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wakaben6888のブログ

憲法を大事にし、音楽を愛し、原発を無くしたいと願う多くの人と繋がれるブログを目指します

マガジン9の「憲法24条を考える 自由な〈個人・結婚・家族〉のために」に注目しよう~改憲派はなぜ24条にこだわるのか?

憲法 人権
 今晩(2016年12月1日)配信した「メルマガ金原No.2647」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
マガジン9の「憲法24条を考える 自由な〈個人・結婚・家族〉のために」に注目しよう~改憲派はなぜ24条にこだわるのか?

 今年(2016年)もあと1月となった12月1日、月日の経つのは早いものでというありきたりの感慨をマクラに、さて今日のメルマガ(ブログ)で何を取り上げようか?と考えてみると、それなりに候補はいくつか思いつくのです。
 
〇猿田佐世・新外交イニシアティブ(ND)事務局長出版記念企画「新しい日米外交を切り拓く 沖縄・安保・原発TPP、多様な声をワシントンへ~過去・現在・そしてアメリカ大統領選挙を経て~」(11/26)の動画がNPJサイトにアップされています。

 とはいえ、猿田さんの著書『
』(集英社)、編著『アメリカは日本の原子力政策をどうみているか』(岩波ブックレット)を入手し、前者を読み始めたばかりなので、これを読み終え、動画もあらまし視聴した上で取り上げた方が良いのではないかと思ったりもします。


〇新任務を付与された陸上自衛隊南スーダンに派遣されましたが、この問題に関する国会での本格的な論戦の口火を切ったのが、今年の通常国会における志位和夫日本共産党委員長による衆議院本会議における代表質問(1月27日)と2月4日開催の予算委員会での質疑だったと思います。この質疑の模様については、2月5日のメルマガ(ブログ)で取り上げたのですが(国連PKOの変質を追及した志位和夫日本共産党委員長(1/27本会議&2/4予算委員会)、これを再配信してもよいかなと思っています。
 また、PKO協力法については直接取り上げられなかったとはいえ、2015年5月27日、28日の両日に行われた志位委員長による圧巻の質疑は、「戦地に派遣される自衛隊員を待ち受ける事態」がどういうものかを考える上で、絶対に見逃すことのできないものでした。あまりに感心した私は、「志位和夫日本共産党委員長による質疑を読み解くと題して、2日間の質疑と安倍首相ら政府側の答弁に注釈を加えるというシリーズを、メルマガ(ブログ)に6回にわたって連載したほどです。私の第2ブログに、この連載の全てにリンクをはった「まとめ」記事をアップしてありますので(志位和夫日本共産党委員長による安保法制特別委員会質疑(まとめ))、これも機会を見て、重要な部分を再配信しようかと思っています。
 
〇IR推進法をめぐる茶番(私の地元和歌山にもカジノ誘致のためにマカオ視察を広く推奨している衆議院議員がいます)も取り上げねばと思いますが、資料を集めるだけでもなかなか大変です。
 
 以上は、実現するかどうか確約のできない予告編でした。・・・という長い前置きの後にお送りする今日の話題は、「マガジン9」に、今年の1月から不定期に連載されているインタビュー・シリーズ「憲法24条を考える 自由な〈個人・結婚・家族〉のために」のご紹介です。
 これまで、斎藤美奈子さん、想田和弘さん、山口智美さん、打越さく良さん、谷口真由美さんが登場しています。
 シリーズを開始するにあたって、「マガジン9」編集部が掲げた企画意図は、以下のようなものでした。
 
「戦後「日本国憲法」によって、新しく保障されることになった「個」の尊重と男女平等。戦前の家父長制度にあった、家庭内の理不尽な序列や差別も、憲法上否定され、それに伴い多くの民法が変わりました。女性が自己決定できる立場になり、個人として財産や親権、選挙権を持てるなど、真の人権を得たのは、それ以来のことです。
しかし、自民党改憲草案は、これらを保障する条文のひとつ、憲法24条の改訂も視野に入れています。私たちは、「平和」「自由」そして、「権利」は、あるのが当たり前として生きてきましたが、それらが当たり前でなくなったらどうなるのか?この「憲法24条を考える」シリーズでは、改憲の動きについて、憲法24条はいかにして生まれたのかについて、また旧憲法下の実体験などを知ることを通じて、身近なテーマである「結婚」「家族」と憲法、そして個人や国家との関係について考えます。」
 
 私は、参院選の前頃から再び自民党改憲案をテーマとした学習会の講師を頼まれる機会が増え、たまたま入手した「美しい日本の憲法をつくる国民の会」の大判チラシなどをつらつら眺めた結果、彼らが改憲を目指す三大テーマが、今や「9条」、「緊急事態条項」、そして「24条」なのだということに否応なく気がつかされました。
 試みに、私の手元にある「世界は変わった。日本の憲法は・・・」というタイトルのチラシには、その1/4のスペース(「9条」や「緊急事態条項」と同じだけのスペース)を割いて、以下のような主張を掲げています。少し引用してみましょう。
 
(引用開始)
大切な家族の絆を守ろう
家族保護の規定の導入を!
社会の基礎となる家族を守るために、
国家が責任を持って家族保護政策を推進できる規定を憲法に!

日本の憲法には、家族の保護についての規定が一切ありません。家族については、近年、家族の絆の弱体化、家族崩壊ともいうべき現象が社会問題化しており、家庭・家族関係は「静かな有事」といってよい段階になっています。
「家族の絆」に迫る危機の兆候
家庭での子どもに対する虐待事件の急激な増加
親族同士の殺人が5割を超えている
日本以外の各国は、憲法に家族保護の規定を明記し、国家機関を設けて家族政策に取組んでいます。

欧州主要国は、各国とも憲法の規定に基づく国家機関を設け、政府が責任をもって手厚い財政支出とともに家族保護政策を推進しています。
現在の日本には、そもそも家族政策という考え方がなく、家族の保護政策に責任を持つ政府機関もありません。いま、憲法に家族保護の規定を設け、国家が責任をもって家族保護に取り組むことを明確にする必要があるのではないでしょうか。
日本の家族関係社会支出の規模はわずか0.75%(各国の家族関係社会支出の対GDP比)
(引用終わり)
 
 憲法について何も考えたことのなかった人が、何かの拍子に「憲法おしゃべりカフェ」に誘い込まれ、まことしやかにこういう説を吹き込まれたら、「それはいいことだ」と思うでしょうね。
 それにしても、「日本の家族関係社会支出の規模」が欧米に比べて著しく少ないという棒グラフまで掲げる図々しさには呆れます。仮にその数字が正しいとしても、それは国(大半の期間は自民党が政権与党だった)の社会政策の貧しさの結果であって、憲法は関係ないでしょう。・・・ということに自分で気がつく人ばかりではないと思わねばならず、その意味でも、「9条」や「緊急事態条項」と並んで、「24条」に注目する必要は非常に大きいと思います。
 
 そこで、是非多くの人に読んで欲しいマガジン9の「憲法24条を考える 自由な〈個人・結婚・家族〉のために」。これまで、以下のようなテーマでインタビューが行われています。
 
2016年1月20日 UP
斎藤美奈子さんに聞く(その1)
24条改憲案にある「家族は、互いに助け合わなければならない」の真意は?
 

「確かなジェンダー視点に定評のある文芸評論家で、鋭い時事エッセイでも人気の斎藤美奈子さんは、2012年に発表された『自民党改憲草案』の中でも、24条の改憲案に危機感を持って注目しているひとり。そこで斎藤さんにじっくり聞いてみた。「何が問題?」「どこがおかしい?」と。――「そもそも憲法24条って、何だっけ?」なんていう方こそ、ぜひご注目!」
 
2016年2月3日 UP
斎藤美奈子さんに聞く(その2)
復古主義に、女性の使い倒し。個の権利がこのままでは危ない!?

「現行の日本国憲法では、婚姻についての基本的な考え方と両性の平等を示す、憲法24条。それは、改憲を進めようとしている自民党が手始めに変えたいもののひとつと言われている。
 なぜここから?なにが変えられようとしてる?という疑問を、文芸評論家の斎藤美奈子さんに聞くインタビュー、待望の2回目。前回は、2012年に自民党が発表した改憲草案(以下「自民草案」)で24条の冒頭に加えられた「家族条項」にフォーカスし、一見穏当に見えるこの一文に隠された「国に従うシステムの強化」というねらいが指摘された。しかし、この改憲の狙いは他にもある、と斎藤さん。それって何だか、聞いてみよう。 」
 
2016年5月18日 UP
想田和弘さんに聞く(その1)
結婚観や家族観は人それぞれ。その「違い」を認めよう

「昨年末に最高裁が出した、民法に定める「夫婦同姓」の強制は合憲である、との判断には、夫婦別姓という選択肢を求める多くの人から批判と失望の声があがった。結婚以来、ずっと別姓を通しているという映画監督の想田和弘さんもそのおひとり。24条の「生みの親」であるベアテ・シロタ・ゴードンさんに生前、インタビューした経験もある想田さんに、ご自身の考える「家族」や「結婚」について、そして自民党の24条改憲案について聞いてみた。前編はまず、ベアテさんの思い出とともに、想田さんが結婚したときのエピソードやその思いから──。」
 
2016年5月25日 UP
想田和弘さんに聞く(その2)
憲法は、多様な価値観や生き方を守るためにあるもの

「「家族は、互いに助け合わなくてはならない」と定める自民党の24条改憲案。それだけ聞けば、たしかに「いいこと」のようだけれど…。それを憲法に書き込むことのおかしさについて、そして危険性について、想田監督とともに考えてみた。」

2016年7月6日 UP 
山口智美さんに聞く(その1)
知ってる?右派と自民党が目指す改憲の最重要項目は、「憲法24条」!

「赤い袈裟を着た坊主のアイコンが印象的なツイッターアカウントをご存知ですか?発信者は、米国北部のモンタナ州立大学で教鞭をとる、山口智美さん。日本で起きているジェンダー周りの不可思議な動きや、アメリカまで進出(?)しようとする右派・歴史修正主義者たちの動向を捉えた鋭い発信や著作で注目を集めています。山口さんの専門は文化人類学フェミニズム。調査の中で右派の人たちのありように直接触れてきた経験から、今、強く警告しています。
自民党が中心となって進めている改憲では、『24条』が実は、たいへん重要視されています。特にこの24条に『家族条項』を加えることは、右派にとって、とても大きな意味を持つからです」
 知られざるその実態、ぜひ教えてください!」
 
2016年7月13日 UP
山口智美さんに聞く(その2)
日本会議などの右派が、こだわる「家」のかたち。彼らの目指す「日本」とは?

「前回は、24条の改変が、いかに右派から重視されているか、その問題点は何か?という観点から、モンタナ州立大学准教授の山口智美さんにお話をうかがいました。ここで浮かび上がってきた疑問があります。なぜそんなにも改憲を進める右派の人たちは、「家族の助け合い」「縦の関係」にこだわりを見せるのでしょうか?右派のフィールドワークを重ねてきた山口さんに、活動を支える草の根の人々の実態や共通する考え方についてたずねてみました。」
 
2016年8月24日 UP
打越さく良さんに聞く(その1)
「選択的夫婦別姓」はなぜ今もって認められないのか? ——別姓訴訟と24条

「昨年末12月16日、「選択的夫婦別姓」を求める声が広がる中、女性たちが起こした裁判に対し最高裁大法廷は〈「夫婦は…夫または妻の氏を称する」と夫婦同姓を定めて別姓を選択することを認めない民法750条は「憲法に違反しない」〉という判決を出しました。
 「個人の尊重」や、「婚姻の自由」を保障し、婚姻などの法律は「両性の本質的平等に立脚して制定」と定めた日本国憲法の下で、なぜ多くの人びとが求める「選択的夫婦別姓」は認められないままなのでしょう? そして、選択的夫婦別姓を敵視し、憲法24条改憲を強く進めようとしている現政権や改憲勢力は、21世紀の日本を、どこへ向かわせようとしているのでしょうか? 
 先の裁判で、原告側弁護団の事務局長を務めた、弁護士の打越さく良さんに、今回の判決から考える「憲法24条の危機」について、うかがいました。」
 
2016年8月31日 UP
打越さく良さんに聞く(その2)
家族内の個人の自由と尊厳を守る。そんな24条が、平和な社会を支える

「前半では「選択的夫婦別姓」の実現を阻んだ、昨年末の最高裁大法廷判決をふりかえりながら、それまでの道のり、そして判決への疑問などを、同裁判の原告弁護団事務局長・打越さく良弁護士に詳しくうかがいました。憲法24条に対しての違憲性が問われたこの裁判からは、個人の尊厳をめぐる日本の現実がいろいろと見えてきます。この裁判と24条改憲との関連、そして問題点を、後半では、さらに掘り下げてうかがいましょう。」
 
2016年11月23日 UP
谷口真由美さんに聞く(その1)
人々を家制度から解放した憲法24条は「押しつけ」ではなく「ギフト」

「今年6月、『憲法って、どこにあるの?』と題した著書を出版された、法学者にして「全日本おばちゃん党」代表代行の谷口真由美さんは、法学を学んでいた大学生の頃、ベアテ・シロタさんが書かれた24条の原案と出会い、震えるほど感動したそうです。24条がどのようにして書かれたのか、またそれを変えようとしている自民党が掲げる改憲草案の目指す方向性とはどういうものなのか、もし本当にそれが実現したら何が変わるのか、お話をうかがいました。」
 
2016年11月30日 UP
谷口真由美さんに聞く(その2)
「家族は助け合わなくてはならない」自民党の24条改憲案は「オッサンのファンタジー」?

「今年6月、『憲法って、どこにあるの?』と題した著書を出版された、法学者にして「全日本おばちゃん党」代表代行の谷口真由美さん。前回、24条は「押しつけ」ではなく、むしろ「ギフト」とのお話でしたが、一方、今出されている自民党改憲草案の24条については「オッサンのファンタジー」だと指摘します。こうした改憲がもし実現したらどんな心配があるのか、そして、そうさせないために何をしていくべきかを考えます。」