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MBSドキュメンタリー映像’17『教育と愛国~いま教科書で何が起きているのか』(7/30深夜)のご紹介

 2017年7月19日配信(予定)のメルマガ金原.No.2878を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
MBSドキュメンタリー映像’17『教育と愛国~いま教科書で何が起きているのか』(7/30深夜)のご紹介
 
 午後5時半から始まった弁護士会の会議がようやく8時過ぎに終わり、事務所に戻ってきました。今月21日(金)午後5時が提出期限となっている放送大学オンライン授業の課題がまだ一部未提出で、しかも、明後日の午後は大阪出張で時間がない・・・というぼやきの中でブログの毎日更新を続けようというのですから、TVドキュメンタリーの放送予告でお茶を濁すのもやむを得ないとご容赦ください。
 しかも、今日ご紹介する「MBSドキュメンタリー映像’17」(毎日放送)は、7月30日(日)深夜の放送であり、考えてみると、同時間帯に放送されるNNNドキュメントをご紹介済みでした(カジノ実施法案の準備状況とNNNドキュメント『ギャンブル依存~抜け出せない"病"回復と衝動の狭間~(仮)』(7/30)のお知らせ/2017年7月5日)。
 どちらを録画予約したものだろうか?と悩むことになりそうです。
 
毎日放送 2017年7月31日(月)0時50分~1時50分
MBSドキュメンタリー映像’17
『教育と愛国~いま教科書で何が起きているのか』
(番組案内から引用開始)
 「善悪の判断」・「礼儀」・「国や郷土を愛する態度」・・・20以上の徳目がずらりと並びます。
 それらを学ぶための読み物、それが「道徳」の教科書です。来年度から小学校で導入される「特別の教科 道徳」は、これからの時代の教育の要とされています。2020年度に全面実施される新教育課程には「道徳教育は学校の教育活動全体を通じて行われる」とあり、まさに戦後教育の大転換といえます。
 しかし、教育現場では賛否が渦巻いています。その背後では教科書をめぐって、文部科学省教科書検定や採択制度が、政治的介入を招く余地があるとの懸念の声があがっています。これまで歴史の教科書では、過去に何度もその記述をめぐり激しい議論が起きてきました。「もう二度と教科書は書きたくない」と話す学者がいます。「慰安婦」の記述をきっかけに教科書会社が倒産することになった過去の記憶が、いまも生々しく甦ると学者は重い口を開きます。一方、いまの検定制度のもとでの教科書づくりは、何を書き何を書かないか、まさに「忖度の世界」と嘆く編集者もいます。さらに学校現場では、特定の教科書を攻撃するハガキが殺到するような異常事態も起きています。
 教育の根幹に存在する教科書。歴史や道徳の教科書を取り巻く出来事から、国家と教育の関係の変化が見えてくるのではないだろうか。教科書でいま何が起きているのか。これまで表面に出ることがなかった「教科書をめぐる攻防」を通して、この国の教育の未来を考えます。
(引用終わり)
 
 上記「来年度から小学校で導入される「特別の教科 道徳」」と言及されている「小学校学習指導要領(平成27年3月)」の中の「特別の教科 道徳」編を、少し長くなりますが、以下に前文引用しておきます(文部科学省による「解説」にもリンクしておきます)。おそらく、ほとんどの人が読んだことがないでしょうから。
 これを読んで、私のように首を傾げるものばかりではなく、「素晴らしい」と賞賛する人もいるのでしょうね。この議論の多い新「学習指導要領」に基づく「道徳」の「教科書」が、いよいよ来年4月から、小学校の現場で使われ始めます。
 「「教科書をめぐる攻防」を通して、この国の教育の未来を考えます。」という番組制作者の意図を読み、是非視聴したいと思いました。
 
(引用開始)
第1章 総則
第1 教育課程編成の一般方針
1 略
2 学校における道徳教育は,特別の教科である道徳(以下「道徳科」という。)を要として学校の教育活動全体を通じて行うものであり,道徳科はもとより,各教科,外国語活動,総合的な学習の時間及び特別活動のそれぞれの特質に応じて,児童の発達の段階を考慮して,適切な指導を行わなければならない。
 道徳教育は,教育基本法及び学校教育法に定められた教育の根本精神に基づき,自己の生き方を考え,主体的な判断の下に行動し,自立した人間として他者と共によりよく生きるための基盤となる道徳性を養うことを目標とする。
 道徳教育を進めるに当たっては,人間尊重の精神と生命に対する畏敬の念を家庭,学校,その他社会における具体的な生活の中に生かし,豊かな心をもち,伝統と文化を尊重し,それらを育んできた我が国と郷土を愛し,個性豊かな文化の創造を図るとともに,平和で民主的な国家及び社会の形成者として,公共の精神を尊び,社会及び国家の発展に努め,他国を尊重し,国際社会の平和と発展や環境の保全に貢献し未来を拓く主体性のある日本人の育成に資することとなるよう特に留意しなければならない。
3 略
 
第2章 各教科 略
 
第3章 特別の教科 道徳(91頁~98頁)
第1 目標
 総則の第1の2に示す道徳教育の目標に基づき,よりよく生きるための基盤となる道徳性を養うため,道徳的諸価値についての理解を基に,自己を見つめ,物事を多面的・多角的に考え,自己の生き方についての考えを深める学習を通して,道徳的な判断力,心情,実践意欲と態度を育てる。
 
第2 内容
 学校の教育活動全体を通じて行う道徳教育の要である道徳科においては,以下に示す項目について扱う。
A 主として自分自身に関すること
[善悪の判断,自律,自由と責任]
〔第1学年及び第2学年〕
 よいことと悪いこととの区別をし,よいと思うことを進んで行うこと。
〔第3学年及び第4学年〕
 正しいと判断したことは,自信をもって行うこと。
〔第5学年及び第6学年〕
 自由を大切にし,自律的に判断し,責任のある行動をすること。
[正直,誠実]
〔第1学年及び第2学年〕
 うそをついたりごまかしをしたりしないで,素直に伸び伸びと生活すること。
〔第3学年及び第4学年〕
 過ちは素直に改め,正直に明るい心で生活すること。
〔第5学年及び第6学年〕
 誠実に,明るい心で生活すること。
[節度,節制]
〔第1学年及び第2学年〕
 健康や安全に気を付け,物や金銭を大切にし,身の回りを整え,わがままをしないで,規則正しい生活をすること。
〔第3学年及び第4学年〕
 自分でできることは自分でやり,安全に気を付け,よく考えて行動し,節度のある生活をすること。
〔第5学年及び第6学年〕
 安全に気を付けることや,生活習慣の大切さについて理解し,自分の生活を見直し,節度を守り節制に心掛けること。
[個性の伸長]
〔第1学年及び第2学年〕
 自分の特徴に気付くこと。
〔第3学年及び第4学年〕
 自分の特徴に気付き,長所を伸ばすこと。
〔第5学年及び第6学年〕
 自分の特徴を知って,短所を改め長所を伸ばすこと。
[希望と勇気,努力と強い意志]
〔第1学年及び第2学年〕
 自分のやるべき勉強や仕事をしっかりと行うこと。
〔第3学年及び第4学年〕
 自分でやろうと決めた目標に向かって,強い意志をもち,粘り強くやり抜くこと。
〔第5学年及び第6学年〕
 より高い目標を立て,希望と勇気をもち,困難があってもくじけずに努力して物事をやり抜くこと。
[真理の探究]
〔第5学年及び第6学年〕
 真理を大切にし,物事を探究しようとする心をもつこと。
B 主として人との関わりに関すること
[親切,思いやり]
〔第1学年及び第2学年〕
 身近にいる人に温かい心で接し,親切にすること。
〔第3学年及び第4学年〕
 相手のことを思いやり,進んで親切にすること。
〔第5学年及び第6学年〕
 誰に対しても思いやりの心をもち,相手の立場に立って親切にすること。
[感謝]
〔第1学年及び第2学年〕
 家族など日頃世話になっている人々に感謝すること。
〔第3学年及び第4学年〕
 家族など生活を支えてくれている人々や現在の生活を築いてくれた高齢者に,尊敬と感謝の気持ちをもって接すること。
〔第5学年及び第6学年〕
 日々の生活が家族や過去からの多くの人々の支え合いや助け合いで成り立っていることに感謝し,それに応えること。
[礼儀]
〔第1学年及び第2学年〕
 気持ちのよい挨拶,言葉遣い,動作などに心掛けて,明るく接すること。
〔第3学年及び第4学年〕
 礼儀の大切さを知り,誰に対しても真心をもって接すること。
〔第5学年及び第6学年〕
 時と場をわきまえて,礼儀正しく真心をもって接すること。
[友情,信頼]
〔第1学年及び第2学年〕
 友達と仲よくし,助け合うこと。
〔第3学年及び第4学年〕
 友達と互いに理解し,信頼し,助け合うこと。
〔第5学年及び第6学年〕
 友達と互いに信頼し,学び合って友情を深め,異性についても理解しながら,人間関係を築いていくこと。
[相互理解,寛容]
〔第3学年及び第4学年〕
 自分の考えや意見を相手に伝えるとともに,相手のことを理解し,自分と異なる意見も大切にすること。
〔第5学年及び第6学年〕
 自分の考えや意見を相手に伝えるとともに,謙虚な心をもち,広い心で自分と異なる意見や立場を尊重すること。
C 主として集団や社会との関わりに関すること
[規則の尊重]
〔第1学年及び第2学年〕
 約束やきまりを守り,みんなが使う物を大切にすること。
〔第3学年及び第4学年〕
 約束や社会のきまりの意義を理解し,それらを守ること。
〔第5学年及び第6学年〕
 法やきまりの意義を理解した上で進んでそれらを守り,自他の権利を大切にし,義務を果たすこと。
[公正,公平,社会正義]
〔第1学年及び第2学年〕
 自分の好き嫌いにとらわれないで接すること。
〔第3学年及び第4学年〕
 誰に対しても分け隔てをせず,公正,公平な態度で接すること。
〔第5学年及び第6学年〕
 誰に対しても差別をすることや偏見をもつことなく,公正,公平な態度で接し,正義の実現に努めること。
[勤労,公共の精神]
〔第1学年及び第2学年〕
 働くことのよさを知り,みんなのために働くこと。
〔第3学年及び第4学年〕
 働くことの大切さを知り,進んでみんなのために働くこと。
〔第5学年及び第6学年〕
 働くことや社会に奉仕することの充実感を味わうとともに,その意義を理解し,公共のために役に立つことをすること。
[家族愛,家庭生活の充実]
〔第1学年及び第2学年〕
 父母,祖父母を敬愛し,進んで家の手伝いなどをして,家族の役に立つこと。
〔第3学年及び第4学年〕
 父母,祖父母を敬愛し,家族みんなで協力し合って楽しい家庭をつくること。
〔第5学年及び第6学年〕
 父母,祖父母を敬愛し,家族の幸せを求めて,進んで役に立つことをすること。
[よりよい学校生活,集団生活の充実]
〔第1学年及び第2学年〕
 先生を敬愛し,学校の人々に親しんで,学級や学校の生活を楽しくすること。
〔第3学年及び第4学年〕
 先生や学校の人々を敬愛し,みんなで協力し合って楽しい学級や学校をつくること。
〔第5学年及び第6学年〕
 先生や学校の人々を敬愛し,みんなで協力し合ってよりよい学級や学校をつくるとともに,様々な集団の中での自分の役割を自覚して集団生活の充実に努めること。
[伝統と文化の尊重,国や郷土を愛する態度]
〔第1学年及び第2学年〕
 我が国や郷土の文化と生活に親しみ,愛着をもつこと。
〔第3学年及び第4学年〕
 我が国や郷土の伝統と文化を大切にし,国や郷土を愛する心をもつこと。
〔第5学年及び第6学年〕
 我が国や郷土の伝統と文化を大切にし,先人の努力を知り,国や郷土を愛する心をもつこと。
[国際理解,国際親善]
〔第1学年及び第2学年〕
 他国の人々や文化に親しむこと。
〔第3学年及び第4学年〕
 他国の人々や文化に親しみ,関心をもつこと。
〔第5学年及び第6学年〕
 他国の人々や文化について理解し,日本人としての自覚をもって国際親善に努めること。
D 主として生命や自然,崇高なものとの関わりに関すること
[生命の尊さ]
〔第1学年及び第2学年〕
 生きることのすばらしさを知り,生命を大切にすること。
〔第3学年及び第4学年〕
 生命の尊さを知り,生命あるものを大切にすること。
〔第5学年及び第6学年〕
 生命が多くの生命のつながりの中にあるかけがえのないものであることを理解し,生命を尊重すること。
[自然愛護]
〔第1学年及び第2学年〕
 身近な自然に親しみ,動植物に優しい心で接すること。
〔第3学年及び第4学年〕
 自然のすばらしさや不思議さを感じ取り,自然や動植物を大切にすること。
〔第5学年及び第6学年〕
 自然の偉大さを知り,自然環境を大切にすること。
[感動,畏敬の念]
〔第1学年及び第2学年〕
 美しいものに触れ,すがすがしい心をもつこと。
〔第3学年及び第4学年〕
 美しいものや気高いものに感動する心をもつこと。
〔第5学年及び第6学年〕
 美しいものや気高いものに感動する心や人間の力を超えたものに対する畏敬の念をもつこと。
[よりよく生きる喜び]
〔第5学年及び第6学年〕
 よりよく生きようとする人間の強さや気高さを理解し,人間として生きる喜びを感じること。
 
第3 指導計画の作成と内容の取扱い
1 各学校においては,道徳教育の全体計画に基づき,各教科,外国語活動,総合的な学習の時間及び特別活動との関連を考慮しながら,道徳科の年間指導計画を作成するものとする。なお,作成に当たっては,第2に示す各学年段階の内容項目について,相当する各学年において全て取り上げることとする。その際,児童や学校の実態に応じ,2学年間を見通した重点的な指導や内容項目間の関連を密にした指導,一つの内容項目を複数の時間で扱う指導を取り入れるなどの工夫を行うものとする。
2 第2の内容の指導に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 校長や教頭などの参加,他の教師との協力的な指導などについて工夫し,道徳教育推進教師を中心とした指導体制を充実すること。
(2) 道徳科が学校の教育活動全体を通じて行う道徳教育の要としての役割を果たすことができるよう,計画的・発展的な指導を行うこと。特に,各教科,外国語活動,総合的な学習の時間及び特別活動における道徳教育としては取り扱う機会が十分でない内容項目に関わる指導を補うことや,児童や学校の実態等を踏まえて指導をより一層深めること,内容項目の相互の関連を捉え直したり発展させたりすることに留意すること。
(3) 児童が自ら道徳性を養う中で,自らを振り返って成長を実感したり,これからの課題や目標を見付けたりすることができるよう工夫すること。その際,道徳性を養うことの意義について,児童自らが考え,理解し,主体的に学習に取り組むことができるようにすること。
(4) 児童が多様な感じ方や考え方に接する中で,考えを深め,判断し,表現する力などを育むことができるよう,自分の考えを基に話し合ったり書いたりするなどの言語活動を充実すること。
(5) 児童の発達の段階や特性等を考慮し,指導のねらいに即して,問題解決的な学習,道徳的行為に関する体験的な学習等を適切に取り入れるなど,指導方法を工夫すること。その際,それらの活動を通じて学んだ内容の意義などについて考えることができるようにすること。また,特別活動等における多様な実践活動や体験活動も道徳科の授業に生かすようにすること。
(6) 児童の発達の段階や特性等を考慮し,第2に示す内容との関連を踏まえつつ,情報モラルに関する指導を充実すること。また,児童の発達の段階や特性等を考慮し,例えば,社会の持続可能な発展などの現代的な課題の取扱いにも留意し,身近な社会的課題を自分との関係において考え,それらの解決に寄与しようとする意欲や態度を育てるよう努めること。なお,多様な見方や考え方のできる事柄について,特定の見方や考え方に偏った指導を行うことのないようにすること。
(7) 道徳科の授業を公開したり,授業の実施や地域教材の開発や活用などに家庭や地域の人々,各分野の専門家等の積極的な参加や協力を得たりするなど,家庭や地域社会との共通理解を深め,相互の連携を図ること。
3 教材については,次の事項に留意するものとする。
(1) 児童の発達の段階や特性,地域の実情等を考慮し,多様な教材の活用に努めること。特に,生命の尊厳,自然,伝統と文化,先人の伝記,スポーツ,情報化への対応等の現代的な課題などを題材とし,児童が問題意識をもって多面的・多角的に考えたり,感動を覚えたりするような充実した教材の開発や活用を行うこと。
(2) 教材については,教育基本法や学校教育法その他の法令に従い,次の観点に照らし適切と判断されるものであること。
ア 児童の発達の段階に即し,ねらいを達成するのにふさわしいものであること。
イ 人間尊重の精神にかなうものであって,悩みや葛藤等の心の揺れ,人間関係の理解等の課題も含め,児童が深く考えることができ,人間としてよりよく生きる喜びや勇気を与えられるものであること。
ウ 多様な見方や考え方のできる事柄を取り扱う場合には,特定の見方や考え方に偏った取扱いがなされていないものであること。
4 児童の学習状況や道徳性に係る成長の様子を継続的に把握し,指導に生かすよう努める必要がある。ただし,数値などによる評価は行わないものとする。
(引用終わり)
 
 
(弁護士・金原徹雄のブログから/道徳・愛国・教育関連)
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