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映画『日本と原発 4年後』を和歌山市で上映しました(2016/5/22)

 今晩(2016年5月22日)配信した「メルマガ金原No.2464」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
映画『日本と原発 4年後』を和歌山市で上映しました(2016/5/22)

 今日(5月22日)、和歌山市あいあいセンター6Fホールにおいて、午前と午後の2回上映を行った映画『日本と原発 4年後』(河合弘之監督)については、私も和歌山上映実行委員会の一員でありながら、予告編しか観たことはなく、前作『日本と原発 私たちは原発で幸福ですか?』のDVDも、実行委員会のメンバーが購入したので借りようかとも思ったのですが、借りても観る時間がなさそうということで未
見でした。
 ということで、いかに河合監督が弁護士としては有能であっても、それと映画を作る能力はまた別物であるという
当然の事理から、一抹の不安を抱えたまま今日を迎えたのですが・・・。
 結果はどうであったかと言えば、内輪誉めとか身内の欲目とか言われることを覚悟で評すれば、「とても良かった」「感銘を受けた」というものでした。
 私は、午前10時からの第1回上映を観たのですが、2時間18分という長さをほとんど感じさせず(かどうかは個人差があったようですが)、新垣隆氏作曲の管弦楽をバックに、日本の全ての原子力発電所の外観の映像が次々と映し出されるラストシークエンスまで、全く退屈することなく映像に見入っていま
した。
 
 ・・・と言っただけでは、未見の人にとっては、どんな映画なのか見当がつかないでしょうね。
 短時間でイメージを掴んでいただくために、第1作『日本と原発 私たちは原発で幸福ですか?』(2014年)と『日本と原発 4年後』(2015年)の2本の予告編をご覧ください。今日上映した『日本と原発 4年後』は、第1作の続編ではなく改訂版であり、第1作で使われた映像の多くが第2作でも使われていることが、予告編を観ただけでもよく分かります(もちろん、同じ素材でも、編集によって使用する部分は変わっていたりするようです)。
 
映画『日本と原発 私たちは原発で幸福ですか?』予告編(2分03秒)
 
映画『日本と原発 4年後』予告編(1分42秒)
 

 また、今日の上映会を予告した私のブログに、第1作についてのレビューなど、いくつかの関連情報を掲載しています(
和歌山でも『日本と原発 4年後』(河合弘之監督)を脱原発運動として上映します(5/22@和歌山市あいあいセンター)/2016年3月26日)。
 
 さて、上映会終了後、事務所に立ち寄って速報的にFacebookに投稿した私の文章を引用しておきます。
「映画を観てくれた方からの反応はすごく良く、アンケート用紙の回収率も非常に高いものでした。正直、映画には素人の弁護士が監督する作品ということで、不安な気持ちもあったのですが、欲目抜きで「非常に優れている」と思いました。もちろん、編集にはしかるべきプロが力量を発揮しているはずですし、脚本を担当した海渡雄一弁護士の構成力も作品の成功を支えた重要な要素でしょう。しかし、この作品によって原発推進論を完璧に粉砕してみせるという河合監督の鉄の意志がなければ、この作品は成り立たなかったことは間違いありません。普通の意味で「良い映画」か?と問われればいささか疑問もありますが、制作意図(河合監督が最大のターゲットとした“観客”は多分裁判官です)は十分に達成されていると
思いました。
 という感想を持つ一方、もっと多くの人に来てもらいたかったなあという思いもあったりはしますが、
まずは、ご来場いただいた方にお礼申し上げます。
 また、実行委員会の皆さん、お疲れ様でした。」
 
 上映会が終わって間のないうちに一気に書いた以上の「感想」に何かを付け加えても蛇足になるだけでしょうから、以下には、アトランダムに(補注)を書き加えるだけにしておきます(と言いつつ、これが長くなるかもしれませんが)。
 
〇「3+1(サンタスイチ)宣言」
 『日本と原発公式サイトの中の「上映会予定」を閲覧していて、『日本と原発』第1作・第2作の上映スケジュールが掲載されているだけではなく、『フタバから遠く離れて 第二部』(舩橋淳監督)と『小さき声のカノン』(鎌仲ひとみ監督)との「相互連携を開始し、イベントスケジュールをご紹介していま
す。」とあることに今頃気がつきました(前から載っていたはずですが)。
 そして、この3作品というか3監督の「相互連携」プロジェクトのためのホームページ
「3+1(サンタスイチ)」というのがあることに今日初めて気がつきました。
 同ホームページに掲載された「3+1(サンタスイチ)宣言」を引用します。
(引用開始)
311・・・・・・・・・
あの日から長い時間が経ってしまいました。
それなのに、この国は驚くほど何も変わっていない、と思いませんか?
原発地域格差、米軍基地、貧困、差別など多くの矛盾を抱えたまま、
311以前も、311以後の今も、状況は変わっていないどころか慢性化しつつあります。
わたしたちは、このままやり過ごすしかないのでしょうか。
被災者を救済したい」
「貧困や差別をなくしたい」
「他国に戦争を仕掛けたり、国同士の対立を生むことはしたくない」
つまり、日本が“ごく普通にモラルのある国”になって欲しい、ということ。
そんな強い思いを共有する、われわれ映画監督3人がタッグを組み、
「3+1(サンタスイチ)」と名付けました。
3人の監督+1。その+1が、あなたであれば嬉しいです。
一人一人の問題意識【+1】を持ち寄り集う広場を作りたい、と思います。
この3監督の映画と一人一人のあなたが加わり続けることで、変わり難いと思えるものも変わっていくはず
です。
さぁ 一緒に始めませんか?
河合弘之「日本と原発」×鎌仲ひとみ「小さき声のカノン」×舩橋淳「フタバから遠く離れて」
(引用終わり)
 
〇河合弘之、鎌仲ひとみ、舩橋淳、3監督が語る「6年目の選択」
 「3+1」プロジェクトの第1回イベントが今年の3月8日、「3.11映画祭」のプレイベントとして開催されました。3監督と下村健一さん(元TBSアナウンサー)とが語り合う「話そう、6年目の選
択」です。
 そのダイジェスト映像(58分)が動画サイトにアップされていました。
 
〇河合弘之監督が語る『日本と原発』の制作意図
 上記3/8ダイジェスト映像のさらに抜粋が『日本と原発』YouTubeチャンネルにアップされているのです
が、その中から、河合監督が『日本と原発』の制作意図を語った映像(5分34秒)をご紹介します。
 映画に何を求めるかは鑑賞者1人1人によって違うでしょうが、私は、河合監督の目指した目的が高いレベルで達成されていると思い、感心したのです。
 
 
〇河合弘之著『原発訴訟が社会を変える』
 河合弘之氏が、映画『日本と原発』を補充するものとして刊行した(のだと推測します)著書『原発訴訟が社会を変える』集英社新書/2015年9月刊)は、映画『日本と原発』を観た人にとってもまだ観ていない人にとっても、非常に興味深く読めます(私は映画を観た直後、第2回上映時にホールのロビーで通読しました)。原発訴訟の内情(の一部)も紹介されており、福井地裁(当時)の樋口英明裁判長の訴訟指揮ぶりなど、私にとっては興味津々でした。

 
〇次の企画、何をやろうか?
 今回の和歌山上映実行委員会を担ったメンバーの多くは、昨年、東条雅之監督の第1作『祝福(いのり)の海』上映のために結集した人たちであり、その流れで『日本と原発 4年後』の上映会を手掛けたことになります。
 終わったばかりですぐ次の企画という訳にはいかないかもしれませんが、参院選の後にでも(正直みん
なこれで忙しい)、次の企画を具体化できないか、話し合ってもいいですよね。
 実は、今日の上映会にお子さん連れで来てくださった「わかやま避難者のWA」のかわたさんから、「避難者の中で『小さき声のカノン』の上映会を是非やりたい(もしかすると「是非観たい」だったかも)という人がいるんだけれど、これまで和歌山で上映されたことありますか?」と質問されたものの、とっさに適切な回答が出来ず申し訳なかったのですが、その後、何人かの実行委員に尋ねても、和歌山ではや
っていないということのようです。
 ということで、この実行委員会のメンバーで、次の企画として『小さき声のカノン』、考えてみません
か?
映画『小さき声のカノン』予告編(2分00秒)
 
 
〇ここのところは・・・
 『日本と原発 4年後』の予告編で特にフューチャーされている小泉純一郎元総理大臣のスピーチには「何だか違和感がある」という声がちらほら聞こえてきており、それも分からないではないのですが、河合監督の制作意図からすれば、あのシーンがあってもおかしくはないわけで、まあここは目をつぶりましょう。
 
○関連動画(予告編)
映画『フタバから遠く離れて 第二部』予告編(2分30秒)
 
映画『祝福いのりの海』予告編(3分53秒)
 

※映画『日本と原発 4年後』和歌山上映実行委員会メンバーの、全員ではありませんが、今日の2回の上映会終了後、会場に居合わせた者で記念撮影しました。1枚目は私(金原)が撮影し、2枚目は西郷章さんが撮影したものです。
「日本と原発 4年後」記念撮影1「日本と原発 4年後」記念撮影2