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市民連合みえ(9/28)と市民連合(9/29)のステートメントを読む

 2017年9月29日配信(予定)のメルマガ金原.No.2950を転載します。
 
市民連合みえ(9/28)と市民連合(9/29)のステートメントを読む
 
 民進党の事実上の解党、そして希望の党への合流が一斉に報じられた9月27日以降、全国各地で野党共闘を進めるための働きかけに力を尽くしてきた市民団体は、各地の実情はそれぞれ異なるものの、大きな衝撃ととまどいを感じていることと思います。かくいう私も、市民連合わかやまの活動に関わってきましたので、そのような困惑を共有するものです。いずれ、一両日中の間には、野党側の選挙戦の構図(特に希望の党による「選別」の結果)がほぼ明らかになってくるでしょうから、それに合わせて、各市民団体としてどのように総選挙に取り組むのか、地域の実情に応じた方針を決定・公表する動きが相次ぐものと思います。
 そのような中、今年の7月に市民連合わかやま主催の企画で、よびかけ人の岡歩美さんに講演していただいたというご縁のある「市民連合みえ」が、昨日(9月28日)以下のようなステートメントを発表されました。文章を練り上げて推敲する時間がなかったのだろうなあと思わせる箇所はあるものの、一読、とても納得しましたし、勇気もわいてきました。このステートメントは、「市民連合みえ」公式Facebookで画像として公表されているのですが、そのままではやや読みにくいと思いますので、以下に全文転載させていただきます。
 
(引用開始)
                             2017年9月28日
                             市民連合みえ事務局  
 
                    民進党の「希望の党」への「合流」について
 
 本日9月28日午後、民進党両院議員総会が開かれ、民進党の予定候補が「希望の党」に公認申請することとし、「希望の党」との交渉については前原誠司代表に一任するとの方針が確認されました。このことについて、「市民連合みえ」としてのコメントを発表します。
 
 前原代表は、「自衛隊や日米同盟の強化は必要ですが、そのために憲法違反の法律を強引に成立させることは許されません」と述べ、事実上、違憲の安保法制を廃止する立場を再確認しました。しかし、「希望の党」の小池百合子代表は、9月28日午後の記者会見で「安保法制に賛成しないという方は、そもそも(公認の)申し込みをしてこないと思う」と述べ、党代表として安保法制に賛成の立場を表明しています。両者の基本政策は一致していません。
 
 それにもかかわらず、民進党衆院選予定候補を「希望の党」に公認申請させることは理解しかねることです。また、前原代表は「誰かを排除したいのではない」と述べましたが、小池百合子氏は9月27日のテレビ番組で「(公認候補者を)選別する」と発言しました。
 
 さらに、「市民連合みえ」と民進党は、市民団体と政党としても、市民団体と公認候補者としても何度も政策協定を結び信頼関係を積み上げてきました。しかし、今回の動きは永田町の国会議員だけのもので市民不在の事態です。「市民連合」をはじめとした多くの市民の選挙への自発的参加の流れを断ち切りかねない動きです。政治不信の高まりを懸念せざるをえず残念です。
 
 いうまでもなく、「市民連合みえ」の最重要目標のひとつは、違憲の安保法制の廃止であり、立憲主義を回復することです。この一点が私たちの扇の要です。私たちはまだ民進党三重県連や民進党の予定候補から公式な説明をいただいていません。今後、安保法制の廃止という最重要目標で一致できるかどうかを判断基準として、努力は継続していきたいと思います。
 
 三重県には「市民連合みえ」だけでなく、「市民連合すずか」、「市民連合伊賀・名張」、「市民連合いせ」など豊かに広がった運動の蓄積があります。10月1日には「市民連合三重4区」も発足します(「市民連合いせ」は残ります)。また、私たちは民進党だけではなく、共産党社民党とのあいだでも深い連携や信頼関係を築いてきました。それぞれの政党が努力することで野党間の信頼関係も積み上げられてきました。市民と野党の共闘を終わらせることなく、引き続き努力しましょう。
(引用終わり)
 
 そして、もう一つ、本日(9月29日)、市民連合(安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合)が以下の「見解」を公表しました。
 市民連合は、去る9月26日、「衆議院議員総選挙における野党の戦い方と政策に関する要望」を「立憲4党に~提出しました」が、今となっては「立憲4党」という表現は、この日を最後に使えなくなった訳で、何とも言いようがありません。
 けれども、この事態の急変について、市民連合としての基本的「見解」を早急に公表することが必要と判断したのだろうと思います。
 「見解」は、まとめの箇所で、「立憲主義を守り9条改悪を阻止するために個々人の判断で信頼に値する政党や立候補予定者を支援しつつ、急速に展開する政治情勢を注視し、市民と立憲野党・議員の共闘を力強く再生させる可能性を模索しつづけたい」としています。
 それにしても、「立憲主義を守り9条改悪を阻止する」と公言する議員が安心して身を置ける政党が、共産党社民党だけ(?)とは、恐ろしい時代になったものです。
 以下に、市民連合の「見解」を全文転載します。
 
9.29【民進党の事実上の解党と希望の党への「合流」方針についての見解】
(引用開始)
民進党の事実上の解党と希望の党への「合流」方針についての見解』
 
10月22日の総選挙に向けて、民進党が実質的に解党し、希望の党に合流することを決めたという事態を受けて、市民連合としての現状認識と今後の対応の仕方について見解を申し上げます。
 
市民連合は立憲4党と市民の協力態勢を作るべく、9月26日に選挙協力の必要性と7項目の基本政策を内容とする要望書を4野党の幹事長・書記局長に提出し、基本的な合意を得ました。しかし、民進党前原誠司代表がその直後、希望の党小池百合子代表と協議し、民進党所属の議員や党員、サポーター、さらに民進党に期待してきた市民に説明なく、希望の党への合流を主導してしまいました。
 
この民進党の決定によって、これまで構築してきた市民と立憲野党の協力の枠組みが大きく損なわれてしまったことは否めません。これまで一緒に努力してきた全国各地の市民の方々の無念の思いはどれだけ大きいか、想像に余りあります。私たち自身、力不足をかみしめています。しかし私たちはこれで意気消沈しているわけにはいきません。市民連合が掲げてきた7項目の基本政策の実現をめざして、可能な限りの努力をつづけます。
 
立憲主義に反する安保法制を肯定する希望の党と市民連合が共闘することはありえません。しかし、これまで立憲主義の擁護と安保法制の廃止を私たちとともに訴えてきた議員が数多く所属する民進党から希望の党への合流については、今後まだまだ紆余曲折が予想されます。地域レベルで立憲野党や立候補予定者と市民の協力体制が生きているところで市民結集により選挙を戦うなど、さまざまな可能性が残っています。そういう意味では、私たち市民が全国各地で声を上げ、それぞれに選挙や政治に関わりつづけることが、これまで以上に重要になっているとも言えるでしょう。
 
当面、市民連合としては、立憲主義を守り9条改悪を阻止するために個々人の判断で信頼に値する政党や立候補予定者を支援しつつ、急速に展開する政治情勢を注視し、市民と立憲野党・議員の共闘を力強く再生させる可能性を模索しつづけたいと考えます。
 
2017年9月29日
安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合
(引用終わり)