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wakaben6888のブログ

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カジノ解禁推進法案の廃案を求める大阪弁護士会・会長声明(2016年12月12日)のご紹介~付・2014年10月の和歌山弁護士会・会長声明

 今晩(2016年12月13日)配信した「メルマガ金原No.2659」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
カジノ解禁推進法案の廃案を求める大阪弁護士会・会長声明(2016年12月12日)のご紹介~付・2014年10月の和歌山弁護士会・会長声明

 この稿を書き始めた2016年12月13日(火)午後7時時点では、参議院インターネット審議中継で「中継中」の内閣委員会をクリックしてみると、「-休憩-」という表示しか写っていませんでした。
 
 「自民党民進党の幹事長らは午後断続的に会談して、対応を協議していますが、法案を審議する参議院内閣委員会は民進党が委員長ポストを握っているため、自民党は委員会採決を省略して本会議で採決する「中間報告」という手段を検討しています。一方、民進党は、自民党が中間報告などの手段に出てきた場合には、強行的だとして、内閣不信任決議案を衆議院に提出して抵抗する方針です。」(TBSニュース/13日17:56)などというニュースに接すると、もしかすると安倍首相が「年末カジノ解散」に打って出るのではないかというあまりにもばかばかしい想像をたくましくせざるを得ない状況のようです。
 冷静に考えれば、15日のプーチン大統領を招いての山口県での日露首脳会談を控えながら「14日解散」はあり得ないでしょうけど(会期を再延長するという可能性もありますが)。
 
 ところで、自民党日本維新の会などがあくまで14日会期末でのカジノ推進法案の成立を目指す中、昨日(12月13日)、カジノ誘致について最も熱心な自治体の1つである大阪の弁護士会大阪弁護士会)が、法案の廃案を求める会長声明を発表しました。
 既に、日本弁護士連合会をはじめ、いくつかの弁護士会が反対の会長声明を発表していますが、さすがは立地地元候補(?)だけあり、「声明案」のとりまとめのための時間が少なかった割には、よく論点が整理されており、反対運動のための力になると思いますので、その全文をご紹介します。
 
「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案」(いわゆる「カジノ解禁推進法案」)の廃案を求める会長声明
(引用開始)
 2016年(平成28年)12月6日、「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案」(以下「カジノ解禁推進法案」という。)が衆議院本会議で可決され参議院に送られた。同年12月12日に参議院内閣委員会で参考人質疑等の審議を行い、会期末である同年12月14日の参議院本会議での法案の可決成立を目指す、との
報道がなされている。
 カジノ解禁推進法案は、2013年(平成25年)12月に国会に提出され実質的な議論が行われないまま一旦廃案となったが、2015年(平成27年)4月に再提出され1年半以上もの間全く審議されないでいた。ところが、本年11月30日、突如として審議入りし、わずか6時間弱の審議を経たのみで、同年12月6日に衆議院本会議
で可決されたものである。
 当会は、2014年(平成26年)6月、暴力団などの関与、犯罪の発生、風俗環境の悪化、青少年への悪影響、ギャンブル依存症患者の増加、経済的効果を上回る社会的コストの存在、多重債務問題再燃の危険性など
を理由に、カジノ解禁推進法案の廃案を求める会長声明を公表した。
 その後も、カジノ解禁の問題点について議論するシンポジウムなどを開催した。そこでは、諸外国のカジノ事情の調査結果などを踏まえて、ギャンブル依存症の拡大への懸念はもちろんのこと、カジノ設置が決して期待されるような経済効果をもたらすものではなく、かえって地域経済への回復しがたいダメージ
を与える懸念が大きいことなどの問題点が指摘された。
 加えて、カジノはマネーロンダリングの温床になる可能性が高く、かかる観点からも、カジノ解禁には
慎重であるべきである。
 この間、各種世論調査では、カジノ解禁に反対あるいは慎重との意見が賛成意見を圧倒する結果が示さ
れており、新聞各紙も揃ってカジノ解禁に疑問を呈する社説を掲げている。
 カジノ解禁推進法案は、カジノ解禁に伴う上記の問題点を解消するものとは全くなっておらず、また、弊害に対応した対策をとる旨の附帯決議がなされたものの、いまだいかなる対策が講じられるかについての方向性すら検討されていない。また、衆議院における審議経過に鑑みても、人々の懸念に真摯に応える
ものにはなっていない。
 加えて、カジノ解禁推進法案は、我が国では近代法制定以前から厳禁され、刑罰の対象とされてきた賭博行為を、特定の場所、特定の者に限定して非犯罪化するものであり、また、史上初めて民間賭博を公認するという、我が国の刑事司法政策に極めて重大な変更をもたらすものであり、この点からも慎重な審議を要する。しかし、衆議院におけるカジノ解禁推進法案の審議過程は、あまりに短時間かつ内容に乏しく
、拙速にすぎるものである。
 よって、当会は、カジノ解禁推進法案の衆議院での可決に強く抗議するとともに、その廃案を求める。
 
                          2016年(平成28年)12月12日
                            大阪弁護士会      
                            会長 山 口 健 一
 
(引用終わり)
 
 上記大阪弁護士会の会長声明にも記述があるとおり、同会としてカジノ解禁推進法案に反対する会長声明を出すのはこれが2回目です。
 
 
 そして、この2014年には、多くの弁護士会がカジノ解禁推進法案に反対する会長声明を発出しましたが、いまや大阪とデッドヒートを繰り広げて「カジノ一番乗り」を目指していると揶揄されるまでになった(?)立地地元候補和歌山県弁護士会(和歌山弁護士会)も、同じく2014年に以下のような会長声明を発し、カジノ解禁には絶対反対であることを明確にしていますので、今回の急場には会長声明が間に合わなかった(かどうかは未確認ですが)けれど、既に2年前に和歌山弁護士会としての意見を表明しているということを知っていただくため、以下に全文引用します。
 
「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案」(いわゆる「カジノ解禁推進法案」)に反対する会長声明
(引用開始)
                    
2014年(平成26年)10月10日
                      和歌山弁護士会
                      会長 小野原 聡史
 
 昨年12月、国際観光産業振興議員連盟(通称「IR議連」)に所属する議員によって国会に提出された「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案」(以下「本法案」という。)が、先の通常国会で審議入りし、IR議連は今秋の臨時国会で成立を目指すとの報道がされている。
 本法案は、カジノを含む統合型リゾート(Integrated Resort(IR))の設置を推進することが、観光
及び地域経済の振興に寄与するとともに、財政の改善に結びつくとして、現在、刑法上は賭博罪に該当することとなるカジノについて、一定の条件の下で合法化するものである。
 
 しかしながら、本法案には、以下に述べるとおり、多くの問題点がある。
 
経済効果への疑問
 本法案に期待される経済効果については十分な検証により評価される必要があるが、経済効果のプラス面のみが喧伝され、マイナス面を含めた客観的な検証がほとんどなされていない。
 
民間事業者がカジノを設置、運営することの問題
 本法案は、民間事業者がカジノを設置、運営することを前提としているが、既に公認されている公営ギャンブルと異なり、不正行為の防止や運営に伴う有害な影響の排除措置等は何ら具体的でなく、公共の信頼を担保することは困難といわざるをえない。
 
暴力団の関与及びマネー・ロンダリングの問題
 暴力団が新たな資金源としてカジノの関与に強い意欲を持つことは容易に想定されるところ、カジノの設置は、近時、官民一体となり活動してきた暴排運動に逆行し、暴力団に新たな資金源確保の機会を与えることになりかねない。また、カジノがマネー・ロンダリングに利用される可能性も否定できない。
 
ギャンブル依存症の拡大、多重債務問題及び青少年への悪影響
 2013年の厚生労働省の調査によれば、我が国のギャンブル依存症発症率は世界各国と比べて極めて高い状況にある。また、ギャンブルは多重債務問題の要因の一つに挙げられる。このような状況でカジノ
を解禁すれば、ギャンブル依存症患者が拡大し、また、多重債務者が増加するおそれがある。
 さらに、本法案におけるIR方式は、家族が観光で出かける場にカジノが存在することとなり、青少年
が賭博に対する抵抗感を喪失したまま成長することになりかねず、青少年の健全な育成に悪影響を及ぼすおそれがある。
 
 以上のとおり多くの問題点があるが、本法案は、これらの弊害除去のための具体的な対策を示さないまま、カジノ合法化という結論を先取りしている。このような状況で、刑法上「賭博」となるカジノについて合法化できるような正当理由は認められない。
 したがって、当会は、本法案に反対するものである。
(引用終わり)
 
(弁護士・金原徹雄のブログから)
2016年12月8日
カジノ推進法案をめぐる和歌山の現状と読売新聞による徹底批判
 
(追記)
 要するに民進党の腰がくだけて明日(14日)成立だそうです。
NHKニュースWEB 12月13日 19時58分
カジノ含むIR法案 参院内閣委で可決 あす成立へ
(抜粋引用開始)
カジノを含むIR=統合型リゾート施設の整備を推進する法案は、ギャンブル依存症の対策を明示することなどを盛り込む修正を行ったうえで、13日夜、参議院内閣委員会で、採決が行われ、自民党日本維新の会などの賛成多数で可決されました。法案は14日の参議院本会議で可決されたあと、衆議院本会議で、改めて採決され、可決・成立する見通しです。
カジノを含むIR=統合型リゾート施設の整備を推進する法案をめぐっては、自民党民進党参議院幹事長らが断続的に協議し、自民党が、これまでの審議で、民進党などから出された指摘を踏まえ、ギャンブル依存症の対策を明示することなどを盛り込む法案の修正を行う方針を伝え、理解を求めました。
これを受けて、13日夜、参議院内閣委員会の理事会が開かれ、自民党が法案を修正する考えを正式に示したうえで、13日中に採決を行いたいと提案し、民進党も、これに応じる考えを示しました。
(略)
討論に続いて採決が行われ、カジノを含む統合型リゾート施設の整備推進法案は、修正のうえ自民党日本維新の会などの賛成多数で可決されました。
自主投票を決めている公明党は1人が賛成、1人が反対しました。
このあと、依存症を予防するため、カジノに厳格な入場規制を導入することや、依存症の患者への対策を抜本的に強化することなどを政府に求める付帯決議が、自民・公明両党や日本維新の会などの賛成多数で可決されました。
法案は14日の参議院本会議で可決されたあと、衆議院本会議で、改めて採決され、可決・成立する見通しです。
(略)
民進「採決応じざるをえなかった」
野党側の筆頭理事を務める、民進党相原久美子参議院議員は、記者団に対し、「十分な審議をずっと求めてきたが、あすが閉会日という予定の中で、採決に応じざるをえなかったので、じくじたる思いがある。しっかりと衆議院で審議してもらいたい」と述べました。
(略)
(引用終わり)