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武田恵世氏特別講演「第二回 風力発電・低周波音被害についての勉強会」(11/19@紀美野町総合福祉センター)のご案内

 2017年11月9日配信(予定)のメルマガ金原.No.2981を転載します。
 
武田恵世氏特別講演「第二回 風力発電低周波音被害についての勉強会」(11/19@紀美野町総合福祉センター)のご案内
 
 今年(2017年)9月28日付の朝日新聞朝刊の和歌山版(紀北)を読んだ方で、そこに掲載された写真付きの2つの記事に共通して登場する方がいることに気がついた人はそんなに多くはなかったかもしれません。
 正解は「松浦攸吉(まつうら・ゆうきち)さん」です。
 最初の「野党統一候補を要請 市民連合わかやま」では、同月27日に県庁内(県政記者室)で記者会見を行った市民連合わかやまの共同代表3名の写真が掲載されていますが、その右端に写っているのが松浦攸吉さんです。
 そして、2番目の記事「風力発電で住民ら勉強会 紀美野『被害のおそれ』」では、写真のキャプションに「『デメリットも知った上で必要か判断すべきだ』と話す松浦攸吉さん=紀美野町」と書かれています。
 松浦さんは、様々な市民運動に関わっておられ、そのうち、私もご一緒しているものとしては、上記記事にもある「市民連合わかやま」共同代表の他に、「子どもたちの未来と被ばくを考える会」事務局長などがあります。また、多分私は会員ではないと思いますが、何となくパートタイム広報担当を委託されている「平和と憲法を守りたい市民の声」代表というのもあります。そして、紀美野町での風力発電学習会で講師を務められたというのは、「風力発電の被害を考える会・わかやま」世話人代表だからでしょう。
 上記記事の一部を引用します。
 
朝日新聞(和歌山版) 2017年9月28日
風力発電で住民ら勉強会 紀美野「被害のおそれ」
(抜粋引用開始)
 海南市紀の川市など4市町に国内有数規模の風力発電所建設が計画されていることを受け、建設予定地の一つである紀美野町内で26日夜、住民らが勉強会を開いた。
 計画では海南市紀の川市有田川町紀美野町の山間部に、最大高さ約150メートルの風力発電機を計72基設置。最大出力は約32万4千キロワットを見込む。使用予定の風車は出力・大きさとも国内最大となる。
 勉強会講師の「風力発電の被害を考える会・わかやま」世話人代表の松浦攸吉さんは、県内の風力発電所周辺住民の一部が、耳鳴りや頭痛など、低周波音が原因とみられる体調不良を訴えた事例を説明。これらの住民は風車から650メートル~1キロ程度離れた場所に居住していたという。
 一方、紀美野町など4市町で検討されている計画では、住宅からの最短距離は500メートル、1キロ以内に約1800戸が存在するとされる。
(略)
(引用終わり)
 
 この紀美野町での「風力発電低周波音被害についての勉強会」の第二回が、来る11月19日(日)に開かれるというご案内をいただきましたので、以下にチラシ記載情報を転記してご紹介します。
 
(引用開始)
第二回 風力発電低周波音被害についての勉強会
 
特別講演 講師 歯科医師日本野鳥の会会員 武田恵世(たけだ・けいせ)氏
武田恵世氏プロフィール
1957年三重県伊賀市生まれ。大阪歯科大学卒業、歯学博士。大阪大学付属病院、天理病院をへて、三重県伊賀市上野桑町で歯科医院を開業。日本生態学会、日本鳥学会会員、伊賀市環境保全市民会議レッドデータブック作成委員会委員長、環境省希少動植物保存推進員、三重県公共事業環境検討協議会委員、介護認定審査会委員、三重県レッドデータブック作成委員会委員など。
著書:『風力発電不都合な真実』(アットワークス)、『自然エネルギ-の罠』(あっぷる出版社)、『伊賀のレッドデータブック』『三重県レッドデータブック」(いずれも共著)など。
自然環境関係の論文:風力発電機による鳥類の繁殖への影響、日本列島におけるタカの渡り、カモ科鳥類が越冬する池の環境条件など。
 
日時 2017年11月19日(日)13:30~16:30
場所 紀美野町総合福祉センター3F多目的ホール
    和歌山県紀美野町下佐々1408-4
入場無料
 
紀美野町を中心に紀の川市海南市有田川町にかけて、72基もの風車を建設するという国内最大級の風力発電所建設計画。一見環境に優しい自然エネルギ-と思われる風力発電ですが、建設に伴う環境破壊や聞こえない音(低周波音)による健康被害などの問題が各地で出てきています。今回、現役歯科医師日本野鳥の会会員として環境保全の見地から活動をされている武田恵世氏を講師に迎え、特別講演会を開催します。風車を建設してしまってから何かあっても遅い!風力発電って本当にエコなの?私達の暮らしにどんな影響があるの?低周波音って何?など、武田氏の講演を聴きながら、今一緒に学び考えませんか?
 
主催:武田恵世講演会実行委員会、きみの雑技団tel:090-5018-7218(フナヤマ)
協力:風力発電の被害を考える会・わかやま、ベーカリーテラス ドーシェル
(引用終わり)
 
 ところで、この日本最大級と言われる風力発電計画((仮称)海南・紀の川風力発電事業)、現在、環境影響評価法に基づく最初の段階(配慮書)における和歌山県環境影響評価審査会「意見」(10月17日)及び和歌山県知事「意見」(10月25日)が出たところです。
 この後、方法書の作成、環境影響評価の実施、準備書の作成、評価書の作成などという段階が続くのですけどね。
 「(仮称)海南・紀の川風力発電事業」に関する情報は、和歌山県環境生活部・環境政策局・環境生活総務課ホームページの中の下記ページに集められていますので、この問題に関心を持つ方は、時折チェックするようにしてください。
 
 とりあえず、同計画・配慮書に対する環境影響評価審査会「意見」と県知事「意見」をお読みいただければと思います。もっとも、知事「意見」は、審査会「意見」を踏まえたものですから、審査会「意見」だけ読んでも十分かと思います。
 ただし、知事「意見」のPDFファイルには、海南市紀の川市紀美野町有田川町からの意見照会(知事からの)に対する回答が添付されており、それを読むと、紀の川市有田川町の回答書に比べ、海南市紀美野町(とりわけ紀美野町)の回答内容が質量ともに「気合いの入り方が違う」と感じました。
 
「(仮称)海南・紀の川風力発電事業に係る計画段階環境配慮書」に対する環境の保全の見地からの意見(和歌山県環境影響評価審査会/平成29年10月17日)
(引用開始)
1 総括的事項
 (仮称)海南・紀の川風力発電事業について、本配慮書では、「事業性配慮(風況や社会インフラ整備状況)」、「規制配慮(法令等の制約)」及び「環境配慮(環境保全上留意が必要な場所の確認)」の3要件から風力発電機の設置予定範囲を設定し、具体的な施設の位置・規模又は配置・構造(以下「位置等」という。)を決めていくこととしている。
 しかし、配慮書では使用する風力発電機の重要な諸元である音響パワーレベルなどが明らかではなく、配慮書段階において「環境配慮」を、十分検討しているとは判断できない。中でも、環境配慮における風力発電機から住宅等への離隔距離について、環境省報告書を引用しているが、その内容理解については重大な誤認があると考えられ、距離設定が適切であるとは判断できない。
 速やかに、使用する風力発電機の具体的な諸元をできる限り明らかにした上で、住民意見や関係自治体からの意見を十分に勘案し位置等について検討を行うこと。重大な環境影響が避けられないと判断した場合には、対象事業実施区域の見直し及び基数や出力の削減を含む事業計画の全体的見直しを行うこと。
 なお、見直しを行う場合には、その検討過程については方法書において明らかにすること。
2 個別的事項
(1)騒音及び超低周波
 事業実施想定区域及びその周辺には住居等が存在しており、これらに対する騒音及び超低周波音による重大な環境影響が生じるおそれがある。
 離隔距離については、県内の既設風力発電機についても十分に把握、精査した上で、詳細な調査予測を行い、専門家等からの助言を得ながら、影響を回避低減すること。
(2)動物
 本事業で使用予定の風力発電機は、国内ではまだ運用事例がない巨大なもので、基数も72基と大規模である。そのため、特に鳥類・ほ乳類全般に重大な影響を及ぼすおそれがある。このことなどから、詳細な調査予測を行い、専門家等からの助言を得ながら、影響を回避低減すること。
(3)植物、生態系
 生態系に対する基本的な認識に基づき、事業により直接改変が行われる地域のみではなく、その周辺地域についても重大な影響を受けるおそれがあることから、詳細な調査予測を行い、専門家等からの助言を得ながら、影響を回避低減すること。
(4)景観
 本事業は、稜線部分の景観を大きく変えるおそれがあるにもかかわらず、どのように景観を保全していくか、具体的な考えが示されていない。
 なお、事業実施想定区域及びその周辺には、地域住民にとって愛着ある生石高原をはじめとする主要な眺望点及び景観資源が存在しているので、当該地域において景観にはとりわけ重要な文化的価値がある。
 方法書においては、景観をどのように保全していくのか、事業者としての考えを明らかにした上で、詳細な調査予測を行い、専門家等からの助言を得ながら、影響を回避低減すること。
 なお、主要な眺望点だけでなく、地域住民が日常生活上慣れ親しんでいる場所や近傍の住居についても身近な眺望点として選定し、適切な方法により調査及び予測を行こと。
(5)その他
 事業者は、地域住民の不安解消のため、配慮書段階の計画内容を事業実施面などで精査を行い、速やかに計画を詰めて、その内容について説明会を開催するなど積極的な対話に努めること。
 なお、住民等への説明の際には、環境影響及び根拠となるデータ等について正確な情報をわかりやすく提供すること。
(引用終わり)
 
「(仮称)海南・紀の川風力発電事業に係る計画段階環境配慮書」に対する環境の保全の見地からの知事意見(平成29年10月25日)
 
(参考動画)
 「風力発電の被害を考える会・わかやま」が主催した武田恵世さんの講演会「風力発電は本当にエコなのか?-風力発電不都合な真実-」(2013年6月2日/和歌山市勤労者総合センター)の動画があります。4年以上前の動画ですが、基本的な部分は今でも通用すると思いますのでご紹介します。なお、動画は5本分割となっています。
風力発電は本当にエコなのか?1/5「風力発電不都合な真実」(28分)
風力発電は本当にエコなのか?2/5「風力発電不都合な真実」(28分)
風力発電は本当にエコなのか?3/5「風力発電不都合な真実」(32分)
風力発電は本当にエコなのか?4/5「風力発電不都合な真実」(32分)
風力発電は本当にエコなのか?5/5「風力発電不都合な真実」(42分)
 
 もう少し新しい武田恵世さんの講演としては、2016年7月17日に(新潟県村上市で行なわれた『風力発電は村上を元気にするか』における武田さんの基調講演(1時間53分)があります。ただし、音声だけですが。
風力発電は村上を元気にするか』基調講演・武田恵世氏(音声のみ)
 
 なお、「風力発電の被害を考える会・わかやま」(2012年11月設立)が、和歌山における実態を訴えるために作った動画があります(YouTubeへのアップは2014年3月27日)。
風力発電の羽根の下で~和歌山における被害の実態~(53分)
 
(弁護士・金原徹雄のブログから)
2017年1月20日
2/15「低周波音問題について考える」シンポジウム(和歌山弁護士会)のご案内