今晩(2017年2月21日)配信した「メルマガ金原No.2730」を転載します。
なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
共謀罪をめぐる最新ニュース、動画、声明のご紹介
学習会の講師を頼まれたのを機に始めた共謀罪シリーズも、第4回までは順調に(?)来たものの、和歌山での企画案内や森友学園スキャンダルなど、他の記事の配信に忙しく、気がつけば、3月3日の学習会まであと10日となり、さすがに焦ってきました。
レジュメについては、主催者が配布してくれることになっている『一からわかる共謀罪 話し合うことが罪になる』の中の、特に海渡雄一弁護士が書かれた「共謀罪って何?自由を奪う監視社会の到来」をレジュメ代わりにしようと開き直っているので、まあいいのですが、何が困るといって、肝心の法案が、閣議決定されるまでは、インターネットで閲覧できるようにならないことです。
2年前の「安保法案」の時も、2015年5月14日の法案閣議決定までは、批判する対象が確定しないのですから、非常に困ったものでした。
けれども、学習会の準備をするために、「早く閣議決定してくれ」と言う訳にもいきませんしね(法案の国会上程絶対阻止!と主張しているのですから)。
ということで、一体どんなことになるやら講師自身が一番不安ですが、3月3日の学習会の概要を再掲しておきます。
学習会「共謀罪とは何か?その狙いとは」
講師 金原徹雄(弁護士)
日時 2017年3月3日(金)午後6時30分~
場所 和歌山市勤労者総合センター6階文化ホール
主催 和歌山県平和フォーラム、戦争をさせない和歌山委員会
入場無料 参加者には『一からわかる共謀罪 話し合うことが罪になる』(2017年1月発行/頒価200円)を配布予定
講師 金原徹雄(弁護士)
日時 2017年3月3日(金)午後6時30分~
場所 和歌山市勤労者総合センター6階文化ホール
主催 和歌山県平和フォーラム、戦争をさせない和歌山委員会
入場無料 参加者には『一からわかる共謀罪 話し合うことが罪になる』(2017年1月発行/頒価200円)を配布予定
なにしろ、条文の本体が一般市民の前には姿をあらわさないので、報道機関の伝えるところに目配せしておくしかないでしょうか。
最新のニュースにこういうものがありました。
最新のニュースにこういうものがありました。
時事ドットコム(2017/02/21-20:50)
(引用開始)
法務省は21日、「共謀罪」の構成要件を改め「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案の条文に、処罰の前提となる準備行為の具体例を盛り込む方針を固めた。「資金や物品の手配」「関係場所の下見」などと例示する方向で、3月上旬にも国会に提出することを目指す。
同省はまた、テロ等準備罪の法定刑について、殺人など「懲役・禁錮10年超の罪」を未然に検挙した場合は「同5年以下」、大麻密輸など「懲役・禁錮4年以上10年以下の罪」の場合には「同2年以下」とそれぞれ設定する方針も固めた。
計画段階での処罰を可能にする同法案をめぐっては、「犯罪のことを話題にしただけで罰せられるのではないか」との懸念が出ていた。同省は、具体的な準備行為を伴った場合に限って処罰対象とする方針を示してきたが、不安解消に向け、条文でも例示する必要があると判断した。
(引用終わり)
ただ、こういうニュースに接しても、条文自体を読んでみないことには、適切な評価をくだすことは不可能ですね。まあ、「例示」というからには、必ず「等」というマジックワードがもらさず付いてくるのだろうなあ、ということ位は想像がつきますが。
あと、2月16日に行われた共謀罪を考える超党派の議員と市民の勉強会(第2回)「私は共謀罪の国会提出に反対です」の動画(NPJとUPLAN)をご紹介しておきます。共謀罪そのものの問題点については、特に立命館大学の松宮孝明教授のスピーチに耳を傾けていただければと思います。
NPJ 「私は共謀罪の国会提出に反対です」(1時間37分)
司会:福島みずほ参議院議員(社民党)
発言(発言順)
冒頭~ 佐々木隆博衆議院議員(民進党)
1分~ 真山勇一参議院議員(民進党)
3分~ 逢坂誠二衆議院議員(民進党)
8分~ 小宮山泰子衆議院議員(民進党)
9分~ 藤野保史衆議院議員(共産党)
10分~ 泉 健太衆議院議員(民進党)
12分~ 初鹿明博衆議院議員(民進党)
13分~ 郡 和子衆議院議員(民進党)
15分~ 鎌田 慧氏(ルポライター)
22分~ 糸数慶子参議院議員(沖縄の風)
24分~ 杉尾秀哉参議院議員(民進党)
26分~ 森 裕子参議院議員(自由党)
28分~ 近藤昭一衆議院議員(民進党)
31分~ 佐高 信氏(評論家)
36分~ 井上哲士参議院議員(共産党)
37分~ 川田龍平参議院議員(無所属)
40分~ 孫崎 享氏(評論家)
44分~ 中野晃一氏(上智大学教授)
49分~ 飯島滋明氏(名古屋学院大学教授)
54分~ 松宮孝明氏(立命館大学教授)
1時間08分~ 山田健太氏(日本ペンクラブ)
1時間15分~ 太田啓子氏(明日の自由を守る若手弁護士の会)
1時間22分~ 小林基秀氏(新聞労連委員長)
1時間28分~ 岩崎貞明氏(日本マスコミ文化情報労組会議事務局長)
1時間31分~ 樋口 聡氏(出版労連 出版・産業対策事務局長)
1時間33分~ 福島みずほ参議院議員(社民党)
私たち日本ペンクラブは、いま国会で審議が進む「共謀罪(「テロ等組織犯罪準備罪」)」の新設に強く反対する。過去の法案に対しても、全く不要であるばかりか、社会の基盤を壊すものとして私たちは反対してきたが、法案の本質が全く変わらない以上、その姿勢に微塵の違いもない。
過去に3度国会に上程され、いずれも廃案となった法案同様、いま準備されている共謀罪は、事前に相談すると見なされただけでも処罰するとしている。これは、人の心の中に手を突っ込み、憲法で絶対的に保障されている「内心の自由(思想信条の自由)」を侵害するものに他ならない。結果として、表現の自由、集会・結社の自由など自分の意思を表明する、あるいは表明しない自由が根本から奪われてしまう。
しかも、現行法で、十分なテロ対策が可能であるにもかかわらず、共謀罪を新設しなければ東京オリンピックを開催できないというのは、オリンピックを人質にとった詭弁であり、オリンピックの政治的利用である。
過去に3度国会に上程され、いずれも廃案となった法案同様、いま準備されている共謀罪は、事前に相談すると見なされただけでも処罰するとしている。これは、人の心の中に手を突っ込み、憲法で絶対的に保障されている「内心の自由(思想信条の自由)」を侵害するものに他ならない。結果として、表現の自由、集会・結社の自由など自分の意思を表明する、あるいは表明しない自由が根本から奪われてしまう。
しかも、現行法で、十分なテロ対策が可能であるにもかかわらず、共謀罪を新設しなければ東京オリンピックを開催できないというのは、オリンピックを人質にとった詭弁であり、オリンピックの政治的利用である。
このような法案を強引に成立させようとする政府の姿勢を許すわけにはいかない。
法案の成立を断固阻止すべきである。
2017年2月15日
一般社団法人日本ペンクラブ
会長 浅田次郎
言論表現委員長 山田健太
(引用終わり)
法案の成立を断固阻止すべきである。
2017年2月15日
一般社団法人日本ペンクラブ
会長 浅田次郎
言論表現委員長 山田健太
(引用終わり)
(弁護士・金原徹雄のブログから)
2017年2月6日
レファレンス掲載論文「共謀罪をめぐる議論」(2016年9月号)を読む
2017年2月7日
日弁連パンフレット「合意したら犯罪?合意だけで処罰?―日弁連は共謀罪に反対します!!―」(五訂版2015年9月)を読む
2017年2月8日
「共謀罪法案の提出に反対する刑事法研究者の声明」(2017年2月1日)を読む
2017年2月10日
海渡雄一弁護士with福島みずほ議員による新春(1/8)共謀罪レクチャーを視聴する
2017年2月6日
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