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続・和歌山城西の丸広場でお待ちしています!(3/13「フクシマを忘れない!原発ゼロへ 和歌山アクション2016」)~『花は咲けども』と『花は咲く』

 今晩(2016年3月12日)配信した「メルマガ金原No.2393」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
続・和歌山城西の丸広場でお待ちしています!(3/13「フクシマを忘れない!原発ゼロへ 和歌山アクション2016」)~『花は咲けども』と『花は咲く』

 いよいよ明日(3月13日)、和歌山城西の丸広場で「フクシマを忘れない!原発ゼロへ 和歌山アクシ
ョン2016」が開催されます。
 昨日は、開催挨拶の予定稿まで事前公開して集客に努めるという、他のイベントではめったにお目にかかったことのない作戦まで繰り出した上に、前日に迫った今晩まで、参加のお願いを書こうというのですから、我ながら「実行委員の鑑」(?)と誉めたい位です。
 
 今日ご紹介しようというのは、明日のフィナーレで歌うことになっている『花は咲けども』という曲です。
 私自身、実行委員会の席上、初めて音源を聴かせてもらった際には、リフレインはともかく、それ以外の部分を「みんなで歌う」のは難しい(歌いにくい)のではないか?などという感想が浮かんだ程度であり、「去年のフィナーレで『花は咲く』を歌って、今年が『花は咲けども』ってどうなんだ?」という感慨が一瞬脳裏をかすめたものの、強いて意見を述べることはしませんでした。
 
 その後、ブログやFacebookで3月13日のイベントを取り上げる際、YouTubeにアップされている『花は咲けども』に耳を傾けるうち、当初感じていた違和感は薄れていきましたが、次に、この曲がどういう思いで作られたのか、ということが気になってきました。

 ご存知の方も多いでしょうが、『花は咲けども』は、山形県長井市を中心に、長年活動を続けてきたアマチュア・フォークソンググループ「影法師」が
作り、広くカバーを呼びかけている(花は咲けどもプロジェクト)楽曲です。
 「影法師」のホームページから、このプロジェクトについての説明を引用します。
 
(抜粋引用開始)
「花は咲けども」プロジェクトにご参加下さい。
「花は咲く」では語れない福島の今を歌う。
 3.11による原発事故が起き、私たちは首都圏と地方の関係、特に原発をテーマに歌いながらこのよ
うな悲惨な状況を迎えてしまった事への無力感、脱力感に襲われておりました。そして、忌まわしい事故から3年近くが過ぎ、解決の糸口すら見いだせていないのに、世の中の流れは原発事故を忘れてしまった
ような雰囲気が様々な手法で醸し出されています。
 このような現状に私たちは「花は咲けども」という歌を作り歌い始めました。原発事故によって故郷を
追われた人たちの心、首都圏と地方の関係をテーマにしたこの歌を聞いた方々から共感の声を多数いただきました。この思いをもっと多くの方々に共有していただくため、これまで親交のあった全国各地のミューシャンに呼びかけ一緒に広めて行くプロジェクトを始めました。
 すでに私たちのところには趣旨に賛同したミュージシャンからの音源が届いておりその一部はYouTubeお聞きになることができます。
 あなたもぜひ「花は咲けどもプロジェクト」にぜひご参加下さい。
(引用終わり)
 
 上記のとおり、「花は咲けどもプロジェクト」の公式YouTubeチャンネルがあります。
 そのチャンネルの「概要」に、さらに詳しくこのプロジェクトに込めた思いが語られていますので、引
用します。
 
(抜粋引用開始)
 
昨年(2013年)7月10日に、「花は咲けども」という新曲を送りだした。
 東日本大震災の後しばらくして、「復興支援ソング」と称する「花は咲く」と言う歌がしきりに流れる
ようになった。東北にゆかりある人たちが交互に出てきて、ワンフレーズずつ歌をつないでいく。今は苦難に満ち溢れていても、やがて春は訪れますよ。そして、花は咲きますよと言う善意の唄である。初めは、共感を覚えていたのだが、やがて鼻に着くようになってきた。「花は咲く」に抱いた違和感は、みんなの記憶から震災や原発事故の事が消去され、被災地ばかりが取り残されていくような、人々の震災の記憶に忘却のベールが被せられていくような、そんな気がしてならなかったのです。被災地にも花は咲く。花を見て一時の安らぎを得ても、花に浮かれてはいられないあの日から止まってしまった現実があり、ましてや原発事故で故郷を追われ、帰るあてもなく異郷に身を置く人たちにとって、故郷に幾たび花が咲いても、それを愛でる事さえできない境遇を思えば、「花が咲くだけでいいのか?」と、苛立ちを覚えた。(青木著 影法師フクシマ紀行より) そう思った影法師の、「花は咲く」のアンサーソングとしての、「花は咲
けども」である。
(引用終わり)
 
 さて、復興支援ソング『花は咲く』ですが、東北ゆかりの人々によって作られ、そして歌われた「花は咲くプロジェクト」については、まずは、キャンペーンを主導したNHKのページを読むべきでしょう。
 
 
 たしかに、このページを忘れて純粋に『花は咲く』を1つの楽曲として受け止めることは難しいでしょうし、「鼻に着くようになってきた。」という気持ちも分からないではない、というよりも大いに共感できる部分もあるのです。
 とはいえ、作詞した岩井俊二さんや作曲した菅野ようこさんの思いと、NHKのキャンペーンをごっちゃにするのも正しい態度とは思えないし、『花は咲く』に感動した被災者の思いもかけがえのないものの
はず、というような想念が千々に乱れているところです。
 だから、昨年の「フクシマを忘れない!原発ゼロへ 和歌山アクション2015」のフィナーレで『花は
咲く』を歌い、今年は『花は咲けども』を歌うことにした・・・という訳ではないでしょうが。
 実際、フィナーレで何を歌うかは、事務局提案をそのまま承認しただけで、実行委員の間で中身のある
議論をしたという記憶はほとんどないのです(忘れているのかもしれませんが)。

 さて、ここで両曲を聴き比べておきましょう。
 
 まず、『花は咲く』ですが、著作権をクリアしたオリジナル動画は、ビクター・エンターテイメントがアップしたダイジェスト版だけのようなので、とりあえずこれをご覧ください。
 
花は咲くプロジェクト/花は咲く(ミュージックビデオダイジェスト)
 

 正直、上記の「花は咲くプロジェクト」のビデオが一番「鼻に着く」ことは疑いないでしょうね。私は、
もう一度フルヴァージョンで視聴したいとは全然思いませんから。
 この曲は、それ以外のヴァージョンにこそ聴くに値する演奏がありそうなので、興味のある方はご自分で探してみてください。
 
 次に『花は咲けども』ですが、「花は咲けどもプロジェクト」公式チャンネルにアップされた動画の中で、私が一番気に入った2014年2月8日に東京北千住労音で行われた「影法師」ライブの演奏をご紹介します。
 
花は咲けども(ライブバージョン) 影法師


 ここで結論めいたことを書いても仕方がないのですが、私個人としては、『花は咲く』も『花は咲けど
も』も、どちらも優れた曲だと思います。
 『花は咲けども』を支持するから『花は咲く』を否定しなければならない訳ではありません。音楽って、そんなに不自由なものではないでしょう?
 
 最後に、動画だけご紹介するのは少しもったいない位のイベントがありました。3月7日に参議院議員会館で行われた「影法師in永田町『花は咲けども』-福島の今日、明日」です。UPLAN(三輪祐児さん)撮影の動画をご紹介します。
 
20160307 UPLAN 影法師「花は咲けども」ツアー2016春「永田町で影法師を聞こう」(2時間46分)

4分~ 影法師の意見表明1
31分~ 現地報告「飯舘村 原発にふるさとを奪われて その後」 長谷川健一氏(福島県飯舘村・酪
農家)
1時間03分~ 影法師の意見表明2
※このセッションの冒頭で『花は咲けども』についてのトークと演奏があります。
1時間17分~ 講演「福島原発事故と私たちの未来」 今中哲二氏(京大原子炉実験所助教
2時間30分~ 総評「佐高の目」 佐高信(評論家)