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「原発は今、どうなっているのか!」~「週刊女性」(10/25号)の10ページ大特集を読む

 今晩(2016年10月14日)配信した「メルマガ金原No.2599」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
原発は今、どうなっているのか!」~「週刊女性」(10/25号)の10ページ大特集を読む

 今日(10月14日)は、昨日お送りした
「UPLAN【原発事故被害者インタビュー(3)】吉田千亜さん(フリーライター)~『ルポ 母子避難―消されゆく原発事故被害者』著者~のご紹介」の続編でもあります。
 UPLANによる吉田千亜さんインタビューの動画を紹介しようと関連サイトを読んでいたところ、今週(10月11日)発売の「週刊女性」10月25日号に、吉田さんが記事を寄稿していることを知り、さらにその「週刊女性」今週号の表紙をネットで探したところ、「10P大特集 原発は今、どうなっているの
か!なかったことにされていく「被害」の現状」という文字が躍っており、その大きさは「超人気漫画家 週2回の密会愛はまさかのW不倫」に続き2番目に大きいものでした。

 ということで、今日の午前中、私の事務所の女性事務員が外回りに行くついでに「週刊女性」を「事務所の経費で買って来て欲しい」と依頼し、昼前に10月25日号の「週刊女性」を無事ゲットしました。そこで、急いで見出しなどを一瞥した上で、昼休みを利用してFacebookに速報をアップしました。この特集を知らない人に、「早く買いに行かないと売り切れてしまうよ」ということを急告するためです。

(引用開始)
週刊女性」10/25号をゲットしました(外回りに出かける事務員に頼んで買ってきてもらった)。目当て
は、10ページに及ぶ大特集「原発は今、どうなっているのか!なかったことにされていく「被害」の現状」です。もっとも、本文のトップは、「週2回の密会愛はまさかのW不倫」という記事で、浦沢直樹さん、なかなか大変ですね・・・というものでしたが。
肝心の原発大特集の内容は、ざっと以下のとおり。
1 全国の原発の状況(大間原発建設差止を求めて裁判闘争中の函館市
2 祝島「闘うおばあちゃんたちの34年」(取材:山秋真氏)
3 保坂展人世田谷区長(取材:渋井哲也氏)
4 日常を取り戻せない原発避難者たち(取材:吉田千亜氏)
5 山下祐介首都大学東京准教授インタビュー(同上)
6 「子どもの甲状腺がんは、今―」(取材:青木泰氏)
いつものことですが、「週刊女性」頑張っていますね。10月11日発売だったと思うので、もうすぐ店頭か
らなくなるでしょう。皆さん、急いでゲットしましょう。税込390円です。
※昨日UPLANのインタビュー動画をご紹介した吉田千亜さんを始め、何人かのフリーライターの方が分担しての「大特集」のようです。編集部スタッフだけで作れる内容ではないでしょうから当然ですが。
(引用終わり)
 
 以上が、今日の昼休みまでの状況ですが、午後7時過ぎに最後の打合せが終わって事務所に1人残り、ようやく昼前にゲットした「週刊女性」の大特集を読める時間が持てました。10ページをじっくり熟読して正味40分かかりました。
 以下は、38頁から47頁に至る今回の大特集の[見出し]を中心とした内容と執筆者情報をご紹介するものです。
 
38頁・39頁
[見出し]
原発は今、どうなっているのか!
アンダーコントロールの嘘を暴く10P
なぜかよみがえる“安全神話
終わらないクライシス
再稼働の陰でうごめく新設計画
「多発」なのに検査縮小 子どもの甲状腺がん
原発新設の凍結を求めて国を提訴 函館市が異例の裁判を闘うワケ
[前文]
東日本大震災から5年8か月を迎えたが、原発事故からの避難者は、なおも8万9000人超。なぜ未
曾有の惨事となったのか。その責任はどこにあるのか。ひとたび大事故が起きたとき、私たちの安全や健康、暮らしを誰がどう守るのか―。その検証もないまま動かされ、また新たに建てられていく原発。「避
難解除」のもとで切り捨てられていく住民。なかったことにされていく「被害」の真相に迫る。
[内容]
前半:新潟県知事選挙と柏崎刈羽原発再稼働、もんじゅ等についての飯田哲也氏のコメント。
後半:Jパワー大間原発の建設差止訴訟を闘う函館市の工藤寿樹市長インタビュー
「福島事故を受けて、原発から半径30キロの自治体にまで拡大して避難計画の策定が義務付けられまし
た。(原発の稼働や停止に事前同意する)『同意権』も与えられていないのに、避難計画を作れというのはおかしな話。30キロ圏まで危ないというなら、立地自治体だけでなく当然、周辺自治体にも同意権が
必要でしょう」(工藤市長)
[取材]表示がないので、週刊女性原発」取材班か?
 
40頁・41頁
[見出し]
山口・上関
闘うおばあちゃんたちの34年
「祝の島」に原発はいらない―抗議活動で巨額請求も
脅しと暴行に抵抗 私たちの力で止める
[内容]
祝島周辺環境の紹介
13年~15年の漁業補償金受け取り強要問題
山口県知事による埋立免許更新問題
スラップ訴訟の勝訴的和解
[取材・文]山秋 真
ノンフィクションライター。神奈川県出身。石川県珠洲市山口県上関町と原発立地問題に揺れる町と人
々の姿を取材。近著に、『原発をつくらせない人びと―祝島から未来へ』岩波新書)がある。

42頁
[見出し]
「自治体と原発」を考えるインタビュー
保坂展人世田谷区長
事故発生。そのとき、住民を守れるのか―
原発事故からパーフェクトに住民を守る方法はない。それを学ぶべきです」
[内容]
衆院議員時代も原発問題を追及していたことから、「原発は安全と言ってきた議員よりも、考え方によっ
ては自分のほうが責任が重いのではないか」と考えていた・・・
[取材・文]渋井哲也
 
43頁・44頁
[見出し]
日常を取り戻せない原発避難者たち

楢葉町に続き飯舘村も避難解除。誰のための「帰還」なのか―
震災から5年半 戻らない“日常”
原発事故とお金で変貌するふるさと
[内容]
2015年9月に避難指示が解除された楢葉町の現状
避難者の「解除」についての想い
広野町の場合
囲み記事自主避難者への福島県の非常」⇒「自主避難者にとって唯一の経済支援だった借上住宅の無償提供が17年3月で打ち切られることが一昨年、福島県から発表された。いまだ住宅が決まらない避難者も多く、各都道府県も対応を始めた。そんな中、福島県は昨年11月、「住宅確保に必要な国への要請事
項」を自治体(注:各地道府県)から集めながら国に伝えていないことが取材で明らかになった。」
[取材・文]吉田千亜
フリーライター、編集者。東日本大震災後、福島第一原発事故による放射能汚染と向き合う母親たちや、
原発避難者への取材を精力的に続けている。近著に『ルポ 母子避難―消されゆく原発事故被害者』岩波新書


45頁
[見出し]
「復興」と帰還政策を考えるインタビュー
山下祐介首都大学東京准教授
原発事故の収束も総括もまだ。避難者は“怖いから帰れない”と言っていいんです」
避難解除。そのとき、住民に何が起きるのか―
[内容]
「帰れる前提が成り立ち、この原発で2度と事故は起きないと客観的に判断できる状況があれば、帰りた
い住民も増えるでしょう。それがないのに、帰れるというのは詭弁です。住民は、“事故を起こしたのは誰なんだ!”“ふるさとをこんなふうにしたのは誰だ!”“元通りの安全な場所にしろ”と言うべきです

「賠償問題よりも前に、帰るに帰れない状況を作り出した責任を国はきちんと認めること。廃炉までの長期的な展望をもって、復興政策を組み立てる覚悟をすることです。性急な解除ではなく、“いつか、やがて帰る”という長期政策・制度化によって復興すべきです。帰還政策を進め“事故はなかったことにする
”というのは、信頼再建どころか新たな信頼失墜にしかつながりません」
[取材・文]吉田千亜
 
46頁・47頁
[見出し] 
子どもの甲状腺がんは、今―
福島で多発!それなのに検査縮小の動きが出てくる「謎」
福島で子どもたちに何が起きているのか
母たちに衝撃!検査縮小の動き
[内容]
甲状腺がんの検査体制を縮小しようという動きについて「東京電力や国が今やっているのは、被害を極力
少なく見せようという、その場しのぎの対応にすぎない。水俣病をはじめとする公害問題で、日本の行政は事業者側に立ち、被害を拡大してきた誤りを再び繰り返そうとしている。縮小論の背後には、被ばく被害が注目されれば、「東京オリンピック開催に支障をきたす」から、これを避けたい。そのような思惑が
あるのではないか。そう筆者は感じざるをえない。」
[取材・文]青木 泰
環境ジャーナリスト。民間の技術研究所を経て現職。市民活動の現場から被ばく問題について情報発信を
行う。近著に『引き裂かれた「絆」―がれきトリック、環境省との攻防1000日』(鹿砦社
 


 昨年の安保関連法についても果敢な特集を組んだ女性週刊誌の雄(とは言わないか・・・)「週刊女性」の素晴らしい「大特集」です。
 表紙での扱いも、浦沢直樹さんの浮気スクープに次ぐビリングの2番手というのですから大したもの(?)です。
 女性週刊誌の読者は圧倒的に女性が多いでしょうから、このような記事が多くの女性に浸透していくことによる世論形成は非常に重要だと思います。
 また、今回の特集でも、優れたフリーのライター、ジャーナリストが協力してこそ充実した記事が集め
られたのですし、これらの皆さんに、執筆の場を提供するというのも、女性週刊誌の重要な役割なのだなと認識を新たにしました。
 このメルマガ(ブログ)を読んで「週刊女性」10月25日号を買いに走ってはたして入手できるかは分かりませんが、ネットからバックナンバーやデジタル版を入手する方法もあるでしょうから、是非1人でも多くの方にお読みいただきたく、ご紹介しました。