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開催予告4/30青井未帆氏講演会「違憲無効な安保法制にどう立ち向かうか~法律施行という状況をふまえて~」(青法協和歌山支部)のご案内

 今晩(2016年3月18日)配信した「メルマガ金原No.2399」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
開催予告4/30青井未帆氏講演会「違憲無効な安保法制にどう立ち向かうか~法律施行という状況をふまえて~」(青法協和歌山支部)のご案内

 安倍政権による、あまりといえばあまりな憲法破壊の暴走を何とか阻止しようと多くの憲法研究者が立ち上がりましたが、その中でも最も積極的な活動を展開した(今もしつつある)研究者の1人として、青
井未帆さん(学習院大学法科大学院教授)を挙げても、おそらくどこからも異論は出ないでしょう。
 国民安保法制懇の11人のメンバーの1人、立憲デモクラシーの会の呼びかけ人などとしての活躍が直ちに思い出されます。
 
 これまでも、私のメルマガ(ブログ)で何度か青井教授のスピーチや講演をご紹介しています。
 中には一部文字起こししたものもありました。例えば・・・。
 
2014年10月4日
安倍政権を多角的に分析する(政治学、憲法学、経済学、歴史教育の視点から)~神奈川憲法アカデミア・シンポジウムで学ぶ

日本国憲法というのは、そもそも、「国家権力」-(マイナス)「軍事に関する昔天皇が持っていたよ
うな大権」が日本の国家権力の総和だったんじゃないか。控除説に立つとしても、全ての権力から引いてきたんじゃなくて、「全ての権力」引くことの「軍事に関わる大権」、これがもう欠けちゃっているところで、日本の国家というものを考えてきたんじゃないか。だとすると、今回の内閣がやったことは、そもそも欠けていた部分を作っちゃったんじゃないか。ないものを作り出してしまったに等しいんじゃないか。そういうような、権力が、憲法によって作られた権力がですね、自分を作った憲法を超えるようなことをしているに等しい訳ですよね、言ってみれば。どう考えてもあり得ない。これは正当性が認められるも
のではないということを主張していかなくちゃいけないんじゃないかなあ」
※2014年7月17日(於:かながわ県民センター)「シンポジウム 安倍政権と日本社会の行方」(主催:神奈川憲法アカデミア)でのパネルディスカッションから
 
2014年10月10日
日弁連が集団的自衛権行使に反対する集会とパレードを主催する意義
 
憲法研究者として私が意識せざるを得ないのは、権力の統制に、最終的には失敗してしまった明治憲法の問題です。日本国憲法は、権力、それも生の暴力ともなり得る実力の統制を課題としてきました。そして、日本国憲法の背負った課題というのは、戦後政治の中で、相当に真摯に取り組まれてきたものであります。しかし、今私が恐れているのは、現在の日本政治の中で、憲法がなくなっているんじゃないか。あるいは、極めて軽くなっているんじゃないかということであります(拍手)。思い出していただきたいんですけども、安倍首相がまだ首相でなかったころ、次のように述べています。「日本国憲法は、自分たちが専制や隷従、圧迫や偏狭をなくそうと考えている訳ではない。いじましいんですね。みっともない憲法です」思い出されたことと思います。また、最近では、安保法制懇座長代理(金原注:北岡伸一氏のことが次のように述べています。「憲法は最高法規ではなく、上に道徳律や自然法がある。憲法だけでは何もできず、重要なのは具体的な行政法である。その意味で、憲法学は不要だとの議論もある」皆さん、思い出していただきたいと思います。私はこの言葉を聞いたときに非常に衝撃を受けました。政治がなされるにあたっては、超えていけない一線がある。規(のり)がある。これが立憲主義の意味であります。政治は憲法に従わなくてはならない(拍手)。無限定に権力を行使したいという欲望を押さえて、規(のり)を守るということは、今日の国際標準的な考え方でもあります。我が国の政府も他国の政府に向かって「法を守れ」と言っていることからも(金原注:中国を牽制して安倍首相が「法の支配」が必要との発言を繰り返していることを指したものでしょう)、これが国際標準であることは明らかです(拍手)。しかし、憲法が「みっともない」ものである、あるいは「不要であるものかもしれない」ものであるならなば、日本で権力が従うべき規(のり)というのは、実際には何なんでしょうか。あるんだろうか?憲法はあるんだろうか?憲法研究者ですけれども、非常に不安に思うところであります。統制されない権力を欲する姿勢が垣間見られる、ちらちらと垣間見られる。非常に不安です。特定秘密保護法、日本版NSC法、そして今回の集団的自衛権、いずれも根っこは1つであると言うべきであり、相互に関係しております。最高法規であることをうたった憲法を見失ってしまえば、糸の切れた凧になってしまう。権力はしかるべき手続に従って、しかるべき内実をともないながらこれを実行されていかなければならない。このことは、多くの犠牲を払いながら、私たち人間が学んできたことであるはずです。私たちの子どもや孫へ、この
世代の転換期にあたり、智恵と経験を引き継いでいきましょう。」
※2014年10月8日(於:日比谷野外音楽堂)「閣議決定撤回!憲法違反の集団的自衛権行使に反対する10・8日比谷野音大集会」(日本弁護士連合会主催)でのスピーチから
 
 その青井未帆さんが、(おそらく)初めて和歌山で講演されます。毎年、憲法記念日の少し前に開催している青年法律家協会和歌山支部主催の憲法記念行事が、今年は青井未帆教授を招いての講演会となります。
 以下に、チラシ記載情報を転記します。
 
チラシから引用開始)
青法協憲法記念行事 憲法を考える夕べ
 
違憲無効な安保法制にどう立ち向かうか
~法律施行という状況をふまえて~
 
2015年4月30日(土)
開場 午後1時30分 開演 午後2時00分
 
和歌山県勤労福祉会館プラザホープ4階ホール
 和歌山市北出島1丁目5番47号
 電話:073-425-3335
 
講師 青井未帆氏(学習院大学法科大学院教授)

プロフィール
経歴
東京大学大学院法学政治学研究科博士課程単位取得満期退学(修士(法学))。
2003 年7 月 信州大学経済学部専任講師
2006 年4 月 信州大学経済学部助教授(2007 年より准教授)
2009 年4 月 成城大学法学部准教授
2011 年4 月 学習院大学法科大学院教授(現在に至る)専門は憲法
学会・社会等の活動
日本公法学会、全国憲法研究会、憲法理論研究会に所属。
立憲デモクラシーの会呼びかけ人、国民安保法制懇メンバー等
学術論文等
「論点 日本国憲法憲法を学ぶための基礎知識」(東京法令出版、共著)
日米安保条約憲法九条」世界2010 年6 月号(805 号)、等
 
主催 青年法律家協会和歌山支部
連絡先 和歌山市岡山丁50番地2 電話 073-436-5517
      岡本法律事務所(弁護士 岡 正人)
(引用終わり)
 
 昨年の山本健慈氏(和歌山大学前学長)といい、今年の青井未帆氏といい、講師の日程や会場の都合から、これまで長年続いてきたゴールデンウイーク直前の平日夜ではなく、実質的に連休前半の午後の開催となります。
 だから都合が悪いという人もいれば、だから行けるという人もあるでしょうから、何とも言えませんが、安保法制施行という状況を踏まえ、これにどう立ち向かって行けば良いかを考えたいという人の役に立
つお話を伺いたいということで、主催者から提案し、青井先生にご快諾いただいたテーマです。 
 多くの方のご参加をお待ちしています。 
 

(付録)
『大阪のおばちゃん』 作詞・作曲:ヒポポ大王 演奏:ヒポポフォークゲリラ(婦人部)
 

青井未帆(青法協)チラシ