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中野晃一上智大学教授による「グローバルな寡頭支配vs.立憲デモクラシー」~1/8立憲デモクラシー講座 第4回)

 今晩(2016年1月8日)配信した「メルマガ金原No.2330」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
中野晃一上智大学教授による「グローバルな寡頭支配vs.立憲デモクラシー」~1/8立憲デモクラシー講座 第4回)

 9.19後という新たな情勢の下、立憲デモクラシーの会が立憲デモクラシー講座をシリーズで開催することとなり、既に昨年中に行われた第3回までは、その中継動画をこのメルマガ(ブログ)でご紹介してきました。これまでの3回分の動画(いずれもUPLAN)は、末尾にまとめて再掲しておきます。
 
 さて、昨日(1月8日)行われた第4回の講師は中野晃一上智大学教授(政治学)でした。同氏は、多くの立憲デモクラシーの会呼びかけ人の中で、最も積極的に様々な集会に参加しては、分かりやすく印象的なスピーチをされるということで、「ミスター立憲デモクラシーの会」と言っても、おそらく誰からも異論は出ないものと思います。
 ただし、そのような活動が忙し過ぎる上に、本務校である上智大学での教育、研究という本来業務もおろそかにできず、小林節慶應義塾大学名誉教授のように全国を講演で飛び回ることなど出来ないのは、まことに無理からぬところです。
 ということで、中野教授による2時間という、たっぷりと時間をかけた講演というのは、実は、動画サイトでもそうそう見つからないと思いますので、非常に貴重なものです。
 以下には、動画の他にレジュメも転記しておきました(著作権法違反にはならないとまあご了解いただけるのではないかと思って・・・)。
 これまでの経過と現状を分かりやすく分析しながら、今後の展望に説き及ぶという講演で、渡辺治さんとはまた別の角度から明快な視座を提供してくれています。
 是非、1人でも多くの方に視聴していただきたいと思います。
 
第4回 2015年1月8日 早稲田大学早稲田キャンパス3号館401教室
中野晃一上智大学教授(政治学)
「グローバルな寡頭支配vs.立憲デモクラシー:集団的自衛権、TPP、安倍談話」(2時間03分)

(レジュメより引用開始)
安保法制の背景
 PKO法(1992)
 日米安全保障共同宣言(1996)
 新ガイドライン(1997)
 周辺事態法(1999)
 アーミテージ報告(2000)
 テロ特措法(2001)
 イラク特措法(2003)
 武力攻撃事態法などの有事法制(2003、2004)
 防衛省設置(2006)
 国民投票法(2007)
 新テロ特措法(2008)
第2次安倍政権の安保アジェンダ
 96条改憲の企て(2013)
 NSC法(2013)
 特定秘密保護法(2013)
 集団的自衛権行使への解釈改憲(2014)
 安保関連法成立(2015)
 明文改憲?(2016ー?)
安保法制をどう捉えるか
 対米追随路線の延長
 戦後最大の安保政策の大転換
 立憲主義・民主主義・安保政策の諸問題
安保法制のコンテクスト
 対米追随(AIIB、TPP、辺野古、戦後70年談話(安倍談話)など)
 歴史修正主義を含む復古的ナショナリズム
 報道の自由、学問の自由、そして公共空間の危機
新しい市民運動のめばえ
 脱原発、アンチヘイト、特定秘密保護法反対運動の流れと展開
 多用な運動体の緩やかな連携と共闘態勢
SEALDs、総がかり行動、立憲デモクラシーの会、学者の会
日弁連、あすわか、ママの会など 
触媒・起爆剤としてのSEALDs
 自由主義個人主義の運動
 民主主義の主権者としてのコミットメント
 政治参加を「普通」にする
 世界・歴史的な位置付け
 伝えること、繋がること
 息を吹き返した平和主義
日本政治はどこへ向かうのか
 敗北感が漂わない不思議
 短期的には2016年参議院選挙、長期的には日本の政治文化の変化に照準
 野党はオルタナティブを提示できるか
 経済の重要性
 対米追随路線と歴史修正主義はいつまで両立するか
(引用終わり)
 
第5回 立憲デモクラシー講座のご案内
2016年1月29日(金)18時30分~(開場18時)
会場:早稲田大学早稲田キャンパス3号館401教室
講師:杉田 敦法政大学教授(政治学)
憲法9条の削除・改定は必要か」
※「安保関連法の廃止を求める早稲田政経有志の会」共催
※予約・事前連絡不要
 
(立憲デモクラシー講座 第1回~第3回)
第1回 2015年11月13日 早稲田大学早稲田キャンパス3号館401教室
石川健治東京大学教授(憲法学
「「一億総活躍」思想の深層を探るー佐々木惣一が憲法13条を「読む」」(1時間54分)

 
第2回 2015年11月27日 早稲田大学早稲田キャンパス3号館502教室
千葉 眞国際基督教大学特任教授(政治学)
「代表制民主主義と参加民主主義との確執:自由民主義体制において民主主義革命の必要を語るのは適切か」(1時間58分)

 
第3回 2015年12月11日 早稲田大学早稲田キャンパス3号館401教室
山口二郎法政大学教授(政治学)
「戦後70年目の日本政治:民主主義を再考する--参加、代表、多数決」(1時間58分)