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新しい和歌山市民図書館(2019年10月開館予定)に指定管理者制度が導入される

 2017年8月12日配信(予定)のメルマガ金原.No.2902を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
新しい和歌山市民図書館(2019年10月開館予定)に指定管理者制度が導入される
 
 意図したわけではありませんが、ここ最近、私の地元である和歌山市の政策の方向性に疑問を抱き、それをブログで取り上げることが増えてきたような気がします。
 主要なものは、和歌山マリーナシティへのカジノ誘致、そして、家庭教育支援条例関連の2つでしたが、ここで新たに、和歌山市民図書館に指定管理者制度を導入するという問題(既に条例改正によって決定済み)が明らかとなり、とりあえず、その第一報を書いてみることにしました。
 
  現在の和歌山市民図書館(本館)は、南海和歌山市駅から徒歩約5分の場所に立地していますが、JR和歌山駅周辺に比べて衰退著しい南海和歌山市駅前再開発事業の一環として、これから建築する新駅ビル(公益施設棟)の中核施設として移転することが決定しています。
 ・・・というところまでは、私もニュースで知っていましたが、それ以上の情報の持ち合わせはありませんでした。それは、私が図書館から本を借りて読むという習慣がないので、その分関心を寄せることもなかった、ということだろうと思います。
 調べてみると、今年の5月には、新図書館の基本設計が完成し、公開されていました。
 
 さて、平成31年10月に新しい駅ビルに移転予定の和歌山市民図書館が、指定管理者制度を採用することになったということは、私の知人の女性(Kさん)から、Facebookを通じて教えていただきました。
 ちなみに、Kさんは、図書館のヘビーユーザーとのことです。
 
 もっとも、指定管理者制度自体は、何も今に始まったことではなく(2003年の地方自治法改正によって導入された)、和歌山市の場合、「指定管理者を導入している施設一覧表」を見てみると、「公募により指定管理者を選定した施設数 60施設」「公募せずに指定管理者に指定した施設数 31施設」となっています。
 現在は、「和歌山市営市駅前原動機付自転車駐車場」の管理者を公募中で、今後、さらに新駅ビルに移る「和歌山市民図書館」の管理者が公募されることになるのでしょうね。
 
 ここで、指定管理者制度の根拠条文(地方自治法)を読んでおきましょう。
 
(公の施設の設置、管理及び廃止)
第二百四十四条の二 普通地方公共団体は、法律又はこれに基づく政令に特別の定めがあるものを除くほか、公の施設の設置及びその管理に関する事項は、条例でこれを定めなければならない。
2 普通地方公共団体は、条例で定める重要な公の施設のうち条例で定める特に重要なものについて、これを廃止し、又は条例で定める長期かつ独占的な利用をさせようとするときは、議会において出席議員の三分の二以上の者の同意を得なければならない。
3 普通地方公共団体は、公の施設の設置の目的を効果的に達成するため必要があると認めるときは、条例の定めるところにより、法人その他の団体であつて当該普通地方公共団体が指定するもの(以下本条及び第二百四十四条の四において「指定管理者」という。)に、当該公の施設の管理を行わせることができる。
4 前項の条例には、指定管理者の指定の手続、指定管理者が行う管理の基準及び業務の範囲その他必要な事項を定めるものとする。
5 指定管理者の指定は、期間を定めて行うものとする。
6 普通地方公共団体は、指定管理者の指定をしようとするときは、あらかじめ、当該普通地方公共団体の議会の議決を経なければならない。
7 指定管理者は、毎年度終了後、その管理する公の施設の管理の業務に関し事業報告書を作成し、当該公の施設を設置する普通地方公共団体に提出しなければならない。
8 普通地方公共団体は、適当と認めるときは、指定管理者にその管理する公の施設の利用に係る料金(次項において「利用料金」という。)を当該指定管理者の収入として収受させることができる。
9 前項の場合における利用料金は、公益上必要があると認める場合を除くほか、条例の定めるところにより、指定管理者が定めるものとする。この場合において、指定管理者は、あらかじめ当該利用料金について当該普通地方公共団体の承認を受けなければならない。
10 普通地方公共団体の長又は委員会は、指定管理者の管理する公の施設の管理の適正を期するため、指定管理者に対して、当該管理の業務又は経理の状況に関し報告を求め、実地について調査し、又は必要な指示をすることができる。
11 普通地方公共団体は、指定管理者が前項の指示に従わないときその他当該指定管理者による管理を継続することが適当でないと認めるときは、その指定を取り消し、又は期間を定めて管理の業務の全部又は一部の停止を命ずることができる。
 
 以上の規定を一読して明らかなとおり、指定管理者制度は、「官から民へ」という小泉構造改革路線の一環として導入された制度ですが、その全般的な評価をここで論じるだけの知識の持ち合わせはありません。
 ただ、「公の施設」の中でも、とりわけ公立図書館が「指定管理者に管理を行わせる」ことが適切な施設なのか?ということについては、重大な疑義が提起されているということだけは指摘しておきたいと思います。
 
 いわゆる「TSUTAYA図書館」問題については、「TSUTAYA(ツタヤ))/図書館」というキーワードでネット検索してみれば、それこそ山のように記事がヒットしますが、とりあえず「神奈川県海老名市立図書館/分類問題」、「佐賀県武雄市立図書館/選書問題」、「山口県周南市立図書館/ダミー本問題」を取り上げた記事を3本だけご紹介しておきます。
 
 
 
 
 
 以上は、やや特殊な問題をジャーナリスティックに報じた側面がありますが、より一般的に、公立図書館と指定管理者の問題について、事実を踏まえて検討した結果を意見書として公開している団体がいくつかあり、その代表的な存在として、公益社団法人日本図書館協会を取り上げます。日本図書館協会は、過去、2005年、2008年、2010年の3度にわたって見解を公表してきたそうですが、4度目の意見書「公立図書館の指定管理者制度についてー2016」を、昨年の9月に発表しています。
 
 
 また、日本図書館協会では、上記意見書を踏まえ、今年の3月に以下のようなパンフレットを作成していますが、指定管理者制度の問題点が分かりやすくまとめられていますし、最新の情報(総務省の方針転換など)も掲載されていますので、重要部分を抜粋して引用します。
 
 (抜粋引用開始)
★「公立図書館のあるべき姿」とは
 公立図書館は、住民が持っている基本的な権利や様々な欲求に応えるために地方公共団体が設置し運営する図書館であり、乳幼児から高齢者まで、住民すべての生涯にわたる自己教育に資するとともに、住民が情報を入手し、芸術や文学を鑑賞し、地域文化の創造に資することを目的とした教育機関です。
 そのため公立図書館は、地方公共団体の責任において直接管理運営し、住民の権利である資料要求を保障することが求められています。
(1) 公立図書館の役割
 住民一人ひとりの資料要求に対する個別対応を基本とし、住民の公平な利用の観点から、すべての住民に無料で基本的サービスを保障することを目的としています。
 さらに、公立図書館は、住民の生活・職業・生存と精神的自由に深くかかわる機関であり、地域に根ざした知の拠点として継続的に資料・情報を収集・保存し、提供すると同時に、地域コミュニティの拠点としてあらゆる地域活動と連携し地域文化の創造拠点としての役割を担っています。
(2) 公立図書館の管理運営の基本
 公立図書館は、地方公共団体が設置し、教育委員会が管理することが基本であり、運営やサービスを提供することは自治体の責務です。設置者が図書館の運営方針や事業計画を定め、図書館運営を評価します。
 図書館事業は、継続性、安定性、公平性が求められ、常に住民一人ひとりへのサービスの向上を目指しています。このようなことからも図書館の管理運営は、自治体の責任において自治体が直接行うことが基本であり、これを他の者に行わせることは望ましいことではありません。
指定管理者制度の問題点
(1) 制度上の問題
 指定期間の設定が概ね3~5年と短く、次回も指定されるとは限らないため、職員の雇用期間も年毎に更新する場合が多く、安定した身分の確立が保障されず、サービスの維持・向上を果たす上での職員の基層における影響が避けられません。
 さらに、図書館利用の無料の原則から指定管理者側の事業収入が見込めないため、サービスの拡大発展を期待することが困難です。
(2) 手続き上の問題
 指定管理者の選定は、公正かつ透明性を確保して、住民や議会の理解や合意を得ながら複数の候補の中から行政処分として行われることが求められていますが、特別な事由で特定団体を指定することもできる制度でもあるため、しばしば指定に関して疑念が生じるケースが散見されます。住民のための図書館として、住民の意向が尊重されることが大切ですが、導入の目的や指定の合理的な理由などが明確に示されていない場合に問題となっています。
(3) 設置者にとっての問題
 図書館の政策や計画の立案、サービス評価には、専門的知識・経験を持つ現場職員の参加が不可欠です。指定管理者の職員は参加すらできません。政策決定と運営主体との分離は、図書館運営の維持発展を大きく阻害するものと考えます。人材育成の面からも図書館の専門的知識・経験を有する自治体職員の継続的な配置が必要です。
(4) 利用者にとっての問題
 公立図書館は、住民からの様々な読書相談や資料要求に対して、迅速かつ的確に提供することが求められています。そのためには所蔵資料の把握はもちろん、地域の事情にも精通し、資料に関する専門知識と経験の蓄積を持った司書が的確に対応しなければなりません。さらに、地域に根ざした様々な活動を展開するには、図書館の第一線で住民をはじめ関係機関との密接な連携を図ることが重要です。短期間の契約ではこのような専門的職員を配置することは極めて困難です。
(略)
★その他 注目すべき事項として
(1) 総務省によるトップランナー方式導入問題
 平成27年11月に総務省から歳出の効率化を推進する目的で、図書館に係る地方交付税の算定方式に関し、指定管理者制度導入の推進を狙ったトップランナー方式を検討対象とするとされましたが、平成28年11月に図書館への適用を見送ることが発表されました。
その理由として、「教育機関としての重要性に鑑み、司書を地方団体の職員として配置す
ることが適切であり、専門性の高い職員を長期的に育成・確保する必要がある」、「関係省(文部科学省)や関係団体(日本図書館協会等)から、業務の専門性、地域のニーズへの対応、持続的・継続的運営の観点から、各施設の機能が十分に果たせなくなることが懸念される」などの意見があったこと。さらに「実態として指定管理者制度の導入が進んでいないこと」、「社会教育法等の一部改正法(2008年)の国会審議において「社会教育施設における人材確保及びその在り方について、指定管理者制度の導入による弊害についても十分配慮し、検討すること」等の附帯決議があること」などの4点をあげています。
 総務省が、これらの具体的な理由を示して見送ったことは、当協会が総務省文部科学省に対して「図書館に係る地方交付税算定におけるトップランナー方式導入に強く反対します。」という声明を出したことや地方団体、関係団体などからの意見等を踏まえたものと考えられます。
※金原注 上記の「声明」は以下のとおり。
 
 さて、以上は、公立図書館と指定管理者制度に関わる全国的な動向のご紹介でしたが、以下には、和歌山市の動きを簡単にご紹介しておきます(詳細は、情報収集をした上で、続報に書きたいと思います)。
 まず、マスコミ報道から。
 
朝日新聞デジタル 2017年6月3日03時00分
和歌山)和歌山市民図書館、指定管理者制度導入へ(大森浩志郎)
 (抜粋引用開始)
 和歌山市民図書館を南海和歌山市駅前に移転する計画を進めている市が、新図書館に「指定管理者制度」を導入する方針を固めたことがわかった。管理運営を民間に委託することで、サービス向上と費用削減を目指す。市は制度導入のため、6月議会に市民図書館条例の改正案を提出する予定だ。導入が決まれば県内の公立図書館では初となる。
 市は市民の利用を増やすため、新図書館の開館時間の延長や開館日の拡大を検討している。蔵書は45万冊から60万冊に順次増やしていく。市直営である現在の市民図書館では正職員14人、非常勤職員23人の計37人が働く。新図書館では職員数を45~50人に増やすことも検討している。
 こうしたサービスの提供や管理運営費用の削減、さらに、駅周辺のにぎわい創出を目指すため、市は民間の運営ノウハウの導入を模索してきた。市民図書館条例の改正案が議会を通れば、事業者を公募して委託先を選定する見込みで、その指定を議会に諮ることになる。
(引用終わり)
 
 上記記事にあるとおり、「和歌山市民図書館条例」の改正案が和歌山市議会の6月定例会に提案され(議案第11号)、可決されたということは市議会のホームページで確認しましたが、和歌山市ホームページから外部サイトにリンクされている「和歌山市例規集」には、まだ改正の内容は反映されていませんでした。もっとも、改正規定の施行時期については、「この条例は、公布の日から起算して2年9月を超えない範囲内において規則で定める日から施行する。」(附則)とありますので、当分、例規集には反映しないかもしれません。
 そこで、市議会ホームページに掲載されていた議案第11号から、主要部分を引用しておきます。
 
(引用開始)
第2条の表和歌山市民図書館の項中「湊本町3丁目1番地」を「屏風丁17番地」に改める。
第3条の次に次の2条を加える。
(休館日)
第3条の2 (省略)
(開館時間)
第3条の3 (省略)
第5条中「教育委員会」を「指定管理者」に改める。(金原注:第5条は、教育委員会が一定の者の入館を拒絶したり退館を命じたりできるとした規定)
第16条を第18条とし、第15条の次に次の2条を加える。
第16条 図書館の管理は、指定管理者に行わせるものとする。
第17条 指定管理者が行う業務は、次に掲げる業務とする。ただし、市長に専属する権利及びこの条例において市長に留保されている権利を行うことはできない。
(1)法第3条に定める図書館奉仕の事業に関する業務
(2)図書館の施設の利用及びその制限に関する業務
(3)図書館の維持管理に関する業務
   附 則
 この条例は、公布の日から起算して2年9月を超えない範囲内において規則で定める日から施行する。
(引用終わり)
 
 要するに、現在、和歌山市直営で管理運営している和歌山市民図書館を、駅ビルへの移転を機に、指定管理者に管理させることにするという条例です。
 条文中、少し分かりにくいのは、第17条(1)に規定されている「法第3条に定める図書館奉仕の事業に関する業務」でしょうか。
 この「法」というのは「図書館法(昭和二十五年四月三十日法律第百十八号)」のことで、「和歌山市民図書館条例」の上位規範としての効力を持つ法律です。
 同法第2条(定義)、第3条(図書館奉仕)は、「図書館とは何か?」ということを考える場合の最も基本的な理念に関わる条項なので、全文引用しておきます。
 
(定義)
第二条 この法律において「図書館」とは、図書、記録その他必要な資料を収集し、整理し、保存して、一般公衆の利用に供し、その教養、調査研究、レクリエーシヨン等に資することを目的とする施設で、地方公共団体日本赤十字社又は一般社団法人若しくは一般財団法人が設置するもの(学校に附属する図書館又は図書室を除く。)をいう。
2 前項の図書館のうち、地方公共団体の設置する図書館を公立図書館といい、日本赤十字社又は一般社団法人若しくは一般財団法人の設置する図書館を私立図書館という。
(図書館奉仕)
第三条 図書館は、図書館奉仕のため、土地の事情及び一般公衆の希望に沿い、更に学校教育を援助し、及び家庭教育の向上に資することとなるように留意し、おおむね次に掲げる事項の実施に努めなければならない。
一 郷土資料、地方行政資料、美術品、レコード及びフィルムの収集にも十分留意して、図書、記録、視聴覚教育の資料その他必要な資料(電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られた記録をいう。)を含む。以下「図書館資料」という。)を収集し、一般公衆の利用に供すること。
二 図書館資料の分類排列を適切にし、及びその目録を整備すること。
三 図書館の職員が図書館資料について十分な知識を持ち、その利用のための相談に応ずるようにすること。
四 他の図書館、国立国会図書館地方公共団体の議会に附置する図書室及び学校に附属する図書館又は図書室と緊密に連絡し、協力し、図書館資料の相互貸借を行うこと。
五 分館、閲覧所、配本所等を設置し、及び自動車文庫、貸出文庫の巡回を行うこと。
六 読書会、研究会、鑑賞会、映写会、資料展示会等を主催し、及びこれらの開催を奨励すること。
七 時事に関する情報及び参考資料を紹介し、及び提供すること。
八 社会教育における学習の機会を利用して行つた学習の成果を活用して行う教育活動その他の活動の機会を提供し、及びその提供を奨励すること。
九 学校、博物館、公民館、研究所等と緊密に連絡し、協力すること。
 
 第3条2号「図書館資料の分類排列を適切にし、及びその目録を整備すること。」を読むと、直ちに、先にご紹介した神奈川県海老名市のTSUTAYA図書館を思い出してしまいますね。多分、TSUTAYAカルチュア・コンビニエンス・クラブの担当者は、図書館法を読んだことがなかったのでしょう。
 
 あと、本質的な問題とは言い難く、ややいちゃもんめきますが、今回の条例案の第17条にある「ただし、市長に専属する権利及びこの条例において市長に留保されている権利を行うことはできない。」という表現が気になります。私が大学や司法研修所で学んだのはもう何十年も前のことですから、私の感覚が今でも通用するか自信はありませんが、私が身につけた法学的素養に従えば、この部分は、当然「ただし、市長に専属する権限及びこの条例において市長に留保されている権限を行う(もしくは「行使する」)ことはできない。」と起案するものだと思うのですけどね。
 
 ところで、この「和歌山市民図書館条例の一部を改正する条例案」(議案第11号)についての個々の議員の賛否の状況がどうであったかも書いておきます。
 実は、この条例案の中身を読みたいと思い、和歌山市議会のホームページをあれこれと調べていて、偶然気がついたのですが、和歌山市議会では、各議案についての議員別の賛否の状況をホームページ上で公開しているのですね。知らなかった。当然のこととはいえ、素晴らしいと思います。
 議案第11号に反対したのは、共産党議員団5名(中村朝人、松坂美知子、姫田高宏、南畑幸代、森下佐知子各議員)と日本維新の会2名(林隆一、山野麻衣子両議員)の計7名で、残る至誠クラブ(議長を除く18名)、公明党議員団(8名)、誠和クラブ(4名)の計30名の賛成で可決されました。
 
 ちなみに、和歌山県議会ホームページでは、「各会派の賛否の状況」が公開されています。会派として賛成の場合は「〇」、反対の場合は「✕」、会派の中で賛否が分かれたら「△」と表記することになっています。そこまでやるなら、議員個々の賛否を明記すればいいじゃないかと思いますよね。
 
 最後に、条例が出来てしまった今、私たち市民が何をすれば良いのか?ということが問題です。
 指定管理者をいったん指定したものの、直営に戻った自治体もありますから、将来的に「廃止」という選択肢を持ち続けることは必要でしょうが、当面、行政が指定管理者制度に何を期待しているのか、住民の懸念にどう向き合おうとしているのかを知り、私たちの意見を行政、あるいは議会(議員)に伝えていくという地道なロビー活動が重要になると思われます。
 その意味から、来る8月23日(水)に市民図書館3階ホールで開かれる「第2回 図書館づくりミーティング」は貴重な機会かもしれません。市民図書館ホームページから開催案内を引用します。
 
(引用開始)
第2回 図書館づくりミーティング
開催日時 2017年8月23日(水)
       18時30分から19時30分(開場18時)
場所 市民図書館 3階 ホール
開催内容 平成31年度10月開館予定の市民図書館についての経過報告を行います。
対象者 和歌山市内にお住まいの方、市内へ通勤・通学している方
定員 30人(先着順)
問い合わせ等
〒640-8222 和歌山市湊本町3丁目1番地
和歌山市民図書館 図書館設置準備班
電話:073-432-0010
FAX:073-422-7926
メール:toshokan@city.wakayama.lg.jp
(引用開始)
 
 なお、上記案内には明確に書かれていませんが、PDFファイルの名称として「市民図書館 指定管理導入における市民説明会」という表示がパソコン上にあらわれますから、そういう趣旨の説明会なのでしょう。それなら、ホームページ本文にもそう書けば良いと思いますけどね。
 ただし、同じ日の同一時間帯、私は、和歌山県民文化会館小ホールで行われる和歌山弁護士会主催による「“公文書”は誰のもの?~あらためて国民の知る権利を考える~」(※ブログでの開催案内)に参加予定のため、市民図書館の方に行けないのは残念です。
 
 カジノ誘致問題、家庭教育支援問題など、困難な課題が続く和歌山市に、また新たな難題が・・・というのが私の現在の心境ですが、他の2案件と同様、「公立図書館と指定管理者制度」についても、これまでの自分自身の関心の薄さ、知識のなさ加減をあらためて認識し、まずは勉強から始めなければと思っており、今日はその勉強の成果をまとめた第一弾です。カジノや家庭教育支援と同様、市民図書館指定管理導入問題も、私のブログでシリーズ化しそうです。
 是非、皆さまにも、継続して関心を持っていただければと思います。
 
(弁護士・金原徹雄のブログから/カジノ関連)
2016年12月8日
カジノ推進法案をめぐる和歌山の現状と読売新聞による徹底批判
2017年2月27日
和歌山弁護士会「いわゆる「カジノ解禁推進法」の成立に抗議し、同法の廃止を求める会長声明」(2017年2月27日)と和歌山でのカジノ誘致の動き
2017年3月10日
「カジノで観光・まちづくり!?ちょっと、おかしいんとちゃうか!緊急トーク集会」3/13@プラザホープのご案内と4月・5月の「予告編」
2017年3月26日
「カジノあかん3・25大阪集会」動画のご紹介と12/12参議院内閣委員会での新里宏二弁護士と鳥畑与一静岡大教授の反カジノ意見陳述
2017年4月5日
「カジノ実施法案」作成作業が始まりました~クリーンなカジノの実現を目指して(!?)
2017年6月21日
和歌山でのカジノ誘致に反対する動き~和歌山弁護士会「会長声明」(6/16)とカジノ問題を考える和歌山ネットワーク準備会「市民集会」(7/19)
2017年7月5日
 
(弁護士・金原徹雄のブログから/家庭教育支援関連)
2017年3月29日
2017年6月28日
2017年7月4日
2017年7月27日
2017年8月3日
2017年8月4日
2017年8月5日