読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

wakaben6888のブログ

憲法を大事にし、音楽を愛し、原発を無くしたいと願う多くの人と繋がれるブログを目指します

沖縄で起こっている異常な事態~山城博治さんの長期身柄拘束と接見禁止

 今晩(2017年1月14日)配信した「メルマガ金原No.2691」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
沖縄で起こっている異常な事態~山城博治さんの長期身柄拘束と接見禁止

 昨年10月以来、沖縄平和運動センター議長の山城博治(やましろひろじ)さんが、再三にわたって不当に逮捕・勾留・起訴されていること、そして、起訴後も保釈が認められず、弁護士以外との接見も禁止されたままという異常な状況に心を痛め、何とかしなければと考えている方が多いことと思います。
 けれども、大手メディアが大きく取り上げることをしないため、十分な情報を得られず、基本的な事実の経過すら判然としないという方が大半かもしれません。であるならば、インターネットで集められる情報の内主要なものを整理してご紹介するだけでも、何ほどかの役には立てるかもしれないと考え、この情報のコラージュを届けすることにしました。
 まずは、沖縄の地元2紙の報道などを基に、事実経過を振り返っておきましょう。
 
2016年10月17日(月)
器物損壊で逮捕
沖縄タイムス+プラス(2016年10月18日 07:39) 
「市民運動リーダー逮捕、有刺鉄線2本切った疑い 高江ヘリパッドに反対」

(引用開始)
 
沖縄県東村高江周辺の米軍北部訓練場内に設置された有刺鉄線を切断したとして、県警は17日、沖縄平和運動センターの山城博治議長(64)を器物損壊の疑いで現行犯逮捕した。調べに対し、黙秘しているという。
 県警によると、山城議長は17日午後3時半ごろ、北部訓練場内で、ヘリパッド建設工事現場への進入を防ぐために設置されたフェンスの上に張られた有刺鉄線2本を、ペンチのようなもので切って壊した疑いがある。発生現場は、同訓練場メインゲートから北東に約1・8キロ離れた地点で、フェンスは沖縄防衛局が設置した。
 当時、現場周辺には山城議長のほかに十数人の市民らがいたため、防衛局職員が山城議長らに対し、訓練場内からの退去を要求。山城議長が鉄線を切ったのを防衛局職員が目撃し、県警に通報した。
 通報を受けて、訓練場内に駆け付けた捜査員らが山城議長を追跡し、県道70号に出たところで逮捕した。
 県警は「米軍の同意があれば基地内でも逮捕できる」とし、基地外で逮捕したのは「現場は足場も悪く、混乱を避けるために県道上で逮捕した」と説明した。
 9月22日からヘリパッド建設工事に反対する市民らが同訓練場内に入って抗議活動を始めて以降、逮捕者は2人目になる。
(引用終わり)
 
2016年10月20日(木)
傷害及び公務執行妨害で再逮捕
沖縄タイムス+プラス(2016年10月21日 09:38)
「山城議長を再逮捕 公務執行妨害・傷害容疑で」

(抜粋引用開始)
 
東村高江の米軍北部訓練場工事用道路で侵入防止フェンスを設置していた沖縄防衛局職員(42)に暴行を加えたとして、県警警備1課は20日、沖縄平和運動センターの山城博治議長(64)と神奈川県の牧師の男性(31)を公務執行妨害と傷害の容疑で逮捕した。
 逮捕容疑は8月25日、通称「N1裏地区」で工事現場への侵入防止フェンスを設置していた男性職員の腕を強くつかみ、肩をつかんで激しく揺さぶる行為などで頸椎(けいつい)捻挫と右腕打撲のけがを負わせた疑い。県警は2人の認否を明らかにしていない。
 山城議長は17日に器物損壊容疑で逮捕された。弁護人によると、検察は20日、同容疑で身柄を引き続き拘束する勾留請求をし、那覇簡裁は却下したが、那覇地裁が勾留を認めた。20日夜に山城議長と接見した三宅俊司弁護士は「警察は一般的に勾留満期で再逮捕する。今回は請求が却下されると見越して再逮捕したのだろう。(反対運動の中心人物を)何が何でも拘束したいのは明らか。極めて悪質な手段で、住民弾圧だ」と批判した。
(引用終わり)
 
2016年11月9日(水)
勾留理由開示手続(那覇簡易裁判所・上原宏光裁判官)が開かれる。
琉球新報(2016年11月10日 11:32)
「山城氏「大衆運動への弾圧」  勾留理由開示で捜査を批判」

(抜粋引用開始)
 山城議長は「もし傷害があったとしたなら、私たちの望むところではない。心からおわびしたい」とした。
 一方、「7月22日に多数の機動隊が私たちに襲いかかった事態を明らかにせず、私たちを毎日捜査するのは沖縄の抵抗、大衆運動に対する弾圧だ」と批判した。
(引用終わり)
 
2016年11月11日(金)
山城博治氏と神奈川県の牧師を傷害、公務執行妨害で起訴。山城氏については器物損壊でも起訴。
琉球新報(2016年11月12日 11:55)
「弁護士「運動弾圧だ」 山城議長ら2人起訴 北部ヘリパッド」

(抜粋引用開始)
 
那覇地検は11日、米軍北部訓練場のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)の工事用道路上で、沖縄防衛局の職員に揺さぶるなどの暴行を加えてけがを負わせ、公務を妨害したとして逮捕・送検された沖縄平和運動センターの山城博治議長(64)を、傷害と公務執行妨害の罪で起訴した。米軍提供区域内で防衛局が設置した有刺鉄線を切断したとして、器物損壊の罪でも起訴した。ヘリパッド建設工事に反対する抗議運動のリーダーとして活動していた山城議長が起訴されたことを受け、弁護士から「政府が抗議運動の萎縮を狙ったものだ」との声が上がった。
 ヘリパッド建設への抗議活動中の逮捕者の中で、起訴されたのは山城議長で2人目。山城議長と共謀したとして、神奈川県の牧師の男性(31)も、傷害と公務執行妨害の罪で起訴した。地検は2人の認否を明らかにしていない。
(略)
 山城議長の弁護人を務める金高望弁護士は「必要性のない不当な起訴であり、現場の運動に対する弾圧だ」とコメントした。保釈請求する方針も示した。
(引用終わり)
 
2016年11月29日(火)
山城博治氏ら4人を威力業務妨害で再逮捕
琉球新報(2016年10月21日 09:38)
「威力業務妨害容疑 4人逮捕 県警、辺野古新基地建設で」

(抜粋引用開始)
 
県警警備一課と名護署は29日、名護市辺野古の米軍キャンプシュワブゲート前で、コンクリート製ブロックを積み上げて工事車両の進入を阻み、威力をもって沖縄防衛局の業務を妨害したとして、威力業務妨害の疑いで沖縄平和運動センターの山城博治議長(64)を含む計4人を逮捕した。県警は捜査に支障を来すとして、それぞれの認否を明らかにしていない。
 逮捕されたのは山城議長、職業不詳男性(66)=宜野座村、職業不詳男性(59)=名護市、職業不詳男性(40)=名護市。逮捕容疑は今年1月28日午後2時5分ごろから同30日午前8時41分ごろにかけて、米軍キャンプシュワブゲート前の路上にコンクリート製ブロック1400個余りを積み上げ、工事関係車両の搬入と沖縄防衛局の業務を妨害した疑い。
(略)
(引用終わり)
 
2016年12月12日(月)
威力業務妨害についての勾留理由開示手続(那覇簡易裁判所)が開かれる。
琉球新報(2016年12月13日 11:00)
「「運動への圧力」山城議長が陳述 那覇簡裁で開示手続き」

(引用開始)
 
名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前でコンクリート製ブロックを積み上げて沖縄防衛局などの業務を妨害したとして、威力業務妨害容疑で逮捕された沖縄平和運動センターの山城博治議長ら4人の勾留理由開示手続きが12日、那覇簡裁で行われた。
 山城議長は意見陳述で「(発生から)10カ月も経過した事案であり、政治的な捜査であることを勘ぐってしまう。運動への圧力ではないか」と述べた。
(引用終わり)
 
2016年12月20日(火)
威力業務妨害で起訴
※報道記事は見つかりませんでしたが、12月28日付で発表された刑法研究者による緊急声明に「さらに山城氏は、③11月29日、名護市辺野古の新基地建設事業に対する威力業務妨害の疑いでまたしても逮捕され、12月20日、追起訴された。」とあります。
 
2016年12月26日(月)
名護署から拘置所に移監
※1月12日の記者会見前の照屋寛徳衆議院議員による報告で明らかに(照屋議員は弁護士資格があるので接見できます)。
 
 以上の経過を整理すると以下のとおりです。
 
2016年10月17日 第1回逮捕 
罪名 器物損壊(現行犯逮捕)
被疑事実 2016年10月17日、東村(ひがしそん)高江周辺の米軍北部訓練場内で、ヘリパッド建設工事現場への進入を防ぐために設置されたフェンスの上に張られた有刺鉄線をペンチのようなもので切ったとの疑い。
 
2016年10月20日 第2回逮捕
罪名 傷害、公務執行妨害
被疑事実 2016年8月25日、通称「N1裏地区」で工事現場への侵入防止フェンスを設置していた沖縄防衛局の男性職員の腕を強くつかみ、肩をつかんで激しく揺さぶる行為などで頸椎(けいつい)捻挫と右腕打撲のけがを負わせ、公務の執行を妨害したとの疑い。
 
2016年11月11日 第1回起訴
罪名 傷害、公務執行妨害、器物損壊
 
2016年11月29日 第3回逮捕
罪名 威力業務妨害
被疑事実 2016年1月28日午後2時5分ごろから同30日午前8時41分ごろにかけて、米軍キャンプシュワブゲート前の路上にコンクリート製ブロック1400個余りを積み上げ、工事関係車両の搬入と沖縄防衛局の業務を妨害した疑い。
 
2016年12月20日 第2回起訴
罪名 威力業務妨害
 
 この間、弁護団としては、2回の勾留理由開示請求の他、保釈請求却下に対する準抗告、接見禁止決定に対する準抗告、特別抗告など、あらゆる手段で山城さんの身柄を取り戻すべく努力しているようですが、いまもって接見禁止が付いたままの勾留が続くという異常事態となっています。
 
 それにしても、弁護士の目から以上の経過を見ると、10月20日の傷害と公務執行妨害による2回目の逮捕が、「あたゆる手段を使って反対派のリーダーを高江の現場から引きはがす」という権力の意思が明確になった分水嶺であるように思えます。三宅俊司弁護士もコメントしているとおり、「何が何でも拘束したいのは明らか」ですから。
 
 その後の経過の問題点については、12月28日に公表された刑事法研究者による緊急声明に詳しく述べられていますので、是非お読みください。
 前田朗東京造形大学教授のブログに掲載された声明を全文紹介します。
 
(引用開始)
プレスリリース「山城博治氏の釈放を求める刑事法研究者の緊急声明」について 016.12.28
 日本政府は、民主的に表明される沖縄の民意を国の力で踏みにじっておきながら、日本は法治国家であると豪語する。法律を学び、教える者として無力感におそわれる。まことに残念ながら刑事司法もこれに追随し、非暴力平和の抗議行動を刑法で抑え込もうとしている。平和を守ることが罪になるのは戦時治安法制の特徴である。しかし、今ならば引き返して「法」をとり戻すことができるかもしれないので、刑事法学の観点から、山城氏の逮捕・勾留こそが違法であり、公訴を取消し、山城氏を解放すべきであることを説明する必要があった。
 10日前に海外識者らの「山城博治氏らの釈放を求める声明」が発表され、その後、沖縄県内の二紙が、勾留中の山城氏の「県民団結で苦境打開を」「未来は私たちのもの」とする声を伝えた。日本の刑事法研究者としても、刑事司法の側に不正がある、と直ちに応じておかねばならないと考え、別紙のとおり、「山城博治氏の釈放を求める刑事法研究者の緊急声明」(2016.12.28)を発表する。

呼びかけ人(50音順) 
春日勉(神戸学院大学教授)、中野正剛沖縄国際大学教授)、本庄武(一橋大学教授)、前田朗東京造形大学教授)、森川恭剛(琉球大学教授)

賛同人(50音順) 
足立昌勝(関東学院大学名誉教授)、雨宮敬博(宮崎産業経営大学准教授)、石塚伸一龍谷大学教授)、稲田朗子(高知大学准教授)、内田博文(神戸学院大学教授)、内山真由美(佐賀大学准教授)、梅崎進哉(西南学院大学教授)、大場史朗(大阪経済法科大学准教授)、大藪志保子(久留米大学准教授)、岡田行雄(熊本大学教授)、岡本洋一(熊本大学准教授)、垣花豊順(琉球大学名誉教授)、金尚均龍谷大学教授)、葛野尋之一橋大学教授)、黒川亨子(宇都宮大学講師)、斉藤豊治(甲南大学名誉教授)、櫻庭総(山口大学准教授)、佐々木光明(神戸学院大学教授)、笹倉香奈(甲南大学教授)、島岡まな(大阪大学教授)、鈴木博康(九州国際大学教授)、陶山二郎(茨城大学准教授)、関哲夫(國學院大学教授)、高倉新喜(山形大学教授)、寺中誠(東京経済大学非常勤講師)、豊崎七絵(九州大学教授)、新倉修(青山学院大学教授)、新村繁文(福島大学特任教授)、平井佐和子(西南学院大学准教授)、平川宗信名古屋大学名誉教授)、福井厚(京都女子大学教授)、福島至(龍谷大学教授)、福永俊輔(西南学院大学准教授)、保条成宏(福岡教育大学教授)、本田稔(立命館大学教授)、前野育三(関西学院大学名誉教授)、松宮孝明立命館大学教授)、松本英俊(駒澤大学教授)、三島聡(大阪市立大学教授)、水谷規男(大阪大学教授)、宮本弘典(関東学院大学教授)、宗岡嗣郎(久留米大学教授)、村井敏邦大阪学院大学教授)、村田和宏(立正大学准教授)、森尾亮(久留米大学教授)、矢野恵美(琉球大学教授)、吉弘光男(久留米大学教授)他4人
以上 56人(2017/01/05現在)

以上 41人(12月28日13:00 第1回集約)
(注) 引き続き賛同を呼びかけ、2017年1月中旬に次回集約の予定。

           山城博治氏の釈放を求める刑事法研究者の緊急声明
 
 沖縄平和運動センターの山城博治議長(64)が、70日間を超えて勾留されている。山城氏は次々に3度逮捕され、起訴された。接見禁止の処分に付され、家族との面会も許されていない山城氏は、弁護士を通して地元2紙の取材に応じ、「翁長県政、全県民が苦境に立たされている」「多くの仲間たちが全力を尽くして阻止行動を行ってきましたが、言い知れない悲しみと無慈悲にも力で抑え込んできた政治権力の暴力に満身の怒りを禁じ得ません」と述べる(沖縄タイムス2016年12月22日、琉球新報同24日)。この長期勾留は、正当な理由のない拘禁であり(憲法34条違反)、速やかに釈放されねばならない。以下にその理由を述べる。
 山城氏は、①2016年10月17日、米軍北部訓練場のオスプレイ訓練用ヘリパッド建設に対する抗議行動中、沖縄防衛局職員の設置する侵入防止用フェンス上に張られた有刺鉄線一本を切ったとされ、準現行犯逮捕された。同月20日午後、那覇簡裁は、那覇地検の勾留請求を却下するが、地検が準抗告し、同日夜、那覇地裁が勾留を決定した。これに先立ち、②同日午後4時頃、沖縄県警は、沖縄防衛局職員に対する公務執行妨害と傷害の疑いで逮捕状を執行し、山城氏を再逮捕した。11月11日、山城氏は①と②の件で起訴され、翌12日、保釈請求が却下された(準抗告も棄却、また接見禁止決定に対する準抗告、特別抗告も棄却)。さらに山城氏は、③11月29日、名護市辺野古の新基地建設事業に対する威力業務妨害の疑いでまたしても逮捕され、12月20日、追起訴された。
 山城氏は、以上の3件で「罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由」(犯罪の嫌疑)と「罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由」があるとされて勾留されている(刑訴法60条)。
 しかし、まず、犯罪の嫌疑についていえば、以上の3件が、辺野古新基地建設断念とオスプレイ配備撤回を掲げたいわゆる「オール沖縄」の民意を表明する政治的表現行為として行われたことは明らかであり、このような憲法上の権利行為に「罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由」があるのは、その権利性を上回る優越的利益の侵害が認められた場合だけである。政治的表現行為の自由は、最大限尊重されなければならない。いずれの事件も抗議行動を阻止しようとする機動隊等との衝突で偶発的、不可避的に発生した可能性が高く、違法性の程度の極めて低いものばかりである。すなわち、①で切断されたのは価額2,000円相当の有刺鉄線1本であるにすぎない。②は、沖縄防衛局職員が、山城氏らに腕や肩をつかまれて揺さぶられるなどしたことで、右上肢打撲を負ったとして被害を届け出たものであり、任意の事情聴取を優先すべき軽微な事案である。そして③は、10か月も前のことであるが、1月下旬にキャンプ・シュワブのゲート前路上で、工事車両の進入を阻止するために、座り込んでは機動隊員に強制排除されていた非暴力の市民らが、座り込む代わりにコンクリートブロックを積み上げたのであり、車両進入の度にこれも難なく撤去されていた。実に機動隊が配備されたことで、沖縄防衛局の基地建設事業は推進されていたのである。つまり山城氏のしたことは、犯罪であると疑ってかかり、身体拘束できるような行為ではなかったのである。
 百歩譲り、仮に嫌疑を認めたとしても、次に、情状事実は罪証隠滅の対象には含まれない、と考えるのが刑事訴訟法学の有力説である。②の件を除けば、山城氏はあえて事実自体を争おうとはしないだろう。しかも現在の山城氏は起訴後の勾留の状態にある。検察は公判維持のために必要な捜査を終えている。被告人の身体拘束は、裁判所への出頭を確保するための例外中の例外の手段でなければならない。もはや罪証隠滅のおそれを認めることはできない。以上の通り、山城氏を勾留する相当の理由は認められない。
 法的に理由のない勾留は違法である。その上で付言すれば、自由刑の科されることの想定できない事案で、そもそも未決拘禁などすべきではない。また、山城氏は健康上の問題を抱えており、身体拘束の継続によって回復不可能な不利益を被るおそれがある。しかも犯罪の嫌疑ありとされたのは憲法上の権利行為であり、勾留の処分は萎縮効果をもつ。したがって比例原則に照らし、山城氏の70日間を超える勾留は相当ではない。以上に鑑みると、山城氏のこれ以上の勾留は「不当に長い拘禁」(刑訴法91条)であると解されねばならない。
 山城氏の長期勾留は、従来から問題視されてきた日本の「人質司法」が、在日米軍基地をめぐる日本政府と沖縄県の対立の深まる中で、政治的に問題化したとみられる非常に憂慮すべき事態である。私たちは、刑事法研究者として、これを見過ごすことができない。山城氏を速やかに解放すべきである。
(引用終わり)
 
 以上の刑事法研究者による緊急声明により、刑事訴訟法学的観点からの問題点はほぼ網羅されていると思います。
 なお、上記プレスリリースで引用されている「海外識者らの「山城博治氏らの釈放を求める声明」」をご紹介しておきます。
 
 
 ところで、11月11日に第1回起訴、12月20日に第2回起訴なのだから、もう第1回公判期日が決まっているだろうと普通思いますよね。公判前整理手続をやるような重大事件ではないのですから。ところがどうもまだ第1回公判期日の日程すら決まっていないようなのです。
 目に付いたネットの記事を(情報の確実性については保証しかねますけど)ご紹介しておきます。
 
レイバーネット日本から
沖縄「山城博治さんたちの早期釈放を求める会」から緊急署名のお願い

(抜粋引用開始)
 1月17日に、那覇地裁で三者(弁護士、検察官、裁判官)面談があり、そこで第一回公判の日取りが決まるようです。第一回裁判終了後に、被疑者は釈放(保釈)されるのが通例です。しかし、検察側の裁判日引き延ばしが予想されることから、それを許さないためにも、裁判所に早期釈放を求める署名を提出することになりました。このままだと微罪にも関わらず、4~6カ月も拘留されかねません。多く署名を集め、国=検察側の言いなりにならないよう裁判所に圧力をかける意味でも大変重要な闘いとなります。
(引用終わり)
 
 ところで、上記記事の中に「検察は体を養生するための靴下の差し入れもさせず」とある部分については、地元紙による以下のような記事がありました。
 
沖縄タイムス+プラス(2016年12月21日 06:00)
勾留中の山城議長へ、靴下の差し入れ実現 沖縄県警が認める

(抜粋引用開始)
【名護】新基地建設の抗議行動に絡んで起訴、勾留されている沖縄平和運動センターの山城博治議長への靴下の差し入れが20日、沖縄県警に認められた。全国的には認められる中、県警はこれまで「自殺予防」を理由に認めておらず、改善を求める声が上がっていた。
 東京の女性(68)が、「靴下を差し入れるため」に来県。名護署で長いものから短いものまで3種類を示して交渉し、短いものだけが認められた。「山城さんは大病を患ったばかりで足元の冷えが心配だった。大きな勝利だと思う」と喜んだ。
(略)
(引用終わり)
※後掲の院内集会動画の1時間21分~で、おそらくこの「東京の女性」の発言を聞くことができます。
 
 なお、上記「山城博治さんたちの早期釈放を求める会」による署名とは別に、鎌田慧澤地久枝佐高信落合恵子小山内美江子の5氏が要請者となり、那覇地検及び那覇地裁宛の「山城博治さんらの釈放を求める要請書」へのインターネットを通じた賛同署名が呼びかけられており、既に多くの人が署名されたことと思います。普段はネット署名にはあまり積極的ではない私も署名しました。
 
 一昨日(1月12日)、上記要請人5名の内、鎌田慧さん、佐高信さん、落合恵子さんが出席して記者会見と院内集会が開かれました。
 しばらく休養されていた三輪祐児さん(UPLAN)が現場に復帰して中継動画をアップしてくださっていますのでご紹介します。

20160112 UPLAN【記者会見】山城博治さんらの釈放を(50分)
 
20170112 UPLAN【院内集会】山城博治さんらを救え!(1時間43分)

冒頭~ 司会 満田夏花さん
5分~ 落合恵子さん
6分~ 国会議員スピーチ(共産党民進党社民党
23分~ 鎌田慧さん
38分~ 前田朗さん(東京造形大学教授)
45分~ 佐高真さん
51分~ (電話出演)伊波義安さん(山城博治さんたちの早期釈放を求める会)
57分~ 寺井一弘さん(弁護士)
1時間08分~ 藤本泰成さん(平和フォーラム)
1時間14分~ イイクラオサムさん(日本国際法律家協会)
※「沖縄/琉球での政治弾圧に抗議する JALISA(日本国際法律家協会)声明」
1時間21分~ オオキセイコさん(年末に山城さんに靴下を差し入れに行った方)
1時間27分~ 会場発言