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開催予告5/14「憲法という希望~対談:木村草太×国谷裕子」(大阪弁護士会)

 今晩(2016年3月31日)配信した「メルマガ金原No.2412」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
開催予告5/14「憲法という希望~対談:木村草太×国谷裕子」(大阪弁護士会

 弁護士会の役員(会長や副会長)の任期は、どこの会でも多分4月1日からスタートすると思うのですが、就任前であっても、単なる引継ぎや助走期間というには本格的過ぎる業務が始まっていたりします。東京3会や大阪のような大規模会では特にそうでしょう。
 正式には明日から大阪弁護士会の副会長に就任する青木佳史弁護士もその一人。
 年度はじめに大阪弁護士会が開催する憲法記念行事を成功させるため、自分のFacebookタイムラインで広報するだけではなく、友人・知人への拡散協力要請にも抜かりなく、司法修習同期(41期)の私のところにも、宣伝協力依頼のメールが、昨晩深夜に届いていました(毎晩夜更かしの続く私ですら既に寝ていた時刻でした)。
 
 ここは、同期のよしみというだけではなく、その内容の充実ぶりに感心し、是非多くの方に参加していただきたいと思い、ご紹介することとしました。
 ただし、5月14日(土)という日程は、和歌山ではキャパ1400名の会場で小林節さんの講演会が開催される日であり、参院選に向けて立憲主義回復を目指す市民の決起集会にしなければという側面もあるため、残念ながら和歌山の人に対しては、大阪弁護士会館もとても魅力的だけれど、和歌山市民会館の方を優先してくださいね、と言わざるを得ないのが残念です。
 
 その魅力的な大阪弁護士会憲法記念行事とは?
 以下に、大阪弁護士会ホームページに掲載された開催告知を引用します。
 
(引用開始)
イベントのお知らせ
憲法記念行事「憲法という希望」
憲法学者 木村草太さんの講演、国谷裕子キャスターとの対談を開催いたします

 
チラシPDF
 
 今年は憲法が公布されて70年になります。戦後、文部省が各学校に配布した「憲法のはなし」は、当時の子どもたちだけでなく大人たちにも、明るい未来を示すものとして受けとめられたといいます。
 それから70年、今、いつになく憲法をめぐる議論が盛んです。立憲主義とは何か、憲法改正をすべきなのか、などが話題になっています。
 憲法って、大きな話で難しい、身近でないからな、と感じられているかもしれませんが、本当は一人一人の生活に関わることかもしれません。
 そこで憲法記念日の5月、おそらく憲法の話を一番わかりやすくしていただける憲法学者の木村草太さんをお迎えし、「クローズアップ現代」で様々な社会的な課題をわかりやすく提示してこられたキャスターの国谷裕子さんとの対談(初めての試みです)で、そもそも憲法とは何か、立憲主義とは何か、日本国憲法は私たち国民にどんな使い勝手があるのかなど、皆さんと一緒に考える機会を設けました。ぜひ、お越しください。
 
日 時 平成28年5月14日(土)13時00分~16時00分
会 場 大阪弁護士会館2階ホール(大阪市北区西天満1-12-5)
      地図
入場料 無料
申込み 下記申込みフォームから申込みいただくか、ハガキもしくはFAXで申込みください。【5月6日必着】
 
申込みフォーム
受付を完了した方には、受付用のハガキをお送りします。
お問合せ 企画部広報課 TEL:06-6364-1371
(引用終わり)
 
 なるほど、「木村草太×国谷裕子」対談とは、そもそもよくそういう企画を思いついたなと感心しますし、交渉してそれを実現したのがまたすごい。
 木村草太(きむら・そうた)氏については、今さらご紹介するまでもないと思いますが、様々な媒体を通じて憲法をめぐる問題を解説していく手際の鮮やかさはよく知られていることと思います。一般の方にとっては、時々「報道ステーション」に登場するスタイリッシュな憲法学者ということで記憶されているかもしれませんし、もう少しネットの世界での情報収集に熱心な方であれば、「ビデオニュース・ドットコム」(インターネット)や「荻上チキ・Session-22」(TBSラジオ)へのゲスト出演時の発言でお馴染みかもしれません。
 私自身はどうかといえば、末尾に木村草太さんを取り上げた私のブログにリンクしているとおり、かなり注目してきた憲法研究者であることは間違いありません。
 最初の記事は、木村さんが、2014年7月1日の「閣議決定で「集団的自衛権」と呼んでいるものは、実際は個別的自衛権集団的自衛権が重複する領域にある事象で、今回政府はそれを必死になって探し出し、それを集めたものを無理矢理「集団的自衛権」と呼んでいるだけであって、実際はこれまでの個別的自衛権の範囲を一切超えるものではない」という見解を神保哲生さんや宮台真司さんに語る映像に驚き、それを取り上げたものでした。
 私自身、この木村さんの意見についてはどうも納得しがたく、そのためもあって、しつこくフォローしたという事情があります。結局、昨年5月15日に国会に提出されたいわゆる安保関連法案は、木村さんの見解とは異なる立場で立案されたものであることが明らかであったため、同法案が憲法違反であることは木村さんも明言されたということなのですが、その点についての私の一応の「まとめ」が昨年6月13日に書いた「あらためて「存立危機事態」の解釈を問う~木村草太説と公明党(北側一雄氏)の認識」です。
 なお、現在木村草太さんが沖縄タイムスに連載(第1・3日曜日に掲載)中の「木村草太の憲法の新手」は、様々な事象を取り上げつつ、憲法的視点からの見方を提示しており、読み応えがあります。ちなみに、「新手」は「あらて」ではなく「しんて」と読むのでしょうね(木村さんの将棋好きは有名ですから)。
 
 また、今月で13年間務めたNHK総合テレビ「クローズアップ現代」のキャスターを降板したばかりの国谷裕子(くにや・ひろこ)さんが、木村草太さんの対談相手というのは素晴らしい。
 今や、「ガーディアン」や「エコノミスト」にも取り上げられた、国谷さんを含む3人の著名なキャスターの同時降板問題が直接語られることはないかもしれませんが、それでも国谷さんの発言は注目されるだろうなあ。NHK大阪は取材に来るんだろうか?
 
 それでは、より詳しい憲法記念行事の内容を、チラシから引用してご紹介しましょう。
 
チラシ記載情報から引用開始)
チラシ表面から】
大阪弁護士会憲法記念行事
憲法という希望
 
対談
憲法学者 木村草太 × キャスター 国谷裕子
 
2016.5.14 sat 13:00~16:00
会場:大阪弁護士会
 
参加費用:無料 定員:800名(要・事前申込・申込〆切 5月6日(金)必着)
申込み:大阪弁護士会ホームページ、FAX、ハガキにて受付
 
第一部 【プレビュー】
     大阪憲法ミュージカル2016「無音のレクイエム」
第二部 
講演「今、私たちにとって憲法とは?」
 木村草太(首都大学東京大学院社会科学研究科法学政治学専攻・都市教養学部法学系教授)
対談「憲法を使いこなす」
 木村草太(憲法学者)×国谷裕子(キャスター)
 
託児あります→5月2日(月)までに電話でお申し込みください。
【問合せ/一時保育受付】
 大阪弁護士会 広報課 Tel:06-6364-1371(平日9:00~17:00)
  
チラシ裏面から】
            プロフィール/憲法ミュージカルについて
■木村草太氏
1980年生まれ。
東京大学法学部卒。同助手を経て、現在、首都大学東京教授。
テレビ朝日系列『報道ステーション』のコメンテータなど、メディア出演も多数。
助手論文を基に『平等なき平等条項論』(東京大学出版会)を上梓。
法科大学院での講義をまとめた『憲法の急所』(羽鳥書店)は「東大生協で最も売れている本」と話題に。
著書に、
『キヨミズ准教授の法学入門』(星海社新書)
憲法の創造力』(NHK出版新書)
憲法学再入門』(西村裕一先生との共著・有斐閣
『未完の憲法』(奥平康弘先生との共著・潮出版社
『テレビが伝えない憲法の話』(PHP新書
憲法の条-戦後70年から考える』(大澤真幸先生との共著・NHK出版新書)
集団的自衛権はなぜ違憲なのか』(晶文社)など。
 
国谷裕子
1979年 米国・ブラウン大学卒業(専攻 国際関係および国際経済)
1981~ NHK「7時のニュース」英語放送(アナウンサー・ライター)
1986~ NHKアメリカ総局(NY)リサーチャー
1987~ NHKBS1ワールドニュース」NY発キャスター
1988~ NHK・総合テレビ「ニューストゥディー」国際担当キャスター
1989~ NHKBS1ワールドニュース」キャスター
1993~2016.3月 NHK・総合テレビ「クローズアップ現代」キャスター
【受賞歴】
1995年 橋田寿賀子
1998年 放送ウーマン賞97(日本女性放送者懇談会)
2002年 第50回菊池寛賞
    〈 国谷裕子と「クローズアップ現代」制作スタッフ〉に対して
2011年 2011年度日本記者クラブ
 
■大阪憲法ミュージカル2016「無音のレクイエム」
憲法ミュージカルとは:弁護士が呼びかけ人となって、平和、人権といった日本国憲法のメッセージをテーマに行なう市民100人ミュージカル。出演者、スタッフは、全て市民。過去3回、慰安婦諫早の環境破壊、アフガニスタンで灌漑事業をする中村哲医師を題材に上演、のべ2万人近くが観劇した。大阪弁護士会が後援している。
今年6月2日から5日まで、大阪ビジネスパーク円形ホールで、6年ぶりに公演が行われる。
 
                       参加申込書
5月6日(金)必着
ホームページからのお申込み、もしくはFAXかハガキでお申込みください。
 FAX 06-6364-3507
 ホームページ
 住所 〒530-0047 大阪市北区西天満1-12-5「 2016憲法記念イベント」受付係
 
氏名(ふりがな)
メールアドレス
電話 (    )    -
住所 〒
参加人数   名
 ※複数名で参加される場合、記入ください。
 ※1回の申込につき、3名まで。
 
※ご記載いただいた住所宛に受付場所などを記載したハガキをお送りしますので、住所、氏名は正確にご記入ください。
※記載いただいた個人情報は、参加確認の目的以外には使用いたしません。
 
大阪弁護士会館 大阪市北区西天満1-12-5
【交通手段】
●京阪中之島線なにわ橋駅」下車 出口1から徒歩約5分
●地下鉄・京阪本線淀屋橋駅」下車 1号出口から徒歩約10分
●地下鉄・京阪本線「北浜駅」下車 26号階段から徒歩約7分
JR東西線北新地駅」下車 徒歩約15分
 
市民講座オープニング特別企画
スターウォーズ」や「ベルサイユのばら」を題材に、憲法ってどうしてできたの?ってそもそものお話しから、イマドキの改憲まで。時に楽しく、時にホラーに、ゆる~く学んじゃいましょう!(会場はいずれも大阪弁護士会館)
①「スターウォーズ」で学ぶ緊急事態条項
【日時】4月23日(土)15:00~17:00
【定員】40名 ※事前に「スターウォーズ」を視聴頂くことを推奨します。
②「ベルサイユのばら」で学ぶ憲法
【日時】5月21日(土)15:00~17:00
【定員】50人 ※事前に「ベルサイユのばら」をお読み頂くことを推奨します。
要事前申込み。詳しくは当会ホームページへ。託児あります。
大阪弁護士会 司法課 Tel:06-6364-1681
(引用終わり)
 
 大阪弁護士会が後援する「大阪憲法ミュージカル2016」のプレビューもあるのですね。
 今回の「無音のレクイエム」は、どうやら大阪大空襲を取り上げたミュージカルのようです。
 「出演者100人募集」チラシには、「戦争前夜、我々は黙っていたのか 黙らされていたのか。」というキャッチコピーの下、「昭和初期、ところは大阪千日前。戦争に翻弄されながら夢に向かって生きる若者3人の青春群像。無声映画から歌が音楽が笑い声が・・・聞こえてくる。」「悲しかったら泣いたらええ!―面白かったら笑うたらええ!」と書かれています。
 
 その上、市民講座「『スターウォーズ』で学ぶ緊急事態条項(4/23)」や「『ベルサイユのばら』で学ぶ憲法(5/21)」まで告知するという、実に欲張った(充実した!)内容のチラシです。
 
 これはもしかすると、あっという間に定員800名が申込みで一杯になるかもしれませんよ。参加ご希望の方は早めに申し込まれますように。
 
(付記)
 最後に、上記チラシにおいて、木村草太さんの肩書きが「首都大学東京大学院社会科学研究科法学政治学専攻・都市教養学部法学系教授」となっていますが、これを読んだ方の中に、木村さんがいつ首都大学東京の「准教授」から「教授」になったのだろう?という疑問を持たれる方がいるかもしれないと思い、青木佳史弁護士に問い合わせたところ、正式に教授となるのは「2016年4月1日」(つまり明日)なのだが、木村さんからは「教授」と表記することで了解はいただいているということでした。
 たしかに、チラシに「准教授(4月1日から教授就任予定)」と書くのも変だし、だいいいちチラシを読む人の大半は4月1日以降に読むのだから、こういう表記になるのは当然ということですね。