥を。
強行採決も連休を過ぎれば忘れると言い放った官房長官の傲慢を。
 
わたしたちは、忘れない。
マスコミを懲らしめる、と恫喝した議員の思い上がりを。
権力に媚び、おもねるだけの報道人と言論人の醜さを。
居眠りに耽る議員たちの弛緩を。
 
わたしたちは、忘れない。
声を上げた若者たちの美しさを。
街頭に立ったお年寄りたちの威厳を。
内部からの告発に踏み切った人びとの勇気を。
 
わたしたちは、忘れない。
戦争の体験者が学生のデモに加わっていた姿を。
路上で、職場で、田んぼで、プラカードを掲げた人びとの決意を。
聞き届けられない声を、それでも上げつづけてきた人びとの苦しく切ない歴史を。
 
きょうは、はじまりの日。
憲法を貶めた法律を葬り去る作業のはじまり。
賛成票を投じたツケを議員たちが苦々しく噛みしめる日々のはじまり。
人の生命を軽んじ、人の尊厳を踏みにじる独裁政治の終わりのはじまり。
自由と平和への願いをさらに深く、さらに広く共有するための、あらゆる試みのはじまり。
 
わたしたちは、忘れない、あきらめない、屈しない。
 
     自由と平和のための京大有志の会
(引用終わり)