wakaben6888のブログ

憲法を大事にし、音楽を愛し、原発を無くしたいと願う多くの人と繋がれるブログを目指します

「原発がこわい女たちの会ニュース」第100号が届きました

 今晩(2017年2月2日)配信した「メルマガ金原No.2711」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
原発がこわい女たちの会ニュース」第100号が届きました

 松浦雅代さんから、「原発がこわい女たちの会ニュース」の第100号が届きましたので、この前の「第99号が届きました」のリード文を再掲します。
 
(引用開始)
 そこで、私から「100号目前ですね。記念号を楽しみにしています。」というメールを送ったところ、松浦さんから「女たちの会100号は記念号にしません。普通の100号になると思います。」という返信が。まあ、発行者自身が「記念号」と触れ回るような「はしたない」真似はできないでしょうから、そういうものでしょうけど。
(引用終わり)
 
 そして、その予告通り(?)「普通の100号」が届きました。
 この流れでいけば、3ヶ月後には「普通の101号」が届き、半年後には「普通の102号」が届くのでしょうね。

 ところで、「原発がこわい女たちの会」は、例年4月に「結成〇〇年のつどい」を開催しており、昨年の「結成29年のつどい」は今中哲二さんが講演されたのですが、今年の4月(かどうか分かりませんが)の「結成30年のつどい」はどうなるのだろう?3月4日に山崎知行医師をお招きした講演会の開催が今号のニュースで予告されていますが、それとは別に「つどい」は開くのでしょうね。こちらも、松浦さんからお知らせいただきましたら、すぐにメルマガ(ブログ)で告知するようにします。
 

原発がこわい女たちの会ニュース NO100号・2017年1月30日発行
事務局 〒640-0112和歌山市西庄1024-15 TEL・FAX073/451/5960松浦雅代方
新ブログはこちら⇒原発がこわい女たちの会ブログ
 
http://g-kowai-wakayama.seesaa.net/
深刻化する福島の状況
 
女100・1 東北地方太平洋沖地震による津波福島第一原発事故は私たちに衝撃を与えました。その福島第一原発事故から丸6年。深刻化する福島の状況を一緒に考えましょう。
 この6年間、毎月のように福島県に行かれ福島で被災者の方々の相談に乗ってこられた山崎知行医師に福島の被災者の状況を話していただきます。
 
〇講師 山崎知行氏(医師)
〇日時 
2017年3月4日(土)14:00~16:30
〇場所 
フォルテワジマ6階「ボランティアサロン」C会議室
  (和歌山市本町2丁目1 電話073-426-0168)
〇参加費無料  
 
無料駐車場は和歌山市役所の駐車場があります(市役所北側)。
 
主催 原発がこわい女たちの会 
連絡先073/451/5960松浦
 

いのちを守れ!フクシマを忘れない さようなら原発 全国集会 
2017年3月20日 代々木公園
主催:「さようなら原発」一千万署名 市民の会
【金原注】チラシから、開催趣旨を引用します。
福島原発事故から6年。福島では、8万人近い被災者が、いまでも苦しい避難生活を強いられており、被災者は、子どもたちの甲状腺がん、帰還と補償打ち切り、中間貯蔵施設、労働者被曝などの問題が山積する中で悩み苦しんでいます。また、政府は、福島原発廃炉などの事故処理費用を21.5兆円と試算し、費用の一部を電気料金に上乗せして、消費者にツケを回そうとしています。安倍政権は、原発の再稼働、核燃料サイクルの推進、原発輸出を掲げ、原発推進を強行しています。しかし、高速増殖炉もんじゅ」は廃炉に追い込まれ、核燃料サイクルの崩壊が始まっています。原発再稼働も、市民の強い反対の前で思うように進んでいません。フクシマの被災者と連帯し、原子力政策の根本的転換を迫りましょう。」
 
また、「さようなら原発ライブ」には、「李政美さん、板橋文夫さん、ジンタらムータ、趙博さん、中川五郎さん」などの魅力的なミュージシャンが続々登場ということで、どこかがネット中継してくれないかなと期待しています。
 

「高浜原発うごかすな!1.22関電包囲全国集会」に参加しました
 
集合(大阪中之島)→出発集会→デモ行進(西梅田公園まで)→関電本店ビル前での集会 のコース。参加報告です。

関西電力高浜原子力発電所は、福井県の西端にあり京都府舞鶴市と隣接するところに建てられています。高浜3・4号機の再稼働と差し止めの経過、および1・2号機の老朽原発については以下の通り。
●1974年に1号機による営業運転を開始、以降85年に運転開始の4号機まで、4基の原子炉がある。2011年1月には3号機でプルサーマルによる本格運転が再開されたが、福島第一原発事故の影響を受け、2012年までにすべての原子炉が停止した。●15年2月、3.4号機について原子力規制委員会は新規制基準によるGOサインを出したが、15年4月、福井地裁(樋口英明裁判長)は再稼働を認めない仮処分の決定。同年12月、福井地裁(林潤裁判長)は関西電力の異議申立を受けた異議審で先の再稼働差し止め仮処分を取り消し。●16年1月に3号機が、同じく2月に4号機が再稼働したが、4号機は直後に機器トラブルにより緊急停止。●16年3月には大津地裁(山本善彦裁判長)が、3・4号機について運転停止を命じる仮処分の決定を出し、運転中の3号機停止。7月異議審での関電の主張は退けられ、審理は大阪高裁へ。●一方、1・2号機については、16年6月、原子力規制委員会が運転を最長20年間延長することを認めた。建設から40年超の老朽原発で審査に合格し延長が許可されたのは初めて。
●現在、大阪高裁(山下郁夫裁判長)では3・4号機の大津地裁仮処分決定に対する抗告審が行なわれ、2月にも決定が出るもよう。もし、逆転判決が出れば、2月中の再稼働の可能性がある。
 
そういった中で、今回のデモ・集会の意味について次のように呼びかけられていました。
「関電は、何が何でも早急に結論を得て、再稼働に漕ぎ着けたいと躍起です。許してはなりません。これを許せば、関電は、世界的に見ても老朽な40年越え原発・高浜1、2号機、美浜3号機を含む他原発の再稼働の動きをさらに加速するでしょう。また、原子力規制委員会、政府、電力会社も、破綻した「もんじゅ」だけを切り捨て、それによって国民の信頼を回復して、荒唐無稽な核燃料サイクルをさらに推進するでしょう。このような状況の中で、関西および福井の各地で原発全廃の運動を進めてきた「原子力発電に反対する福井県民会議」、「さいなら原発・びわこネットワーク」、「さよなら原発神戸アクション」、「さよなら原発なら県ネット」、「ストップ・ザ・もんじゅ」、「若狭の原発を考える会」は 、呼びかけ団体となって、阪高裁決定前の1月22日(日)に、「高浜原発うごかすな!1.22関電包囲全国集会」を大阪で開催し、[原発NO!」の断固たる民意を司法に示し、全国に訴えたいと考えました。」(呼びかけ文より引用。太字は筆者)
【金原注】このパラグラフはニュースには掲載されていませんでしたが、「原発がこわい女たちの会」新ブログから転載しました。
 
動かすな高浜・中之島集会さて、デモ・集会参加の記ですが、とにかく大変過酷な気象条件でした。集合場所の中之島の市役所隣は地下鉄淀屋橋をあがってすぐ、すでにおおぜいの参加者と、ノボリが賑やかにはためいていました。出発集会を終えてデモに出発、という段になって激しい雨。プラカードを手に雨傘さして水溜まりよけながら歩く。御堂筋を北上し左折して関西電力本店ビルの近くまで約1時間の行程でした。
 
関電本店包囲の集会は時間通り16時に始まりました。雨はあがり薄日もさしていましたが、こんどは強風。関電ビルの正面はまともに西からの寒風があたり、寒いこと寒いこと。でもここは耐えるしかない、と気力で頑張りました。立ち姿勢でできる肩腕や足の筋肉運動やりながら。
 
木原壯林さん(若狭の原発を考える会)の主催者挨拶に続き、全国各地からの連帯の報告と決意表明がなされました。福島を皮切りに南は川内から北は泊まで、原発立地で反原発を闘っている11団体が結集と、全国ほぼ網羅。また、地元の関西や福井県の反原発グループや労働者、障がい者などからの発言が続きました。
 
じっくり情報共有するには正直、時間も環境も不足するのですが、北陸・志賀原発から来られた方の、戦前・戦中の朝鮮人労働者の犠牲の上に建設された富山の黒部ダム(事業主体は関電)のエピソードや、「命を大切に」との脳性まひの方からの訴えは心に迫るものでした。
 
福井原発訴訟(滋賀)弁護団長の井戸謙一さんは、次のようにアピールされました。「大阪高裁決定」が厳しいものになると悲観的な予想が多いが、必ずしもそうではない。原発を動かせば必ず事故のリスクをともなう。そのリスクを住民に負わすことは許されないこと。車や新幹線にもリスクがあるという人がいるが、原発とは違う。なぜなら原発がなくても発電は可能だから。必要ないのにリスクは大きい、この原発の本質を裁判所が理解すれば、私たちは訴訟に勝てる、と。
 
最後に、若狭の原発事故では数百万人の避難者を生み、1450万人の水源びわ湖が汚染され深刻な事態を引き起こしかねないこと、自然災害と違って原発事故は止められること、
私たちは原発の全廃を闘いとる、と決議して集会を終えました。参加者数はデモ450人、集会1000人だったそうです。悪天候にしては、よく集まったのではないでしょうか。
 
追記:この前々日に、高浜原発サイトで大型クレーン1台が核燃料を保管する建物に倒れこみ屋根を破損する事故が起こったばかり。暴風警報発令時などはクレーンを折り畳むなり寝かすなりするもの。自然の脅威を舐めている関電という会社の体質をあらためて思い知らされた一件でした。 (梅原清子)
 
以下に当日の動画があります。
 

 
東京電力福島第一原発事故後、福島県が実施している「県民健康調査」の検討委員会が27日、開催され、2巡目の健診で悪性または悪性疑いと診断された子どもは、前回より9人増え68人となった。また手術をして甲状腺がんと確定したのは、10人増え44人となった。1巡目と2巡目をあわせた数は、甲状腺がんの悪性または悪性疑いが183人。手術を終えた人が146人で、1人をのぞく145人が甲状腺がんと確定した
 
本格検査で甲状腺がんの疑いがあると診断された68人の年齢は、2次検査時点での年齢は9歳から23歳。性別は男性31人、女性が37人と1:1.19の比率だった。通常、甲状腺がんは女性の比率が高いが、男性比率が極めて高い結果となった。
 
清水一雄委員がこの点について、ベラルーシ甲状腺医デミチク医師が「チェルノブイリの変化のひとつに男女比がある」と言及していたことに触れ、県立医大の見解を糺したが、甲状腺検査を担当している大津留晶氏は回答を控えた。
 
また春日文子委員が再発状態や遠隔転移について質問したが、これについても、回答しなかった。
なお腫瘍の大きさは5.3ミリから35.6ミリで、先行検査の結果は、A1判定だった人が31人、A2だった人が31人で計62人。B判断だった人は5人。先行検査未受診者が一人いた。
 
岡山大学大学院環境生命科学研究科の津田敏秀教授が、今回新たに公表された2巡目のデータを解析した。津田教授は、「2巡目の検診結果は、相馬地区を除き、すでに桁違いの甲状腺がんの多発を示している。もちろん、統計的有意差が十分にある。」とした上で、「もはや2巡目について、スクリーニング効果」や「過剰診断仮説」は原理上は使えず、むしろ1巡目における「スクリーニング効果」や「過剰診断仮説」を評価をするにあたっての基準になる」と指摘する。
  
津田教授は、甲状腺がんの多発の原因について議論を避けている検討委員会を厳しく批判。「疫学理論を知っているかどうかよりも、論理的思考能力があるのかどうか、医学的根拠に基づいて議論することができるのかどうかという、公的機関の委員としての資質に問われる事態になったと思われる。」と述べた上で、海外を含め、きちんとした専門家を招き、議論するべきであると提言した。

~以上、ourplanet-TVの記事を転載~
【金原注】図表や動画(第25回「県民健康調査」検討委員会&記者会見)については、リンク先のourplanet-TVサイトでご覧ください。
 
ほっとけない話です。
小児甲状腺がん福島県やその周辺で増えています。しかし国は東京電力福島第一原発事故による放射能の影響だとは認めていません。
そのような中、親子で孤立し、診察や通院で経済的に追い込まれたり、進学、就職、結婚などで壁に突き当たったりしている子どもたちを支えるために「3.11甲状腺がん子ども基金」が昨年発足し(当会ニュース99号でお知らせ)、早急に必要な医療費給付事業「手のひらサボート」が動き出しました。(子ども基金のチラシ同封)
下記は「3.11甲状腺がん子ども基金2016/12/26ニュース」より。
 
 全国の皆さまからの寄付をいただき、昨年12月1日から受付を開始しました、療養費給付事業「手のひらサポート」は、昨年12月20日に給付対象者を決定し、26日から療養費を給付いたしました。第1回目となった給付を受けたのは35人。福島県26人のほか、神奈川県3人、宮城県群馬県、千葉県、埼玉県、長野県、新潟県が各1人でした。
 
 「手のひらサポート」の第一期は3月31日まで。
 1月半ばに第2回審査会議があり、1月末には、第2回の給付をいたします。第一期は、1月31日が第3回給付の申請締め切り、2月27日が第4回給付の申請締め切り、3月31日が第5回給付の申請締め切りとなっています。
 
 「手のひらサポート」は、甲状腺がんの手術をした方、または穿刺細胞診で甲状腺がんと診断された方に、療養費を給付する事業です。
 給付対象となる方は、2011年の原発事故以降に、岩手県宮城県山形県福島県新潟県、栃木県、群馬県茨城県、千葉県、埼玉県、東京都、神奈川県、静岡県、山梨県、長野県の1都14県に居住していた25歳以下の住民で、甲状腺がんと診断された方。金額は一律10万円で、アブレーション治療やアイソトープ治療の必要があると診断された人には10万円を追加して給付します。
 
 今回、第1期の募集期間は、2017年3月31日までで、事業は4月以降も継続します。
 
【金原注】「特定非営利活動法人 3・11甲状腺がん子ども基金」については、充実した公式ホームページがありますので是非ご覧ください。
 
同サイトから、「設立趣旨」と「役員」を引用します。
(引用開始)
設立趣旨
 チェルノブイリ原発事故後、子どもたちの間で小児甲状腺がんが急増しました。福島県民健康調査でも、多くの子どもたちが甲状腺がんと診断され、手術を受けました。リンパ節転移や遠隔転移、再発など、深刻な症例が報告されています。福島県外においても、自治体や民間の自主的な検診により、子どもたちの甲状腺がんが報告されています。政府は、東京電力福島第一原子力発電所事故の影響による健康被害は起きないとしており、包括的な支援策が一切とられていない状況です。
 こうした中、甲状腺がんと診断された子どもと家族は孤立し、度重なる診察や通院費用などの面で経済的に困窮したり、進学、就職、結婚、出産などの度に壁にぶつかったりしています。また再発や転移により、一生、治療と向き合わなければならないケースも出ています。
 このような状況を解決するためには、治療費や通院費などの給付を含めた経済的支援はもちろん、多様かつ継続的な支援体制が欠かせません。また被曝による健康影響には、甲状腺がん以外の甲状腺疾患や白血病などの血液系のがん、乳がんを含む固形がん、非がん系の疾病など、様々な病気があり、これらの健康被害を見据えた上での、調査や対策が必要です。
 「3・11甲状腺がん子ども基金」は、独立性の高い資金によって、甲状腺がんの子ども等を支援するとともに、原発事故による健康被害状況の調査・把握を行っていきます。
役員
代表理事:崎山比早子
副代表理事:海渡雄一・武藤類子
理事:河合弘之・満田夏花・吉田由布子
監事:坂本有希・福田健治
(引用終わり)
 

電力システム改革とは
東電救済と原子力政策の負担を
国民に押し付けるシステムの事なのか。
 
 今までの電力事業者は総括原価方式で、必要なコストを全て原価に組み入れて電気料金に反映できた。その総括原価方式が2020年に撤廃される。そうなると多額の事故処理を抱える東電は、競争力が落ちて不利になる。だから、新電力に乗り換えた利用者も、必ず支払う託送金に賠償費用や廃炉費用を上乗せして、広く国民負担にさせる仕組みを作ろうと必死。「これを許してしまえば、今後、国民が支払う原発事故処理費用は、青天井になる可能性があります。」と大島堅一氏

 経産省は昨年12月、国民に非公開で、原子力を推進する財界人などで話し合う「東京電力改革・IF問題委員会」を開催。その中で、廃炉や賠償費用など、福島第一原発事故の処理費用が、2012年に試算した11兆円から、倍の21.5兆円に増えるという試算を示した。それに合わせて、政府は昨年末、事故処理費用を国民の電気料金にさらに上乗せすることを閣議決定した。
 
国民負担策・驚きの理由
 過去分の賠償金を45年前にさかのぼって徴収。日本に原子力発電所が出来た1966年から、事故が起きるまでの45年分をさかのぼり、「過去分」の賠償費用として、電気代の内“託送料金”と呼ばれる送電線使用料に上乗せして、2020年から40年かけて電気利用者から回収する。というのだ。(単純にその間の利益はどうするのだ)

 原発事故後、賠償費用以外にも、その事故処理費用で電気代に上乗せされているものがまだある。原発事故後から私たちの電気料金に含まれる負担総額は年1689円、2020年以降はさらに1500円値上がりして3165円になる。(3人家族で平均的な電気使用量の家庭で大島氏試算)

 国は、原子力損害賠償・廃炉等支援機構を通して、事故後、東電に約9兆円近い交付国債を発行。東電はこれを、除染や賠償費用などに充てて来た。「問題は、このお金が東電への“貸し付け”ではなく“特別利益”として計上されていること。形式的には東電の債務にはならず、返済の義務もありません」ただし、東電を含む原子力事業者は、“負担金”という形で、毎年数千億円のお金を支援機構に支払っているが、負担金の多くは電気代に上乗せされ、国民から徴収されている。莫大な額の国民負担なのだ。

 さらに核燃料再処理(2011年2月に女の会「本当のはなし」で大島氏の講演で聞いた)や高速増殖炉もんじゅの開発費用など原発政策全体にかかわる費用を合わせると、現在でも年間4494円負担しているが、2020年以降は6000円近くも電気料金に上乗せされることになる。

 もっといろいろな問題がありこんな大きな電力ステム改革を市民に説明もなく。市民に分からせないで電気代として徴収してしまう魂胆だ。(「女性自身」1月30日号を参考にしました)松浦雅

 週刊エコノミスト2月7日号は詳しく「電気代は税金となった」特集を載せています。
 

汐見文隆先生、ありがとうございました
 
2016年11月3日、汐見文隆さんを偲ぶ会の報告。和歌山市勤労者総合センターにて、参加者107名と盛会でした。
 
医師・汐見文隆の行跡 汐見さんの主催された「公害教室」は、公害問題の学習の場として1972年に第1回が開催されて以来、166回(2002年)まで続けられましたが、この間、環境汚染、食品公害、薬害、たばこ問題、原子力発電、低周波音公害等々、幅広いテーマと講師の多彩さには圧倒されます。そして、学習だけに終わることはありませんでした。学んだ人たちが、或いは汐見さんご自身が原発現地の闘争などに関わってこられました。
 なお遺稿集『医師・汐見文隆の行跡』には、これらの膨大な記録が収められており、当日の参加者に配付されました。この大変貴重な文献の編集、出版に関わっていただいた皆さまに、深く感謝!!です。
 
 今回の偲ぶ会は「第167回公害教室・最終章」と銘打たれているように、前段15分は、残された汐見さんの映像による低周波音被害についての授業。
低周波音公害と現在医療~汐見文隆~(15分29秒)
 
◆参考DVD「風力発電の羽根の下で~和歌山における被害の実態~」(53分53秒)

 会の後段は県内外から集まられた方々から、それぞれの分野での足跡を振り返るお話をお聞きしました。どの方も生前の汐見さんについて超人的といってもよいその功績と運動の位置づけを語られました。お話しも尽きない感があって、終了予定時刻を大幅に過ぎてしまいました。
 会場にはご親族とともに、お連れ合いの汐見恵さんも車いすで参加され、じっと見守っておられました。恵さんはご承知の通り、長らく原発がこわい女たちの会の代表世話人として手腕を発揮されました。汐見文隆さんにも会の運営を陰ながらサポートしていただきました。ともにありがとうございました。
 
 公害はまだ終わっていない、原発もこれから、です。残された課題は大きいが、汐見文隆さんの遺志を継いで最後まで運動を持続していきましょう。     
 
◆「医師・汐見文隆の行跡」は、発行所・和歌山から公害をなくす市民のつどい、編集・寿郎社、2016年10月31日発行で、非売品ですが、汐見文隆・著『低周波音被害を追って』が寿郎社より同時発売されています(定価1900円)。 (梅原清子)
 
【金原注】
 寿郎社から刊行された『低周波音被害を追って—低周波音症候群から風力発電公害へ』のAMAZONに掲載された「内容紹介」を引用します。
(引用開始)
今後、より大きな問題となっていくであろう“知られざる公害"について書かれた〈社会・公害〉の棚に必備の一冊。 ◉低周波音被害とは 人間の耳には聞こえない低周波の空気振動が頭痛・吐き気・呼吸困難・しびれ等を引き起こす健康被害のことです。新幹線や車等の交通機関、モーター類の業務用機器、冷蔵庫やエアコンの室外機といった一般家電などが発生源です。また、近年ではエコキュート風力発電を発生源とした被害報告も相次いでいます。 人体への影響には個人差があり、さらに長期間同じ場所に暮らし続けている人にある日突然症状が出始めるため、他人に被害を理解されづらいのが特徴です。そのため医療機関に頼っても単なる不定愁訴と診断されやすく、また行政や企業を訴えても解決には至りません。これまでにも多くの被害者が慣れ親しんだ家を捨てることを余儀なくされてきました。 ◉著者・汐見文隆氏は 日本で初めて低周波音被害に取り組んだ内科医です。一九九〇年代からさまざまな著作・講演活動を通じて、この問題を広く訴えてきましたが、行政・法律の改善はいまだ見ず、全国にいる被害者は現在もなお苦しんでいます。汐見氏は二〇一六年四月に逝去。享年九二。本書はその遺稿でもあります。
(引用終わり)
 

お知らせコーナー
 
山口県・上関原発のその後
 2009年12月に「準備工事妨害行為者に対する損害賠償」として中国電力から提訴され、4800万円もの損害賠償を村民2人・カヤッカー2人計4人が請求されていたスラップ訴訟(女の会73号に記事)は、2016年8月30日に勝利的和解が成立しました。しかし、まだ上関原発建設計画は止まっていません。福島原発事故後、態度を引き延ばしていた山口県知事は中国電力の埋め立て免許延長申請を(2016年8月3日)許可してしまいました。
 
◇11月13日 琵琶湖が危ない-老朽原発美浜3号も廃炉に!11・13琵琶湖集会
 当会も賛同団体になり松浦が参加してきました。
【金原注】3時間に及ぶ集会の模様がIWJによるアーカイブ動画で視聴できます。
 
盛沢山な内容をIWJサイトから転記してご紹介します。
開会挨拶 アイリーン・美緒子・スミス氏(グリーン・アクション代表)
第1部「老朽原発廃炉に」
報告 鹿島啓一氏(弁護士、高浜1・2号老朽原発廃炉裁判等の弁護団)高浜1・2号老朽原発裁判の紹介等
報告 小山英之氏(美浜の会代表)「美浜3号機の40年越え運転にストップを!廃炉に!」
挨拶 北村栄氏(弁護士、高浜原発40年廃炉名古屋訴訟弁護団長)
/鹿島氏・小山氏 質疑応答/避難者から 菅野みずえ氏(福島県浪江町からの避難者)
第2部「避難計画では住民の安全は守れない」
報告 石地優氏(福井県若狭町)/宮崎宗真氏(福井県おおい町)/島田清子氏(避難計画を案ずる関西連絡会、美浜の会)
第3部「各地の運動の交流と廃炉署名集約、今後の取り組み」
報告 阪上武氏(原子力規制を監視する市民の会、フクロウの会)
/福井・京都北部・舞鶴・滋賀(県知事申し入れ)・京都・名古屋・岐阜・首都圏・大阪・京田辺(ビデオメッセージ)・兵庫・滋賀(保養キャンプ)から/今後の活動についてほか
集会アピール提案・採択
 
◇12月3日(土) もんじゅ廃炉へ!全国集会。
 女の会として賛同。参加は出来ませんでした。
 政府は21日午後、原子力関係閣僚会議を開き、高速増殖原型炉「もんじゅ」の廃炉を決定した。使った以上の燃料を生み出す「夢の原子炉」と期待されたが1兆円以上の事業費を投じながら、わずか250日しか運転できなかった。しかし高速炉開発の継続方針。
【金原注】これも、IWJ福井によって中継されたアーカイブ(2本あります)を視聴できます。
 
内容は以下のとおりでした。
11:00~ 現地抗議集会と原子力機構への申し入れ(白木海岸)
・スピーチ 伴英幸氏(原子力資料情報室)/松永寛治氏(敦賀地区平和センター)
・申入書提案・採択/シュプレヒコール
・デモ 白木海岸→もんじゅゲート前/申入書受け渡し
13:00~ もんじゅ廃炉を求める全国集会(プラザ萬象)
・司会 佐伯昌和氏(反原発運動全国連絡会世話人
・開会挨拶 藤本泰成氏(原水爆禁止日本国民会議原水禁〕事務局長)
・福井現地報告 中嶌哲演氏(原子力発電に反対する福井県民会議)
・講演 福武公子氏(弁護士、旧・新もんじゅ訴訟弁護団)「もんじゅを安全に運転することは出来ない」
・講演 菅直人氏(元内閣総理大臣衆議院議員)「福島原発事故の真実」
・集会決議提案・採択 池島芙紀子氏(ストップ・ザ・もんじゅ)/シュプレヒコール
15:00~ 敦賀市内デモ プラザ萬象→敦賀駅
 
◇12月21日、原告になっている国相手の大飯原発止めよう裁判を傍聴しました。(松浦)
第20回法廷:11:00~大阪地裁202号法廷で
被告の準書面に対する反論と新たに、①福井地震のデーターによれば、「入倉・三宅式」による地震モーメントの数値は過小評価となり、一方で、「武村式」による地震モーメントの数値は実測値に近く、地震モーメントを正確に評価していること、及び、②.地震の加速度(短周期レベル(地震動のレベル))を算出するにあたり、「壇他の式」ではなく、「片岡他の式」を用いるべきであることを主張した。
 
◇安孫子亘監督ドキメンタリ―映画「知事抹殺」の真実 が完成しました。
昨年4月に梅原さんと福島の佐藤栄佐久氏宅にお伺いした時、映画製作中だと仰っていました。福島県から上映会が開催されています。
【金原注】映画『「知事抹殺」の真実』(安孫子亘監督)の公式サイトは以下
予告編


◇記 
遅くなりましたが、今年もよろしくお願いします。
昨年、隣の畑から侵入してきた茅を素手で引っこ抜こうとして右手を痛めた。中指が「バネ指」と診断されたのは、それが原因だと思う。
女たちの会は今年結成30年になります。
泉谷富子さんが生前70歳を過ぎて意識して外に出るようにしている。と言われていた。
私もそんな年になった。
「生きてるうちが花なのよ!死んだらそれまでよ党宣言 」という映画を思い出した。(松浦雅代)

(付記・金原より)
 「原発がこわい女たちの会」(新)公式ブログに、ニュース第100号
PDFファイルとして掲載されています。
 

(付録)
『声』 
作詞・作曲・演奏:円香
 
※2017年1月26日ライブ@渋谷GLAD
YouTubeチャンネルより引用
円香(まどか)
1997年和歌山生まれ。 うたを歌って、作詞・作曲・楽曲提供などをやってます。 音楽と自然と人が好きです。
今日も1日 みんなが健康で、
明日も1日 みんなが幸せで、
そして 世界が平和でありますように。