読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

wakaben6888のブログ

憲法を大事にし、音楽を愛し、原発を無くしたいと願う多くの人と繋がれるブログを目指します

ついに姿をあらわした共謀罪法案(組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案)

 今晩(2017年3月1日)配信した「メルマガ金原No.2738」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
ついに姿をあらわした共謀罪法案(組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案)

 昨日(2月28日)、政府が共謀罪法案(組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案)を与党に示し、自民、公明両党が党内審査に入ったことから、各メディアが一斉に法案の概要を伝えました・・・が、肝心の条文が見つけられない!分量的にとても法案全文は無理としても、せめて罰条を定める「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律」第六条の二だけでも、細切れの解説だけではなく、条文の形でなぜ載せられないのか?(もしかしたら載せたところがあったかもしれませんが)といらいらしていました。
 しかし、どこか法案自体をネットにアップしてくれるところがあるに違いないと思って探したところ、ありました!TBSラジオ「荻上チキ・Session-22」公式サイトが法案の全文と新旧対照条文のPDFファイル
をアップしてくれていました。
 
 
 
 法案そのものというのは、新規立法ならともかく、既存の法令の改正案の場合、「第一条中「かんがみ」を「鑑み、並びに国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約を実施するため」に改める。」とか、「第二条第二項第一号中「別表に」を「次に」に改め、同号に次のように加える。」というような条文が延々と続くのですから、法律家であっても、読むのもうんざりしますので、大概は新旧対照条文に頼ることになります。私も早速上記サイトから、64頁もありましたが、新旧対照条文を全部プリントアウトしました。
 これが、同じPDFファイルでも、閣議決定を経て政府(多分、内閣官房)のホームページに掲載されたファイルであれば、通常、テキストデータが埋め込まれていますので、コピー&ペーストをすることも可能なのですが、入手した紙ベースの資料をスキャンしてPDFファイルにした上記サイトからはコピペは無理です。
 けれども、3月3日の学習会に来てくれる参加者のために、せめて第六条の二だけでも読んでいただく必要があるだろうと思い、A4版1枚に収まるように、PDFファイルから転記して主催の和歌山県平和フォーラムに送りました。
 今日のメルマガ(ブログ)は、共謀罪シリーズの第9回として、「ついに姿を現した共謀罪法案」として、「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律」第六条の二の新設規定(案)を条文の形で読んでいただくため、私が和歌山県平和フォーラムに送った資料(3月3日の学習会で冊子『一からわかる共謀罪 話し合うことが罪になる』(2017年1月発行)と一緒に配布してもらう予定)を転記することにします。
 
(引用開始)
        組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律
               等の一部を改正する法律案 から
 
 2017年2月28日、政府は、いわゆる共謀罪法案(正確には「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案」)を、自民、公明の与党各党に示してその了承を求めた。これにより、法案の概要が一斉に報道機関によって報じられたが、法案そのものや新旧対照条文が政府(内閣官房)のホームページに掲載されるのは閣議決定の後になる。
 以下に掲載した法案(の一部)は、3月1日にTBSラジオ荻上チキ・Session-22」公式サイトに掲載された「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案新旧対照条文」(PDF)から、最も重要な第六条の二を転記したものである。
 従って、それ以降の情勢の変化により、さらに法案の修正が行われる可能性は(低いとは思うが)絶無ではないことを申し添える。(金原徹雄)
 
第六条の二 次の各号に掲げる罪に当たる行為で、組織的犯罪集団(団体のうち、その結合関係の基礎としての共同の目的が別表第三に掲げる罪を実行することにあるものをいう。次項において同じ。)の団体の活動として、当該行為を実行するための組織により行われるものの遂行を二人以上で計画した者は、その計画をした者のいずれかによりその計画に基づき資金又は物品の手配、関係場所の下見その他の計画をした犯罪を実行するための準備行為が行われたときは、当該各号に定める刑に処する。ただし、実行に着手する前に自首した者は、その刑を減軽し、又は免除する。
一 別表第四に掲げる罪のうち、死刑又は無期若しくは長期十年を超える懲役若しくは禁錮の刑が定めら
れているもの 五年以下の懲役又は禁錮
二 別表第四に掲げる罪のうち、長期四年以上十年以下の懲役又は禁錮の刑が定められているもの 二年
以下の懲役又は禁錮
2 前項各号に掲げる罪に当たる行為で、組織的犯罪集団に不正権益を得させ、又は組織的犯罪集団の不
正権益を維持し、若しくは拡大する目的で行われるものの遂行を二人以上で計画した者も、その計画をした者のいずれかによりその計画に基づき資金又は物品の手配、関係場所の下見その他の計画をした犯罪を実行するための準備行為が行われたときは、同項と同様とする。
 
別表第三(第六条の二関係) 略
別表第四(第六条の二関係) 
一 別表第三に掲げる罪(次に掲げる罪を除く。)
 イ~へ 略
二~六 略
(引用終わり)
 
 なお、上記条文を読み解く上で、なお参照する必要があるのが、「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律」第二条第一項(この項は改正されません)です。
 
組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(平成十一年八月十八日法律第百三十六号)
(定義)
第二条 この法律において「団体」とは、共同の目的を有する多数人の継続的結合体であって、その目的又は意思を実現する行為の全部又は一部が組織(指揮命令に基づき、あらかじめ定められた任務の分担に従って構成員が一体として行動する人の結合体をいう。以下同じ。)により反復して行われるものをいう。
2~7 略
 
 以上の「団体」の定義は、第六条の二第一項に定義規定が(括弧書きで)存在する「組織的犯罪集団」とは何かを理解するために参照しなければなりません。
 分かりやすくするために、この2つの定義規定を合体させてみましょう。
 
「組織的犯罪集団とは、別表第三に掲げる罪を実行することを共同の目的とする多数人の継続的結合体であって、その目的又は意思を実現する行為の全部又は一部が組織(指揮命令に基づき、あらかじめ定められた任務の分担に従って構成員が一体として行動する人の結合体をいう。以下同じ。)により反復して行われるものをいう。」
 
 まあ、これが「組織的犯罪集団」の定義です。「団体」のうち、「別表第三に掲げる罪を実行することを共同の目的とする」という要件が加わったものを「組織的犯罪集団」とするというものですが、一読して理解できます?
 
 さて、肝心の、どういう犯罪の共謀(計画)が共謀罪の対象となるかについては、別表第三と別表第四を読まねばなりません。正直、私もまだ全部に目が通せておらず、対象犯罪が「277」であるというマスコミ報道をとりあえず信用しているだけです。
 時間があれば、インターネット(総務省法令データ提供システム)で刑罰法令を検索し、共謀罪法案の別表第三、第四に掲げられた罪に実際にあたってみることですね。
 
 今日この新旧対照条文の別表をぱらぱらと流し読みした私がふと吸い寄せられた規定について、思わずFacebookでぼやいてしまいましたので、ご紹介します。

「【共謀罪法案を読んで-1】
別表第四、一(別表第三、二、ラ)によると、刑法252条(横領罪、5年以下の懲役)も共謀罪の対象となるけど、横領罪に未遂処罰規定はない。未遂は処罰しないけど、共謀(計画)は処罰するの?多分、こんな規定が山のようにあるんだろうなあ。
しかし、「組織的犯罪集団の団体の活動として、当該行為を実行するための組織により行われる」横領って何?」
 
 このぼやきには、すかさず友人の藤井幹雄和歌山弁護士会会長から「 山ほどあります!」というコメントが寄せられました。その後、弁護士会館で避難訓練に参加(私は災害対策委員会委員として参加)した際に会った藤井会長に聞いたところでは、日弁連「いわゆる共謀罪を創設する法案を国会に上程することに反対する意見書」を採択した際の理事会資料として、未遂処罰規定がないのに共謀罪の対象となる犯罪が「山ほどある」ことを示すペーパーが配布されたということでした。日弁連には、是非しかるべき時期にその一覧表をホームページにアップして欲しいですね。
 
 それから、上記「横領罪」についてのぼやきに付け加えるとすれば、「横領の共謀(計画)を処罰することが、どうしてテロ対策になるの?」ということでしょうか。
 とにかく、法案のどこを探しても「テロ」などという用語は出てきませんので、たとえ括弧付きであっても、「テロ等準備罪」などとは金輪際言わないようにしましょう。
 ちなみに、法案では、第六条の二の罪のことを、「実行準備行為を伴う組織的犯罪集団による重大犯罪遂行の計画罪」(第二条第二項第五号)と呼称しています。
 
共謀罪学習会のお知らせ)
日時 2017年3月3日(金)18:30~20:30
場所 和歌山市勤労者総合センター(ふくふくセンター)6階文化ホール
     和歌山市西汀丁34 TEL:073-433-1800
演題 “共謀罪”とは何か?・その狙いとは
講師 金原徹雄(弁護士・憲法9条を守る和歌山弁護士の会 前事務局長)
入場 無料
主催 和歌山県平和フォーラム、戦争をさせない和歌山委員会、部落解放同盟和歌山県連合会

※参加者には、『一(いち)からわかる共謀罪 話し合うことが罪になる』(2017年1月発行/頒価
200円)という、分かりやすくてためになる48頁の冊子が漏れなく進呈されます。
 
(弁護士・金原徹雄のブログから)
2017年2月6日
レファレンス掲載論文「共謀罪をめぐる議論」(2016年9月号)を読む
2017年2月7日
日弁連パンフレット「合意したら犯罪?合意だけで処罰?―日弁連は共謀罪に反対します!!―」(五訂版2015年9月)を読む
2017年2月8日
「共謀罪法案の提出に反対する刑事法研究者の声明」(2017年2月1日)を読む
2017年2月10日
海渡雄一弁護士with福島みずほ議員による新春(1/8)共謀罪レクチャーを視聴する

2017年2月21日
共謀罪をめぐる最新ニュース、動画、声明のご紹介
2017年2月23日
日本弁護士連合会「いわゆる共謀罪を創設する法案を国会に上程することに反対する意見書」(2017年2月17日)を読む
2017年2月24日
「安倍政権の横暴を許すな!」連続企画@和歌山市のご案内~3/3共謀罪学習会&3/25映画『高江―森が泣いている 2』上映と講演
2017年2月28日
共謀罪をめぐる最新ニュース、動画、声明のご紹介vol.3

共謀罪(金原)チラシ一からわかる共謀罪(表)一からわかる共謀罪(裏)