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「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」結成記者会見(12/20)を視聴して

 今晩(2015年12月22日)配信した「メルマガ金原No.2312」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。 
 
「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」結成記者会見(12/20)を視聴して

 激動の2015年もあと1週間余りの年の瀬となり、安全保障関連法をめぐる動きもにわかに慌ただし
さを増してきました。
 一昨日(12月20日)は「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」の結成記者会見が開
かれ、昨日(21日)は、「安保法制違憲訴訟の会」が方針説明の記者会見を開きました。
 いずれも重要な動きなので、メルマガ(ブログ)で詳しくフォローしたいのは山々ながら、諸般の事情
(主として時間の都合)により、とりあえず今日のところは、一昨日の「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」の結成記者会見の動画などをご紹介するにとどめます。
 
20151220「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」結成会見 全録(58分)

冒頭~ 中野晃一氏(司会・「立憲デモクラシーの会」有志)
1分~ 佐藤学氏(「安全保障関連法に反対する学者の会」有志)
8分~ 山口二郎氏(「立憲デモクラシーの会」有志)
15分~ 高田健氏(「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」有志)
19分~ 西郷南海子氏(「安保関連法に反対するママの会」有志)
24分~ 諏訪原健氏(「SEALDs自由と民主主義のための学生緊急行動」有志)
29分~ 質疑応答
 
 全編視聴するためには1時間近くを要するのですが、各メディアによる報道の中で最も詳細に会見の模様を報じたのは産経ニュースでした。多分、WEB版だけで、産経新聞本紙には載っていないと思いますが(未確認)、まことに貴重な詳報です。是非ご活用ください(会員登録しなくても無料で全文読めるし)。
 

 なお、「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」が公表した趣旨・要綱については、しんぶん赤旗が詳細に伝えていますのでお読みください。
 
 
 以下に、「趣旨・要綱」の内、「2.要綱」を引用します。
 
(引用開始)
安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合 
1.趣旨 (略)
2.要綱
【理念】
 立憲主義、民主主義、平和主義の擁護と再生は、誰もが自由で尊厳あるくらしをおくるための前提とな
るものである。私たち市民連合は、安全保障関連法を廃止、立憲主義を回復し、自由な個人が相互の尊重
のうえに持続可能な政治経済社会を構築する政治と政策の実現を志向する。
【方針】
1.市民連合は、2000万人署名を共通の基礎とし、
(1)安全保障関連法の廃止
(2)立憲主義の回復(集団的自衛権行使容認の閣議決定の撤回を含む)
(3)個人の尊厳を擁護する政治の実現
に向けた野党共闘を要求し、これらの課題についての公約を基準に、参議院選における候補者の推薦と支
援をおこなう。
2.市民連合は、参議院選挙における1人区(32選挙区)すべてにおいて、野党が協議・調整によって候補者を1人に絞りこむことを要請する。候補者に関する協議・調整は、選挙区ごとの事情を勘案し、野党とともに必要に応じて市民団体が関与し、その調整によって「無所属」の候補者が擁立される場合も考えられる(無所属候補者は、当選後の議員活動について、市民連合や関与した市民団体との間に一定の協
定を締結するものとする)。
3.市民連合は、個人の尊厳を擁護する政治の実現を目指し、
(1)格差・貧困の拡大や雇用の不安定化ではなく、公正な分配・再配分や労働条件にもとづく健全で持続可
能な経済
(2)復古的な考えの押しつけを拒み、人権の尊重にもとづいたジェンダー平等や教育の実現
(3)マスコミや教育現場などにおける言論の自由の擁護
(4)沖縄の民意をふみにじる辺野古新基地建設の中止
(5)脱原発再生可能エネルギーの振興
などのテーマにおいて政策志向を共有する候補者を重点的に支援していく。
4.市民連合は、「2000万人戦争法の廃止を求める統一署名」の共同のよびかけ29団体の個人有志、また市民連合の理念と方針に賛同する諸団体有志および個人によって組織し、各地域において野党(無
所属)統一候補擁立を目指し活動している市民団体との連携をはかる。
(引用終わり)
 
 記者会見でも質問が出ていましたが、上記【方針】の「3」で掲げられた5つの「テーマにおいて政策志向を共有する候補者を重点的に支援していく」とある部分をどう評価するかはなかなか難しいところかもしれません。あくまで「重点的」であって、5つのテーマのどれかに反対だからといって「支援しない」と言っている訳ではないのだから問題ない、というのが一つの考え方でしょうし、ハードルを上げすぎると、結集からこぼれ落ちる勢力が増えてしまい、かえって逆効果ではないか、というのがもう一つの考え方でしょう。これをどう考えるかは、各地域ごとの事情によるところが大きいだろうとは思いますが。
 
 それから、【方針】の「4」で、「市民連合」が、「団体の個人有志」および「個人」によって組織するとしていて、団体そのものを構成要素としていないことは(記者会見出席者にも一々「有志」がついていたのはそういう事情でしょう)、「そうだろうな」と私は得心しました。「立憲デモクラシーの会」が、会として「市民連合」の構成団体になるなどということは想像できませんしね。
 とはいえ、全くの個人の集まりという訳ではなく、団体を背負った「個人有志」であるところが重要だ
という、まことに微妙な部分を抱えての個人の結集であるのだろうと思います。
 この点は、現在、全国各地で野党統一候補の擁立を目指して活動している個人・団体にとっては切実な問題であり、「市民連合」の行き方は、大いに参考になることでしょう。
 

(忘れないために)
 「自由と平和のための京大有志の会」による「あしたのための声明書」(2015年9月19日)を、「忘れないために」しばらくメルマガ(ブログ)の末尾に掲載することにしました。
 
(引用開始)
  あしたのための声明書
 
わたしたちは、忘れない。
人びとの声に耳をふさぎ、まともに答弁もせず法案を通した首相の厚顔を。
戦争に行きたくないと叫ぶ若者を「利己的」と罵った議員の無恥を。
強行採決も連休を過ぎれば忘れると言い放った官房長官の傲慢を。
 
わたしたちは、忘れない。
マスコミを懲らしめる、と恫喝した議員の思い上がりを。
権力に媚び、おもねるだけの報道人と言論人の醜さを。
居眠りに耽る議員たちの弛緩を。
 
わたしたちは、忘れない。
声を上げた若者たちの美しさを。
街頭に立ったお年寄りたちの威厳を。
内部からの告発に踏み切った人びとの勇気を。
 
わたしたちは、忘れない。
戦争の体験者が学生のデモに加わっていた姿を。
路上で、職場で、田んぼで、プラカードを掲げた人びとの決意を。
聞き届けられない声を、それでも上げつづけてきた人びとの苦しく切ない歴史を。
 
きょうは、はじまりの日。
憲法を貶めた法律を葬り去る作業のはじまり。
賛成票を投じたツケを議員たちが苦々しく噛みしめる日々のはじまり。
人の生命を軽んじ、人の尊厳を踏みにじる独裁政治の終わりのはじまり。
自由と平和への願いをさらに深く、さらに広く共有するための、あらゆる試みのはじまり。
 
わたしたちは、忘れない、あきらめない、屈しない。
 
     自由と平和のための京大有志の会
(引用終わり)