wakaben6888のブログ

憲法を大事にし、音楽を愛し、原発を無くしたいと願う多くの人と繋がれるブログを目指します

「原発震災・破局的災害を止めるための集い」@京都市(2016年7月31日)~運動と裁判は手を携えて

 今晩(2016年8月4日)配信した「メルマガ金原No.2528」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
原発震災・破局的災害を止めるための集い」@京都市(2016年7月31日)~運動と裁判は手を携えて

 島崎邦彦東京大学名誉教授(前原子力規制委員会委員長代理)が、大飯原発のように震源断層が垂直に近い場合に入倉・三宅式で計算すると、地震動を過小評価する可能性が高いと指摘した問題は、7月27日に原子力規制委員会が、大飯原発の基準地震動を見直さないという結論を出し、いわば責任を放棄したことにより、問題は再び市民、学界、裁判所に投げ返されたと見ることができます。
 今日は、以下4回にわたってメルマガ(ブログ)でフォローしてきたことの続編(不定期連載第5回)として、去る7月31日(日)に、京都市同志社大学・烏丸キャンパス内の志高館で開かれた「島崎邦彦氏(元原子力規制委員会委員長代理)の警告 原発地震評価は過小 原発震災・破局的災害を止めるための集い」(主催:原発地震の過小評価を考える集い・連絡会)という一息では言えないほど長いタイトルの集会の中継録画をIWJ京都で視聴することができますので、それをご紹介します。
 私もまだ少しずつ流し視聴(?)しただけですが、IWJ京都によるアーカイブは非常にクリアに聴取できますし、第1部の講演者3人のお話は、いずれも明晰で、科学的素養が怪しい者にも、かなりの程度まで理解が進むのではないかと思います。
 
 
(開催概要)
島崎邦彦氏(元原子力規制委員会委員長代理)の警告 
原発の地震評価は過小 原発震災・破局的災害を止めるための集い

時間 13:45(開場13:30)~17:00
場所 同志社大学 烏丸キャンパス 志高館 SK112
資料代 500円(学生:無料)
内容
「担当弁護士が語る島崎邦彦氏が主張する入倉・三宅式問題の意味」
  甫守一樹氏(弁護士 大飯原発3・4号機差止め訴訟など)
「島崎提言の意味と意義、さらにその枠を超えて」
  小山英之氏(美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会(美浜の会)代表)
「入倉・三宅式問題と新レシピ~なぜ重要なのか」
  長沢啓行氏(若狭ネット資料室 室長)
各地の裁判から発言・アピール
主催 原発地震の過小評価を考える集い・連絡会
問い合わせ:グリーン・アクション
 
 
Ustream録画 1/2(13:52~ 1時間57分) 第1部
冒頭~
 甫守一樹(ほもり・かずき)氏(弁護士、大飯原発3・4号機差止め訴訟など)
「担当弁護士が語る島崎邦彦氏が主張する入倉・三宅式問題の意味」
19分~ 小山英之氏(美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会〔美浜の会〕代表)
「島崎提言の意味と意義、さらにその枠を超えて」
45分~ 長沢啓行氏(若狭ネット資料室室長、大阪府立大学名誉教授)
「入倉・三宅式問題と新レシピ〜なぜ重要なのか」
1時間19分~ 質疑応答
 
Ustream録画 2/2(15:57~ 1時間20分) 第2部
2分~
 再開
3分~ 各地の裁判から
30分~ 各地の運動から
52分~ ディスカッション
1間14分~ 挨拶
 和田喜彦氏(同志社大学教授、環境経済学
 鹿島啓一氏(弁護士)
 
 ここで、最後の鹿島啓一弁護士による閉会挨拶(1時間17分~)に感銘を受けましたので、文字起こししておきます。是非、お読みください。
 
鹿島啓一弁護士(金沢弁護士会 本当に今日は、長沢先生、小山先生、甫守先生はじめとしまして、皆さん、お集まりいただきましてありがとうございます。私が今回このような集会を開きたいと思った一つの理由はですね、私は、樋口判決を受けた大飯控訴審を闘っている訳なんですが、絶対負けられない裁判だと思っています。本当に、負けることは許されないという風に思っているんですが、他方で、どうなるか分からないというのが正直なところです。この細腕にですね、あまり期待しないでくださいっていうのは、ちょっとあれなんですけども、やっぱり裁判だけで、裁判が非常にいい結果を出している部分がありますので、期待いただくのは、もちろんいいことだと思うんですけども、それだけじゃないということを知っていただきたいという風に思ってます。今、(後ろのホワイトボードに)書いてある伊方原発については、広島と松山、あと大分でも仮処分が起こって、まあ甫守弁護士が主にやってるんですけれども、無責任な言い方をすると、おそらくどこかで勝つと、私は思っています。あとはまあ、岩淵先生が仰った金沢でも、「おそらく志賀原発勝てるだろう」という無責任発言をしたいと思うんですが、そこで勝つということは非常に大きくて、特に伊方原発が事故を起こす前に止めるということは非常に重要なことだと思います。ただ、その時にですね、「じゃあ、もう裁判だ、裁判だと。運動よりも裁判の方が結果出るから」ということで、そういう風に皆さん流れてしまうのは危険だなあと思いますし、ここにいらっしゃる皆さんはそうではないと思うんですけれども。今回の入倉・三宅問題というのは、先ほど長沢先生からご紹介があったとおり、裁判と運動が一つ結びついた結果だという風に思っています。これは、非常に難しい専門技術的な問題もあるんですが、島崎先生のアクションとか、規制委員会のアクションを追うだけでも、非常に分かりやすい、ストーリー性のある、伝えやすいトピックなのかなあと思いまして、こういった重要な問題をですね、是非皆さんで広めていくとともに、また裁判と運動が一緒になってですね、絶対に脱原発を成し遂げるという形に持って行きたいと思っております。本当に本日はありがとうございました。