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「立憲デモクラシー講座・第Ⅲ期」第2回・本田由紀氏(東京大学大学院教授)「家族に干渉する国家―家庭教育支援法案を中心に」のご紹介

  2018年1月30日配信(予定)のメルマガ金原.No.3063を転載します。
 
「立憲デモクラシー講座・第Ⅲ期」第2回・本田由紀氏(東京大学大学院教授)「家族に干渉する国家―家庭教育支援法案を中心に」のご紹介
 
 昨年12月から始まった立憲デモクラシー講座第Ⅲ期の第2回は、東京大学大学院教育学研究科教授の本田由紀氏による「家族に干渉する国家―家庭教育支援法案を中心に」でした(2018年1月26日(金)午後6時30分~/早稲田大学早稲田キャンパス・3号館301教室)。
 これまで、政治学憲法学の研究者による講座が多かった立憲デモクラシー講座で、教育学者による講演が行われるのは、もしかしたら初めてかもしれません。
 しかし、後に(参考図書)としてご紹介している本田教授による最近の共編著『国家がなぜ家族に干渉するのか 法案・政策の背後にあるもの』(青弓社ライブラリー)で論じられているように、自民党日本国憲法改正草案」第24条、家庭教育支援法案など、国家による家族への介入は見過ごすことのできない憲法問題になっています。
 まさに、立憲デモクラシー講座で今取り上げるにふさわしいテーマであり、第一人者の講師を得たということだと思います。
 動画は、いつものように「UPLAN(三輪祐児)」さんがアップしてくださっています。
 
20180126 UPLAN 本田由紀「家族に干渉する国家―家庭教育支援法案を中心に」(1時間59分)
 
 なお、巻末に、昨年の3月以降、「家庭教育支援関連」として私のブログで取り上げた記事などもご参照いただければ幸いです。
 
(参考サイト)
マガジン9 この人に聞きたい 2017年7月26日
本田由紀さんに聞いた(その1):国家による「家庭への介入」がはじまっている
マガジン9 この人に聞きたい 2017年8月2日
本田由紀さんに聞いた(その2):「戦争のできる国」に向かう流れに飲み込まれないために
24条変えさせないキャンペーン
 
(参考図書)
 本田由紀教授が立憲デモクラシー講座で話されたテーマと最も密接な関連がある著書といえば、2008年に勁草書房から出版されたこれでしょう。
 
『「家庭教育」の隘路 子育てに強迫される母親たち』本田由紀
 勁草書房刊/2008年2月/2000円+税
「家庭が子供をしっかり教育しろという圧力が現代日本では著しく高まっている。しかし家庭での教育には、逃れがたい家庭間の差異や、その責任を担う母親にとっての多くの悩みが観察される。「家庭教育」を背負う母親たちの実態と、それが子供に及ぼす影響を、インタビュー調査と大量アンケート調査の結果を駆使して明らかにする。」
※「家庭教育の隘路」というキーワードでGoogle検索すれば、多くの書評がヒットします。それだけ話題を集めた本だということでしょう。
 
  また、昨年、本田教授が伊藤公雄氏と共同編集され、青弓社から刊行された新著では、まさに家庭教育支援法案など、最近の国の政策の動向が様々な角度から分析されているようです。
 
『国家がなぜ家族に干渉するのか 法案・政策の背後にあるもの』本田由紀伊藤公雄共編著
 青弓社ライブラリー/2017年9月/1600円+税
「現政権の家族政策――家庭教育支援法案、親子断絶防止法案、自民党憲法改正草案(24条改正)、官製婚活などを検証して、諸政策が家族のあり方や性別役割を固定化しようとしていることをあぶり出す。日本の右傾化を問ううえでも重要な一冊。
執筆者:本田由紀二宮周平千田有紀/斉藤正美/若尾典子/伊藤公雄
 
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(弁護士・金原徹雄のブログから/立憲デモクラシー講座)
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