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wakaben6888のブログ

憲法を大事にし、音楽を愛し、原発を無くしたいと願う多くの人と繋がれるブログを目指します

立憲デモクラシー講座第6回(3/4三浦まり上智大学教授)と第7回(3/18齋藤純一早稲田大学教授)のご紹介

政治 学問
 今晩(2016年3月28日)配信した「メルマガ金原No.2409」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
立憲デモクラシー講座第6回(3/4三浦まり上智大学教授)と第7回(3/18齋藤純一早稲田大学教授)のご紹介

 「立憲デモクラシーの会」によって昨年11月から始まった「立憲デモクラシー講座」は、今年の3月までに既に7回の開催を数えています。
 
第1回 2015年11月13日(金) 石川健治東京大学教授(憲法学
 「「一億総活躍」思想の深層を探る――佐々木惣一が憲法13条を「読む」――」
第2回 2015年11月27日(金) 千葉 眞国際基督教大学特任教授(政治学)
 「代表制民主主義と参加民主主義との確執:自由民主義体制において民主主義革命の必要を語るのは適切か」
第3回 2015年12月11日(金) 山口二郎法政大学教授(政治学)
 「民主主義を再考する--参加、代表、多数決」
第4回 2016年1月8日(金) 中野晃一上智大学教授(政治学)
 「グローバルな寡頭支配vs.立憲デモクラシー:集団的自衛権、TPP、安倍談話」
第5回 2016年1月29日(金) 杉田 敦法政大学教授(政治学)
 「憲法9条の削除・改定は必要か」
第6回 2016年3月4日(金) 三浦まり上智大学教授(政治学)
 「私たちの声を議会へ:代表制民主主義の再生」
第7回 2016年3月18日(金) 齋藤純一早稲田大学教授(政治学)
 「市民社会と公共圏」
 
 各回とも、UPLANとIWJが収録して録画を公開しています(IWJは会員制)。私のメルマガ(ブログ)では、その内の第5回まで、UPLANの動画とともにその内容をご紹介してきました(末尾にリンクしておきます)。
 今日は、未紹介であった第6回の三浦まりさんと第7回の齋藤純一さんによる講義をご紹介しようと思います。
 
 第6回の三浦まりさんによる講演のタイトルは、昨年11月に岩波現代全書から刊行された三浦さんの新著のタイトルそのままです。
 
私たちの声を議会へ――代表制民主主義の再生 (岩波現代全書)


 岩波書店ホームページから、同書の「はじめに」と「目次」が立ち読みできるようになっています。
 以下にご紹介する立憲デモクラシー講座の動画を視聴する前に、是非この「はじめに」を通読することをお勧めします。これを読んで、三浦教授の問題意識の議略をのみ込んだ上で講義を聴けば、理解がより一層深まるはずです。
 
 なお、同書については、五野井郁夫高千穂大学准教授による書評が東京新聞に掲載されています。
 
東京新聞 2016年1月10日
【書評】私たちの声を議会へ 三浦まり 著
[評者]五野井郁夫=高千穂大准教授

(引用開始)
◆政治参加の新たな道示す
 どうすればわれわれの声を議会に届けることができるのか。この問いに真正面から取り組み、われわれ自身で代表制民主主義を機能不全から立て直すすべを示しているのが本書である。
 なぜ、政治家は人々の声に耳を傾けなくなったのか。その理由として本書は、「競争」と「参加」、「多様性」の不足や弱体化を挙げている。まず必要なのは「競争」の活性化、すなわち政党間競争の実質化だ。これにより定期的な政権交代を可能にする素地が出来上がる。さらに参政権の行使はもちろん、中間団体での活動や直接行動への「参加」、議員や政治参加する人々の「多様性」を広げることも重要だ。
(略)
 本書のユニークさは、政治参加を選挙による代表制と、デモ等の直接行動の二元論のみで捉えない点だ。国家と個人の間にある中間団体たる「結社」を通じた各人の関係性の稠密(ちゅうみつ)化に政治の刷新可能性を見出している。男性優位社会の不当さを変えるべく声をあげている「怒れる女子会」や、安保関連法案に反対するさまざまな結社による政治活動は、われわれと議会の間に新たな回路を開き、代表制民主主義を再生させる役割を担いつつある。これら結社活動を通じての政治参加は政党よりもアクセスしやすいだけでなく、われわれが今すぐにでもできることだ。
 二〇一六年は国政選挙の年である。われわれの声を政治に反映させるための第一歩として、今年はまずこの一冊からはじめたい。
(引用終わり)
 
 まさに、私たちの具体的な運動の方向性を考える上で、非常に示唆に富む著書であり、講義だと思います。以下に、その動画をご紹介します。
 
20160304 UPLAN 三浦まり「私たちの声を議会へ:代表制民主主義の再生」(1時間47分)
 

 次に、齋藤純一早稲田大学教授による「市民社会と公共圏」です。
 冒頭、最初に示されるパワーポイントのボードを書き写してみます。
 
(引用開始)
1.市民社会論の系譜
(1)「市場モデル」
 生産・交換・消費
 ロック・スミス的系譜
(2)「中間集団モデル」
 アソシエーション/コミュニティ
 モンテスキュートクヴィル系譜
(3)「公共圏モデル」
 情報・意見交換のネットワーク
 カント・ハーバーマス系譜
(引用終わり)
 
 これを読み、かつ講義を聴き始めたとたんに、「これは駄目だ」と聴講を断念してしまう人がいるかもしれませんね。
 第一、登場する6人の学者の内、「(ジョン)ロック」「(アダム)スミス」「モンテスキュー」「カント」は聞いたことのある人でも、「トクヴィル」や「ハーバーマス」はどうでしょうかね?
 齋藤純一教授が、政治理論、政治思想史の専門家であると知れば、それなりの覚悟をもって講義に臨めるでしょうし、少々分からないことが出てきても(少々どころではないかもしれませんが)、そこは我慢して聴き続ければ、具体的事例への言及もあって、理解が進むのではないかと思います。それは、この講義を撮影した三輪祐児さんがFacebookで以下のように書かれていることからも分かります。
 
(引用開始)
 政治学のなかでも政治思想、政治哲学といった趣のある講義。
 議論自体は抽象的な概念で構築されているのだが、検察審査会、選挙、公共事業、保育園、基地問題、同性愛者、憲法と安全保障、住民投票など現在かかわっている具体事例を示してくれたので、自身の経験に照らし合わせることができた。
 ヘーゲルの歴史哲学を始めアダムスミス、モンテスキュー、カント、ハーバーマスといった人々の思想を辿りながら思ったのだが、私がいつも永田町の現場で感じているのは、こういう西欧の知のうえに成立した社会ではなく、もっと日本的な社会のありよう。それはたとえば村落共同体の伝統であり、閉鎖社会と組織優先、異端排斥、秘密主義、長老主義、村八分といじめそして衆愚政治といった極めて高度にムラ的な社会と公共圏のあり方であり、そこから今抱えている悩みも生まれている。
 今日は休日なので、久しぶりに神島二郎でも読み返してみようか。
(引用終わり)
 
 三輪さんが言われる「高度にムラ的な社会と公共圏のあり方」をキーワードに、齋藤教授の講義にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
 
20160318 UPLAN 齋藤純一・早稲田大学教授(政治学)「市民社会と公共圏」(1時間54分)
 

(付記)
 今後の第8回~第10回の立憲デモクラシー講座の日程・会場・講師・講座タイトルが以下のとおり発表されています。
 いずれも、
  会場:立教大学池袋キャンパス11号館A-203教室
  時間:18:30~(開場:18:00)
  立教大学大学院比較文明学専攻との共催
です。
第8回 2016年4月8日(金) 高見勝利上智大学教授(憲法学
 「大震災と憲法――議員任期延長は必要か?」
第9回 2016年4月22日(金) 阪口正二郎一橋大学教授(憲法学
 「言論の自由と自民改憲草案」
第10回 2016年5月13日(金) 西谷 修立教大学特任教授(哲学)
 「戦争化する世界と日本のゆくえ」