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柳澤協二さんの講演「安保法制とどう向き合うか!~今、国民が考えたいこと~」(4/6)を視聴する

 今晩(2016年4月8日)配信した「メルマガ金原No.2420」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
柳澤協二さんの講演「安保法制とどう向き合うか!~今、国民が考えたいこと~」(4/6)を視聴する

 昨日は、予定外で、日野行介さん(毎日新聞)と森松明希子さん(原発賠償関西訴訟原告団代表、東日本大震災避難者の会 Thanks & Dream(サンドリ)代表)とのトークセッションを告知しましたが、今日は、一昨日予告した講演動画紹介シリーズに戻ります。
 今日ご紹介しようと思うのは、柳澤協二さん(元内閣官房副長官補)が、一昨日(4月6日)、衆議院第二議員会館(多目的会議室)で行った講演です。
 主催団体の告知記事はこういうものでした。

(引用開始)
講演・交流会のご案内
シリーズ 日本への警鐘 第1回
「安保法制とどう向き合うか!~今、国民が考えたいこと~」
 同時選挙もささやかれる参院選まであと3ヶ月。
 私たち市民に何ができるのか?
 安保法制を徹底批判した元防衛官僚・柳澤協二氏を講師に迎え、
 有権者の魂に響く言葉を探します!
日時:4月6日(水)18:00~19:30
場所:衆議院第二議員会館・多目的会議室
   千代田区永田町2-2-1
資料代:500円
申込:不要
主催:(「オールジャパン平和と共生@選挙」呼び掛け)
   市民交流会「選挙がチャンス!」(仮称)
(引用終わり)
 
 講演動画は、UPLAN(三輪祐児さん)から。
 
20160406 UPLAN 柳澤協二「安保法制の施行と今後の課題・・・国民が考えたいこと」(1時間38分)

(動画末尾に掲載されたレジュメの主要項目を引用)
1.安保法制とは何か?
◆4つの法律事項
(1)自衛隊の派遣拡大
(2)武器使用権限の拡大
(3)米軍等への兵站拡大
(4)罰則の拡大
2.安保法制の背景・・・(1)混迷する抑止構想
◆「米艦を守れば日米が一体化して抑止力が高まり、戦争に巻き込まれない」
◆動的抑止(統合機動的防衛力)の不思議
◆中国の脅威と日米同盟
◆何を、どう守るか?
自衛隊キャパシティー
◆基地があるから安全か、吉があるから危険か
覇権主義から孤立主義にシフトするアメリカは、何を求めてくるか?
3.安保法制の背景・・・(2)BOOT ON THE GROUNDから「血の同盟」へ
◆湾岸のトラウマから《汗をかく貢献》・・・PKO
◆同盟協力の深化
イラク派遣の教訓
イラク後の課題〈経緯から見た必然性と理念の特殊性〉
4.軍隊になりきれない自衛隊の矛盾
◆武器使用と武力行使
◆「国民の負託」は、どこにあるのか?
 イラク派遣時・・・一人怪我したら帰ってくる?
 今、どうするか・・・政治の意志は?
 *国民が支持しなければ、自衛隊はもたない
 *政治の命令があればやる=プロ意識
  問題は、政治の命令=国民の負託かどうか 
◆結論:自衛隊がやれない(=国民が許容しない)法律
 どこまでやれるか=どこまでの犠牲を許容できるか〈国民が〉
 「どんな軍隊を持ちたいか」を国民に問うべき
 
 主催団体は、昨年10月8日に憲政記念館大ホールで総決起集会を開き、今年3月18日には文京シビック大ホールで「安倍政治を許さない!参院選総決起集会」を開いた「オールジャパン平和と共生」の流れなんでしょうね(あまりフォローしていないのでよく分かりませんが)。
 
 主催団体はともかくとして、柳澤さんのお話です。ここ1年以内くらいの柳澤さんの講演の構成は基本的に大きく変わっていないようですし、そのことは、安保法制が施行された後であっても同様でしょう。
 私が興味深かったのは、講演の冒頭、最近「偕行社」帝国陸軍の元将校・将校生徒・軍属高等官及び元陸上自衛隊幹部の親睦組織)主催のシンポジウムで発言された際のエピソードを語られた部分(15分~)です。調べてみると、3月24日に東洋学園大学本郷キャンパスにおいて開かれた「プロが語る『新安全保障体制』の評価と課題」というシンポジウムに確かに柳澤さんが登壇されていました。
 パネリストの1人としての発言ですから、時間は限られていたでしょうが、柳澤さんとしては当然、いつもと同じ意見を述べられたことでしょう。「偕行社」主催のシンポ参加者が一体どう思いながらその発言を聞いたのか、1人1人に尋ねてみたいですね。
 なお、どういう聴衆であれ、柳澤さんの「自分が(戦場に)行かない奴が、勇ましくってどうするんだという発言(18分~)には、同意せざるを得ないと思うのですが。
 
(付記)
 2016年「通販生活 春号」に、柳澤協二さんへの短いインタビュー記事が掲載されています。今夏の参院選の重要性を、自衛隊海外派兵についての国会承認の観点から説明されているので(かねてから柳澤さんが主張されていることですが)ご紹介します。