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和歌山でも『日本と原発 4年後』(河合弘之監督)を脱原発運動として上映します(5/22@和歌山市あいあいセンター)

 今晩(2016年3月26日)配信した「メルマガ金原No.2407」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
和歌山でも『日本と原発 4年後』(河合弘之監督)を脱原発運動として上映します(5/22@和歌山市あいあいセンター)

 私たち和歌山の脱原発をめざす有志は、実行委員会を結成し、来る5月22日(日)に映画『日本と原発 4年後』(河合弘之監督・2015年)の上映会を開催します。今日は、その案内を書くつもりなのですが、どこから書き始めたら良いか、いろいろと考えてみました。
 
 『日本と原発 4年後』は、2014年に公開された『日本と原発 私たちは原発で幸福ですか?』の続編ではなく、監督自ら「改訂版」と位置付けている作品です。
 そこで、まずは第1作の予告編をご覧いただきましょう。
 
河合弘之初監督 映画「日本と原発」予告編 nihontogenpatsu.com(2分03秒)
 

 第1作が、個々の映画批評家からどのような評価を受けたのかについてはよく分かりませんが、2015年度キネマ旬報文化映画ベストテンの第9位にランクインしたということなので、それなりの評価は得られたということでしょう。
 なお、そのニュースを伝えた公式サイトの記事(2016年1月8日付)の中に、この映画が証拠として提出されたり上映されたりした「法廷」を列挙した部分がありましたので引用しておきます。
 
(抜粋引用開始)
 また、2015年12月18日の大津地裁美浜、高浜、大飯原発差止訴訟)等の原発裁判では証拠として提出されています。2015年12月10日の鹿児島地裁(川内原発差止訴訟)では『日本と原発』が法廷で上映されました。そのほか、同年11月16日 の島根原発三号機の訴訟の期日(広島高裁松江支部)でも上映され、東京高裁浜岡原発運転差止裁判控訴審)、札幌地裁(泊原発)、松山地裁伊方原発)、名古屋高裁金沢支部(大飯原発控訴審)、新潟地裁柏崎刈羽原発)、水戸地裁(東海第二原発)、金沢地裁志賀原発)でも上映されました。
(引用終わり)
 
 ネットで読めるレビューとしては、日本文化チャンネル桜などでもお馴染みの(視たことがなので「らしい」としか言えませんが)映画批評家前田有一氏のサイト「超映画批評」に掲載されたものが、もっとも適確な批評ではないかと思いましたので、ご紹介しておきます。
 
前田有一「超映画批評」より 
「日本と原発」70点(100点満点中)
日本人の洗脳を解き、原子力ムラの息の根を止めるため作られた一本

(抜粋引用開始)
 ともあれ映画は、ごく定番のドキュメンタリーに見える。ナレーションは朴訥として聞き取りやすく好感が持てるが、決してプロの語り口ではない。かといって撮影も編集も素人丸出しということはなく、しっかりとしている。だがそれでも、これは幾多の原発ドキュメンタリーとは大きく違うことが、最初のワンシーンから伝わってくる。ものすごい意志の力というものが、画面から放射されてくる。
 それはこの映画が、普通の映画監督ならば目指すべき点、欲張るべき点を最初から完全に切り捨てているからである。説明しよう。
 通常映画監督というものは、無数に作られている震災ドキュメンタリーを今から作ろうとすればこう考える。「ほかのやつが撮れないネタや証言を掘り出そう」「俺だけの視点やメインテーマ、切り口を見せよう」「観客がびっくりする映像を撮ってこよう」といった具合だ。
 だが河合弘之監督には、そんな色気は全くない。そもそも彼には映画監督になりたいとか、芸術的な作品を作ろうとか、傑作をとって名を上げよう、金を儲けようといった動機が全くないのである。
(略)
 この映画はそんな弁護士が、「これ一本で推進派の主張を完全に論破し、原発問題のすべてがわかるように」と作ったもの。脱原発派よりも、御用学者や推進プロパガンダに汚染された裁判官、一般国民、政治家、そういった人たちの洗脳を2時間強でどこまで解けるかという、壮大な挑戦というわけだ。
 だからこの映画は、奇をてらったものではなく、きわめてわかりやすい原発問題総集編となっている。適切な映像の引用や図表、出所の確かな資料、感情論ではない現実的な脱原発の具体策を語れる人物へのインタビューなどを用い、原発問題のすべて、といっても過言ではない多くのサブテーマをコンパクトに語っていく。弁護士らしく思想信条ではない、ファクトにこだわった構成が見て取れる。
 真新しさではなく網羅。この一撃であらかた片を付ける。画面から感じたのは、そうした「鉄の意志」である。といっても野心のようなギラギラしたものではなく、年齢からくる余裕とユーモアも見られ堅苦しさはない。
(引用終わり)
 
 おそらく河合監督が、最も「我が意を得たり」と思った批評がこれではないですかね(これだけ評価して「70点」なのだから、採点はいつも相当厳しめにつけているのでしょう)。
 
 その「改訂版」として作られたのが『日本と原発 4年後』です。
 映画の予告編に引き続き、河合弘之監督自身の同作品についてのコメントを映画の公式サイトから引用するとともに、河合監督の他、構成・監修を担当した海渡雄一弁護士、制作協力の木村結さんの3人が語り合った動画をご紹介します。
 
『日本と原発 4年後』予告編(1分42秒)
 

「日本と原発 4年後」 自主上映そのものが脱原発運動です。
(引用開始)
 「日本と原発 私たちは原発で幸せですか?」はおかげさまで大好評をいただき、この一年間で約1,000回(観客動員数約7万人)の自主上映がされました。その改訂版の「日本と原発 4年後」は、ここ一年の大きな出来事(高浜原発差止仮処分、元東電役員の強制起訴など)、被バクの問題、テロと原発の問題、推進派(近藤駿介氏、木元教子氏)の言い分等を入れました。日本の原発の全ての論点を論じ尽くしました。これを見た人は必ず脱原発を確信するようになります。
 したがって、この自主上映そのものが脱原発運動になります。「脱原発運動のために何かしたいのだけれど何をしていいのか分からない」という方がいます。その様な方こそ自主上映運動をお願いします。
 そして自主上映による上映料は次の映画「日本と自然エネルギー 未来からの光と風」の製作費に充てられます。その意味でも「日本と原発 4年後」の自主上映運動は「脱原発そして自然エネルギー」の推進そのものになるのです。皆様の強力なご協力をお願い申し上げます。
                     平成27年12月吉日
                     映画監督・弁護士 河合弘之
(引用終わり)
 
『日本と原発 4年後』自主上映のお願い(5分39秒)
 

 さて、『日本と原発 4年後』の和歌山上映会です。以下に「ご協力のお願い」を貼り付けます。開催概要もそこに記載しています。前売り参加協力券は、呼びかけ人のかなりの人に持っていただいていますが、配券未了の方もいますので、お問い合わせは下記連絡先までお願いします(チラシはこちら)。
 
(引用開始)
           
映画『日本と原発 4年後』和歌山上映会へのご協力のお願い
             
皆さまへ
                    映画『日本と原発 4年後』和歌山上映実行委員会
 
 拝啓 春寒の候、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
 さて、このたび私たちは、長編ドキュメンタリー映画『日本と原発 4年後』(河合弘之監督/2015年)の上映会を企画しました。
 監督の河合弘之氏、そして構成・監修を担当した海渡雄一氏は、全国の反原発訴訟を中心になって担ってこられた弁護士ですが、なぜ弁護士が映画を作らねばならなかったのか?について、河合監督は次のように語っています。
「裁判はたった1人でも正義をかけて闘える。(略)でも、それだけじゃ、みんなに伝わらない。ひとりでも多くの人に真実を伝えるには、やはり、映画しかない。」
 このような思いから作られた『日本と原発 私たちは原発で幸せですか?』(河合弘之監督/2014年)は、昨年末までに約1,000回(観客動員数約7万人)の自主上映会が行われるとともに、松山地裁伊方原発差止訴訟)、札幌地裁(泊原発廃炉訴訟)、鹿児島地裁(川内原発差止訴訟)、東京高裁浜岡原発差止訴訟控訴審)などにDVDが証拠提出され、ダイジェスト版が法廷で上映されました。河合監督が「これを見た人は必ず脱原発を確信するようにな」ることを目的に制作した映画であり、当然、その観客としては、原発訴訟を担当する裁判官らも想定されているのです。
 そして、この『日本と原発』第1作の改訂版として昨年10月に公開されたのが『日本と原発 4年後』です。私たちは、河合監督からの「自主上映そのものが脱原発運動になります。」という呼びかけに応えようと、以下のとおりの日程で自主上映会を企画しました。
 1人でも多くの方に本上映会の趣旨にご賛同の上、これまで原発問題にあまり関心を持たなかった方にもお声がけいただくなど、ご協力のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。        
                                      敬具(2016年3月)
 
【和歌山上映会の概要】
開催日時 2016年5月22日(日) 2回上映(入替) 
 午前の部 10時00分~
 午後の部 14時00分~
 (上映時間 2時間18分)
開催場所 和歌山市男女共生推進センター(あいあいセンター内)6階ホール 
        〒640-8226 和歌山市小人町29番地 ℡:073-432-4704
上映協力券 500円(前売、当日共) 高校生以下無料
主催 映画『日本と原発 4年後』和歌山上映実行委員会
連絡先 ℡:073-488-7355(担当:里﨑)
 emai:satozaki04@gmail.com
 
【映画『日本と原発 4年後』スタッフ】
制作・監督 河合弘之/構成・監修 海渡雄一/制作協力 木村結/音楽 新垣隆 

私たちは映画『日本と原発 4年後』を応援し上映会への参加を呼びかけます
伊藤宏、上野佳男、内海洋一、江利川春雄、遠藤朝子、太田勝、多田和夫、小野澄義、 烏野久子、貴志公一、木下由季、木下富平、金原徹雄、国重あゆみ、越野章史、雑賀光夫、西郷章、里﨑正、芝野絢子、神領美紀、田村悠紀栄、津村知恵子、東条雅之、道本みどり、ナツオ meets 南風、西澤正美、にしで いづみ、服部亮平、花田惠子、馬場潔子、坂東千佳恵、東山邦夫、富士原史香、本田朱里、前田佳世、松浦攸吉、松永久視子、松本のりえ、三木康子、山﨑和友、山崎知行
(呼びかけ人/敬称略・順不同)
(引用終わり)
 
 ところで、映画『日本と原発公式YouTubeチャンネルには、予告編の他、映画の理解に資する様々な動画がアップされており、興味をひかれたものを視聴されたら良いと思います。
 最後に、その中で、2015年6月30日に公開された動画をご紹介したいと思います。それは、河合弘之弁護士が、飯舘村村民歌を(無伴奏で)独唱する映像です。そこに添えられた文章は以下のようなものでした。
 
「人口6千人の飯舘村は昔、寒村だった。50年かけて素晴らしい繁栄する村にした。それがたった3日で廃村です。市役所の前のお地蔵さんの頭を撫でると飯舘村の歌が流れる。
その歌を聞いた時、僕は「東京電力を許さない。こんな幸せな村をこんなことにした。絶対に東京電力に責任を取らせる。彼らの生活の再建の目処が立つまでキチッと責任を取らせる。この人たちの被害をそのままにして脱原発は許さない」と決意しました。」
 
飯舘村村民歌-河合弘之監督(1分46秒)
 

福島県飯舘村デジタルアーカイブより
飯舘村村民歌(子ども)

飯舘村民歌「夢大らかに」作詞:小林金次郎・作曲:石河清。役場本庁前にある「心和ませ地蔵」の頭を撫でると、村民歌が流れます。」