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「憲法おしゃべりカフェ」にご注意!~太田啓子弁護士からの警報を拡散します

 今晩(2016年8月11日)配信した「メルマガ金原No.2535」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
憲法おしゃべりカフェ」にご注意!~太田啓子弁護士からの警報を拡散します

 沖縄県東村高江で奮闘する小口幸人(おぐち・ゆきひと)弁護士(沖縄弁護士会)のFacebook経由で、太田啓子弁護士(神奈川県弁護士会)からの「再度の拡散希望」に気がつきました。私自身、太田さんのFacebook友達のはずですが、昨日(8月10日)18時に発信されたシェア要請には気がついていませんでした。
 ということで、最初はFacebookの「シェア」ボタンを押すことだけ考えていたのですが、太田さんが注意を喚起されている改憲派による「憲法おしゃべりカフェ」については、末尾の私のブログ一覧を一読されればお分かりのように、私自身、関心を持ち続けてきたテーマでもありまので、ブログへの「転載」とさせていただくことにしました。多分、太田さんの【拡散して下さい】には、Facebookでの「シェア」だけではなく、少なくとも、太田さんが書かれた文章の趣旨に「賛同する」立場からのブログへの「転載」も含むと解釈できるという
判断に基づくものです。

 なお、いわゆる「憲法おしゃべりカフェ」を推進している組織が、「日本会議」かどうかということについて、私自身は確証を持っていませんので、単に「改憲派」と言うことにしています。
 もちろん、太田さんが2月5日の記事で紹介されているとおり、「日本会議の女性組織として活動を推
進している」「日本女性の会 公式ブログ」に、「憲法おしゃべりカフェ」というカテゴリーが設けられ、以下のような記事が掲載されていますので、日本会議、あるいはその女性組織である「日本女性の会」または、それらの地方組織が、「憲法おしゃべりカフェ」を推進している中心的な存在なのだろうというところまでは推測できますが。
 ちなみに、「日本女性の会 公式ブログ」でも紹介されている「アニメ 女子のあつまる憲法おしゃべり
カフェ」は、「美しい日本の憲法をつくる国民の会」YouTubeチャンネルから公開されています。

 
2015年12月2日
横浜で憲法おしゃべりカフェ 開催!
(11月15日横浜市で開催・約30名参加)
2015年12月17日
12月13日 神奈川大和たちばなの集い 開催
(11月13日神奈川県大和市で開催・約35名参加)
2016年1月26日
千葉 女子の集まる憲法おしゃべりカフェ
(1月22日千葉県佐倉市で開催・31名参加)
2016年2月3日
1月30日 奈良 憲法おしゃべりカフェ
(1月30日奈良県で開催・約50名参加)
2016年2月3日
1月31日 横浜旭区おしゃべりカフェ
(1月31日横浜市旭区で開催・50名以上参加)
 
 「日本女性の会 公式ブログ」は、たまにしか更新されていませんが、更新のない間でも、全国各地で「憲法おしゃべりカフェ」あるいはそれに類した行事が行われているはずです。 
 この点については、私のブログ「“改憲”啓発講演会のご紹介~和歌山市での一事例(2016/5/29)」(2016年5月30日)でご紹介した、今年の5月29日に和歌山市で開催された「日本の未来を語ろう!憲法講演会」に参加された私の知人・Aさんの「参加記」が貴重な記録ですから、是非ご一読ください。
 私は、Aさんが書かれた「参加記」を読み、かつ当日の配布資料をAさんから見せていただいて、以下
のようなことに気がつきました。
 
改憲派が推進するこの種の集会は、必ずしも「憲法おしゃべりカフェ」と名乗る訳ではないようです。推測に過ぎませんが、もっぱら女性を対象とする場合には「憲法おしゃべりカフェ」を使い、男女を問わない場合には別の名前にする(例えば「日本の未来を語ろう!憲法講演会」)のかもしれません。
〇「カフェ」と名乗るか否かにかかわらず、語られている内容にそれほど違いはないのだろうと思います。実際、「日本女性の会 公式ブログ」には、参加者50名というような「憲法おしゃべりカフェ」が報告されていますが、これだけの人数となれば、実質的には「講演会」だったのではないかと思われます。5月29日の和歌山市での「講演会」の参加者もその程度の人数でした。
※主催者側のブログに当日の写真が掲載されています。
〇5月29日に和歌山市で講師を務めた高原朗子(たかはら・あきこ)熊本大学教育学部教授は、「「憲法カフェ」が2年前から始まって、今回で147回目。」と語ったそうです(Aさんの「参加記」による)。ここから読み取れることは、改憲派が非常に熱心に「憲法おしゃべりカフェ」(や改憲啓発講演会)を推進しているということです(高原教授だけで147回講演した訳ではないと思いますが)。
〇参加者に配されたA3版カラー表裏印刷の豪華チラシ「地震大国ニッポン!どう守る?国民の命と暮らし」に代表されるように、大規模災害に備えた緊急事態条項が憲法に必要というデマゴーグに力が入れられていることに間違いありません。
 
 それでは、以下に、太田啓子弁護士のFacebookへの2度にわたる投稿を「転載」します。ただし、リンク切れが確認できた場合には、私の責任で削除しました。また、改行した場合には1字オトスなど、若干文章の体裁を整えた部分があります。
 

(太田啓子さんの2016年8月10日18時00分の投稿を全文転載)
※シェアの際は、以下のコメントをコピペしてコメントごとシェア頂けるとありがたいです。
 
 今年の2月の私の投稿ですが、また日本会議の「憲法おしゃべりカフェ」が開催されるみたいなので改めて投稿しておきます。 
 別に法律家でなければ憲法勉強会の講師をやってはいけないとはいいませんが、憲法の基本をちゃんと勉強してない方が、そもそも憲法とは何かということをわかっていないような話をされるというのでは、憲法勉強会とはいえません。デマを流す場でしかありません。
 なお、今年の2月以降、日本会議憲法おしゃべりカフェ」のデマを検証する等の大事な記事がアップ
されていますのであわせてご紹介します。
 いずれも、ミスター緊急事態・小口幸人弁護士の記事(マガジン9掲載)です★
 二つ目の記事がとりあげている「国会議員の任期延長」は、今後まずくるであろう、憲法改正国民投票の最もありうるテーマです。しかしニッチすぎ、マニアックすぎて、法律家でも知っている人はほとんどいないと思います。。
 日本で1番目か2番目くらいに「国会議員の任期延長」問題をしっかり考えている小口さんの記事、是非読んで勉強してください。
 勉強して知識をもたないと危ない方向にだまされちゃいます。
●「憲法おしゃべりカフェ」で流布されている~「緊急事態条項」をめぐる「四つのデマ」を検証
小口幸人(弁護士)
 
http://www.magazine9.jp/article/other/28374/
●お試し改憲」ではすまされない!?危険で不必要な「国会議員の任期延長」
小口幸人(弁護士)
 
http://www.magazine9.jp/article/other/29431/
 

(太田啓子さんの2016年2月5日の投稿を全文転載)
【拡散して下さい。要注意!日本会議の女性組織主催「憲法おしゃべりカフェ」で話されていることに強い強い疑問を抱きます】
 
 拡散して下さい。
 「憲法カフェ」というのは、カフェなどで行っている出張憲法勉強会です。私が2013年初頭に始め、明日の自由を守る若手弁護士の会(あすわか)はじめ全国の弁護士仲間が各地で展開しています。朝日新聞毎日新聞などの大手全国紙、神奈川新聞、北海道新聞ほか各地の地方紙、NHKやTBSニュースバードでの放送、雑誌ではVERY,LEE、女性自身、週刊女性、AERAなど、たくさんのメディアにもとりあげられてきました。
 あすわかのブログには、全国で行われている憲法カフェのカレンダーがあります。
   
 http://www.asuno-jiyuu.com/
 
 
こつこつ地道に、法律家としての知見に基づいて、そもそも憲法とはどういう意味か、今なされようとしている「憲法改正」とはどういうものか、各地でお話してきました。
 これがある程度は草の根に浸透し始めてきたという自負があります。メディアに多く取り上げられてきたのもそういう成果があるからです。
 
 私たち法律家がやってきたこのような展開に乗じて、全く異なる意図を実現しようという動きが最近露骨になっています。
 強く警戒して下さい。このことをまだ知らないお知り合いに伝えて下さい。「憲法おしゃべりカフェ」は明日の自由を守る若手弁護士の会の「憲法カフェ」とは全くの別物です。というか、反対です。
 「憲法カフェ」と紛らわしい名称で、日本会議系の方々が、同じく女性層を主な対象に、「憲法おしゃ
べりカフェ」という名称で憲法勉強会を展開し始めています。
 私たちがやっている憲法カフェでお話している内容とは全く異なる方向性です。 
 それなのになぜ似たような名称であえてやるのでしょうか。
 私たちの展開してきたことに、このような悪質なやり方で乗じようとすること自体本当に許せないという気持ちです。 
 日本会議系女性団体「日本女性の会」というのの公式ブログが昨年12月に立ち上がっています。
 ここで、奈良市、千葉県成田市、神奈川県大和市横浜市栄区横浜市旭区などで、女性を対象にした「憲法おしゃべりカフェ」というのが開催されたということが報告されています。
 記事によれば、30人、50人という人数が参加されたということです。
 本当に憲法についての正しい法的知識に基づいた解説がなされているのか、弁護士としてはなはだ疑問に感じます。
 講師は一体どういう方でしょうか?
 憲法についてのきちんとした勉強をなさった方なのでしょうか?
 たとえば1月31日に行われたという横浜市旭区での「憲法おしゃべりカフェ」についての2月3日記事にはこのような記載があります。これ、非常に問題です。
 
http://ameblo.jp/nihonjyoseinokai/entry-12124509956.html
「特に、被災地にお知り合いがいる、ある女性は緊急事態条項が憲法に規定されていないために「震災関連死」が1600人以上生まれてしまった事実を知って、とても驚いておられました。
 ぜひ、被災地の人にも知らせたいと本を買って送ってあげるといわれていました。
 憲法は本来、国民のためにあるのに、なぜ憲法が邪魔になって犠牲が出ているのか、本末転倒なこの状況に憂いをもたれる方が多かったようです。」
 
緊急事態条項が憲法に規定されていないために「震災関連死」が多く生まれたなどというのは、全く事実に反します。
 憲法が邪魔になって犠牲が出た???そんなことじゃありません。
 こんなことを「憲法の勉強会」という体裁で広めるなんて、怒りを覚えます。
 「災害対策」をダシに「憲法改正」を進めようなんてそんな邪道で間違った知識を広めるなんて許せま
せん。
 おかしな憲法勉強会かどうか見分けるコツは簡単で、
 ・「災害対策」のために「憲法改正」が必要だと言っている
 ・「国民の義務」を強調する
 ・「立憲主義」という言葉が出てこないか、あるいは出てきても軽視している
 ・「中国の脅威」など外国の脅威を理由に集団的自衛権行使は必要だと話している
 このようなことを言っている勉強会だったら、おかしい、と考えて下さい。
★★★本当に「緊急事態条項」のことを知りたかったら、たとえばこういう記事を読んで下さい。
(マガジン9)災害の現場で必要なのは「国家緊急権」ではない
小口幸人さんに聞いた(その1)
 
http://www.magazine9.jp/article/konohito/23087/
(マガジン9)緊急事態条項の導入は「災害」を名目にした「戦争への準備」
小口幸人さんに聞いた(その2)
 
http://www.magazine9.jp/article/konohito/23097/
★★★2016年1月21日Yokohamaデモクラシー道場での小口幸人弁護士と私の解説動画です。緊急事態条項をテーマにしています。これを見たら、どれだけ「憲法おしゃべりカフェ」での情報がおかしなものかわかります。
 配信動画ツイキャス→
http://twitcasting.tv/c:teamlinks/movie/234878929
※金原注:IWJによる中継も行われ、お2人の解説の要旨/テキストが掲載されています。
★★★毎日新聞記事(2016年2月2日 東京夕刊)
特集ワイド 本当に必要?「緊急事態条項」
 
http://mainichi.jp/articles/20160202/dde/012/010/006000c
 

(弁護士・金原徹雄のブログから)
2014年5月5日
憲法をめぐって「集う人々」を取り上げた神奈川新聞の特集

2014年8月18日
「憲法カフェ」で広がるネットワーク(マガジン9が紹介した太田啓子さん)
2015年9月2日
倉持麟太郎弁護士の「安保法案の欠陥を衝く」(日刊ゲンダイ連載)活用の勧め

2016年1月26日
水島朝穂教授による自民党改憲案「緊急事態条項」批判論文(2013年)がネットで公開されました

2016年2月3日
自民党改憲案・緊急事態条項はナチス授権法の再来か?~海渡雄一弁護士の論考を読む
2016年2月6日
立憲デモクラシーの会・公開シンポジウム「緊急事態条項は必要か」を視聴する

2016年4月11日
立憲デモクラシー講座第8回(4/8)「大震災と憲法―議員任期延長は必要か?(高見勝利氏)」のご紹介(付・『新憲法の解説』と緊急事態条項)
2016年4月23日
『憲法カフェへようこそ 意外と楽しく学べるイマドキの改憲』(あすわか編著)を推奨します
2016年5月1日
日弁連シンポ「大規模災害と法制度~災害関連法規の課題、憲法の緊急事態条項~」(4/30)を視聴して菅官房長官(4/15)と櫻井よし子氏(4/26)の発言を思い出す
2016年5月13日
改憲派の「憲法おしゃべりカフェ」はあなどれない
2016年5月28日
警戒!私の地元和歌山でも「憲法おしゃべりカフェ」が開かれる(講師:髙原朗子熊本大学教育学部教授)
2016年5月30日
“改憲”啓発講演会のご紹介~和歌山市での一事例(2016/5/29)
2016年7月22日
災害支援でも高江でも~小口幸人弁護士の活躍