wakaben6888のブログ

憲法を大事にし、音楽を愛し、原発を無くしたいと願う多くの人と繋がれるブログを目指します

「安保法制違憲訴訟おかやま」提訴(6/17)~これで全国6地裁に(付・動画4本雑感)

 今晩(2016年6月18日)配信した「メルマガ金原No.2491」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
「安保法制違憲訴訟おかやま」提訴(6/17)~これで全国6地裁に(付・動画4本雑感)

 参院選公示直前のこの時期、全国各地で様々な企画が取り組まれており、その一々を取り上げたいのはやまやまながら、時間の都合で本格的な紹介は割愛せざるを得ません。以下には、本来なら本格的に取り上げたかった企画のいくつかについて、内容を知ることが出来る中継動画にリンクだけしておきます。
 
6月16日(木) 香川県高松市 高松三越前
野党4党合同演説会
田辺健一氏(参院選香川県選挙区・野党統一予定候補)、志位和夫氏(日本共産党委員長)、小沢一郎氏(生活の党代表)、安住淳氏(民進党衆議院議員国対委員長)、吉川元氏(社民党衆議院議員政策審議会
長)
動画(IWJ):
野党4党合同演説会 ―田辺健一氏(香川地区・野党統一予定候補)、志位和夫氏(日本共産党委員長)、小沢一郎氏(生活の党代表)、安住淳氏(民進党衆議院議員国対委員長)、吉川元氏(社民党衆議院議員政策審議会長) 2016.6.16
動画(サンプル)

※32の参議院選挙1人区の中で、唯一共産党公認候補が野党統一候補となった香川県での4党合同演説
会です。たとえ共産党公認であっても、民進党のしかるべき者が応援するからこそ「野党共闘」なのですよね。言いたくないけど、民進党和歌山県連は、全国の1人区で唯一「野党共闘」を拒んだという「名声(?)」がどうしても欲しいんだろうか?なお、6月3日に日本共産党香川県委員会委員長と民進党香川
県総支部連合会代表との間で「基本的事項の確認書」というものが締結されていました。
 
6月16日(木) 日本記者クラブ
公開討論「テレビ報道と放送法―何が争点なのか」
<放送メディアの自由と自律を考える研究者有志>
砂川浩慶氏(立教大学教授、メディア総合研究所所長)、岩崎貞明氏(放送レポート編集長)、醍醐 聰
氏(東京大学名誉教授)
放送法遵守を求める視聴者の会>
ケント・ギルバート(米カルフォルニア州弁護士、タレント、放送法遵守を求める視聴者の会呼びかけ人)、上念 司氏(経済評論家、放送法遵守を求める視聴者の会呼びかけ人)、小川榮太郎氏(文藝評論家
放送法遵守を求める視聴者の会事務局長)
動画:20160616 UPLAN【公開討論】テレビ報道と放送法――何が争点なのか(1時間57分)

※この公開討論は、「放送法遵守を求める視聴者の会」事務局長である小川榮太郎氏から、同会に対して批判的な意見を公表した人々に送付した公開討論の呼びかけに、醍醐聰東京大学名誉教授らが応えて実現したものでしょう。この小川氏からの呼びかけ文書は相当多くの人に送られたに違いありません。何しろ、私の事務所にも(クロネコメール便で)届いたほどですから。
 
6月17日(金)16時30分~ 参議院議員会館1階講堂
特別講演「なぜ文明国ドイツにヒトラー独裁政権が誕生したのか?」
講師:石田勇治(東京大学教授)
主催:村山首相談話を継承し発展させる会
動画:20160617 UPLAN 石田勇治「ヒトラーとナチ・ドイツ~なぜ文明国ドイツにヒトラー独裁政権が誕生
したのか?」(2時間25分)

※石田教授による講演は1時間04分~から始まります。
 
6月17日(金) 日本外国特派員協会
市民連合(安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合)呼びかけ団体メンバーによる記者会見
中野晃一氏(立憲デモクラシーの会、上智大学教授)、長尾詩子氏(安保関連法に反対するママの会)、奥田愛基氏(SEALDs)
動画:Nakano, Nagao & Okuda: "Civil Alliance for Peace and Constitutionalism" / deformed
democracy by Abe(1時間21分)

※中野教授による冒頭発現は英語によって行われました。
 
 最後に、安保法制違憲訴訟の最近の動向を確認しておきます。
 4月26日に東京地裁福島地裁いわき支部、5月6日に高知地裁、6月8日に大阪地裁と長崎地裁、そして昨日(6月17日)岡山地裁に提訴され、これで全部で6つの地裁に安保法制違憲訴訟が提訴され
たことになります(東京地裁には2件)。
今日は、そのうち、(これまで注目してきたという流れもあり)岡山訴訟の提起を伝えた新聞報道と、提訴後に岡山弁護士会館で開かれた「安保法制違憲訴訟おかやま 提訴報告集会」で採択された「アピール」を引用したいと思います。
 
西日本新聞 2016年06月17日 18時48分
安保法違憲と400人提訴、岡山 集団訴訟、全国で6件目

(引用開始)
 安全保障関連法は憲法に反し、成立や施行で平和的生存権を侵害されたとして、岡山県民ら約400人が17日、1人当たり10万円の損害賠償を求めて岡山地裁に提訴した。弁護士らでつくる「安保法制違
憲訴訟の会」の呼び掛けによる集団訴訟の一環で、福島や長崎に続き全国6件目の提訴。
 原告らは提訴後に集会を開き、45年の岡山空襲時に2歳だったという男性は「戦争の反省から生まれ
憲法に反する政治は許さない」と訴えた。
 原告側代理人の河田英正弁護士は「単に違憲と訴えるだけでは門前払いになりがちだが、多種多様な原
告に対する具体的な権利侵害を明らかにし、勝訴を目指す」と述べた。
(引用終わり)
 
(引用開始)
 本日、「安保法制違憲訴訟おかやま」の原告402名が、岡山地方裁判所に、国を被告とする安保法制違憲訴訟を提訴しました。この訴訟は、安保法制に反対する国民の激しい怒りを背景とし、東京をはじめ
全国各地で提訴されている、あるいは提訴予定の安保法制違憲訴訟に岡山から呼応し連帯するものです。
 日本は、先の大戦に対する痛切な反省から平和憲法を制定しました。政府の行為によって再び戦争の惨禍をもたらさない、との固い決意の下に憲法9条が定められました。この恒久平和主義に基づく憲法の下で、戦後71年間、日本は戦争したり、他国を侵略したりしたことは一度もなかった、ということはまぎ
れもない歴史的事実です。
 ところが安倍政権は、過去の戦争の惨禍に目を塞ぎ、再び日本を「戦争する国」へと大転換しました。すなわち、歴代内閣が、自衛隊が行使できるのは個別的自衛権に限り、「集団的自衛権」は認められないとしてきた政府見解を、安倍内閣は国会にはかることもなく、わずか19人の大臣による閣議決定で覆し、集団的自衛権行使を容認しました。まさにクーデターと言わなければなりません。この閣議決定とそれに基く「安保法制」に対しては、元最高裁長官や元最高裁判事、歴代の元内閣法制局長官憲法学者日弁連をはじめ全国の弁護士会など、圧倒的多数の法律家が憲法9条に違反するとの意見を表明しました。しかし、2015年9月19日、国会は自公議員らの多数の力で安保法制を強行採決し、2016年3月29日、安保法制は施行されるに至りました。この施行により、いつでもどこでも日本が戦争を開始し、明日にも自衛隊や国民に死者が出たりテロに襲われるという、現実的危険が目の前に迫っている状況とな
りました。
 私たち原告団は、主として岡山県内に住む市民です。先の大戦の被害者・軍人やその家族、岡山空襲の被害者、有事体制の下で従事させられる労働者や医療従事者、宗教家、教育関係者、法律専門家、障がい者、子を持つ母親、若者等、20歳台から80 歳を超える高齢者まで、多種多様な市民で構成されています。私たちは、この憲法9条に反する違憲の安保法制によって、私たちの「平和的生存権」や「人格権」が日々侵され脅かされています。さらにこの解釈改憲により、主権者としての「憲法改正権・決定権」が侵害されました。今、ここで行動を起こさなければ、というやむにやまれない思いで提訴に踏み切りまし
た。
 私たち原告は、この違憲訴訟を、立憲主義と民主主義および恒久平和主義を取り戻し、安保法制の廃止を求める大規模な国民運動の一環として位置づけ、裁判において違憲判決を勝ち取ることにより、安保法制廃止を実現するための大きな役割を果たしたいと思います。そして、この提訴によって、日本の平和と
全世界の平和に結びつくことを心から希求し、ここにアピールします。    
          2016年6月17日
          安保法制違憲訴訟おかやま 原告団 弁護団
(引用終わり)
 
 岡山弁護士会前会長にして、安保法制違憲訴訟おかやまの原告でもある吉岡康祐さんのFacebookへの投稿にリンクしておきます(「公開」設定なのでどなたでも見られるはずです)。
 
 それにしても、各地で着々と提訴や原告募集が進んでいるというニュースに接するとプレッシャーを感じるなあ。
 
(弁護士・金原徹雄のブログから)
2016年6月4日
安保法制違憲訴訟を地方から起こす~「安保法制違憲訴訟おかやま」の動き