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「避難者あるある五七五」東日本大震災避難者の会Thanks&Dream(サンドリ)の挑戦~五七五だから語れる避難者の思い

 今晩(2016年1月11日)配信した「メルマガ金原No.2332」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
「避難者あるある五七五」東日本大震災避難者の会Thanks&Dream(サンドリ)の挑戦~五七五だから語れる避難者の思い

 森松明希子さん(郡山市から大阪市に母子避難)が代表を務める「東日本大震災避難者の会Thanks&Dream(サンドリ)」では、昨年から、東日本大震災避難者の方々から川柳を募集して公開するという事業(と言って良いでしょう)を始めています。
 サンドリのホームページ上で公開するだけではなく、様々な催しの場での展示などを通じて、避難者の切実な声を社会に届けようとしています。
 
 以下に、サンドリ・ホームページの中のカテゴリ【避難者川柳5・7・5】に分類された投稿を、古いものから順に並べ上で、その一部をご紹介してみました。
 全作品をご紹介しようかとも思ったのですが、森松さんに伺ったところでは、既に200句を超える川柳が寄せられているとのことで、あまりに長くなり過ぎる上に、かえって印象を薄めてしまう恐れもありますので、今日のところは、「避難者あるある五七五/金原セレクション」ということにしました。
 とはいえ、私は川柳についての素養など全く持ち合わせがありませんので、直感で選んだと言うしかありません。皆さんには、是非上記カテゴリ【避難者川柳5・7・5】をクリックし、全作品に目を通していただければと思います(この読み方だと、新しい投稿から古い投稿に遡っていくことになります)。
 
 どうでしょうか。作者の訴えたいことがストレートに伝わってきますよね。
 一般の「3.11避難者川柳」の他に、「帰還編」というのもあり、後者の方により切実な句が多いのは当然でしょう。
 
 これくらい数が増えてくると、一定の傾向や、「そうなんだ」という気付きを与えてくれることもあり、例えば次の2つの句を並べてみると、子どもの健康を最優先して避難を決断した家庭の、避難先で直面する非常に重要な問題が、子どもの通う学校や先生の対応であるということが分かります。
「学校が 良いか悪いか 天地の差
(G.Y さん)
「避難児は 先生によっては 救われる」(たった一人でも理解ある先生に巡り会えたら  さん)
 
 森松さんをはじめ、少なくない避難者の方々が、実名で避難者の実情を積極的に社会に訴えておられますが、避難者全体から見れば、そのような人たちがごく一部にとどまるのはやむを得ないことです。
 そこで、実名を出さずにペンネームで、日本人にとって馴染みやすい「五(ごー)七(しち)五(ご)」という17文字に乗せて自分の思いを語ってもらうという試みは、避難者の思いを社会に届けるための、非常に有用で効果的な挑戦だと思います。
 そして、このような対外的アピールが期待される他に、私は次の様な効用もあると思っています。
 避難者川柳募集の呼びかけはこう語っていますね。「避難者の皆さんにはそれぞれの悩みがあり、家族の理解すら得られず、言いたい事を言えずにいる人も少なくないと思います。(略)そういった色々な想い、避難者特有のあるある~を5・7・5 にしてみてください。」と。
 自ら文章をつむぐという営みには、自己を客観視する(やや上の方から自分自身が置かれた状況を俯瞰すると言ってもよいでしょう)視点がどうしても必要です。もちろん、五七五の川柳であってもです。このような視点を欠いた文章は、人の心を打たないばかりか、まず意味が通じません。
従って、文章を書くという作業は、必然的に自分の状況を自ら再認識し、気持ちを整理するという効果をともないます。実際、文章を書くことによって、「自分はこういう風に考えていたのか」ということにあらためて気付くということは決して珍しくありません。
 そして、もう一つ重要な効用は、文章を書く、あるいは文芸作品を仕上げることによる魂の浄化作用です。
 川柳を一つひねって「魂の浄化」は大げさだろう、と思われますか?たしかにそうかもしれません。このような効果を認めるにしても、その程度はまさに千差万別でしょう。そして、これは文章に限ったことではなく、絵画でも彫刻でも音楽でも、あらゆる表現行為に共通のものかもしれません。ただ、私自身は、他の表現手段に関して才能が乏しいため、よく分からないのですが、少なくとも、自分の思想に忠実に、しかも、客観性にも配慮した文章が書けたと思った時の達成感は何にも代え難いものです。
 私は、サンドリが募集する「あるある五七五」に応募した避難者の皆さんに、自ら意識すると否とにかかわらず、そのような「魂の浄化」がもたらされたと信じたいと思っているのです。
 
 あとは、皆さんご自身で、以下の避難者の声(作品)に耳を傾けてくださるようにお願いします。
 

東日本大震災避難者のみなさん、川柳大募集ですよ!『避難者あるある575』 2015.05.12 Tue

(引用開始)
避難者のみなさん、
5・7・5の川柳で言葉にしてみませんか?
 
避難・移住の選択をされた皆さんが
日ごろ感じていることありませんか?
 
多くの避難者は、
「私は避難者です!」と周りの人に打ち明けずに
ここ関西で暮らしている人も多いのではないのでしょうか?
 
避難者の皆さんにはそれぞれの悩みがあり、
家族の理解すら得られず
言いたい事を言えずにいる人も少なくないと思います。
 
また、逆に、避難してきて良かったと安堵できたり、
ここ関西での人情深さ、人の温かみに助けられたり、
ご支援を受けることができたりして、
感謝の気持ちもあると思います。
 
そういった色々な想い、
避難者特有のあるある~
を 5・7・5 にしてみてください。
 
例えば、
 
「母子避難 わが子の成長 見れぬ父」
   PN 除染土お引き取り下さい さん
 
「今もなお 続く汚染を 見ないふり」
   PN 除染土お引き取り下さい さん
 
「母子避難 避難者支援 ありがとう」
   PN 福島県中通り大阪市・あっこにゃん さん
 
こちらのフォームから受付ています。
(コチラをクリックしたらフォーム画面になります。)
↓↓↓
避難者あるある575へ投稿する!
※お名前・メールアドレス・ペンネーム・575を書いて確認を押してくださいね!
 
なお、投稿された内容は「575」と「ペンネーム」のみを公開いたします。
お名前は厳重にこちらで管理させていただきます。
 
ブログはもちろん、ブースや展示会、発行物等で 5・7・5 の避難者アピールができたらと思っております。
 
ご協力よろしくお願いいたします。
 
避難させているご家族、避難したいと思っている方でももちろん大歓迎です!
 
趣旨をご理解下さいまして、ふだん伝えることのできない声なき声を、
届けてみませんか?
(引用終わり)
 
川柳『避難者あるある575』が届いてます♪まだまだ募集中! 2015.05.25 Mon
(引用開始)
たくさんの川柳届いてます!
投稿してくださった方ありがとうございます!!
 
一部ご紹介いたしま~す♪
 
「安全論 健康被害を なきことに」
   ペンネーム:空 さん
 
「母子避難 私が倒れたら どうなるの・・・」
   ペンネーム:けっこう切実です さん
 
「避難して 底を尽きてく 我が貯金」
   ペンネーム:どなたか庭の除染土お引き取りいただけますか? さん
 
「子の不調 その都度ひばくに 思いはせ」 
   ペンネーム:症状あり さん
(引用終わり)
 
川柳『避難者あるある575』が届いてます♪まだまだ募集中! 2015.06.17 Wed
(引用開始)
たくさんの川柳届いてます!
投稿してくださった方ありがとうございます!!
 
一部ご紹介いたしま~す♪
 
「安全論 まだらに人を 染めていき」
   ペンネーム:日本に絶望 さん
 
「待ってます アンケートより 聞き取りを」
   ペンネーム:M.A さん
 
「地元から 届く悲鳴に すべもなく」
   ペンネーム:J.T さん
 
「避難者の 自立を阻む 体調不良」
   ペンネーム:症状あり さん
 
「母子避難 健康取るか パパ取るか」
   ペンネーム:けっこう切実です さん
(引用終わり)
 
【3.11避難者川柳No.58】
「避難民 いつまでたっても 根無し草」
   PN 普通のことが言えない時代 さん
 
【3.11避難者川柳No.67】
「母子避難 理解ある義母に 感謝です」
   PN たとえ賛成してくれなくてもありがたい さん
 
【3.11避難者川柳No.99】
「子の命 誰が預けた? この国に」
   PN 預けた覚えはない!! さん
 
【3.11避難者川柳No.109】
「沿岸部 溺死でなくて 衰弱死」
   PN 原発周辺の線量が高くて救助されず見捨てられた命 さん
 
【3.11避難者川柳No.91】
「帰省中 突然イガイガ 喉痛む」
   PN 体が証明している さん
 
【3.11避難者川柳No.119帰還編】
「帰るのか 帰らないかは 個の自由」
   PN 自由の無い国、日本 さん
 
【3.11避難者川柳No.120帰還編】
「汚染帰還 決めた議員が 住めばいい」
   PN 住めぬなら黙れ! さん
 
【3.11避難者川柳No.3】
「助け合い したくてできぬ 遠い距離」
   PN 母子避難コミュニティーがほしい さん
 
【3.11避難者川柳No.10】
「地元から 届く悲鳴に すべもなく」
   PN J.T さん
 
【3.11避難者川柳No.11】
「学校が 良いか悪いか 天地の差」
   PN G.Y さん
 
【3.11避難者川柳No.12】
「PTA ふつうの暮らし  してるふり」
   PN P.H さん
 
【3.11避難者川柳No.14】
「避難者が 増えてく町に 未来あれ」
   PN H.H さん
 
【3.11避難者川柳No.15】
「住まい探し 定職・保証人 なき困難」
   PN S.T さん
 
【3.11避難者川柳No.143】
「外遊び 健康被害 出るまでは」
   PN ウチの子にかぎって さん
 
【3.11避難者川柳No.110帰還編】
「日々不安 帰るのイヤだが 金尽きた」
   PN 帰還させられるならあの世に避難します さん
 
【3.11避難者川柳No.19】
「国守り 働く作業員 正職に」
   PN 西川広野 さん
 
【3.11避難者川柳No.154】
「それはひどい 怒ってくれる 支援も嬉し」
   PN 心に元気をくれた支援に感謝 さん
 
【3.11避難者川柳No.148】
「うつれずに うつになりゆく 人もいる」
   PN 川柳だから言わせて さん
 
【3.11避難者川柳No.2】
「コミュニティー あったらいいな 避難者の」
   PN 症状あり さん
 
【3.11避難者川柳No.156】
「明暗わける 地産地消は 魔の言葉」
   PN 日本中の給食を安全にしたい さん
 
【3.11避難者川柳No.182】
「避難者は 年中無休で 避難です」
   PN 国内避難民 さん
 
【3.11避難者川柳No.170】
「あり得ない 私の許可無く 再稼働」
   
PN 福島の私は許可した覚えはない さん
 
【3.11避難者川柳No.27】
「避難児は 先生によっては 救われる」
   PN たった一人でも理解ある先生に巡り会えたら  さん
 
【3.11避難者川柳No.39】
「汚染水 世界の皆さん ごめんなさい」
   PN 日本国民 さん
 
【3.11避難者川柳No.189】
「関東から 引越してた人 わりといた」
   
PN 東京→大阪小6 さん
 
【3.11避難者川柳No.191】
「避難民 まさか自分が 『難民』に」
   PN いのちをまもる さん
 
【3.11避難者川柳No.116帰還編】
「帰還しろ! 家まで訪問 やめてくれ」
   PN 一児の母より さん
 
【3.11避難者川柳No.28】
「避難児は 5歳で放射能を 語れます」
   PN そういう環境で大きくなってしまったからね・・・ さん
 
【3.11避難者川柳No.202】
「フレコンの 前で子育て それは無理」
   PN 放射能の袋詰めですから~ さん
 
【3.11避難者川柳No.180】
「短距離が 長距離走に 変わる時」
   
PN 五年たってもあきらめたくない さん
 
【3.11避難者川柳No.107】
「外活動 拒むと書かれる 内申書」
   PN 被爆の強要反対!! さん
 
【3.11避難者川柳No.30】
「母子避難 夫婦仲が 試される」
   PN 震災離婚は明日は我が身 さん
 

(付録)
『Don't mind (どんまい)』 作詞・作曲:ヒポポ大王 演奏:ヒポポフォークゲリラ