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アーサー・ビナードさんの講演動画「ことばと政治、そして日本の未来」(2017年1月28日@堺市)のご紹介

 今晩(2017年1月30日)配信した「メルマガ金原No.2708」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
アーサー・ビナードさんの講演動画「ことばと政治、そして日本の未来」(2017年1月28日@堺市)のご紹介

 私がアーサー・ビナードさんの講演を直接うかがったのは、3.11から約4ヶ月後、2011年7月9日のことでした(於:和歌山地域地場産業振興センター5階ホール)。「核戦争防止和歌山県医師の会」主催で、演題は「夏の線引き─アメリカからピカドンを見つめて─」というものでした。非常に感銘を受けた私は、その日のうちに「メルマガ金原」に聴講レポートを書いたものです(2年後に「弁護士・金原徹雄のブログ」に転載しました)。
 その後も、折に触れてビナードさんの講演を聴きたくなり、巻末のリンク一覧のとおり、メルマガ(ブログ)で、ビナードさんの数ある講演動画のごく一部をご紹介してきました。
 
 ビナードさんの講演動画を探そうという人は、YouTube及びIWJアーカイブの検索ボックスに「アーサー・ビナード」と入力し、検索ボタンをクリックするのが定石であり、今日私がやったこともこれです。
 実は、私がこの作業をやってみようという気になったのは、先日来、貴重な論文「ゴジラが子どもたち
に伝えたかったこと(2005年)」を私のメルマガ&ブログに転載することをご了解いただいた伊藤宏さん(和歌山信愛女子短期大学教授)が、ご自身のFacebookタイムラインで、休日であった一昨日(1月28日)、堺市で開かれたビナードさんの講演会に初めて足を運んだところ、「まさに「ど真ん中の直球」でビナードさんの言葉は響いてきました」と、深い感銘と刺激を受けたことを書いておられるのを読み、是非私も聴いてみたくなったことによります。
 
 そして、検索の結果、幸いにも、伊藤さんが聴かれた一昨日の堺市での講演会そのものを収録したIWJ大阪による動画アーカイブがアップされており、全編(2時間09分)視聴できることを確認しました。
 サンスクエア堺B棟ホールにおいて、「いま9条と私たち 非戦の市民講座」が主催する「非戦の市民講座 第18回講座」として、「詩人アーサー・ビナードが語る『ことばと政治、そして日本の未来』」という講演会が開かれ(於:サンスクエア堺B棟ホール)、当日は、ビナードさんの講演に先立ち、合唱「アーサー・ビナードの詩を唱う」と題して、地元堺市男声合唱団コール・ドラフト(Chor.Draft/府立泉陽高校出身者で構成され平均年齢21歳とか)による演奏が披露されました。
 作曲家・石若雅弥氏の指導により同氏のオリジナル曲などを唱うだけではなく、様々な分野に活動の場を広げているようで、その活躍の一端が、公式YouTubeチャンネルで見られます。
 当日は、金子みすゞの詩に石若雅弥氏が曲を付けた『私と小鳥と鈴と』で始まり、続いてアーサー・ビナードさんの詩に石若氏が作曲した『おはよう おはよう おはようございます』(2012年・童心社
刊『さがしています』収録)の「世界初演」が行われました(この詩のタイトルの表記が正確かどうかは保障できませんので悪しからず)。
 
 引き続き行われたアーサー・ビナードさんの講演のタイトルは、「ことばと政治、そして日本の未来」というものでした。
 私が2011年にビナードさんの講演を初めて聴きに出かける時、「夏の線引き─アメリカからピカドンを見つめて─」って何だ?と思いましたが、聴き終わった後は、とても納得したものでした。
 ことばをとても大切にするビナードさんにとって、講演タイトルについても、主催者任せで「何でもいいですよ」というようなことは絶対ないのでしょうね。
 一昨日の「ことばと政治、そして日本の未来」についても、聴講者を裏切ることのない内容のはずだと
いう信頼感があるのです、ビナードさんには(伊藤宏さんも太鼓判を押してくださっているし)。
 ということで、コール・ドラフトの演奏は全部聴いたものの、アーサー・ビナードさんの講演部分はまだその一部しか(時間の都合で)視聴できていないのですが、皆さんに自信をもって視聴をお勧めしたい
と思います。
 私のメルマガの読者の中には、私がご紹介した動画を、時間の許す限り、律儀に全部視聴しようとされている方もいるのですが(非常に珍しいけれど、ありがたいことです)、そういう方にとっても決して失
望することはないはずです。
 ただ、ホールの音響の関係からか、やや聴き取りにくいことも事実なので、かなり集中して耳をそばだ
てる必要があることをお断りします(家事をしながらの「ながら視聴」は難しいかもしれません)。
 
 
 以上に付け加えることはあまりないのですが、伊藤宏さんがFacebookに書かれた感想の中に、以下のような箇所がありました。
「ビナードさんは、「駆けつけ警護」という言葉の欺瞞性を説明する中で、有名な「雨ニモ負ケズ…」の
詩について、「東に病気の子供あれば行って看病してやり 西に疲れた母あれば行ってその稲の束を負い 南に死にそうな人あれば行ってこわがらなくてもいいといい 北に喧嘩や訴訟があればつまらないからやめろといい…」の部分で、東と西と南は「子供あれば」のように助詞の「が」がなく、いずれも「行って」いるのに対し、北は「喧嘩や訴訟が」と「が」が入っている一方で「行って」はないと解説。これが、日本のあるべきスタンスをよく示しているというのです。」
 IWJの動画で、ビナードさんが宮沢賢治の詩に言及しているのは1時間49分~の部分です。もっとも、この部分をよく理解するためには、その前の「駆け付け警護」という欺瞞に満ちた言葉についての詳しい解説をまず聴く必要がありますが。
 それにしても、「雨ニモマケズ」の中の「北ニケンクヮヤソショウガアレバ ツマラナイカラヤメロトイヒ」の中に憲法9条が入っていたというのは私にとっても新鮮な見方です。というのも、喧嘩はともかく、訴訟を生業とする職業に就いているものですから、前からこの一節は気になっていましたので(※青空文庫「雨ニモマケズ」)。
 そして、それとの関連で、2013年12月14日にビナードさんが東京都江戸川区で行った公演の中
から3分18秒だけ抜き出したアーサー・ビナード / Arthur Binardさん  雨ニモマケズを語る」という動画を見つけましたのでご紹介します。視聴してみると、この詩の中の「一日ニ玄米四合ト 味噌ト少シノ野菜ヲタベ」こそ、「雨ニモマケズ」の中で最も重要な一節であることを述べた部分でした。ご参考までに。
 

 最後に、ビナードさんは、反核・反原発についての講演も数多く行っていますが、とりわけ、2013
年8月19日~20日、ビナードさんが祝島を訪問した際、その旅に同行した東条雅之さんによって撮影・編集された動画アーサー・ビナードさん 核と命めぐる祝島の旅 2013.8.19~20』(2時間22分)は素晴らしい作品です。巻末のリンク一覧にあるとおり、私のメルマガ(ブログ)でこの動画を紹介していますので、そちらもお読みいただきたいのですが、是非1人でも多くの方にこの動画を視聴していただければと思います。

冒頭~ 平萬次(たいらまんじ)さんの棚田を訪ねて
17分~ 恒例の月曜日原発反対デモ
22分~ 公民館での交流会(ビナードさんのお話) 
1時間37分~ 夜の懇親会 
1時間47分~ さようなら祝島「またぜったい来ます」~田ノ浦
2時間07分 祝島を訪れて(アーサー・ビナードさんの思い)
2時間19分 「きれいな海を守ろう! エイエイオー!」
 
(弁護士・金原徹雄のブログから)
2011年7月9日(2013年7月6日に再配信)
アーサー・ビナード氏講演会(in和歌山市)レポート/2011年7月9日
2013年7月7日
7/2アーサー・ビナード氏講演会「ヒロシマとフクシマとどっちが遠い?」(in岡山市)
2013年8月16日
スナメリチャンネルが伝えた8月の広島(アーサー・ビナードさん講演会&中国電力前アピール)
2013年9月5日
アーサー・ビナードさん 祝島への旅(スナメリチャンネル)
2014年9月5日
アーサー・ビナードさんの講演は面白くて為になる~9月2日・岡山から(付記・足立力也さんによる「消極的平和と積極的平和」)
2015年1月8日
殺すな!殺されるな!~福島菊次郎さんとアーサー・ビナードさんの対話(in多摩市)
2016年5月16日
早稲田の杜から「Democracy Strikes Back!! 民主主義の逆襲」(5/15)
高畑勲さんとアーサー・ビナードさんの対談が聴けます。 
 

(付録)
『私と小鳥と鈴と』 原詩:金子みすゞ 作曲:BANANA ICE 演奏:円香
 
※2017年1月26日ライブ@渋谷GLAD
YouTubeチャンネルより引用
円香(まどか)
1997年和歌山生まれ。 うたを歌って、作詞・作曲・楽曲提供などをやってます。 音楽と自然と人が好きです。
今日も1日 みんなが健康で、
明日も1日 みんなが幸せで、
そして 世界が平和でありますように。