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和歌山弁護士会が「特定複合観光施設区域整備推進会議取りまとめ」に関するパブコメに送った意見書を読む

 2017年9月1日配信(予定)のメルマガ金原.No.2922を転載します。
 なお、「弁護士・金原徹雄のブログ」にも同内容で掲載しています。
 
和歌山弁護士会が「特定複合観光施設区域整備推進会議取りまとめ」に関するパブコメに送った意見書を読む
 
 昨日で締め切られた「特定複合観光施設区域整備推進会議取りまとめ~「観光先進国」の実現に向けて~」に対する意見募集(パブリックコメント)に意見を送っていただけたでしょうか?
 私が所属する和歌山弁護士会も、会としての意見を、持ち回り常議員会の議を経た上で提出しました。8月30日にレターパックで郵送したと聞いていましたが、郵便事故ということもあり得ると思い、昨日のブログでご紹介するのは控えた上で、弁護士会事務局に問い合わせました。その結果、「追跡確認したところ、昨日(31日午前10時40分)到着しておりました。(略)マスコミ発表はさきほど書面にて行いました。」という回答を得ましたので、安心して(?)ご紹介します。
 以下が、和歌山弁護士会が特定複合観光施設区域整備推進本部事務局宛に送った意見の全文です。
 
(引用開始)
                                       平成29年8月30日
 
特定複合観光施設区域整備推進本部事務局 御中
 
                                     和歌山弁護士会       
                                      会長 畑   純 一     
 
          「特定複合観光施設区域整備推進会議取りまとめ
         ~『観光先進国』の実現に向けて~」に対する意見書
 
第1 意見の趣旨   
 当会は、「特定複合観光施設区域整備推進」にかかるカジノ賭博解禁に反対する。
 
第2 意見の理由
1 ギャンブル依存症の拡大、多重債務問題及び青少年への悪影響
 我が国ではもともとギャンブル依存者の割合が高く(2013年の厚生労働省調査によれば、成人男性で約8.8%、同女性で約1.8%)、カジノの解禁はこれに拍車をかけるとともに、多重債務の新たな要因となる可能性がある。
 また、「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律」(いわゆる「カジノ解禁推進法」)の施行によって、観光地にカジノが存在することとなると、ギャンブルに対する青少年の抵抗感が薄れ、健全な育成を阻害するおそれがある。
2 暴力団の関与及びマネー・ロンダリングの問題
 暴力団が新たな資金源としてカジノへの関与を企図することは、容易に想定されるところである。また、カジノがマネー・ロンダリングの道具として利用されるおそれも否定できない。
3 市民に対するアンケート調査結果
 各紙報道によれば、和歌山県は、カジノを含むIRを積極的に誘致する姿勢を示している。
 しかし、建設候補地とされる和歌山市の市民に対し同市が実施したアンケート調査(平成29年1月実施、対象者571名、回答率約76%)によれば、「和歌山市にIRを誘致することになればどう思うか」との質問に対して、「反対」「どちらかといえば反対」は合わせて47.8%となっており、「賛成」「どちらかといえば賛成」の41.6%を上回った(なお、同市が昨年おこなったアンケート結果からは、反対意見は2.9ポイント増加し、賛成意見は2.7ポイント減少した)。
 建設候補地の自治体の住民がこのような意思を示したことは、カジノ設置に対する国民の不安のあらわれであるといえる。
4 よって、当会は、「特定複合観光施設区域整備推進」にかかるカジノ賭博解禁に反対する。
(引用終わり)
 
 簡潔な内容になっているのは、もっぱら時間の都合によるものでしょうし、常議員の賛成を得やすいように、過去、和歌山弁護士会が発出した会長声明の範囲内に留める方針で起案されたのかもしれません。
 和歌山弁護士会は、過去3回、カジノ問題について会長声明を出しています。
 
2014年10月10日
 
2017年2月27日
 
2017年6月16日
 
 同じことを言っていると言えば、まあそうですし、分かりきったことだと言われても否定はしませんが、分かりきった同じことを言い続けなければならないこともあるということでしょう。
 
 さて、いかに反対の世論が強かろうと、あの政権のことですから、IR整備推進法案(とでも略称するのでしょう)を臨時国会に閣法(内閣提出法案)として提出するのでしょう。そして、昨年12月のカジノ解禁推進法案(これは議員立法だった)採決に際して自主投票とした公明党も、今度の実施法案では(閣法ですから)党として賛成するのでしょうね。昨年の自主投票は何だったんだ?
 
(付記)
 明日(9月2日)、明後日(3日)の両日、和歌山県民文化会館(全体集会は小ホール)を会場として、「第24回全国市民オンブズマン和歌山大会」が開かれます。
 私も、ブログで紹介した手前、また、現地実行委員長の阪本康文弁護士から、「是非参加を」と言われていることもあり、全日程参加は時間的に無理ですが、何とか両日とも参加できればと思っています。予約していなくても(私もしていません)、当日受付(小ホールで受付)OKだそうです(参加費1,000円がそこで徴収されるのでしょう)。
 以下に、チラシに掲載されている大会スケジュールをご紹介しておきますが、現地実行委員会の畑中正好事務局長のFacebookを読むと、細かな変更があるような(特に1日目)。
 なお、3日(日)の9:30~11:20に行われる分科会の1つで「カジノ・ギャンブル」が取り上げられることになっており、私はこれに参加するつもりです。
大会スケジュール
9月2日(土)
12:00 開場(和歌山県民文化会館 小ホール)
13:00  開会+実行委員会挨拶
13:05~13:15 基調報告
13:15~13:40 森友学園加計学園問題情報公開結果
13:40~14:05 口利き記録制度調査結果
14:05~14:15 文書件名簿発表
14:15~14:35 政務活動費ランキング発表
14:35~14:55 休憩
14:55~15:15 寸劇
15:15~17:00 各地報告
17:00~17:20 落札率調査、電力購入・売却調査
17:20~17:40 包括外部監査の通信簿表彰 スピーチ
17:40~18:00 分科会宣伝、事務連絡
18:30~20:00 懇親会(アバローム紀の国)
9月3日(日)
9:30~11:20 分科会・終了後移動
①「えこひいき監視」
②「政務活動費」
③「カジノ・ギャンブル」
④「自治会」
11:30~12:00 大会宣言、決議(和歌山県民文化会館 小ホール)
12:00 閉会
 
(弁護士・金原徹雄のブログから/カジノ関連)
2016年12月8日
カジノ推進法案をめぐる和歌山の現状と読売新聞による徹底批判
2017年2月27日
和歌山弁護士会「いわゆる「カジノ解禁推進法」の成立に抗議し、同法の廃止を求める会長声明」(2017年2月27日)と和歌山でのカジノ誘致の動き
2017年3月10日
「カジノで観光・まちづくり!?ちょっと、おかしいんとちゃうか!緊急トーク集会」3/13@プラザホープのご案内と4月・5月の「予告編」
2017年3月26日
「カジノあかん3・25大阪集会」動画のご紹介と12/12参議院内閣委員会での新里宏二弁護士と鳥畑与一静岡大教授の反カジノ意見陳述
2017年4月5日
「カジノ実施法案」作成作業が始まりました~クリーンなカジノの実現を目指して(!?)
2017年6月21日
和歌山でのカジノ誘致に反対する動き~和歌山弁護士会「会長声明」(6/16)とカジノ問題を考える和歌山ネットワーク準備会「市民集会」(7/19)
2017年7月5日
2017年8月18日
2017年8月19日
2017年8月30日