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「国民投票のルール設定を考える円卓会議」(5/30)視聴の勧め

 今晩(2017年5月31日)配信した「メルマガ金原No.2829」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
国民投票のルール設定を考える円卓会議」(5/30)視聴の勧め

 皆さんは、夏風邪など召されていませんでしょうか?まだ梅雨にもなっていないのに夏風邪は早過ぎる
かもしれませんが・・・。
 さて、日曜日以来、メルマガ(ブログ)に割ける時間と体力が相当に制限を受ける状況が続いています
ので、今日も短時間で書ける「動画紹介」をお送りします。
 [国民投票住民投票]情報室というところが(もしかしたら「国民投票のルール改善(国民投票法の改正)を考え求める会」かもしれませんが)、昨日(5月30日)開催した「国民投票のルール設定を考える円卓会議」の動画です。

 憲法改正国民投票については、既に「日本国憲法の改正手続に関する法律」(平成十九年五月十八日法律第五十一号)というれっきとした手続法があり、本来であれば、「国民投票のルール設定」など議論するまでもなく、あるべきルールは法制化されているだろう・・・などと思ったら大間違いで、この法律には、「公正」とか「公平」を実質的に保障するルールを定めようなどという意図はほとんどうかがえず、「自由」というよりは「放任」、ありていに言えば「好き勝手」が指導原理ではないかと疑われるほどで
す。
 実際、この法律の成立に際し、参議院で実に18項目に及ぶ附帯決議がなされたのですが、その中に、以下のような項目もあったのですが、一体どんな「必要な検討」が行われたのでしょうかね。
 
一、テレビ・ラジオの有料広告規制については、公平性を確保するためのメディア関係者の自主的な努力を尊重するとともに、本法施行までに必要な検討を加えること。
 
 私は、昨年10月22日、「憲法を生かす会 和歌山」主催の講演会でお話する機会をいただいた際、レジュメの冒頭に「1 はじめに~あるシミュレーション」と題する章を置きました。少し長くなりますが、
末尾に再掲します。
 そこでも書きましたが、「国民投票運動は、選挙運動とは異なり、活動主体に制限はなく、また運動の方法についての制限もほとんどない。罰則規定はあるが、通常の国民にとっては、「買収以外は何でもあり」と言っても過言ではない。経済的格差による実質的不平等に配慮した規定はなく、「国民投票運動の自由」が最大限に保障されている。唯一、規制らしい規制といえば、「国民投票の期日前十四日に当たる日から国民投票の期日までの間においては」「放送事業者の放送設備を使用して、国民投票運動のための広告放送をし、又はさせることができない。」というスポットCM禁止規定(国民投票法第105条)がある程度であり、それも、間際の14日間だけの放送広告に限った規制であり、それ以前のテレビCMは自由、新聞広告に至っては、国民投票期日の当日までいくらでも広告を打てることになっている。」とい
う野放し状態です。
 公職選挙法のようながんじがらめの規制も大問題ですが、国民投票法のこの野放図な(?)やり方も、このままで良いはずがありません。
 
 ところで、[国民投票/住民投票]情報室の代表?かどうか知りませんが、おそらく中心的存在の1人である今井一さん(ジャーナリスト)を始め、その周辺の知識人(「新9条論」の主張者が多かったりする)の主張には、聴くべきところが多々あるとは思いながら、全面的に賛同する気にならないのは、その発言から、十把一絡げに従来の「護憲派」を批判し、「自分はそのような者でない」と一段高いところから見下ろす臭気がどうしても拭いきれないからです。
 従って、従来からの「護憲派」である私としては、「新9条論を主張したいなら、自分たちの意見が改
憲発議案に反映できるだけの議席を確保してからにして欲しい」と言いたくもなるのです。

 というようなことは余談として、今回のテーマである「国民投票のルール設定を考える」ための取組に
は心から敬意を表するところであり、同情報室ホームページに掲載された「国民投票のルール改善(国民投票法の改正)を考え求める会の提案 (2月15日版)」にも、基本的に異論はありません。

 それでは、昨日(5月30日)参議院議員会館で開かれた「国民投票のルール設定を考える円卓会議」の模様を収録したUPLANの動画をご紹介します。
 
20170530 UPLAN 国民投票のルール設定を考える円卓会議(2時間27分)
 

 事前に予告されていた発言者は以下の方々でした。
 
本間 龍氏(作家。『原発プロパガンダ』『原発広告』著者)
堀 茂樹氏(フランス文学・哲学研究者。慶應大学名誉教授)
南部義典氏(法学者。『超早わかり 国民投票法入門』の著者)
宮本正樹氏(映画監督。脚本家。劇映画『第9条』が公開中)
三宅雪子氏(元衆議院議員
田島泰彦氏(法学者。上智大学文学部新聞学科教授)
斎藤貴男氏(ジャーナリスト。『ルポ改憲潮流』の著者)
糟谷廣一郎氏(元『週刊金曜日』副編集長。行政書士
浮田 哲氏(羽衣国際大学教授。元毎日放送ディレクター)
岩崎貞明氏(メディア総研事務局長。『放送レポート』編集長)
今井 一氏(ジャーナリスト。『「憲法9条国民投票』著者)
 
 当日は、以上の方々に加えて、自民党の船田元衆議院議員民進党の櫻井充参議院議員も参加して発言されています。
 

2016年10月22日(土) 和歌山市 中央コミュニティセンター
主催:憲法を生かす会 和歌山
レジュメ「参院選後の改憲の動きと私たちの課題」より抜粋
 
1 はじめに~あるシミュレーション
(1)201X年〇月△日、自民党公明党の与党に加え、日本維新の会日本のこころ他無所属の一部
も加わり、衆参両院の総議員の三分の二以上の賛成を得て、初めて日本国憲法改正案を国会が発議した。
※参考
 衆議院(平成28年10月13日現在の議席数475)の内
  自由民主党無所属の会 290
  公明党 35
  日本維新の会 15
   3党計 340(71.5%)
 参議院(平成28年10月18日現在の議席数242)の内
  自由民主党 123
  公明党 25
  日本維新の会 12
  日本のこころ 3
   4党計 163(67.3%)
 「日本国憲法の改正手続に関する法律」第2条に基づき、国会は、発議の日から起算して90日後にあたる同年●月▲日を国民投票の期日と定めた(期日は発議の日から「起算して六十日以後百八十日以内」で国会が定める)。

(2)国民投票の対象となる憲法改正案は、「第八章 地方自治」の次に「第九章 緊急事態」として、
次の二箇条を挿入するというものであった。
(以下、改正案の内容は省略)

(3)自民党公明党日本維新の会などの政党は言うに及ばず、「美しい日本の憲法をつくる国民の会」に結集した日本会議神社本庁日本青年会議所などが総力を挙げて、憲法改正案への賛成投票を呼び
かける「国民投票運動」を行ったことは言うまでもない。
 神社本庁傘下の全国の神社の境内には、「憲法改正国民投票で賛成票を投じよう」「緊急事態条項は国民を守る!」などというスローガンを掲げた幟がはためき、電車やバスの中吊り広告でも、同じような意
見広告を頻繁に目にするようになった。
 国民投票運動は、選挙運動とは異なり、活動主体に制限はなく、また運動の方法についての制限もほとんどない。罰則規定はあるが、通常の国民にとっては、「買収以外は何でもあり」と言っても過言ではない。経済的格差による実質的不平等に配慮した規定はなく、「国民投票運動の自由」が最大限に保障され
ている。
 唯一、規制らしい規制といえば、「国民投票の期日前十四日に当たる日から国民投票の期日までの間においては」「放送事業者の放送設備を使用して、国民投票運動のための広告放送をし、又はさせることができない。」というスポットCM禁止規定(国民投票法第105条)がある程度であり、それも、間際の14日間だけの放送広告に限った規制であり、それ以前のテレビCMは自由、新聞広告に至っては、国民
投票期日の当日までいくらでも広告を打てることになっている。
 「国民投票運動の自由」が保障されている結果として、例えば、「美しい日本の憲法をつくる国民の会」が集めた1000万人署名の署名用紙に記載された電話番号宛に(この署名用紙には、氏名・住所だけではなく、電話番号も記載する書式になっている)、「来る●月▲日の国民投票には、是非とも賛成票を投じてください」という電話が組織的にかかってくることになる(もちろん、ハガキも届く)。実際、この署名用紙の末尾には「「ご賛同者」の皆様には、国民投票の際、賛成投票へのご賛同の呼びかけをさせていただくことがあります」という利用目的についての注記があり(しかも「どこから」電話があるとは
書いていない)、個人情報保護法上の要件をクリアしている。
 さらに、自民党公明党日本維新の会などの議員(地方議員を含む)には、後援会組織を利用して、
末端まで「改憲賛成票」を投じるように浸透させることが党本部から指示される。
 また、企業、団体、組織などを利用した締め付けにより、「賛成票」の調達が推進される。

(4)201X年●月▲日、史上初の憲法改正国民投票が行われた。投票日当日の全国紙朝刊各紙に、自民党公明党日本維新の会などの政党だけではなく、「美しい日本の憲法をつくる国民の会」などの民
間団体も、「改憲案に賛成を!」という意見広告を盛大に掲載する中で。
 さて、その結果は?

(5)悪夢のような(?)シミュレーションについて若干の補足説明を。
 自民党の「日本国憲法改正草案」第98条、第99条という現在の緊急事態条項のままで公明党日本維新の会が賛成するのか?いくら何でもこのままということはないだろう、というようなことはもちろん
あります。その辺のすり合わせは当然ながら、行われるでしょう。
 それから、衆参両院で改憲勢力が2/3を超えたのは事実ですが、それでもまだしも参議院の方がきわ
どい2/3であることは事実です。
 けれども、こと「国民投票運動」に関しては、私の「シミュレーション」はほぼ外れないだろうという自信(?)があります。これまでの、日本会議神社本庁日本青年会議所などの改憲に向けた動きを跡
づけてくれば、そして、国民投票法の諸規定を通読すれば、こうとしかなりようがないと思うからです。