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「沖縄 さまよう木霊~基地反対運動の素顔~」(MBSドキュメンタリー映像'17)上映後の斉加尚代氏ディレクターによるトークを視聴する

 2017年8月13日配信(予定)のメルマガ金原.No.2903を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
「沖縄 さまよう木霊~基地反対運動の素顔~」(MBSドキュメンタリー映像'17)上映後の斉加尚代氏ディレクターによるトークを視聴する
 
 2016年10月18日午前9時45分頃、ヘリパッド建設工事が進む沖縄県東村高江N1表ゲート付近で撮影されたこの映像をご記憶でしょうか?
 
沖縄県民を土人呼ばわりする大阪府警の機動隊員(41秒)

 
「「ボケ、土人が」。この高江で10月、大阪府警機動隊員が工事に反対する住民に放ったこの言葉に沖縄県知事はじめ県をあげて反発がひろがった。しかし、この発言に対し「差別とは断言できない」、「差別用語かどうか、一義的に述べることは困難」という趣旨の閣議決定がなされ、その後、基地に反対する人々への冷たい非難が増幅したかに見え、むしろ基地に反対する住民たちの振る舞いこそが「問題である」との声が広がった。インターネットで検索すると沖縄の市民運動そのものを「過激」「違法」とする書き込みが続々登場。オスプレイなどこれ以上の基地負担に抵抗する声は、戦後71年を経てもなお、米軍と米軍の意向のまま動く日本政府によって、押さえつけられている。
(略)
 「土人」発言をきっかけに広がった沖縄ヘイトといえる現象。基地反対運動に関し、これまで以上に虚実が入り交じる言論空間。私たちが見つめるべき真実は、どこにあるのだろう。番組では、日本全体の100分の1にあたる沖縄の声をめぐり、インターネットを中心にデマやバッシングが広がり、沖縄の人々の1の声が、いかに消されようとしているのか、その裏側と構図に迫りたい。」
 
 以上の文章は、2017年1月30日(月)午前0時50分~(29日深夜)、大阪の毎日放送から放映された「MBSドキュメンタリー映像'17 沖縄 さまよう木霊~基地反対運動の素顔~」について、番組ホームページに掲載された事前告知の一部を引用したものです。
 事前告知を読んだ時点では、番組ディレクターは、2015年9月に「なぜペンをとるのか~沖縄の新聞記者たち」(第59回JCJ賞受賞)という優れた番組を作った斉加尚代さんではないか?と推測しているだけでしたが、やはり斉加さんでした。
 その斉加さんをお招きし、「沖縄 さまよう木霊~基地反対運動の素顔~」を上映して斉加さんのお話をうかがうという企画が、去る7月30日、池袋の立教大学で行われ、その動画が、自由メディアFmATVchからアップされていましたのでご紹介したいと思います。
 
7・30「沖縄 さまよう木霊」上映会&トークショー(1時間11分)

冒頭~ 挨拶 砂川浩慶氏(メディア総合研究所所長/立教大学社会学部メディア社会学科教授)
3分~ 挨拶 斉加尚代氏(毎日放送ディレクター)
この後、MXテレビ「ニュース女子」と「沖縄 さまよう木霊~基地反対運動の素顔~」が上映されたが、配信動画からはカットされている。
6分~ トークショー① 斉加さんへのインタビュー(聞き手は砂川教授)
24分~ 西谷修氏(立教大学特任教授・哲学)
31分~ 斉加尚代氏
35分~ 沖縄への偏見をあおる放送をゆるさない市民有志 呼びかけ人
43分~ トークショー② 斉加さんへの質疑応答
 
 会場で斉加さんのお話を伺った方は、その直前に、1月2日に放送されたMXテレビの「ニュース女子」、そして「沖縄 さまよう木霊~基地反対運動の素顔~」を視聴しており、斉加さんもそれを前提としてお話されているのですから、ちゃんと理解しようとすれば、それらを見たいですよね。
 はなはだ安直な方法としては、前者であれば、「MXテレビ/ニュース女子/1月2日」というようなキーワードで動画検索する、後者であれば、「沖縄 さまよう木霊~基地反対運動の素顔~」という番組名を入力してYouTubeDailymotionで動画検索する、という方法があることはあります(もちろん自己責任で)。
 
 斉加さんのお話を補足する意味で、以下には、「MBSドキュメンタリー映像'17」ホームページでの番組告知に掲載された「取材ディレクターより」の一部をご紹介します。これは、私がブログに書いたこの番組の予告記事(放送予告・拡散希望1/29『沖縄 さまよう木霊~基地反対運動の素顔~』(MBSドキュメンタリー映像’17/2017年1月4日)の中で引用していたものです。
 
(引用開始)
 「ほっとけなかった・・・」。沖縄で生まれ、沖縄で暮らす泰真実さん(51)が、基地反対運動に関わることになったその理由です。(略)とても優しい目をしている泰さん。ところが、インターネットで検索すると「沖縄極左」「過激派」とされています。1970年代の「成田闘争」で暗躍した人物だと告発する脅迫状が職場にも届きました。根も葉もないデマです。こうして、泰さんはネット空間で危険人物に仕立て上げられていったのです。
 「基地反対運動は県外からの活動家、過激派」。大阪府警機動隊員が東村高江のゲート前で暴言を吐いて以降、そんな言説が一気に広まりました。高江を取り囲んで建設される米軍北部訓練場のヘリ着陸帯に反対する人たちをめぐる風雪。衝撃だったのが、ネット空間に影響されてか「基地反対派は酷いねえ」と身近な人たちが語り始めたことでした。
(略)
 今回の取材では、「え、まさか」と絶句する出来事が連続しました。その極めつけが、「基地反対派は暴力集団」「危険で近寄れない」と新年早々に報じた東京の情報番組。信じる人はいないだろう、そう思う自分がいると同時に、取材を通じ「デマは大げさなほど拡散する」ことを身をもって体験した自分がいます。この言論空間で基地反対運動への虚構が作り上げられようとしているのだとしたら、一体それはなぜなのか・・。突き詰めれば、私たちの暮らしそのものにもつながっていて、沖縄だけの問題ではありません。であるならば、今こそ基地反対運動の素顔に目を向けてほしい。そんな思いで作った番組です。ずっと語り継がれてきた沖縄戦と戦後72年間を歩んできた沖縄の人々の歴史に思いを寄せることができたなら、この言論空間にさまよう木霊(こだま)のありように、これからどう向き合うべきか考えることができると思うのです。
(引用終わり)
 
 上記の私のブログでは、番組案内の枠を超え、記録に留める目的で、「土人発言」問題に関連するサイトをいくつか紹介していますので、ご参照いただければと思います。
 
 ところで、斉加尚代さんといえば、2015年11月6日(金)、きのくに志学館(和歌山県立図書館)2Fホールにおいて和歌山弁護士会が主催したシンポジウム「今、報道の自由を考える~国民の知る権利の観点から~」にパネリストの1人としてご登壇いただき(他には、毎日新聞社会部記者の福田隆さん、「「避難の権利」を求める全国避難者の会」共同代表の宇野朗子さんが登壇されました)、終了後、私は、斉加さん、宇野さんらと美味しいピザやパスタを一緒にいただいた(ぶらくり丁の「農園レストラン 石窯ポポロ」にて)という貴重な想い出があるのです。
 しかし、シンポを所管した和歌山弁護士会人権擁護委員会のメンバーが1人もおらず、弁護士は私1人だったのは何故だったんだろう?(全然記憶にない)。
 
 毎月1回(最終日曜日の深夜)の放送枠ですが、毎日放送の「MBSドキュメンタリー映像」は、関西ローカルであるのがもったいない、素晴らしい内容の番組を送り出しており、私のブログでもたびたび事前予告をさせてもらったり、関連記事を書いたりしています(最近では、「学び舎の中学歴史教科書『ともに学ぶ人間の歴史』に対する攻撃とある教育者の対応(情報共有のために)」など)。
 斉加尚代さんをはじめとする番組スタッフの皆さんの頑張りにエールを送るとともに、今後も良い番組を作り続けていただきたいと念願しています。
 
(付録)
 「メルマガ金原」では毎号(付録)として、YouTubeで聴ける音楽をご紹介していましたが、7月6日以来、メールアカウントの不調により、「メルマガ金原」を休載してから1ヶ月以上が経過しました。日々の忙しさに紛れ、復旧のための作業に取りかかれず、「メルマガ金原」の配信を休んでブログの更新だけにしたとたん、毎日の睡眠時間が1時間は増えましたので、健康のためにも、この酷暑を乗り切るまでは「メルマガ金原」の休載を続けようかと思っています。
 とはいえ、(付録)がないのも寂しいので、今日は、私がよく存じ上げている皆さんが結成した3人編成のバンド「紀州五十五万石」による『風に吹かれて(Blowin' in the Wind)』日本語ヴァージョン他の演奏をご紹介します(8月5日に収録されたものが12日に公開されました)。
 もっとも、演奏自体は動画の中のごく一部であり、全体では何と3時間12分もあります。これは、「SLOW」(Sustainable Lifestyle Of Wakayama~和歌山で持続可能なライフスタイルを研究する会)が6月から始めた(原則第2日曜日の12:30~15:30)インターネット番組の第3回目で、今回のテーマは「戦争を知らない・戦争を忘れない・戦争をしないために」というものでした。
 全体的にやや音声レベルが低くて聴き取りにくい箇所もありますが、3曲の演奏部分はあまりそういう不満は出ないと思います(PAを音楽優先にセッティングしているのかも)。それでは、「紀州五十五万石」の演奏を堪能してください。
戦争を知らない・戦争を忘れない・戦争をしないために・SLOW【3回目放送】

2分50秒~ 『風に吹かれて』(Bob Dylan
2時間45分~ 『天国への扉』(Bob Dylan
3時間01分~ 『パワー』(John Hall)