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動画・学習会「安倍首相の改憲発言をめぐって」(九条の会事務局)~浦田一郎さん、渡辺治さんのダブル講演で学ぶ

 今晩(2017年6月27日)配信した「メルマガ金原No.2856」を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
動画・学習会「安倍首相の改憲発言をめぐって」(九条の会事務局)~浦田一郎さん、渡辺治さんのダブル講演で学ぶ

 今日は、昨日(6月26日)、「立憲デモクラシーの会」が「安倍政権による強権的な国会運営と説明責任の放棄に対する声明」を発表する記者会見を開いた(出席者:山口二郎法政大学教授、石川健治東京大学教授、西谷修立教大学特任教授)というニュースを読み、IWJによる中継動画も確認しましたので、これを取り上げようと思ったのですが、肝腎の「声明」自体が見当たらない!「立憲デモクラシーの会」ホームページを閲覧しても、「記者会見のお知らせ」はあるものの、「声明」がどこを探してもないの
です。困りましたね。

 ということで、「安倍政権による強権的な国会運営と説明責任の放棄に対する声明」のご紹介は明日以降、インターネットで「声明」が読めるようになり次第ということにして、今日は、上記「立憲デモクラシーの会」
の「声明」とも、おそらく問題意識は通底しているのかなと思われる学習会の動画をご紹介します。
 それは、九条の会事務局が主催する「安倍首相の改憲発言をめぐって」という、ちょうど1週間前(6
月20日)に開催された学習会です。
 同会公式サイトからダウンロードできる開催案内を引用します。

(抜粋引用開始)
九条の会事務局主催 学習会のご案内
安倍首相の改憲発言をめぐって
 みなさん、周知のように5月3日に安倍首相は、「9条3項・加憲」、「教育無償化のための改憲」などを含めた明文改憲を唱えるビデオ・メッセージを改憲団体に寄せました。
 これをいかに批判し、はねのけていくのか。そのためのしっかりとした情勢把握と憲法についての理解
が、今こそ求められています。
 九条の会事務局では、下記のような学習会を準備し、じっくりと学習する場として企画しました。
 よろしくふるってご参加ください。
【日時】:2017年6月20日(火)18時30分~21時
【場所】:韓国YMCA地階スペースY
【講演】:
 ①「安倍首相の改憲発言-その憲法論的検討」
   浦田一郎さん(一橋大学名誉教授・憲法学)
 ②「安倍首相の改憲発言-そのねらいと危険性」
   渡辺 治さん(一橋大学名誉教授・政治学九条の会事務局員)
 講演の後、質疑時間を若干とります
(引用終わり)
 
 上記学習会については、自由メディア(FmATVch)が収録して、画質・音質とも非常に良好な動画を
YouTubeにアップしてくれています。
 
6・20安倍首相の改憲発言をめぐって(2時間13分)

冒頭~ 司会 小澤隆一東京慈恵医科大学教授(九条の会事務局員)
0分~ 挨拶 小森陽一東京大学教授(九条の会事務局長)
4分~ 講演①「安倍首相の改憲発言-その憲法論的検討」
      浦田一郎一橋大学名誉教授(憲法学)
54分~ 講演②「安倍首相の改憲発言-そのねらいと危険性」
       渡辺治一橋大学名誉教授(政治学九条の会事務局員)
1時間54分~ 質問用紙に対する講師からの回答

 5月3日の「安倍首相の改憲発言」というとき、正確には、次の2つのものを同時に指していると考え
る必要があります。

○第19回公開憲法フォーラム(主催:民間憲法臨調、美しい日本の憲法をつくる国民の会)に寄せたビ
デオメッセージ
○5月3日付読売新聞朝刊に掲載された安倍首相インタビュー

 後者(読売インタビュー)の紙面はたまたま私も所持していますが、ネットでは有料会員しか閲覧でき
ないようなので、前者のビデオメッセージのみ、あらためてリンク先をご紹介しておきます。

 ここで注意しておくべきは、9条加憲論について、少なくともビデオメッセージでは、「そこで、「9条1項、2項を残しつつ、自衛隊を明文で書き込む」という考え方、これは、国民的な議論に値するのだ
ろう、と思います。」と言っているだけであり、「自衛隊の存在を憲法上にしっかりと位置づけ」るのが、「9条3項」か、それとも「9条の2」かは明言していないということです。

 上記ダブル講演は、憲法論(浦田一郎さん)及び情勢論(渡辺治さん)の両面から、相当に突っ込んだ解説がなされており、ここ10年以上、いわゆる「9条の会」の運動に関わってきた私のような者にとっては当然のことですが、「9条の会」と直接の関わりを持っていない人にとっても、我が国の本当に重大な岐路が今目の前にあるという意識をもってこの動画を視聴し、学習していただきたいと思います。

 最後に、渡辺治さんの講演冒頭の一部を文字起こししておきます。 

「一言で言うと、この5月3日の安倍の改憲提言を読売新聞で見てですね、私は、安倍が改憲問題について、いきなり切り札を出してきたという風に感じました。おそらく、この9条加憲という形での改憲が、日本の進路をめぐる非常に重大な転換点といいますか、岐路を示した、そういう風に思います。掛け値なく、九条の会が、これまで2004年から頑張ってきた、この九条の会の存立意義が問われる、鼎の軽重が問われるということになった。そういう意味で言えば、あんまりこういう言葉は、私は講演の中で使いたくないし、狼が来た、狼が来た、いつ来るんだ?という話になるんですけども、今回は決戦場だと、これが私たちの、9条を本当に守って、日本の戦後70年、いろんな形で不十分な点はある
けれども、守ってきた日本の進路を一層前進させるのか、それを大きく根本的に転換させるのかという大きな分岐点が、ここ1~2年の間にやって来たという風にとらえるべきだと私は思っています。」