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和歌山市「はたちのつどい2016」で12回目の新成人アンケートを実施しました(平和と憲法を守りたい市民の声)

 今晩(2016年1月10日)配信した「メルマガ金原No.2331」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
和歌山市「はたちのつどい2016」で12回目の新成人アンケートを実施しました(平和と憲法を守りたい市民の声)

 今日(1月10日)開かれた和歌山市「はたちのつどい」で12回目の新成人アンケートを実施しました(平和と憲法を守りたい市民の声)。第1回から参加している方にとって、干支一巡りというのはそれなりに感慨深いことなのでしょうね。マイクを持っての新成人に対するアピールでも、「12回目」ということが強調されていました。
 
 私が、「平和と憲法を守りたい市民の声」の松浦攸吉さんから誘われて、成人式が行われている和歌山ビッグホエールを訪れるようになったのは、3.11後の2012年からなので、今年で5回目となります。
 例年どおり、会場入り口付近では、和歌山県原水協の白井春樹さんたちと新日本婦人の会和歌山市支部の皆さんが合同で署名行動を行っており、今年もまずは新年のごあいさつ。
新婦人・成人式署名行動2016 昨年は、国連総会に提出予定の「核兵器全面禁止のアピール署名」1本だったと思いますが、今年は、それに加え、安保関連法(戦争法)成立という事態をうけ、「戦争法の廃止を求める統一署名」(2000万人署名)にも併せて取り組んでおられました。
 原水協新日本婦人の会の皆さんが署名行動を行っている会場入り口付近は、正午過ぎには、やって来た(待ち合わせしている)新成人でごった返す状況となり、とても署名活動が出来るような雰囲気ではなくなりますので、概ね1時間程度の署名行動だったと思いますが、新婦人の小野原典子さんに伺ったところでは、「戦争法の廃止を求める統一署名」では94筆の署名が得られたということでした。原水協の皆さん、新日本婦人の会和歌山市支部の皆さん、ありがとうございました。
 
 次にご紹介するのは、今年で12年連続となる新成人アンケート(シールアンケート)を実施した「平和と憲法を守りたい市民の声」の取組です。
 「平和と憲法を守りたい市民の声」が、初めて新成人アンケートを実施したのは2005年1月9日、テーマは「自衛隊撤退」についてでした(「撤退」というのが「イラクからの」だった、ということを今年の新成人は知っていますかね?)。
 
 ここで、私がメルマガ(ブログ)の「取材」に訪れるようになった2012年から2015年までの4回分のテーマと結果をまとめておきましょう。
 2011年までは、「9条」「自衛隊」など、安全保障関連のテーマだけでアンケートを実施していたものが、前年3月の東京電力福島第一原発事故をうけ、原発問題との2本立てでアンケートを行うようになったのが2012年からでした。
 
2012年1月8日(日) 和歌山市の新成人 3,699人
「平和と憲法を守りたい市民の声」第8回新成人アンケート

「あなたが総理大臣だったらどうしますか?」
自衛隊について
 ・アメリカの戦争に軍隊として参加する=17人
 ・災害救助に専念する=371人
 ・分からない・決められない等=8人(選択肢にはない)
 回答者計=396人
原発について
 ・原発を存続させる=92人
 ・原発を止めて自然エネルギーを目指す=322人
 ・分からない・決められない等=16人(選択肢にはない)
 回答者計=430人
 
2013年1月13日(日) 和歌山市の新成人 3,676人
「平和と憲法を守りたい市民の声」第9回新成人アンケート

「あなたが総理大臣だったらどうしますか?」
自衛隊について
 ・他国の戦争に軍隊として参加させる=39人
 ・災害救助隊に専念する=394人
 ・どちらでもない(分からないなど)=4人(選択肢にはない)
 回答者計=437人
原発について
 ・原発を存続させる=122人
 ・原発を止めて再生可能エネルギーを目指す=294人
 ・どちらでもない(分からないなど)=15人(選択肢にはない)
 回答者計=431人
 
2014年1月12日(日) 和歌山市の新成人 3,505人
「平和と憲法を守りたい市民の声」第10回新成人アンケート

「あなたならどうする?」
憲法9条
 ・「憲法9条」を「知っている」=237人
   「憲法9条」は「いる」 216人 
   「憲法9条」は「いらない」 13人
   分からない 8人(選択肢にはない)
 ・「憲法9条」を「知らない」=132人
 回答者計=369人
原発
 ・「原発」は「いる」=110人
 ・「原発」は「いらない」=210人
 ・分からない=34人(選択肢にはない)
 回答者計=354人
 
2015年1月11日(日) 和歌山市の新成人 3,610人
「平和と憲法を守りたい市民の声」第11回新成人アンケート

「あなたはどうしますか?」
憲法9条について
 ・変える=48人(10.04%)
 ・わからない=176人(36.82%)
 ・変えない=254人(53.14%)
 回答者計=478人
原発再稼働について
 ・再稼働する=161人(33.47%)
 ・わからない=157人(32.64%)
 ・再稼働しない=163人(33.89%)
 回答者計=481人
 
 昨年(2015年)は、選択肢の中に初めて「分からない」という欄を設けたところ、予想以上に「分からない」にシールを貼る回答者が続出してしまいました。その原因の一端が、「わからない」という選択肢を賛否の意見の真ん中に置いたことにあるのではないかという指摘もあって(私が指摘したのですが)、今年は選択肢を並べる順番も工夫しました。その上で、今年のアンケートでは、安保法制と原発稼働問題について尋ねました。
 さて、その結果は?
 
2016年1月10日(日) 和歌山市の新成人 3,537人
「平和と憲法を守りたい市民の声」第12回新成人アンケート
「あなたのご意見をお聞かせください」
◎安保法制で国民は
 ・守られる=93人(18.34%)
 ・危険になる=143人(28.21%)
 ・分からない=271人(53.45%)
 回答者計=507人
原発稼働について
 ・即廃炉=93人(19.50%)
 ・段階的廃炉=218人(45.70%)
 ・存続する=166人(34.80%)
 回答者計=477人
 
歌舞さん@成人式2016 ここ数年、3000数百人の新成人のうち、だいたい2000人余りが出席するようです(1年前の出席者は2,057人)。もっとも、この数字は、会場で受付を済ませて入場した人数でしょうから、会場「周辺」に来ていた新成人はもっと多かったという可能性はあります。
 何はともあれ、安保法制についての回答者総数507人、原発稼働についての回答者総数477人というのは、成人式の会場にやって来た新成人の約4人に1人がアンケートに協力してくれたという推定も可能な数字であり(多分)、新成人の意識調査の基礎とするのに、少なくとも量的には問題ないレベルであると思われます。
 
 そこで、今年の新成人の回答内容ですが、まず安保法制の方を見てみましょう。「分からない」が53.45%!
 昨年の、憲法9条を変える方が良いか、変えない方が良いかという質問に「分からない」と答えた者が36.82%もいたことに衝撃を受けた私たちも、今年の、安保法制で国民は守られるのか、それとも危険になるのか「分からない」という回答が半数を超えたことにそれほどの驚きはありませんでした。この「分からない」には、安保法制の「効果」が分からないというようりも、安保法制自体の「中身」が分からないという人の方が圧倒的に多いようでした。実はそれも想定の範囲内であり、「さもありなん」というところです。
 しかし、この状態がこのままで良いはずはなく、どうすればいいのでしょうかね?
 
 原発稼働問題にしても、3人に1人(34.80%)が原発を「存続させる」べきと答えた心理が知りたいところですね。1人1人から、その選択肢を選んだ理由を聞くような時間はないし、それをやり出すと回答してくれる人がずっと少なくなるのは目に見えていますしね。
 
新成人アンケート2016 皆さんは、今年の新成人の回答結果をご覧になってどう思われたでしょうか。今年の設問は、極力誘導を控え、実際の意見に沿った選択肢が選べるように配慮しましたし、先に書いたとおり、和歌山市の新成人全体の7人に1人(来場者の4人に1人)から回答を得ていますので、新成人全体の意見の傾向を、かなりの程度反映していると言っても良いのではないかと思います。
 「まあこんなものだろう」と考えるにせよ、「意外だ」と驚くにせよ、その結論を踏まえた上で、これらの若い世代の人たちに、何をどのようにして働きかければよいのか、悩ましい問題をまた悩まなければなりませんが、とにかくその出発点にはなり得るアンケート結果だと思います。

 今年の新成人アンケートには、全部で14名が参加しました。皆さん、お疲れ様でした。