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「自由なラジオ LIGHT UP!」最新アーカイブを聴く(065~067)~小出裕章さん、上杉聡さん、下重暁子さん

 2017年7月11日配信(予定)のメルマガ金原.No.2870を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
「自由なラジオ LIGHT UP!」最新アーカイブを聴く(065~067)~小出裕章さん、上杉聡さん、下重暁子さん
 
 「ラジオフォーラム」の事実上の後継番組として、昨年4月にスタートした「自由なラジオ LIGHT UP!」。このところ、3週間ごとにお送りしている番組アーカイブの「まとめ」紹介ですが、今日は、以下の3番組(065~067)をご紹介します。
 今回ご紹介する3人のゲストの皆さんは、いずれもじっくりお話に耳を傾けたいという気持ちになる方達が揃っておられますね。
 講演動画は、よく視聴する機会があるにせよ、小出裕章さんに対するまとまったラジオのインタビュー番組を聴くのは久しぶりのような気がしますし、下重暁子さんの作家としての令名は伝え聞いているものの、個人的にはNHKアナウンサー時代の印象しか有していない私としては、これを機会に『母の恋文』を読んでみたいという気持ちになりましたもの。
 そして、私が一番注目したのは、矢野宏さんが上杉聡さんに聴く第66回です。安倍首相が憲法記念日に唐突に発表した改憲メッセージの元ネタが日本会議系の政治アナリスト・伊藤哲夫氏の論考だろうということは、つとに指摘されているところですが、日本会議研究の第一人者である上杉聡さんの語られる内容に興味津々です。
 是非多くの方が聴取されますように。
 なお、過去のアーカイブは以下のYouTubeチャンネルから聴取できます。
 
 
065 2017.6.27
今、改めて問う!日本の原子力政策と福島第一原発事故の行方
PERSONALITY 今西憲之(ジャーナリスト)
GUEST 小出裕章さん(元京都大学原子炉実験所助教

 福島第一原発事故直後から、政府や大手マスコミが報じない真実を、信念をもって発信し続けて来られた元京都大学原子炉実験所助教小出裕章さん。退官して2年余り、地方に居を移し都会から距離を置く中で、ある時は「仙人になる」と第一線を退く旨を宣言されておられました。しかし、今の日本社会を見るにつけ、原子力の世界に身を置いて来てしまった者としての責任をまだ果たしきれていないと、今も様々な場で発言を続けておられます。
 この番組「市民のための自由なラジオ“Light Up!”」でも、前身の「ラジオ・フォーラム」時代から通して、大きなメディアが敢えて伝えない本当のことを教えて下さる小出さんの発言を大切にして来ました。
 福島第一原発事故から6年が過ぎた今、その教訓と、今なお苦難の底にいる東北の方々の声などは意にも介さず、日本の原発は次々と再稼働していきます。他方、世界に目を向ければ、ドイツ、台湾などは政府が先頭を切って脱原発に向かっています。日本はなぜ原発をやめられないのか?番組前半では、海外の動きを注視しながら、日本社会の原発依存の体質について改めて考えていきます。
 また番組後半では、福島第一原発事故収束作業の今後について考えます。先だってカメラが初めて捉えてた炉心の調査結果は、小出さんが事故当初から訴え続けて来られた炉心溶融の解釈を裏付けたものでした。それは政府と東京電力の作っている事故収束へのロードマップを真っ向から否定する内容でした・・・。加えて、もう貯蔵場所が尽きてきた汚染水問題では、除去しきれない放射性物資トリチウムを含んだまま、汚染を覚悟で海に流すしかないのでしょうか?今回の番組では、福島第一原発事故の収束はいつ訪れるのか、そもそも収束などありえないのかについて、じっくりとお話しを伺いました。
 
066 2017.7.4
森友学園問題が照らし出す日本会議憲法・教育
PERSONALITY 矢野宏(新聞うずみ火代表・ジャーナリスト)
GUEST 上杉聡さん(大阪市立大学元教授・日本戦争責任資料センター事務局長)

 憲法記念日の5月3日、安倍首相が憲法9条改正と2020年の施行を目指す考えを示しました。各メディアは一斉に「安倍首相が決断した」と報じましたが、火付け役となったのは、この番組でも何度か取り上げた日本会議です。そのことはすでに、安倍首相のブレーンである伊藤哲夫氏が日本会議の機関紙(2016年8月号)に発表しています。
 今回は、日本最大の右側組織「日本会議」研究の第一人者である上杉聡さんをゲストに迎え、日本会議とはどういう組織なのか?森友学園問題で詳らかになった、教育界を戦前に回帰させようとする動きの狙いとその内幕について、矢野宏がインタビューします。
電話インタビューコーナー「安倍政権が南の島でひそかに進める戦争準備」
 沖縄の基地問題といえば、辺野古や高江が注目されていますが、防衛省は鹿児島の南端から与那国島まで続く南西諸島(全長1200キロ)での「防衛力強化」を打ち出し、急激に自衛隊配備計画を進めています。そこで、矢野宏が気になった話題を解説する「よりそいコラム」は、今回予定を変更し、与那国島に13年間住み、この再軍備化に警鐘を鳴らしている「南西諸島ピースネット」共同代表の猪俣哲さんに電話で話を伺います。
 
 
067 2017.7.11
幸せな家族を敢えて幻想とした時、見えてくるもの。
作家・下重暁子が大切にする「個」の尊厳とは?
PERSONALITY 木内 みどり
GUEST 下重暁子さん

 今回のスタジオのお客様は、作家の下重暁子さんです。元NHKのアナウンサーでその後作家としてベストセラーを含む数々のご著書をお持ちです。ヒット作のほとんどに目を通して今回のインタビューに臨んだという木内みどりとの対談は、作家下重暁子さんの生い立ちからなる家族観や社会観に深く斬りこみ、たいへん聴き応えのあるものとなりました。
 著書「母の恋文」についてお話しを伺いました。母親が結婚前に父親に送った2年間で100通余りという手紙の束を発見してから、下重暁子さんは全く知り得なかった自分が生まれる前の両親の人生を目の当たりにすることになります。軍人として旅順にいた父に宛てて送られたその手紙から、自分の誕生の意味や、その後の家族との確執について考えるようになったといいます。そのことは、下重さんの作品には大きな影響を与えているようです。
 また、二冊あわせて65万部以上に達したという大ベストセラー、2015年3月に出された「家族という病」、2016年4月に出された「家族という病2」(共に幻冬舎新書)については、人間一人の個の存在を尊ぶことの大切さを語ってくださいました。折しも憲法改悪を目前に、私たちは個としての尊厳をどう考えたらよいのか?暗闇を航海する船の羅針盤となるような考え方をひとつ、提案してくださったかのようです。お聞き逃しなく。
*Light UP! ジャーナル
「自由な隅田川スタジオ」に初めて小出裕章さんをお迎えしました!
 普段は松本からお電話でご参加いただいています小出裕章さんを、初めて「自由な隅田川スタジオ」にお迎えして、木内みどりと和やかにトークしていただきました。「先生」と呼ばれることを嫌う小出さんは、それでも皆から先生と慕われ、全国へ講演に出掛けます。今は、5件に1件くらいしか講演依頼には応えられないけれど・・とおっしゃいながらも、福島第一原発事故原子力そのものに関係してきた者の責任があるのだと足しげく全国を駆け巡っていらっしゃいます。
 そしてMBSの「たねまきジャーナル」が潰されたときの存続運動、そしてそこから誕生した当番組の前身の番組「ラジオ・フォーラム」と関わってきた者として、この番組「市民のための自由なラジオ“Light Up!”」にも関わる責任を感じていると語ってくださいました。本当に嬉しいご意思です。こちらもどうぞお楽しみに!