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放送告知2/13「下神白(しもかじろ)団地の人々」(ETV特集)

 今晩(2016年2月7日)配信した「メルマガ金原No.2359」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
放送告知2/13「下神白(しもかじろ)団地の人々」(ETV特集

 今日は、午後から山本太郎参議院議員トークライブ和歌山のお手伝いに出かけ(あまり自覚はないものの私も実行委員の1人にカウントされて写真係に任命されていた)、第2部(夜の部)が終わった後某警察署に接見に出かけ、帰宅後は、写真係としての責任上、Facebookに今日のトークライブの写真をアップする作業をしていたため、メルマガ(ブログ)は短時間で書けるものにせざるを得ません。ということで、視るに値するTVドキュメンタリー番組はないか?と探すことにしました。
 なにしろ、これから放送されるのですから、良い番組かそうでないかを確言する訳にはいかず、番組案内を読んだだけで、長年の勘に基づいて「録画」or「パス」を選択することになります。はたして、今回の私の判断は当たっているでしょうか?
 
NHK・Eテレ 
本放送 2016年2月13日(土)午後11時00分~
再放送 2016年2月20日(土)午前0時00分~(金曜深夜)
ETV特集「下神白(しもかじろ)団地の人々」
(番組案内から引用開始)
 原発事故のため、いまなお10万人が避難生活を続けている福島。去年の2月、いわき市に、原発事故による避難者が入居するアパートが完成した。県営下神白(しもかじろ)団地である。
 ここで暮らし始めたのは、事故を起こした第一原発に近い四つの町、富岡、大熊、双葉、浪江の住民、200世帯・337人。全員が原発事故前に住んでいた町に住民票を残したまま、ここで共同生活を始めた。原発事故は、四つの異なる町の住民が一か所に集まって生活するという特殊な環境を生み出したことになる。
 下神白団地は、原発事故で家を失い、住み慣れた町を離れざるを得なかった人たちの"終(つい)の住みか"だ。住民の多くは高齢者で、60歳以上の一人暮らしが83人。障害を抱えた配偶者を支えながら二人だけで暮らしている「老老介護」の夫婦も少なくない。
就学前の幼児が4人いるが、小中学生は1人もいない。住民のなかには、ドアを閉めてしまえば物音が聞こえず、高齢者が孤立しがちなアパート暮らしを嫌って仮設住宅を懐かしむ声が少なくなかった。
 去年から被災者支援のボランティアとしてこの団地に通い始めた牧秀一さん(65・神戸市在住)は、こうしたアパートで900人近い人たちが誰にみとられることなく"孤独死"した阪神淡路大震災の現実を重ね合わせ、危機感を募らせる。
 真新しいアパートの鉄の扉の内側で、原発事故で故郷を失った人たちは何を思い、どんな暮らしを営んでいるのだろうか、私たちはそれを知りたいと思った・・・。
語り:濱中博久
(内容59分) 
(引用終わり)
 
 東京電力福島第一原発事故から5年目の3.11が間もなくやって来ます。その時期の前後には、福島の今を伝えるドキュメンタリー番組が多く作られるものと思いますが、このETV特集もその1つでしょう。
 福島県復興公営住宅の中で、昨年、入居募集が行われた「下神白(しもかじろ)団地」(いわき市小名浜下神白)に入居した4町(富岡町、大熊町浪江町双葉町)の人々を取材した番組です。
 
 下神白団地は6棟で構成され、避難元の町単位で入居する棟が決められているようです(「第1期募集団地」より)。
  1号棟、2号棟→富岡町
  3号棟→大熊町
  4号棟、5号棟→浪江町
  6号棟→双葉町
 
 福島県のホームページに、「下神白団地(いわき市)の現場進捗状況」というページがあり、平成27年1月建物完成までの、団地の全景や室内等の写真が掲載されています。
 
 地元紙・福島民友が伝えたこの団地の記事を1つご紹介しておきます。
 
福島民友 2015年3月4日
“原発事故と津波”避難者隣り合わせ いわき・下神白団地

(引用開始)
 双葉郡の約2万4000人が避難生活を送るいわき市でトップを切り、県が整備する復興公営住宅下神白(しもかじろ)団地1、2号棟の入居が1月に始まった。
 団地は同市小名浜にあり、市が整備を進めている市内の津波被災者らの災害公営住宅と隣接、周辺には住宅街が広がる。県は復興公営住宅に入居する住民の地域交流のサポートを目的に「コミュニティー交流員」を外部委託し、現地に派遣している。
 県の担当者は「避難者の生活は、周囲と良好な人間関係を築き、あつれきをなくすために互いを理解できる場も必要」とし、復興公営住宅の住民同士が交流を図れるイベントを企画するほか、災害公営住宅の住民を含めた周囲の市民との交流事業の実施などを検討している。
 隣接するのは現在建設中の3~6号棟と市災害公営住宅1、2号棟。復興公営住宅の2号棟に入居している管理人の遠藤一広さん(63)=富岡町=は「いわき市に避難してからは、賠償金の問題で嫌がらせをされた町民もいたと聞く」と話す。しかし、同市の仮設住宅から引っ越す際、地元市民に送別会を開いてもらったといい、「いろいろな感情を持っている人はいると思うが、積極的に交流し、地域になじんでいきたい」と新天地での抱負を語る。
(引用終わり)
 
 この記事にある「コミュニティ交流員」のホームページというのがあり、そのうちの「いわき拠点」というところをクリックするとこういう画面があらわれます。
 
 関係者の努力には敬意を表したいと思いますが、津波避難者と原発事故避難者の「あつれき」を心配しなければならないということ自体、何とも切ない思いを抱かざるを得ません。
 そして、ETV特集の番組案内にさりげなく書かれた「小中学生は1人もいない。」という一言の重さも心に迫ってきます。
 そのような思いをかかえつつ、ETV特集「下神白(しもかじろ)団地の人々」を視聴しようと思います。
 

(付録)
『未来の花 Flowers of Future』 演奏:加藤 健

※「伝説のパンクバンド「えび」のボーカル加藤健の1stソロアルバム『ちいさなちいさな石 大きな湖になげる』(Shimin)に収録されたリードシングル的な一曲。福島第一原発の汚染区域を訪ねた直後に書かれた。写真はすべて、その汚染区域内にて撮影された。
ジャケットは中筋純氏による撮りおろしである。」