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市民連合が野党4党に「衆議院議員総選挙における野党の戦い方と政策に関する要望」を提出(9/26)~しかし事態は思わぬ展開を

 2017年9月27日配信(予定)のメルマガ金原.No.2948を転載します。

市民連合が野党4党に「衆議院議員総選挙における野党の戦い方と政策に関する要望」を提出(9/26)~しかし事態は思わぬ展開を

 去る9月21日(木)、市民連合(安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合)が、「総選挙における野党協力を求める緊急アピール」を発表し、記者会見を開いたことは、その日のうちにブログでご紹介しました(市民連合「総選挙における野党協力を求める緊急アピール」を発表)。
 http://blog.livedoor.jp/wakaben6888/archives/50786035.html

『総選挙における野党協力を求める緊急アピール』
 http://blog.livedoor.jp/wakaben6888/archives/50786035.html
(引用開始)
 安倍晋三首相が9月末の臨時国会冒頭に衆議院を解散することが確定的となりました。森友・加計疑惑を隠蔽するために、所信表明演説も野党による代表質問もなしに解散を行う可能性さえ指摘されており、自己保身だけを目的とした大義なき解散・総選挙は、国会論戦を一貫して軽視してきた安倍政権による一連の憲法破壊の仕上げとも言うべき暴挙です。
 北朝鮮の「脅威」に多くの国民が恐怖を抱いている状況を奇貨として、解散総選挙を行い、憲法改正に必要な議席を確保するという安倍首相の策略は、ある意味でナチスの手口を想起させるものであり、日本の立憲民主政治は最大の危機に直面しています。
 日本の憲法と民主主義が守れるかどうかの瀬戸際において、立憲主義の価値を共有し、共通政策の確認を行ってきた野党は、小異にこだわり分断されてはなりません。立憲4野党が協力し、国民に対して民主主義を守るための選択肢を提示できなければ、悔いを千載に残すことになります。安倍政権下での改憲発議によるこれ以上の憲法破壊を許さないために、立憲4野党は大同につく決断をすべきだと訴えます。野党が協力するならば、私たち市民も全力を挙げて共に闘います。
2017年9月21日
安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合
(引用開始)

 そして、記者会見における山口二郎さん(立憲デモクラシーの会共同代表、法政大学教授)から、「来週前半にも、4野党が共有すべき具体的な政策提言を含む市民連合からの「要請書」を各野党に提出する」という予定が告げられましたので、「その「要請書」も、公表され次第、ブログでご紹介します。」とお約束していたところです。

 その「要請書」、正式には「衆議院議員総選挙における野党の戦い方と政策に関する要望」は、昨日(9月26日)、4野党の幹事長、書記局長に手渡されたそうです。山口二郎さんのtweetを引用します。

山口二郎Twitter 2017年9月26日
 https://twitter.com/260yamaguchi/status/912683252900544512
(引用開始)
今日、4野党の幹事長、書記局長と個別に会談し、市民連合としての政策提言と小選挙区における候補者一本化について要望書を出し、各党から基本的な同意を得た。これでいわゆるブリッジ共闘の枠組みはできた。さらに本格的な協力体制に向けて頑張っていきたい。
(引用終わり)

 ということで、市民連合のホームページに掲載された「要望」をご紹介します。

衆議院議員総選挙における野党の戦い方と政策に関する要望』
 http://shiminrengo.com/archives/1879
(引用開始)
 安倍晋三首相は、9月28日に召集する臨時国会の冒頭に衆議院を解散する決意を固めたと報じられています。憲法第53条に基づく野党の臨時国会召集要求を無視し、さらに代表質問、予算委員会における質疑をすべて省略して選挙を行うことは、言論に基づく議会政治を否定し、立憲民主主義を破壊する暴挙と言わなければなりません。
 この総選挙で再び与党およびその補完勢力に3分の2以上の議席を与えるならば、安倍政権が憲法改正を発議することは確実で、この選挙は憲政擁護の最後の機会となりかねません。立憲主義の原理を共有する4野党は、小選挙区においてそれぞれの地域事情を勘案し、候補者をできる限り調整することで与野党1対1の構図を作り、国民に憲政と民主主義を擁護する選択肢を提供する責任があります。
 私たち、安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合は、4野党が以下の政策を重く受け止め、安倍政権を倒すという同じ方向性をもって、全力で闘うことを求めます。

1 憲法違反の安保法制を上書きする形で、安倍政権がさらに進めようとしている憲法改正とりわけ第9条改正への反対。
2 特定秘密保護法、安保法制、共謀罪法など安倍政権が行った立憲主義に反する諸法律の白紙撤回。
3 福島第一原発事故の検証のないままの原発再稼働を認めず、新しい日本のエネルギー政策の確立と地域社会再生により、原発ゼロ実現を目指すこと。
4 森友学園加計学園及び南スーダン日報隠蔽の疑惑を徹底究明し、透明性が高く公平な行政を確立すること。
5 この国のすべての子ども、若者が、健やかに育ち、学び、働くことを可能にするための保育、教育、雇用に関する政策を飛躍的に拡充すること。
6 雇用の不安定化と過密労働を促す『働き方改革』に反対し、8時間働けば暮らせる働くルールを実現し、生活を底上げする経済、社会保障政策を確立すること。
7 LGBTに対する差別解消施策をはじめ、女性に対する雇用差別や賃金格差を撤廃し、選択的夫婦別姓や議員男女同数化を実現すること。

2017年9月26日
安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合
(引用終わり)

 昨日の午後6時から、市民連合が衆議院第2議員会館で開いた記者会見の動画を探しているのですが、全編動画はIWJのものしか見当たりませんでした(全編を視聴するには会員登録が必要です)。
 
中野晃一氏「希望の党が本当にまじめな選択肢になりますか?」山口二郎氏「民進党自由党の合流は野党の協力体制を強化していく方向に作用する」!~市民連合による野党4党へ要望書提出後の記者会見 2017.9.26
 http://iwj.co.jp/wj/open/archives/398980
ハイライト動画(5分16秒)
 https://www.youtube.com/watch?v=BQIYHDez_vc

 この「要望」に基づく申し入れについて、4野党の公式サイトはどう伝えたか、調べてみました。

民進党
https://www.minshin.or.jp/article/112635/%E3%80%8C%E9%87%8E%E5%85%9A%E3%81%A8%E4%B8%8E%E5%85%9A%E3%81%8C%EF%BC%91%E5%AF%BE%EF%BC%91%E3%81%A7%E6%88%A6%E3%81%88%E3%82%8B%E6%A7%8B%E5%9B%B3%E4%BD%9C%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%BB%E3%81%97%E3%81%84%E3%80%8D%E5%B8%82%E6%B0%91%E9%80%A3%E5%90%88%E3%81%8B%E3%82%89%E8%A6%81%E8%AB%8B%E5%8F%97%E3%81%91%E6%84%8F%E8%A6%8B%E4%BA%A4%E6%8F%9B
(引用開始)
 大島敦幹事長、辻元清美幹事長代行は26日、民進党本部を訪問した市民連合のメンバーから要請書を受け取り、意見交換した。
 市民連合のメンバーは、「今回の解散・総選挙に向けて、民主主義を擁護するための政策集を、野党にぜひとも提供していただきたい。そのために『野党と与党が1対1で戦える構図を作ってほしい』という、私どもの背後にいる多くの国民の強い願いを伝えにきた。しっかりとした旗印を立てて、『安倍政権を倒す』という同じ方向性を持って戦っていける構図を作ってほしい」と求めた。
 大島幹事長は、「党として重く受け止めたい。安倍政権の政治姿勢について、市民の怒りと同じ怒りを私たちも持っている。国会議員の役目は、与党も野党も『国が持っている権力を抑止する』というのが仕事。その点が弱くなってきていると思う。何よりも、現状の3分の2だと憲法発議が崩せないので、1対1の構図にするために、できることを全力で行っていきたい」と述べた。
(引用終わり)

日本共産党しんぶん赤旗
 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-09-27/2017092701_01_1.html
(抜粋引用開始)
「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」(市民連合)は26日、日本共産党民進党自由党社民党の野党4党に対し、次期衆院選での野党のたたかい方と政策に関する要望書を提出しました。
(略)
 4野党への要請後、市民連合は国会内で記者会見し、山口二郎法政大学教授は「野党の候補者一本化に向けて、各党の明確な意思が確認できた」と述べました。各党の対応として「要望された政策の実現、総選挙での与野党1対1の構図に向けてできることを全力でやりたい」(民進)、「要望は全面的に賛同、共有したい」(自由)、「政策についてはわが党も共有する」(社民)などの回答があったと説明しました。
 日本共産党は、小池晃書記局長、こくた恵二国対委員長・選対委員長が国会内で応対し、小池氏は「いままでの野党や市民の話し合いの積み重ねが結実した中身です。すべて実現する立場で選挙に全力でのぞみたい」と表明。「総選挙をたたかう旗印にし、さらに、選挙戦の中でより豊かなものにしていきたい」と語りました。
(引用終わり)
 
自由党
 http://www.seikatsu1.jp/activity/party/20170926-2.html
(引用開始)
 市民連合のメンバーから「9月28日の解散・衆議院議員選挙に向けて、野党4党が結集し小選挙区で候補者の一本化を行い『野党と与党が1対1で戦える構図を作ってほしい』と要請を受けた。
 木戸口参議院国会対策委員長は「去年の参議院議員選挙では野党統一候補の擁立によって、市民連合の皆さんをはじめ、多くの人の想いが議席に結び付いた。衆議院議員選挙は政権交代のチャンスであるので、小沢代表を中心に頑張っていきたい」と語った。
(引用終わり)

社民党 見当たらず

 ところが・・・その後、今日(9月27日)になって、「「民進党」が「希望の党」に合流で最終調整」(日テレNEWS24/2017年9月27日 15:03)という、ある意味かなり衝撃的なニュースが飛び込んできて、事態ははなはだ混沌となっています。
 http://www.news24.jp/articles/2017/09/27/04373671.html

 これら観測記事のどこまで信用できるのか、正直よく分かりませんが、同じく日テレNEWS24の記事の以下の箇所は「そうかもしれないな」と納得しました。

日テレNEWS24 2017年9月27日 17:45
民進と希望 合流利点は?小池氏出馬は?
http://www.news24.jp/articles/2017/09/27/04373697.html?utm_source=news24&utm_medium=featurelink&utm_content=373671&utm_campaign=n24_acquisition
(抜粋引用開始)
■この合流は双方にどういうメリットがあるのか?
 民進党では、希望の党に合流するための離党の動きに歯止めが掛からない状況だった。そうした中、来月の総選挙で政権批判の受け皿となるためには希望の党と連携を模索するしか道はなかった。
 一方、希望の党にとっては準備期間が短い中で全国で候補者を立てるのは不可能な状況だった。そのため民進党の全国組織と候補者は魅力的だったというわけ。
 一方で、消費税率の引き上げの是非や憲法改正の考え方など両党の政策には溝がある。また民進党内には小池代表の政治手法を懸念する声もある。にわか作りとはいえ政策や理念の一致がなければ「選挙に勝つためだけの政党」という指摘は免れない。 
(引用終わり)

 何が何だか分からない、とは言うものの、私には、前原誠司小池百合子という2人の日本新党出身者の背後に、どうしても「あの人」の姿を思い浮かべてしまうのですけどね(細川護煕さんではないですよ)。

 さて、市民連合や、全国各地で野党共闘を働きかけている市民団体はどうしますかね。とりあえず、山口二郎さんは、ご自身のTwitterで以下のように述べておられます(私も、今のところ、こう言うしかないだろうと思います)。

山口二郎Twitter 2017年9月27日
 https://twitter.com/260yamaguchi/status/912889681305534464

(引用開始)
悪いシナリオを考えだせばいろいろあるが、今は東京、神奈川以外の地域における野党候補の統一という従来の路線で選挙態勢を作るしかないのではないか。
(引用終わり)

 ところで、市民連合は、10月1日(日)16時から、新宿東口ビックカメラ前で、「みんなのための政治を、取り戻す」緊急街宣を行います。「市民連合のメンバーに加え、各界のゲストの方にも話していただきます。ぜひお越しください。」と呼びかけられているのですが、政党関係者、来ますかねえ。ここに、小池都知事が登場したら驚きますけどね。
 http://shiminrengo.com/archives/1887